- 更新日 : 2026年10月7日
買掛金元帳とは?書き方や管理方法の注意点(テンプレート付き)
買掛金元帳は、仕入先元帳とも呼ばれる総勘定元帳の補助簿です。買掛金の発生時と支払時に記入します。仕入先ごとに買掛金の動きを記録するため、1件の仕入先につき1つの帳簿を使用しなければいけません。買掛金元帳の作成にはさまざまな注意点があります。この記事では、買掛金元帳の書き方や記入のポイントについて解説します。
買掛金元帳(仕入先元帳)とは?
仕入先ごとの買掛金の流れを把握するには、仕入先別に帳簿を作成する必要があります。ここで用いられるのが「買掛金元帳」です。
買掛金元帳は総勘定元帳の補助簿であり、「買掛金台帳」としても扱われます。同様の役割をもつ補助簿として、得意先ごとに売掛金を記録する「売掛金元帳」が挙げられます。ここからは、買掛金元帳の特徴を具体的にみていきましょう。
売掛金元帳については、下記記事で詳しく説明しています。
買掛金の状況が仕入先ごとに把握できる
買掛金元帳は、仕入先ごとに分けられた帳簿です。仕入先別に買掛金元帳を分けることで、それぞれの仕入先からの仕入量や買掛金残高がわかる台帳の役割を果たします。
特に仕入先が多い場合、買掛金元帳で仕入先ごとに買掛金管理を行い、買掛金の支払い漏れがないようにすることが大切です。
財務諸表の基礎データになる
買掛金元帳は財務諸表の基礎データとしても利用可能です。
貸借対照表や損益計算書といった財務諸表は、総勘定元帳の金額をベースに作成されます。
総勘定元帳の補助簿である買掛金元帳は、「買掛金」勘定の内訳を仕入先ごとに記帳したものです。従って、すべての買掛金元帳を合計した金額は、総勘定元帳の買掛金と一致します。
補助簿である買掛金元帳と照合することで、総勘定元帳のミスを見つけることができます。
仕入先元帳との違い
買掛金元帳と仕入先元帳は、買掛金の支払額を記入するかどうかが違います。
| 元帳名 | 記載内容 | ベースとなる勘定科目 |
|---|---|---|
| 買掛金元帳 | 仕入先ごとに掛仕入をした額と、買掛金の支払額を記録する | 買掛金 |
| 仕入先元帳 | 仕入先ごとの掛仕入額を記載する帳簿 買掛金残高は記録しない |
仕入 |
仕入先別に買掛金の流れを記帳したいときは「買掛金元帳」、仕入量を記帳するときは「仕入先元帳」を利用すると覚えておくといいでしょう。
そこで「マネーフォワード クラウド会計」では、初めての法人決算や、税理士に依頼せず自分で法人決算を行おうと考えている方向けに、「自分で法人決算!決算書の作り方ガイド」を用意しています。
※当資料は、専門家なしでの決算書作成を推奨している趣旨ではありません。ご自身での決算書作成が不安な場合は、専門家にご相談ください。
買掛金元帳のテンプレート・ひな形
買掛金元帳の作成にはテンプレートが便利です。
以下のページから、エクセル形式の買掛金元帳のテンプレートがダウンロードできます。買掛金を記帳する際にご活用ください。
買掛金元帳の書き方
買掛金元帳は、仕入先ごとに買掛金の流れを記録する帳簿で、次の事項を記載します。
- 品名
- 数量
- 単価
- 仕入金額
- 支払金額
- 差引残高
品名は、いわゆる「摘要欄」です。記載ルールは特にないため、商品名を入れます。仕入れた商品に特記事項がある場合、誰が見てもわかるように追記してもいいでしょう。
仕入れたときは、数量、単価をそれぞれ記録します。仕入金額は、数量と単価を掛けた額です。仕訳の際は、仕入金額を使用します。
支払金額の項目は、買掛金を支払ったときに記帳します。ただし、買掛金を支払う際に発生した振込手数料は、買掛金元帳には記録しません。振込手数料は買掛金ではないからです。
買掛金元帳は、月末の締め日に買掛金残高を繰り越す処理を行います。締め日は、仕入先ではなく自社に合わせましょう。
買掛金元帳の管理方法
買掛金元帳を管理する際に注意すべき点は、次の3つです。
- 仕入先ごとの管理
- 記帳するタイミング
- 次月繰越の扱い方
仕入先ごとの管理
買掛金元帳は、仕入先別に作成し、買掛金を管理する帳簿です。仕入先ごとの買掛金残高がわかるため、漏れなく買掛金を支払うことができるようになります。
また、仕入先ごとに買掛金と仕入を管理することで、仕入先ごとの仕入量と買掛金残高を一度に管理できるようになります。
複数の仕入先をまとめてしまうと仕入先ごとの管理ができなくなります。必ず、1つの仕入先で1つの買掛金元帳を使用しましょう。
記帳するタイミング
買掛金元帳を記帳するタイミングは、基本的に下記の2回です。
- 商品を仕入れて買掛金が発生したとき
- 買掛金を支払ったとき
買掛金が発生したときは、仕入金額に記入することで買掛金残高を増やします。反対に、買掛金を支払ったときは、支払金額に記入して買掛金を減らします。
仕入れた商品を返品したときも買掛金が減少するため、忘れずに記帳しましょう。
次月繰越の扱い方
買掛金元帳の記帳では、月末に買掛金残高を次月へ繰り越し、月ごとに借方貸方残高を一致させる処理が必要です。買掛金残高は、次の方法で繰り越します。繰り越しのための記帳であることがわかるよう、赤で記載しましょう。
- 品名に「次月繰越」と記入し、支払金額に当月の買掛金残高を記入
- 当月内の仕入金額と支払金額を一致させる
次月繰越した金額は、翌月の期首に「前月繰越」として買掛金残高に再度計上します。
買掛金元帳を作成する際の注意点
買掛金元帳を作成する際は、会計帳簿に共通する注意点だけでなく買掛金元帳ならではの注意点が存在します。
買掛金元帳作成時の注意すべき点は次の5つです。
- 仕入先別に作成する
- 締め切り日は自社の締め日と合わせる
- 定期的に仕入先と照合する
- 記載ミスは二重線と押印で訂正する
- 支払い完了後に押印する
仕入先別に作成する
買掛金元帳は、必ず仕入先別に作成しましょう。取引が少ないからと、買掛金元帳を1つにまとめてはいけません。買掛金元帳の本来の目的である、仕入先ごとの買掛金管理ができなくなるからです。
締め切り日は自社の締め日と合わせる
買掛金元帳は、決算書のベースとなる総勘定元帳の補助簿です。総勘定元帳と買掛金元帳の締め切り日が違うと、それぞれの残高が合わず決算書の金額が変わる恐れがあります。
正しい決算書を作成するためにも、買掛金元帳は総勘定元帳に合わせて締め切ることが大切です。
仕入先と自社の締め日が違う場合でも、買掛金元帳は自社に合わせて作成しましょう。
定期的に仕入先と照合する
買掛金元帳の残高は、定期的に仕入先と照合することが大切です。
残高の照合方法として、買掛金元帳の残高を基準とした「残高照合表」を作成し、仕入先に送付する方法があります。仕入先には、残高照合表と相手方の売掛金残高を照合し、間違いがないことを確認してもらいます。
買掛金残高の認識違いは、支払いのトラブルにつながるため、常に双方の認識を合わせるよう心がけましょう。
記載ミスは二重線と押印で訂正する
買掛金元帳の記載を間違ってしまったときは、修正ペンや修正テープでの修正は認められません。金額の改ざんや不正を疑われるからです。
訂正箇所に二重線を引き、二重線の上部に訂正金額を記載しましょう。さらに、二重線の横か上に、誰が訂正したかわかるよう押印します。
金額の一部だけ修正したい場合も、金額全体を二重線で消した上に押印し、修正します。こちらも、金額の改ざんや不正を防止する観点からです。
支払い完了後に押印する
買掛金の支払いが完了したら、社内で買掛金の支払いを依頼した書類に押印します。
書類の一例として、支払依頼書や決裁書が挙げられます。書類への押印により買掛金の支払完了が社内で合意されたことになるため、忘れずに押印しましょう。
買掛金元帳は仕入先ごとに買掛金の流れを記録
買掛金元帳は、仕入先ごとに買掛金取引の内容を記録する帳簿で、総勘定元帳の補助簿となります。
買掛金元帳を記載する際の注意点として、
- 月ごとに締め切り翌月に残高を繰り越す
- 修正するときは金額全体を二重線で消し押印する
- 複数の仕入先を1つの買掛金元帳にまとめない
- 締め日は自社の締め日と合わせる
などが挙げられます。
買掛金元帳では、仕入先ごとの取引状況もわかります。テンプレートを活用するなどして効率的に作成すると良いでしょう。
支払の申請・承認をペーパーレスにするなら「マネーフォワード クラウド債務支払」
届いた請求書を紙で回覧し、押印で承認して振込データを手入力する運用では、承認の滞留と入力ミスが月末の支払業務に集中します。
クラウド債務管理システム「マネーフォワード クラウド債務支払」は、メール・Web・紙で受領した請求書をAI-OCRでデータ化し、事前申請から支払申請・承認までのワークフローを自社の承認経路に合わせてペーパーレス・ハンコレスで運用できます。
承認済みの支払はFBデータの出力や銀行振込API連携によりネットバンキングへ振込依頼を実行できます。
仕訳はマネーフォワード クラウド会計/会計Plusをはじめとした各種会計システムへ連携可能。請求書は電子帳簿保存法・インボイス制度に対応した形で電子保管されます。
料金は従業員50名以下なら月額2,480円〜、51名以上は受領件数などに応じた個別見積です(請求書の受領代行はオプション)。
詳しくは、マネーフォワード クラウド債務支払のサービス資料をご覧ください。
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
最後に、この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料を紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
インボイス制度 徹底解説(2026年9月最新版)
インボイス制度は施行後もさまざまな実務論点が浮上し、国税庁によるQ&Aの追加・改訂が続いています。これを受けて、「結局どうすればいいのか、わからなくなってしまった」という疑問の声も多く聞かれるようになりました。
そこで、インボイス制度を改めて整理し、2割特例・3割特例や仕入税額控除における特例など実務での判断に迷いやすい論点を中心に、対応のヒントまで網羅的に解説した最新資料を作成しました。問題なく制度対応できているかの確認や、新人社員向けの教育用など、様々な用途にご活用いただける充実の資料です。
電子帳簿保存法 徹底解説(2026年9月 最新版)
電子帳簿保存法は、1998年の制定以降、これまでに何度も改正を重ねてきました。特に直近数年は大きな改正が続いた上に、現在も国税庁による一問一答の追加・改定が続いており、常に最新情報の把握が必要です。
70P以上にわたるボリュームであることから、ダウンロードいただいた方から大好評をいただいている1冊です。
マネーフォワード クラウド会計Plus サービス資料
マネーフォワード クラウド会計Plusは、データの自動取得、自動仕訳、自動学習の3つの自動化で経理業務が効率化できる会計ソフトです。
仕訳承認フローや業務分担にあわせた詳細な権限設定が可能で、内部統制を強化したい企業におすすめです。
マネーフォワード クラウド経費 サービス資料
マネーフォワード クラウド経費を利用すると、申請者も承認者も経費精算処理の時間が削減でき、ペーパーレスでテレワークも可能に。
経理業務はチェック業務や仕訳連携・振込業務の効率化が実現でき、一連の流れがリモートで運用できます。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会計の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
総勘定元帳の関連記事
新着記事
-
# 会計・経理業務
損益分岐点比率とは?計算式や目安・改善方法を解説
損益分岐点比率とは何を示す指標? 損益分岐点比率とは、実際の売上高に対して損益分岐点売上高が何%を占めるかを示す経営指標で、低いほど売上減少への耐性が高いです。 計算式は「損益分岐…
詳しくみる -
# 決算
赤字とは?意味や黒字との違い・原因・税金への影響・改善方法を解説
赤字とは何か?黒字との違いは? 赤字とは、収益より費用が多く利益がマイナスになっている状態です。 営業・経常・最終赤字で意味が異なる 赤字でも均等割や消費税は発生する 欠損金は法人…
詳しくみる -
# 会計・経理業務
水増し請求とは?具体例や罰則・発覚時の対応を解説
水増し請求とは、本来支払われるべき金額を不正に増やして請求する行為です。取引先への過大請求だけでなく、従業員による経費の不正申請でも問題になります。 この記事では、水増し請求と架空…
詳しくみる -
# 会計・経理業務
食料品の消費税減税はいつから?対象品目や税率、外食・酒類の扱いを解説
食料品の消費税減税はいつから? 食料品の消費税は2027年4月1日から2年間、現行8%から1%へ引き下げられる予定です。 減税期間は2027年4月〜2029年3月末 酒類・外食は対…
詳しくみる -
# 勘定科目・仕訳
冗費とは?意味や経費との違い・会計処理・削減方法を解説
冗費とは、簡単にいえば「無駄な費用」「なくても事業に大きな支障がない支出」を意味する言葉です。ただし、「冗費」という勘定科目があるわけではなく、税法上の必要経費や損金と同じ意味でも…
詳しくみる -
# 電子帳簿保存法
証憑とは?読み方や種類・保存期間を解説
証憑とは何か?種類・保存期間を解説 証憑とは、領収書・請求書・契約書など取引の事実を裏付ける資料の総称です。 帳簿記録・税務調査の根拠資料になる 法人は原則7年、個人は5〜7年保存…
詳しくみる
会計の注目テーマ
- 勘定科目 消耗品費
- 国際会計基準(IFRS)
- 管理会計
- 会計帳簿
- キャッシュフロー計算書
- 予実管理
- 損益計算書
- 減価償却
- 総勘定元帳
- 資金繰り表
- 連結決算
- 支払調書
- 経理
- 会計ソフト
- 貸借対照表
- 外注費
- 法人の節税
- 手形
- 損金
- 決算書
- 勘定科目 福利厚生
- 法人税申告書
- 財務諸表
- 勘定科目 修繕費
- 一括償却資産
- 勘定科目 地代家賃
- 原価計算
- 税理士
- 簡易課税
- 税務調査
- 売掛金
- 電子帳簿保存法
- 勘定科目
- 勘定科目 固定資産
- 勘定科目 交際費
- 勘定科目 税務
- 勘定科目 流動資産
- 勘定科目 業種別
- 勘定科目 収益
- 勘定科目 車両費
- 簿記
- 勘定科目 水道光熱費
- 資産除去債務
- 圧縮記帳
- 利益
- 前受金
- 固定資産
- 勘定科目 営業外収益
- 月次決算
- 勘定科目 広告宣伝費
- 益金
- 資産
- 勘定科目 人件費
- 予算管理
- 小口現金
- 資金繰り
- 会計システム
- 決算
- 未払金
- 労働分配率
- 飲食店
- 売上台帳
- 勘定科目 前払い
- 収支報告書
- 勘定科目 荷造運賃
- 勘定科目 支払手数料
- 消費税
- 借地権
- 中小企業
- 勘定科目 被服費
- 仕訳
- 会計の基本
- 勘定科目 仕入れ
- 経費精算
- 領収書 経費精算
- 交通費
- 勘定科目 旅費交通費
- 電子取引
- 勘定科目 通信費
- 法人税
- 請求管理
- 勘定科目 諸会費
- 入金
- 消込
- 債権管理
- スキャナ保存
- 電子記録債権
- 入出金管理
- 与信管理
- 請求代行
- 財務会計
- オペレーティングリース
- 新リース会計
- 購買申請
- ファクタリング
- 償却資産
- リース取引




