• 更新日 : 2021年8月27日

【定率法の償却率】旧定率法と250%と200%の違いを徹底解説

【定率法の償却率】旧定率法と250%と200%の違いを徹底解説

平成19年度税制改正によって定率法の償却率が250%に引き上げられ、平成23年度税制改正によって200%に引き下げられました。

税制改正の影響を受けて、定率法による減価償却率がどのように変化していったのかを解説します。

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旧定率法による減価償却方法とは

平成19年度の税制改正前の定率法による減価償却方法は、旧定率法と呼ばれています。旧定率法も現行の定率法も、「初年度にもっとも費用金額が大きくなる」という性質に違いはありません。

旧定率法による償却額の計算方法は、耐用年数省令別表第7の旧定率法による償却率表を使用し、未償却残高×旧定率法の償却率で計算します。

それでは実際に具体的な減却償却資産を挙げて償却額を計算してみましょう。

取得価額500万円、耐用年数5年の減価償却資産の場合の償却率は、耐用年数省令別表第7の旧定率法による償却率表から0.369であることが分かります。

上記減価償却資産を旧定率法によって償却額を求めるためには、

  • 取得価額500万円
  • 耐用年数5年
  • 償却率0.369

の3つを使用します。

 
償却額
累計額
未償却残高
(500万円-累計額)
1年目
1,845,000(500万円×0.369)
1,845,000
3,155,000
2年目
1,164,195(3,155,000×0.369)
3,009,195
1,990,805
3年目
734,608(1,990,805×0.369)
3,743,803
1,256,197
4年目
463,537(1,256,197×0.369)
4,207,340
792,660
5年目
292,492(792,660×0.369)
4,499,832
500,168
6年目
184,562(500,159×0.369)
4,684,394
315,606
7年目
65,606
[(500万円-4,684,394) - 500万×5%]
4,750,000
250,000
8年目
50,000((25万円-1円)÷5)
4,800,000
200,000
9年目
50,000((25万円-1円)÷5)
4,850,000
150,000
10年目
50,000((25万円-1円)÷5)
4,900,000
100,000
11年目
50,000((25万円-1円)÷5)
4,950,000
50,000
12年目
49,999(5万円-1円)
4,999,999
1

(出典:旧定額法と旧定率法による減価償却(平成19年3月31日以前に取得した場合)|国税庁HP

7年目の償却額は本来であれば116,458円が償却額となりますが、7年目に取得価額500万円の95%である475万円にもっとも近づくため、

償却額=(取得価額-累計額)-取得価額×5%

と比較し、額の少ない方を償却額とします。

取得価額の95%まで償却した翌年である8年目以降の償却額を求める計算式は、

8年目以降の償却額=(未償却残高-1)÷5

となります。

最終的に償却額が(未償却残高-1)÷5より少ない額になってしまう年度において、未償却残高が1円となるように償却します。

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平成19年度税制改正後の定率法とは

新たな定率法が導入されることによって、平成19年4月1日以降に取得し定率法を選択した減価償却資産に対して、250%償却をすることになりました。

実際の償却額は耐用年数省令別表第9の旧定率法による償却率表を参照します。

250%償却による償却額の計算方法は、

未償却残高×250%償却による定率法の償却率

で計算します。

取得価額100万円、耐用年数10年の減価償却資産の場合は、

  • 取得価額100万円
  • 耐用年数10年
  • 償却率0.250
  • 改定償却率0.334
  • 保証率0.04448

の5つを使用して償却額を計算します。

 
償却額
累計額
未償却残高
(100万円-累計額)
1年目
250,000(1,000,000×0.250)
250,000
750,000
2年目
187,500(750,000×0.250)
437,500
562,500
3年目
140,625(562,500×0.250)
578,125
421,875
4年目
105,468(421,875×0.250)
683,593
316,406
5年目
79,101(316,406×0.250)
762,694
237,304
6年目
59,326(237,304×0.250)
822,020
177,978
7年目
44,494(177,978×0.250)
866,516
133,483
8年目
44,584(133,483×0.334)
911,100
88,899
9年目
44,584(133,483×0.334)
955,684
44,315
10年目
44,314(44,315-1)
999,999
1

(出典:定額法と定率法による減価償却(平成19年4月1日以後に取得する場合)|国税庁HP

8年目の償却額は本来であれば33,371円が償却額となりますが、償却保証額44,480円(100万円×保証率0.04448)未満となるため、

償却額=(取得価額-累計額)×改定償却率
44,584=133,483×0.334

が適用されます。

さらに未償却残高が上記金額を下回った年度において、未償却残高が1円となるように償却します。

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平成23年税制改正で定率法の償却率が200%に引き下げ

平成23年税制改正によって、平成24年4月1日以降に取得した定率法を選択した資産は200%償却することになりました。

250%償却の概念や計算方法はそのまま継承され償却率のみが変更していますが、参照別表が異なるため注意が必要です。

250%償却の場合は耐用年数省令別表第9を参照し、200%償却の場合は耐用年数省令別表第10を参照することによって、定率法の償却率や改定償却率、保証率を確認します。

取得価額100万円、耐用年数10年の減価償却資産を200%償却する場合は、

  • 取得価額100万円
  • 耐用年数10年
  • 償却率0.200
  • 改定償却率0.250
  • 保証率0.06552

の5つを使用します。

 
償却額
累計額
未償却残高
(100万円-累計額)
1年目
200,000 (1,000,000×0.200)
200,000
800,000
2年目
160,000 (800,000×0.200)
360,000
640,000
3年目
128,000 (640,000×0.200)
488,000
512,000
4年目
102,400 (512,000×0.200)
590,400
409,600
5年目
81,920 (409,600×0.200)
672,320
327,680
6年目
65,536 (327,680×0.200)
737,856
262,144
7年目
65,536 (262,144×0.250)
803,392
196,608
8年目
65,536
868,928
131,072
9年目
65,536
934,464
65,536
10年目
65,535
999,999
1

(出典:定額法と定率法による減価償却(平成19年4月1日以後に取得する場合)|国税庁HP

7年目の償却額は本来であれば262,144×0.200=52,429となりますが、償却保証額65,520(100万円×0.06552(保証率))に満たないため、未償却残高262,144に改定償却率0.250を掛けた65,536を償却額とします。

最終年度は未償却残高が1円となるように償却します。

まとめ

定率法による減価償却は大きく分けて、

・旧定率法(減価償却資産の取得時期が平成19年3月31日以前)
・250%償却(減価償却資産の取得時期が平成19年4月1日以降平成24年3月31日まで)
・200%償却(減価償却資産の取得時期が平成24年4月1日以降)

の3種類に分類されます。

減価償却資産を取得した時期によって計算方法や償却率が異なりますので、減価償却費の計算の際にはご留意ください。

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よくある質問

旧定率法による償却額の計算方法は?

「未償却残高×旧定率法の償却率」で計算します。詳しくはこちらをご覧ください。

250%償却による償却額の計算方法は?

「未償却残高×250%償却による定率法の償却率」で計算します。詳しくはこちらをご覧ください。

200%償却による償却額の計算方法は?

250%償却の概念や計算方法はそのまま継承され、「未償却残高×200%償却による定率法の償却率」で計算します。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:国見 英嗣 (公認会計士)

株式会社ナレッジラボ 代表取締役
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