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  • 作成日 : 2020年3月31日

はじめての会計ソフト!初心者でも分かる手順を紹介

法人はもちろん、個人で事業を営む場合も、所得税等の申告(確定申告)や融資を受けるために、事業で発生した収支の内訳等といった、財務状況を明らかにしておく必要があります。最終的に作成するのは貸借対照表損益計算書といった財務諸表ですが、すべてを紙ベースで作成しようと思うと困難です。この記事では、会計ソフトを利用した経理と財務諸表等の作成、会計ソフト導入の手順について解説していきます。

会計ソフトで伝票作成や帳簿管理が楽になる

会社や個人の会計処理で、経理日報や手書きの伝票などで日々の収支を把握し、集計する方法を採っているケースもあるかもしれません。しかし、このケースには様々な問題があります。会計ソフトを導入した方がなぜよいのか、まずは主な理由を見ていきましょう。

帳簿類の作成と保管

法人、事業を営む個人には、帳簿等の備え付けと記録の義務のほか、保管の義務が定められています。保管期間は、法人の場合7年、個人は5~7年。個人の青色申告書なら帳簿書類のほとんどが7年です。

保管義務のある帳簿書類は、青色申告の場合だと、仕訳帳総勘定元帳現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳などが挙げられます。個人の白色申告者には、より簡易的な記帳が認められていますが、収入や経費についての帳簿や決算や業務に関連する書類の保管が必要です。

(参考:国税庁 個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について / 国税庁 記帳や帳簿等保存・青色申告 / 国税庁 帳簿書類等の保存期間及び保存方法

膨大な帳簿の管理は会計ソフトが楽

帳簿書類保管の義務について解説しましたが、会計ソフトを利用していない場合は、一つひとつ必要な書類を作成しなければなりません。

その点、会計ソフトは伝票に起こしている仕訳を入力するだけで、必要な帳簿のほとんどを自動作成できます。例えば、仕訳帳や総勘定元帳、売掛帳などです。伝票と各種帳簿の処理を別々に行わなくて済むため、作業の手間を大きく減らせます。

会計ソフトなら期中の修正も容易

会計ソフトは帳簿作成の面だけでなく、実務面でもメリットがあります。
例えば、計算や記帳のミスで、実際の現金残高や通帳残高と、帳簿上の残高が合わないといったことが日々の会計処理で発生することがあります。紙ベースで管理している場合、間違いに気づいた時点で必要な部分の修正、ほかの帳簿と連動している部分であれば関連する帳簿の書き換えもしなくてはなりません。表計算ソフトなどデータで管理している場合の修正は手書きよりも負担が減りますが、関連する帳簿すべてを修正することには変わりないでしょう。

その点、関連するデータのひもづけができている会計ソフトは、対象の仕訳を修正するだけで関連データにも自動的に反映されるため、修正が楽です。複数の帳簿を修正することによる確認ミスなども防ぐことができます。

会計ソフト導入の前に確認しておきたいこと

会計ソフトの導入が、日々の経理効率化にどれだけメリットがあるか、少しイメージできたのではないでしょうか。ここでは会計ソフト導入の前段階として確認しておきたいポイントを紹介します。

法人か個人事業主か

法人と個人では会計処理が異なることがありますし、必要な決算書類も異なります。個人の場合、決算書といえば、おおむね貸借対照表と損益計算書を指しますが、法人は貸借対照表と損益計算書に加え、通常は株主資本等変動計算書、個別注記表も必要です。

これは、法人が個人と違い、利害関係者向けに決算書を公開する(主に上場企業)必要があるためです。法人向け、個人向けの属性を誤って会計ソフトを導入すると、必要な帳簿書類や財務諸表を作成できなくなってしまいます。導入時には、法人向けか、個人向けかをよく確認しておきましょう。

>>個人事業主も会計ソフトが必要?事業規模・場合別の選び方
>>ビジネスに合った会計ソフトを探そう!会計ソフトの種類と比較方法

機能が十分か

会計ソフトの中には、青色申告や白色申告でソフトが別々になっているものもありますし、消費税申告と計算が別になっているものもあります。現在の事業の状況に合わせて、必要な機能が備わっているかも確認しておきたいところです。

必要最低限の機能ではじめるもひとつの導入方法ですが、今後事業を継続していく中で事業規模などが変わる可能性もありますので、できれば複数の消費税処理に対応しているなどの拡張性の高い会計ソフトだと安心です。

サポートはしっかりしているか

初めて会計ソフトを導入するケースでは、使い方が分からないなどの理由でトラブルが起きることもあります。使用が初めてであれば、電話やチャットなどでリアルタイムにサポートが受けられるような会計ソフトを選ぶのがよいでしょう。

導入支援が受けられる会計ソフトもありますので、すぐに使えるようになるかどうかといった導入が不安な場合は、導入支援を含めたサポートが充実しているものを選ぶのがおすすめです。

デモ版またはお試しがあるか

スペックや評判だけでは、実際の会計ソフトの使い勝手を知ることはできません。初めての場合は、デモ版やお試し版を利用して、ソフトの操作性、使い勝手、利用できる機能を確認しておきましょう。

会計ソフトを導入しよう

さまざまに吟味し、使用する会計ソフトが決まったら、いよいよ導入です。パッケージ版ならソフトをインストールして会計ソフトを立ち上げます。クラウド版はインストールの必要がなく、利用登録すれば使えるようになります。ここでは、会計ソフトを導入し、立ち上げたあとの初期設定のポイントついて見ていきましょう。

基本情報入力

会社名あるいは個人名、事業種別、申告の種別(青色申告、白色申告)、消費税の区分(簡易課税、原則課税、免税事業者)など、利用する会計ソフトの基本情報入力欄に合わせて設定します。クラウド版を利用する場合は、複数名で編集や閲覧が可能となるため、あらかじめユーザーの権限設定をしておくと編集ミスなどのトラブルを回避できるので便利です。

勘定科目などの初期設定

すでに事業を営んでいる場合は、当期の開始残高の設定を行います。勘定科目の設定、固定資産の設定も済ませておきましょう。

勘定科目は、計算書類に表示する表示科目とは異なる、日々の会計処理で使用する科目のことで、業種によって設定科目は異なってきます。例えば、医業なら、医薬品(資産)、入院診療収益(収益)などです。これまでに使用している科目があれば、必要に応じて勘定科目を編集していきます。期中で会計ソフトを導入する場合は、勘定科目の設定後、期首から導入日までの仕訳も入力しておきます。

>>会計ソフトの補助科目設定で経理作業がもっと便利に!

口座情報やカードなどの情報

仕訳はすべて手入力の会計ソフトもありますが、銀行口座やクレジットカード、交通系カードなどのデータと連携して自動で取引を取得してくれるようなソフトもあります。ほかデータとの連携ができるものなら、連携した情報が利用できるように必要に合わせて登録しておきましょう。データを連携させておけば、手入力での数値入力のミスが減るほか、仕訳作業の手間が軽減されるので便利です。

ここまで設定、登録しておけば、仕訳データを入力するための下地は整います。

会計ソフト運用中の注意点

会計ソフトは、日々の会計処理を記録し管理するのに便利ですが、使い方を誤るとトラブルを招くこともあります。ここでは、会計ソフト運用中の注意点を見ていきましょう。

バックアップをとる

会計ソフトをインストールして利用する場合、固定のパソコンで使用するケースもあるかと思います。この場合、使用中のパソコンが故障するとデータが消失する可能性があります。端末が故障してもデータを取り出せるようにするため、バックアップを取り、ハードディスクに保存するか、ローカルの共有ファイルに保存するかといった対策が必要です。なお、クラウド版ならクラウドバックアップにより、個別でバックアップを取る必要はありません。

セキュリティ面に注意する

会計ソフトには、企業または個人の情報が含まれているので、使用する端末でのセキュリティも高めておく必要があります。個別でのセキュリティ面対策に不安があるなら、セキュリティが高く安心して利用できる会計ソフトを選ぶのも選択肢のひとつです。

まとめ

はじめての会計ソフトでも大丈夫

会計ソフト自体が初めての場合、どうやって使えばよいのか分からないなど、導入の面で不安を抱えている方もいらっしゃるかと思います。会計ソフトは、一度導入して下地さえ作ってしまえば、難しい操作はほとんどありません。ガイドをみても不安なら、電話やチャットでのサポートが利用できる会計ソフトを選ぶと安心です。

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:並木 一真(税理士/1級FP技能士/相続診断士/事業承継・M&Aエキスパート)

並木一真税理士事務所所長
会計事務所勤務を経て2018年8月に税理士登録。現在、地元である群馬県伊勢崎市にて開業し、法人税・相続税・節税対策・事業承継・補助金支援・社会福祉法人会計等を中心に幅広く税理士業務に取り組んでいる。

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