1. クラウド会計ソフト「マネーフォワード クラウド会計」
  2. 会計の基礎知識
  3. 簿記・経理の初心者におすすめの会計ソフトとは?使い方・種類・機能・違いを紹介
  • 作成日 : 2020年3月31日
  • 更新日 : 2020年10月28日

簿記・経理の初心者におすすめの会計ソフトとは?使い方・種類・機能・違いを紹介

所得税等の申告や融資を受けるために、事業で発生した収支の内訳などの財務状況を明らかにしておく必要があります。最終的に作成するのは貸借対照表損益計算書といった財務諸表ですが、経営者がみずから経理を行う場合はもちろん、経理担当者がいる場合であっても、すべてを紙ベースで作成するのは困難です。

限られた人的リソースで必要な財務諸表を正確・円滑に作成するには、会計ソフトが便利です。この記事では、会計ソフトを利用した経理と財務諸表等の作成、会計ソフト導入の手順について解説していきます。

会計ソフトとは何か?

会計ソフト(経理ソフト)は、会計処理を記録し、必要な帳簿書類を作成するためのアプリケーションソフトウェアです。簿記の実務に広く利用されています。一般的に、仕訳を記録できるほか、仕訳をもとに買掛金台帳や売掛金台帳などの得意先帳簿、賃金台帳、試算表などを作成する機能を有しています。

会計ソフトには、企業内部の管理会計を軸として自由に勘定科目を設定できるものが多いです。企業外部の利害関係者に公開する財務会計(主に大企業などで必要)とは役割が違いますので、それぞれの特徴を把握し、企業規模や会計処理に適したソフトウェアを選択する必要があります。

会計ソフトの必要性

企業、あるいは個人(個人事業主)において、会計ソフトを導入する事業者は増えています。会計ソフトを使わず、表計算ソフトといった代替ソフトを利用することもできますが、会計ソフトのほうがさまざまな面でメリットがあるためです。例えば以下のような効果が期待できます。

  • 会計処理に割く労力を減らせる
  • 経理や簿記の知識があまりなくても記帳できる
  • 青色申告(個人)での保存に必要な帳簿書類を簡単に作成できる
  • 確定申告書まで作成できる(主に個人事業主向け)
  • 事業の財務状況、経営成績を確認できる

法人向けの会計ソフトだと、確定申告にかかわる決算書類までは作成できないこともありますが、個人向けのほとんどは確定申告書の作成まで可能です。さまざまな面で作業が短縮でき、ほかの仕事に集中できる点で、事業効率化においても会計ソフトの導入はメリットがあるといえるでしょう。

経理・簿記の初心者におすすめできる理由

会計・経理ソフトは、経理・簿記の初心者にこそおすすめです。手書きや表計算ソフトだとわかりにくい処理も、会計ソフトだと視覚的でわかりやすく、簡単に処理することができるためです。1つの取引で複数の仕訳が必要となる複雑な複式簿記も、会計ソフトがあれば処理しやすくなります。

会計ソフトがあると何ができるのか、会計ソフトでできることとその内容、簿記素人にこそ会計ソフトの利用をおすすめする理由をここでは紹介します。

※なお、本記事で紹介する機能はすべての会計ソフトに備えられているわけではありません。

簿記の知識が補完できる

簿記の基本は、借方と貸方の金額が一致していることでしょう。簡単に説明すると、仕訳の右側の金額と左側の金額が一致していることです。いくら勘定科目が正しくても、左右の金額が一致しないと正しい仕訳にはなりません。このような簿記の基礎的な知識から補完できるように、会計ソフトには便利な機能が備わっているものもあります。

振替伝票入力

一例には、マネーフォワードの合計金額を表示する機能が挙げられます。
手書きの伝票にも合計金額を記入する欄はありますが、マネーフォワードなどの会計ソフトのなかには自動で金額を表示できるものもあるため、一目で左右の金額が一致しているかを確認することができます。

勘定科目の仕訳を自動提案

AIなどの技術を使い、これまでの入力の履歴などをもとに勘定科目を自動で提案する機能が備わった会計ソフトもあります。そのような会計ソフトであれば入力の手間を省けます。簿記初心者の場合は勘定科目の選定も迷いやすいため、勘定科目の自動提案は心強い味方になるでしょう。

もちろん、常に自動提案の内容が正しいわけではないため確認する必要はありますが、過去の同じような取引を調べるにしても、自動提案での勘定科目を使って検索できて便利です。

勘定科目 自動仕分

総勘定元帳など帳簿を自動で作成

法令では、企業と個人いずれも帳簿書類の保存義務が定められています。総勘定元帳などの帳簿類も、同じく保存義務が定められています。個人の白色申告書は、経費に関する簡易的な帳簿も認められます。

手書きや表計算ソフトであれば、伝票とは別に帳簿を作成する必要があります。しかし会計ソフトはシステムでひもづいているため、別途作成する必要はありません。伝票を入力するだけで帳簿を自動作成できるようになっています。

仕訳帳のほか、売掛帳や仕訳帳などの特殊仕訳帳も自動作成でき、売掛金管理や買掛金管理もしやすくなります。

振替伝票など帳票を自動で作成

請求書や給与管理システムとの連携が可能な会計ソフトの場合、外部システムの入力をもとに振替伝票などの帳票を自動作成できるものもあります。システムによって自動で金額が取得されることで入力ミスも軽減でき、初めてでも安心して利用できます。

明細データを自動入力&仕訳

会計業務で起こりがちなのが、金額などの入力ミスでしょう。しかし、会計ソフトなら給与管理システムなどと連携できるほか、預金口座やクレジットカードとの連携で明細データが取得され、自動取得と自動仕訳ができます。それにより、入力によるミスを大幅に減らすことが可能となります。

入力したデータは、仕訳帳や総勘定元帳など連携しているデータで確認できます。ミスがあってもすぐに訂正できるので、初心者にこそ会計ソフトはおすすめです。

売上やキャッシュフローなどのレポートを自動で作成

帳簿類とは別に、売上実績やキャッシュフローなどのレポートを自動で作成してくれる会計ソフトもあります。いずれも視覚的で初心者にもわかりやすいため、事業の状況を簡単に把握できます。

また、基本的な機能として、決算書の作成や確定申告書(主に個人事業主向け)の作成までできる会計ソフトもあります。会計管理や税務申告まで、まとめて1つのシステムで済ませたい人にも会計ソフトはおすすめです。

会計ソフトの使い方

会計ソフトの使い方は、初期の設定さえしっかりしていれば簡単に利用できます。ここでは、会計ソフトの導入から日々の業務での使い方までを紹介します。

ユーザー設定とデータ移行

会計ソフトを導入したらまずはじめに、企業名(または個人名)、事業所所在地、事業種別、申告種別(青色申告/白色申告)、消費税の区分など、ユーザー設定を行います。

これまで使用していた会計ソフトのデータがある場合は、データ移行を実施(ソフトによっては取り込めないものもあります)。事業途中からの導入の場合は、伝票や領収書など、会計ソフトへの入力に必要な書類をそろえておきます。

データ移行

初期設定

独自の勘定科目を使用している場合や、補助科目(会計管理の目的で使用)での集計が必要な場合は、使いやすいように勘定科目・補助科目を設定します。

固定資産を所有している場合は固定資産台帳に反映させるために固定資産の入力、個人事業主で按分(あんぶん)が必要な科目がある場合は按分の設定についても同時に済ませておきましょう。

勘定科目設定

データ連携設定

導入時にデータ連携を済ませておかないと、同じ処理が二重に計上されるなどミスが発生することがあります。金融機関の口座やクレジットカード、そのほかシステムと連携させたい場合はデータ連携の設定も済ませておきましょう。

データ連携が可能な会計ソフトでは、カード番号や口座番号などは必要なく、ネットバンキングや個人ページログイン画面で必要なID、パスワードだけで連携できるものが多いです。

会計ソフト データ連携

伝票作成

初期設定やデータ連携によって会計ソフトを利用できる環境が整ったら、日々の仕訳の入力・伝票作成が可能です。画面上で取引内容を登録していきます。

事業年度の途中から会計ソフトを利用する場合は、今期の現時点までの仕訳もすべて登録するようにしましょう。なお、データ連携をした場合は、この作業は必要ありません。

決算では、決算仕訳といって特殊な仕訳や処理などが必要になりますが、会計ソフトでは基本的に伝票作成だけでほとんどの帳簿を自動作成できるようになっています。大企業など月次監査が必要な企業を除く個人事業主や中小企業を想定した場合、決算以外の時期は基本的に伝票を登録するだけで処理は完了します。

データを入力したら、入力したデータが消失しないようにバックアップもとっておきましょう。ただし、クラウド型などユーザー自身がバックアップの処理を必要としない会計ソフトもあります。

会計ソフト 伝票作成

会計ソフトの種類と機能の比較表

ユーザー設定とデータ移行

ここまで会計ソフトの特徴を挙げましたが、会計ソフトは大きく分けてクラウド型、インストール型、無料ソフトがあり、機能や費用面が大きく異なります。以下は、それぞれの会計ソフトを比較した表です。

<機能比較表>

          クラウド型  インストール型無料ソフト
価格2~30万円/年間5~300万円/年間
初期設定コストなし必要なし
利用台数の制限あり
データの保存容量上限なしパソコンの容量内パソコンの容量内
スマホ・アプリ対応△(クラウド対応)×
セキュリティ×
データの復元×
バージョンアップ自動(課金なし)必要△(配布の形態による)
対応OSWindows/iOS
データ連携×

※使用する会計ソフトにより多く機能が変動するものは△

クラウド型

クラウド型は、主にネットワークを利用した会計ソフトです。

メリット

クラウド型のメリットは、オンライン環境によりデータの自動取得や共有が可能になることです。

  • さまざまなシステムと連携可能
  • スマホやタブレットと共有できる
  • ネットワーク環境があれば端末に依存せずに利用できる

利用できる端末数には制限があるものもありますが、基本的に、クラウド型はOSや端末の制限なく利用できます。そのため、ネットワーク環境があればさまざまな形でアクセスし、会計情報を取得・更新することが可能です。権限を付与することで、顧問税理士などとデータを共有することもできます。

デメリット

デメリットはネット環境に左右されやすいことです。

  • ネット環境に左右される
  • ランニングコストがかかる

オンラインでないとデータの登録や保存ができないため、すぐにデータを更新できません。また、月額制または年額制が多く、使用している限り費用がかかるため、デメリットに感じることもあるでしょう。

インストール(オンプレミス)型

インストール(オンプレミス)型は、利用するパソコンに会計ソフトをインストールするタイプの会計ソフトです。

メリット

クラウド型と異なりソフトウェアをインストールして使用するため、オンラインに接続することなく会計ソフトを利用できます。

  • スタンドアロンで利用できる
  • ランニングコストが不要

スタンドアロンでネットワーク環境に依存せずに利用できるのが、インストール型のメリットといえるでしょう。また、クラウド型のようにランニングコストは不要です。場合によっては、会計ソフトにかかるコストも抑えることができるでしょう。

デメリット

デメリットはランニングコスト以外の費用がかかること、バックアップの問題があることです。

  • 初期費用・アップデートコストがかかる
  • スタンドアロンだからこそのデメリット

インストール型は、ランニングコストが必要ない代わりに、初期費用やアップデートのコストがかかります。ランニングコストがかからないからといって、必ずしもコスト削減できるとはいえません。また、スタンドアロンだからこそ、利用端末がうまくアップデートできていなかったり、故障してしまったりしたら、すぐにデータを復元できないデメリットもあります。

無料ツール・ソフト

会計処理に対応したフリーソフト、または大手会計ソフトの無料プランを利用する方法、Microsoft officeのExcel(エクセル)を利用して会計処理を行うこともできます。なお、Office製品の利用は基本的に料金がかかりますが、パソコンによってはOffice製品が入ったものもあります。

メリット

メリットは、多くの無料ツールやソフトがすぐに使用できることです。

  • コストを抑えられる
  • すぐに利用できる

無料のツールやソフトは、そのほとんどがインストールまたは利用登録することによって、すぐに利用できるようになります。エクセルについても、すでにパソコンにインストールしてあれば利用可能です。すぐに使えるので、会計ソフトがどんなものか試してみたい初心者にはおすすめです。

デメリット

デメリットは、有料ツールのようには機能を自由に使えないことです。

  • 利用制限がある
  • 複雑な処理、多数の処理に向いていない

フリーの会計ソフトの多くは、端末の利用制限、仕訳件数の利用制限、システムとの連携ができないなど機能の制限があります。会計ソフトを使って会計処理の効率を上げたいなら、あまり向いていないでしょう。複雑な処理や件数の多い処理に関しても、利用制限によって思うようにできないこともあります。

以下の表は、会計ソフトを利用していると回答した法人や個人事業主のうち、どのような会計ソフトを使っているかを示した割合です。中小企業、個人事業主、いずれもランキング上位で人気が高いのはインストール型です。

大企業向け、中小企業向け、個人事業主向けなど、企業規模別に幅広いバリエーションでサービスを提供している会計ソフトもあり、長年利用されてきたこともシェア率が高い背景として挙げられます。

一方、近年注目されるようになってきたのがクラウド型です。リモートワークや自動取得などの利便性から、クラウド型を選択する会社や個人も増えています。

なお、会計ソフトを利用している個人や会社のシェアは以下のとおりですが、会計ソフトを利用していない層も多くいます。会計ソフトにコストを割けないと考える経営者や事業主も多いためです。

例えば、農業など外部雇用者が 少なく、事業規模も大きくない層などが考えられます。しかし、事業規模が大きくなくても、中には会計ソフトを取り入れることで経営に集中できるようになり、効率が良くなったという農業経営者もいます。

仕事がひとりに集中しやすい事業主こそ、会計ソフトを取り入れるメリットがあるかもしれません。目に見えるコストだけでは、会計ソフトの導入の効果は図れないのではないでしょうか。

 クラウド型   インストール型無料ソフト・表計算ソフト
中小企業12%70%18%
個人事業主21.3%67.7%不明

【参考】クラウド会計ソフトの利用状況調査(2020年4月末)
クラウド会計ソフトの法人導入実態調査

会計ソフト導入の前に確認しておきたいこと

法人向け会計ソフトかどうか

法人と個人では使用する勘定科目名に違いがあるなど会計処理が異なることがありますし、必要な決算書類も異なります。個人の場合、決算書といえばおおむね貸借対照表と損益計算書を指しますが、法人は貸借対照表と損益計算書に加え、通常は株主資本等変動計算書、個別注記表も必要です。

これは、法人が個人と違い、利害関係者向けに決算書を公開する(主に上場企業)必要があるためです。法人向け、個人向けの属性を誤って会計ソフトを導入すると、必要な帳簿書類や財務諸表を作成できなくなってしまいます。導入時には、法人向けか、個人向けかをよく確認しておきましょう。

機能が十分か

会計ソフトの中には、青色申告や白色申告でソフトが別々になっているものもありますし、消費税申告と計算が別になっているものもあります。現在の事業の状況に合わせて、必要な機能が備わっているかも確認しておきたいところです。

必要最低限の機能ではじめるのもひとつの導入方法ですが、今後事業を継続していく中で事業規模などが変わる可能性もあります。そのため、できれば複数の消費税処理に対応しているなどの機能がある拡張性の高い会計ソフトだと安心です。

サポートはしっかりしているか

初めて会計ソフトを導入するケースでは、使い方が分からないなどの理由でトラブルが起きることもあります。使用が初めてであれば、電話やチャットなどでリアルタイムにソフトメーカーからのサポートが受けられるような会計ソフトを選ぶとよいでしょう。

会計ソフトの中には導入支援が受けられるものもあります。すぐに使えるようになるかどうかといった導入が不安な場合は、導入支援を含めたサポートが充実している会計ソフトを選ぶのがおすすめです。

デモ版またはお試しがあるか

スペックや評判だけでは、実際の会計ソフトの使い勝手を知ることはできません。初めての場合は、無料で使えるデモ版やお試し版を利用して、ソフトの操作性、使い勝手、利用できる機能を確認しておきましょう。 

初心者におすすめの会計ソフトの選び方とコツ

ここまで会計ソフトの種類や機能などについて紹介してきました。初めて会計ソフトを導入する際は、失敗しないためにも複数の会計ソフトを比較することはもちろん、以下のようなポイントに気をつけて選ぶことをおすすめします。

  • 業界向けの会計ソフトを利用する
  • 会計に強いベンダーの会計ソフトを利用する
  • 顧問税理士と同じ会計ソフトを利用する
  • AIによる自動仕訳など機能面で選ぶ
  • 価格を抑えつつ必要な機能があるものを選ぶ

まとめ

会計ソフトは、企業や個人事業主の経理処理の効率を上げるだけでなく、処理がリアルタイムで反映されることで経営の効率を上げることにもつながります。会計ソフトの導入でつまずかないためにも、どのような会計ソフトを取り入れるべきかについては事業内容や規模、機能面などを比較した上で決めることが重要です。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

【監修】マネーフォワード クラウド会計

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