• 更新日 : 2022年10月27日

2022年版-会計ソフトとは?簿記・経理初心者におすすめの種類

2022年版-会計ソフトとは?簿記・経理初心者におすすめの種類

この記事では、会計ソフトの種類や機能、初心者向けの使い方などを解説します。貸借対照表損益計算書などの決算書を作成するためには、事業で発生した収支の内訳や財務状況を経理によって明らかにしておく必要があります。

しかし、経営者がみずから経理を行う場合はもちろん、経理担当者がいる場合であっても、すべての処理を紙で行うのは困難です。限られた人的リソースで必要な決算書を正確にかつ円滑に作成するには会計ソフトが便利です。

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目次

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会計ソフトとは?

会計ソフト(経理ソフト)は会計処理を記録し、決算に必要な帳簿書類を作成するためのアプリケーションソフトウェアです。簿記の実務に広く利用されています。
一般的に、仕訳を記録できるほか、仕訳をもとに買掛金台帳や売掛金台帳などの得意先帳簿、総勘定元帳試算表などを作成する機能があり、決算書の作成にかかる業務を削減できます。

また、会計ソフトは企業外部の利害関係者に会社の経営成績や財務状況を報告するための情報整理にも活用できます。詳細な財務状況等の把握を行うために勘定科目や補助課目を設定できるソフトが多く、管理会計の観点からも便利なツールとして多くの企業で活用されています。

なお、会計ソフトには個人事業主向けや給与計算機能を含むものなどさまざまな種類があります。2022年1月に改正・施行された電子帳簿保存法のような最新の法律・法令への適応状況も含め、それぞれのソフトの特徴を把握したうえで、企業規模や会計処理に適したソフトウェアを選択する必要があるでしょう。

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会計ソフトを導入するメリット

企業や個人事業主が会計ソフトを導入するケースは増えています。記帳や集計だけなら表計算ソフトなどでも可能ですが、会計処理に特化している会計ソフトのほうが以下のようなさまざまな面でのメリットが期待できます。

  • 会計処理に割く労力を減らせる
  • 経理や簿記の知識があまりなくても利用しやすい
  • 保存が必要な帳簿書類を簡単に作成できる
  • 事業の財務状況、経営成績を確認できる
  • 個人事業主の場合は確定申告書まで作成できることが多い

多くの会計ソフトでは、法人向けなら決算書、個人向けなら確定申告の申告書類まで作成できます。事業体の規模にかかわらずさまざまな面で業務を削減し、ほかの仕事へリソースを投入できるため、事業効率化の観点において会計ソフトの導入には大きなメリットがあるといえるでしょう。

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会計ソフトの種類と機能の比較表

クラウド型、インストール型、オンプレミス型の比較表

会計ソフトは大きく分けてクラウド型、インストール型、オンプレミス型があり、機能や費用面が大きく異なります。以下は、それぞれの会計ソフトを大まかに比較した表です。
<機能比較表>

 クラウド型インストール型オンプレミス型
価格1万円~30万円程度/年間2~30万円程度/1購入あたり(アップデート費用は別)数十万~数千万程度/年間
初期設定コストなし必要必要
利用台数の制限
データの保存容量上限なしパソコンの容量内サーバーの容量内
スマホ・アプリ対応△(クラウド対応の場合)
セキュリティ
データの復元
バージョンアップ自動(課金なし)必要必要
対応OSWindows/MacOS基本的にWindows基本的にWindows
データ連携

※△=使用する会計ソフトにより機能が大きく異なる

クラウド型

クラウド型は簡単に言うと、インターネットを経由してクラウド上(サービスを提供する企業のサーバーや外部のサーバーなど)にデータを保存するタイプの会計ソフトです。

メリット

  • さまざまな外部システムと連携可能
  • スマホやタブレットとリアルタイムで共有できる
  • ネットワーク環境があれば端末に依存せずに利用できるものが多い

クラウド会計ソフトの大きなメリットは、インターネットを経由したデータの自動取得や共有が容易になることです。

利用できる端末数やアカウント数に制限があるものもありますが、クラウド型は基本的に端末の種類を問わず利用できるものが多いです。そのため、インターネットを介してさまざまな環境からアクセスし、会計情報を取得・更新することが可能です。権限を付与することで、顧問税理士などとのデータ共有も容易に行えます。

デメリット

  • 利用にインターネット環境が必要
  • ランニングコストがかかる

クラウド型会計ソフトのデメリットは、インターネット環境がないと利用できないことです。

オンラインでないとデータの登録や保存ができないため、インターネット環境に障害が発生したタイミングなどにデータを更新できないことがあります。また、料金設定は月額制・年額制が多く、有料プランを利用し続ける限り費用がかかるため、デメリットに感じることもあるでしょう。

インストール型

インストール型は、利用するパソコンにインストールし、主にローカル環境にデータを保存するタイプの会計ソフトです。

メリット

  • オフラインでも利用できる
  • ランニングコストが不要

インストール型会計ソフトの主なメリットは、オンラインに接続することなくスタンドアロンで会計ソフトを利用できることです。

また、インストール型はパッケージを購入してインストールする買い切り型の商品であり、クラウド型のように月額利用料がかかりません。導入時には一定のコストが必要ですが、ランニングコストが不要であるため、長期間利用するほど会計ソフトの利用にかかるコストを抑えられるでしょう。

デメリット

  • 初期費用以外にもアップデートコストがかかる
  • データのバックアップに不安が残る
  • テレワーク環境には不向き

インストール型会計ソフトの主なデメリットは、ランニングコスト以外の費用がかかることやバックアップの問題があることです。

インストール型は、初期費用やアップデートのコストがかかります。ランニングコストがかからないからといって、必ずしもコストを削減できるとは限りません。
また、入力したデータの保存場所がソフトウェアをインストールした端末上のみである場合、データの保存に不安が残ります。外付けハードディスクにも保存しておくなど、端末の故障やプログラムの破損に備えた対策が必要です。さらには利用できる端末数が限られるため、テレワーク環境には向かないというデメリットも考慮して導入を検討すると良いでしょう。

オンプレミス型

オンプレミス型は、自社内にサーバーや回線を設置してシステムを構築し、社内のクライアント端末からサーバー上のデータベースに接続するタイプの会計ソフトです。

メリット

  • カスタマイズの自由度が高い
  • 強固なセキュリティを築ける

オンプレミス型会計ソフトは、要望に合わせたカスタマイズがしやすいこと、強固なセキュリティを築きやすいことが主なメリットとして挙げられます。

オンプレミス型は自社でシステムを構築するため、会計ソフトを自社の業態に合ったシステムへカスタマイズできます。社内で利用している既存のシステムと連携するなど、それぞれの会社の事情に合わせたシステムを構築できる強みがあります。
さらに、強固なセキュリティを築ける点もオンプレミス型のメリットです。オンプレミス型では独自の機能要件が搭載できるため、要件を満たす設計を行えばセキュリティを強化できます。

デメリット

  • 導入に多額のコストがかかる
  • 保守管理対応をする人材が必要

オンプレミス型会計ソフトの主なデメリットは、導入コストが多額になりやすいこと、保守管理対応のために社内での人材確保または外注が必要になることです。

オンプレミス型は、その会社独自のシステムを構築するため、カスタマイズの自由度が高い反面、システム構築にコストがかかる傾向があり、クラウド型やインストール型の導入よりもコストが高額になりがちです。
また、基本的に保守やメンテナンスは社内で対応しなくてはなりません。日常的な保守管理のほか、セキュリティの強化やサーバーダウンなどの障害へ対応できる人材の確保も必要です。

カスタマイズ性やセキュリティ、コストなどを考えると、十分なコストを捻出できる大規模の会社に向いた会計ソフトといえます。

近年ではクラウド型の利用が増えている

前述の通り会計ソフトにはいくつかの種類があり、近年ではクラウド型会計ソフトを選択する企業が増えています。バックオフィス関連のSaaS導入支援を行っている株式会社TECO Designの代表・杉野氏は次のように解説しています。

「情報通信白書(令和3年・総務省)」によると、クラウドシステムを利用している企業は年々増加傾向にあるようです。「給与・財務会計・人事」システムを利用したと回答した企業は全体の約38%。業務のシステム化・DXの注目度は、コロナ禍以降は特に高まっています。

労務や経理などのバックオフィス部門の方たちから、クラウドシステム導入・運用について当社にご相談いただくケースも増えました。各社様それぞれ課題や悩みは異なりますが、「自社に合ったシステムを知りたい」「とにかくシステム化したい」といったお話を伺うこともあります。

システム導入においては、従来の業務の進め方から脱却し、より効率的・効果的な方法に変える気概を持つことが重要です。システム化という「手段」が「目的」にすり替わっては根本的な改善にはつながらず、システムを導入しても業務を削減できるとは限りません。各システムの機能を比較する前に、業務設計の見直しや目的の明確化に取り組むと良いでしょう。
(株式会社TECO Design 代表取締役 杉野愼)

参考:情報通信白書(令和3年・総務省) 第2節ICTサービスの利用動向

どのような目的を持っているかによっても、会計ソフトを選ぶ基準は変わってくるということですね。

無料会計ソフトはどういう場合におすすめ?

会計ソフトはシステム提供の面でクラウド型、インストール型、オンプレミス型に分けられることを紹介しました。一方、料金体系の面では有料会計ソフトと無料会計ソフトに分けられます。

ここでは有料会計ソフトと無料会計ソフトの比較、無料会計ソフトとのメリットやデメリット、無料会計ソフトをおすすめするケースについて紹介していきます。

有料ソフトと無料ソフトの機能比較表

次の表は、有料会計ソフトと無料会計ソフトの違いを大まかに示したものです。有料ソフトに比べると、無料ソフトは機能面やサポート面などが十分でない傾向が見られます。

 
有料会計ソフト
無料会計ソフト
利用期間限定なし△(一部トライアルのみ)
機能制限ランクによって使える機能が異なることもある
対応OS(Windows/iOS)
セキュリティ
サポートありなし

※使用する会計ソフトにより機能が変動するものは△

無料会計ソフトを使うメリットとデメリット

無料会計ソフトなら、コストをかけずに導入することもできます。有料会計ソフトと比較した場合の導入のメリットやデメリットについて見ていきましょう。

メリット

  • コストがかからないので気軽に使える
  • 会計ソフトの使用感がわかる

無料会計ソフトのメリットは、導入コストの手軽さにあります。

無料会計ソフトは導入・利用にコストがかからないため、有料会計ソフトよりも気軽に利用できます。また、多くの無料会計ソフトは有料会計ソフトのお試し版としての役割もあることから、有料版導入前のテストとして使用感を試す場合にも役立ちます。

デメリット

  • 機能面の制限がありサポート面でも有料会計ソフトほど充実していないことが多い
  • 利用期限あり(トライアル期間のみ無料)のものもある

無料会計ソフトのデメリットは、有料会計ソフトほど機能面やサポート面などが充実していないことです。

無料会計ソフトの多くは、仕訳登録件数や利用できるユーザー数に上限が設けられている、エクスポート機能利用不可など、利用できる機能が制限されていることが多いです。ベンダー(サービス提供会社)によるサポートも有料版に比べると不安が残り、サポートを受けられない可能性もあります。

また、無料とされている会計ソフトでも、一定期間(1カ月など)のみ無料というものもあります。無料トライアル期間の終了後は有料プランに登録しないと利用ができないものもあるので、料金体系や利用期限についてもよく確認しておく必要があります。

無料会計ソフトを活用できるケース

無料会計ソフトを利用する上で主なデメリットとなるのが、機能制限です。利用期間の制限が設けられていないソフトでも、使用できる機能の種類や回数が制限されてしまうと、会社の規模によっては必要な会計処理を行えない場合もあるでしょう。
そのため、仕訳登録数の制限がある無料会計ソフトは、制限内の機能で足りる小規模事業者や個人事業主などに向いているといえます。

また、利用期間に制限がある場合の多くは、有料会計ソフトのトライアル版です。何期もの会計期間を通じて使い続けるのは難しいため、将来導入する有料会計ソフトの使用感を確かめたい場合に利用するのがおすすめです。無料期間が十分にあれば、使いやすさや機能面をしっかり確認できるでしょう。

代表的な会計ソフト15選

会計ソフトにはさまざまな種類がありますが、代表的な会計ソフトは次のようなものです。

  • マネーフォワード クラウド会計
  • freee会計
  • 弥生会計オンライン
  • ジョブカン会計
  • Oracle NetSuite
  • PCA会計クラウド
  • 勘定奉行クラウド
  • FUJITSU Enterprise Application GLOVIA smart きらら
  • クラウド発展会計
  • フリーウェイ経理Pro
  • 会計王
  • HANJO会計
  • ネットde記帳
  • 大蔵大臣NX
  • クラウド会計ソフトMA1

会計ソフトの種類ごとのメリット・デメリットを把握した上でそれぞれのソフトの機能を比較し、自社に合った会計ソフトを選ぶことが重要です。情報の収集には比較サイトなどを活用すると良いでしょう。

参考:クラウド会計ソフト比較12選!価格・機能比較表【最新版】

会計ソフトの導入率は?種類別で紹介

中小企業や個人事業主における会計ソフトの導入実態について、MM総研による調査では下記のような結果が示されています。

■中小企業(2017年9月末時点)

  • クラウド型の利用率:7.8%
  • インストール型の利用率:46.2%
  • 表計算ソフト他:46%(※税理士への委託含む)

出典:クラウド会計ソフトの法人導入実態調査(2017年9月末)|MM総研

■個人事業主(2022年4月末時点)

  • クラウド型の利用率:29.8%
  • インストール型の利用率:58.0%
  • 表計算ソフト他:不明

出典:クラウド会計ソフトの利用状況調査(2022年4月末)|MM総研

調査期間こそ違いますが、中小企業と個人事業主いずれもインストール型会計ソフトを利用している割合が最も高いようです。

インストール型会計ソフトは大企業向け、中小企業向け、個人事業主向けなど企業規模別に幅広いバリエーションのサービスを提供している製品もあり、長年利用されてきたことが高いシェア率を維持している背景として挙げられます。

一方、近年注目されるようになってきたのがクラウド型です。リモートワークの普及や他サービスと連携したデータ自動取得機能などの利便性から、クラウド型を選択する会社や個人事業主も増えています。

なお、すべての事業者が会計ソフトを利用しているとは限りません。負担するコストや会計処理の複雑さなどを理由に、会計ソフトを利用しない事業者もいます。

コスト面を理由に会計ソフトを使用しない事業者の多くは、個人事業主を含む小規模事業者です。導入する初期コスト、継続利用に必要なランニングコストの捻出が難しい場合、表計算ソフトなどで計算・管理を行う傾向があります。

また、ある程度事業規模が大きくなると、税理士へ会計処理を委託するケースが増えていきます。会計ソフトは幅広い事業種の会計処理に対応できるように設計されていますが、それでも特殊な事情を持つ企業の会計すべてに対応できるわけではありません。会計処理の複雑さは企業が大きくなるほど増す傾向があるため、専門家による判断や承認が必要な処理を抱える事業者ほど、会計ソフトから離れやすい傾向にあるのでしょう。

会計ソフトは記帳や決算処理といった会計処理の負担を軽くする働きが期待できますが、すべての企業において活用できるとは限りません。自社の事情に合わせ、最適な管理を行える方法を選択しましょう。

会計ソフトを経理・簿記の初心者におすすめする理由

会計ソフトは、経理・簿記の初心者にこそおすすめです。手書きや表計算ソフトだとわかりにくい処理も、会計ソフトだと視覚的でわかりやすく、簡単に処理できます。ひとつの取引で複数の仕訳が必要となる複雑な複合仕訳も、会計ソフトであれば入力ミスを防ぎつつ理解しやすい処理ができるようになります。

会計ソフトがあると、具体的にどのような恩恵を受けられるのでしょうか。ここでは会計ソフトでできる処理を踏まえつつ、経理・簿記の初心者にこそ会計ソフトの利用をおすすめする理由を紹介します。

※なお、本記事では例として「マネーフォワード クラウド会計」の機能を中心に紹介します。紹介する機能はすべての会計ソフトに備えられているわけではありません。

簿記の知識が補完できる

簿記の基本ルールにおいては、仕訳の左右の金額が一致していること、すなわちすべての勘定科目の借方と貸方の合計が一致している必要があります。

いくら勘定科目が正しくても、貸借の金額が一致しなければ正しい仕訳にはなりません。このような簿記の基礎的な知識から補完できるように、会計ソフトには便利な機能が備わっているものもあります。
振替伝票入力

一例には、貸借それぞれの合計金額を表示する機能が挙げられます。

手書きの伝票にも合計金額を記入する欄はありますが、「マネーフォワード クラウド会計」などの会計ソフトの中には自動で借方と貸方それぞれの合計額を表示できるものもあるため、左右の金額が一致しているかをひと目で確認できます。

勘定科目の仕訳を自動提案

AIなどの技術を使い、入力履歴などをもとに勘定科目を自動で提案する機能が備わった会計ソフトもあります。経理・簿記の初心者は勘定科目の選定で迷いやすいため、勘定科目の自動的な提案は心強い味方になるでしょう。

もちろん、常に会計ソフトの提案が正しいわけではありません。正しい提案であるか確認する必要はありますが、過去の同じような取引を調べるにしても、自動的な提案での勘定科目を使って検索できるため便利です。
勘定科目 自動仕分

総勘定元帳など帳簿を自動で作成

法令では、企業と個人いずれも帳簿書類の保存義務が定められています。総勘定元帳などの帳簿類も、保存義務が定められている書類のひとつです(個人の白色申告書は、経費に関する簡易的な帳簿も認められます)。

手書きや表計算ソフトの場合、伝票とは別に帳簿を作成しなければなりません。一方、会計ソフトは記帳した仕訳と各種書類がシステムで紐付いているため、仕訳を入力するだけで帳簿を自動作成できるようになっています。

総勘定元帳や仕訳帳のほか、売掛金元帳や買掛金元帳などの補助元帳も自動作成できるため、売掛金や買掛金の管理もしやすくなります。

振替伝票など帳票を自動で作成

請求書や給与管理システムとの連携が可能な会計ソフトの場合、外部システムの入力をもとに振替伝票などの帳票を自動作成できるものもあります。システムによって自動で金額が取得されることで入力ミスも軽減できます。

明細データを自動入力&仕訳

会計業務で起こりがちなのが、手入力による人為的なミスでしょう。しかし、会計ソフトなら給与管理システムなどと連携や、預金口座やクレジットカードの明細データの自動取得を行えるため、金額の入力を間違える可能性が大きく減少します。また、設定したルールに基づいた自動仕訳ができるため、勘定科目の間違などのミスを大幅に減らすことが可能です。

仮にミスがあっても誤った数値や勘定科目をシステム上ですぐに訂正できるので、初心者にこそ会計ソフトはおすすめです。

売上やキャッシュフローなどのレポートを自動で作成

帳簿類とは別に、売上実績やキャッシュフローなどのレポートを自動で作成してくれる会計ソフトもあります。いずれも視覚的で初心者にもわかりやすいため、事業の状況を簡単に把握できます。

また、基本的な機能として決算書の作成や確定申告書(主に個人事業主向け)の作成までできる会計ソフトもあります。管理会計や税務申告までひとつのシステムで済ませたい人にも、会計ソフトはおすすめです。

会計ソフトの使い方

会計ソフトの使い方は、初期の設定さえしっかりしていれば簡単に利用できます。ここでは、会計ソフトの導入から日々の業務での使い方まで、「マネーフォワード クラウド会計」を例に紹介します。

ユーザー設定とデータ移行

はじめに、会社名(または個人名)、業種区分、申告区分(青色申告/白色申告)、消費税の経理方式など、事業者設定を行います。2022年1月より施行された電子帳簿保存法への対応も設定できますので、忘れずに確認しましょう。

これまで使用していた会計ソフトのデータがある場合は、データ移行を実施(ソフトによっては取り込めないものもあります)します。事業年度途中の移行でデータ移行ができない場合は、伝票や領収書など、会計ソフトへの入力に必要な書類を揃えておきます。
データ移行

初期設定

独自の勘定科目を使用している場合や補助科目(管理会計の目的で使用)での集計が必要な場合は、使いやすいように勘定科目・補助科目を設定します。

固定資産を所有している場合は固定資産台帳に反映させるために固定資産の入力、個人事業主で按分(あんぶん)が必要な科目がある場合は按分の設定についても同時に済ませておきましょう。
勘定科目設定

データ連携設定

金融機関の口座やクレジットカード、そのほかシステムと連携させたい場合は、データ連携の設定も済ませておきましょう。

「マネーフォワード クラウド会計」や「マネーフォワード クラウド確定申告」は、IDパスワード方式やAPI連携方式に対応しています。これらの機能に対応する金融機関との連携時にはカード番号や口座番号を入力する必要はありません。

なお、データ連携の設定を行っても、実際に連携が開始されるまでにはある程度の期間を置く必要があります。連携開始時期を見誤ると、自動取得できる仕訳データを手入力してしまうミスが発生しやすくなりますので、連携が始まる時期は把握しておきましょう。すべての連携が開始された後に会計ソフトの利用を始めれば、二重登録のリスクを減らせます。
会計ソフト データ連携

伝票作成

初期設定やデータ連携によって会計ソフトを利用できる環境が整ったら、日々の仕訳の入力・伝票作成が可能です。画面上で取引内容を登録していきます。

事業年度の途中から会計ソフトを利用する場合は、今期の現時点までの仕訳もすべて登録するようにしましょう。導入前のシステムや帳簿とのデータ連携によりすべての仕訳をコピーできる場合、この作業は必要ありませんが、手動で記帳し直す必要がある場合には、二重記録や仕訳漏れを起こさないように注意が必要です。

決算では、決算処理のための特殊な仕訳である決算仕訳が必要です。会計ソフトでは基本的に伝票作成だけで決算に必要な帳簿をほぼ自動作成できるようになっています。大企業など月次監査が必要な企業を除く個人事業主や中小企業を想定した場合、決算以外の時期は基本的に伝票を登録するだけで処理が完了します。

また、データを入力したら、入力したデータが消失しないようにバックアップをとります。「マネーフォワード クラウド会計」や「マネーフォワード クラウド確定申告」の場合は自動でデータがクラウド上に保存されるため、社内の機器の故障などが原因でデータが消失することはありません。

さらに「マネーフォワード クラウド会計」の場合、仕訳帳のエクスポートも可能です。万が一に備えて定期的にエクスポートをしておくと、より安心です。

会計ソフト 伝票作成

会計ソフト導入の前に確認しておきたい6つのポイント

自社のニーズに合った会計ソフトを導入するために、導入前には次の6つのポイントを確認しておきましょう。

  1. 対象は法人か個人事業者か
  2. 機能が十分か
  3. 会計業務に必要な金融機関などとの連携は可能か
  4. サポートはしっかりしているか
  5. デモ版やお試し期間があるか
  6. 電子帳簿保存法に対応しているか

それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。

対象は法人か個人事業者か

法人と個人事業主の会計処理は、使用する勘定科目の違いや決算書類の違いなど、あらゆる点が異なります。

個人事業主の場合、決算書といえばおおむね貸借対照表と損益計算書を指します。法人は貸借対照表と損益計算書に加え、通常は株主資本等変動計算書、個別注記表も必要です。この違いは、法人(主に上場企業)は利害関係者向けに決算書を公開する必要があるためです。

会計ソフトの多くは法人向け、個人事業主向けと対象がさまざまで、それぞれの特性に適した仕訳・決算処理を行えるようなシステムになっています。そのため自社・自身が対象ではない会計ソフトを導入すると、必要な帳簿書類や財務諸表を作成できないといった問題が発生し得ます。

導入時には法人向けか個人事業主向けかをよく確認しておきましょう。

機能が十分か

会計ソフトの中には、青色申告と白色申告で別のソフトが用意されているものもありますし、消費税申告と計算が別になっているものもあります。現在の事業の状況に合わせて、必要な機能が備わっているかも確認しておきたいところです。

必要最低限の機能で始めるのもひとつの導入方法ですが、事業の継続にともない規模や業種が変わる可能性もあります。そのため、複数の消費税処理に対応しているなど、拡張性の高い会計ソフトを導入できると安心でしょう。

会計業務に必要な金融機関などとの連携は可能か

会計ソフトは、効率よく運用できるものを選びたいものです。そのためにも会計ソフトと連携できる外部サービスについても確認しておきましょう。

例えば「マネーフォワード クラウド会計」は銀行などの金融機関やクレジットカード、電子マネー、POSレジなどのさまざまな金融関連サービスと連携できる機能を備えています。普段の事業運営で利用している金融関連サービスが連携対象になっているか、事前に確認しておきましょう。

データ連携をすると、IDパスワード方式やAPI連携などで明細を自動取得できるようになります。これにより入力の手間を省けるほか、入力ミスも軽減できます。

サポートはしっかりしているか

初めて会計ソフトを導入するケースでは、使い方がわからないなどの理由でトラブルが起きることもあります。使用が初めてであれば、電話やチャットなどでリアルタイムにサービス提供会社からサポートが受けられる会計ソフトを選ぶとよいでしょう。

会計ソフトの中には、スムーズに導入できるようにサポートを提供しているものもあります。自社の事業に適した会計ソフトの運用や操作方法に不安がある場合は、導入支援を含めたサポートが充実している会計ソフトを選ぶようにしましょう。

デモ版やお試し期間があるか

スペックや評判だけでは、実際の会計ソフトの使い勝手を判断しづらい場合もあります。初めて会計ソフトを導入するなら、無料で使えるデモ版やお試し期間を利用して、ソフトの操作性、利用できる機能、自社の会計との相性を確認しておきましょう。

電子帳簿保存法に対応しているか

電子帳簿保存法の対象となる主な保存区分は、電子帳簿等保存、スキャナ保存、電子取引の3つに分けられます。このうち、会計ソフトで作成した帳簿書類の電子保存が該当するのは電子帳簿等保存です。

電子帳簿等保存は、2022年1月施行の改正法により大幅に内容が変更されています。電子帳簿等保存については保存要件が大きく緩和されたほか、これまで必要だった税務署長の事前承認が不要となりました。これにより、会計ソフトで作成した帳簿書類がより保存しやすくなりました。

必要な帳簿書類をすべて紙に出力して保存するのは労力がかかるので、会計ソフトを利用した電子保存を選択するのがおすすめです。

また、電子帳簿等保存は要件が大きく緩和されたと説明しましたが、優良な電子帳簿(過少申告加算税の軽減措置対象になる)の要件を満たしたい場合は、これまで通り厳しい保存要件を満たす必要があります。優良帳簿の保存要件に対応した会計ソフトかどうかも確認しておくと安心です。

初心者におすすめの会計ソフトの選び方とコツ

ここまで会計ソフトの種類や機能などについて紹介してきました。初めての会計ソフト導入で失敗しないためにも、複数の会計ソフトを比較することはもちろん、以下のようなポイントに気をつけて選ぶことをおすすめします。

業界向けの会計ソフトを利用する

使用頻度の高い勘定科目や会計の特徴は、業界ごとに異なります。例えば、製造業であれば原価計算をともなう会計処理が必要であり、医療法人であれば医療法人会計基準等に従った会計処理が必要です。

このような特殊な会計への対応は、一般的な会計ソフトでは困難なケースが少なくありません。そのため、特定の業界向けに作られた会計ソフトの利用がおすすめです。

しかし、すべての業界に特化した会計ソフトがあるとは限らず、また選択肢が十分にあるとも限りません。業界に特化した会計ソフトがないようなら、勘定科目のカスタマイズなど、さまざまな業種に対応できる機能が備わった会計ソフトを選択するとよいでしょう。

会計に強いベンダーの会計ソフトを利用する

ベンダーとはソフトウェアなどの販売会社を指す用語です。会計ソフトを選択する際には、会計処理のパターンを熟知したベンダーが開発した製品であるかどうかも判断基準として使えるでしょう。

とはいえ、会計に強いベンダーであるかはホームページやパンフレット等の情報からはなかなか判断しづらいでしょう。ベンダーの会計面の知見を判断するなら、ベンダーが発信する情報の専門性や、会計ソフトの利用ガイドが想定している場面の網羅性、税理士や公認会計士といった会計の専門家による推薦などの情報を目安にするとよいでしょう。

顧問税理士と同じ会計ソフトを利用する

会計処理の効率化を考えるなら、顧問税理士が使用している会計ソフトと同じものを選ぶのもよいでしょう。クラウド型の会計ソフトならアカウント共有により、すぐに顧問税理士と情報共有できます。

AIによる自動仕訳など機能面で選ぶ

会計に関する業務には、日々の伝票の記帳から売掛金や買掛金の管理、経費の支払いなどさまざまなものがあります。会社の規模にもよりますが、限られた人員で会計業務を行うには業務の効率化を考える必要があるでしょう。

例えば、会計業務を効率化できる機能として、銀行口座やクレジットカードなどと連携して明細を取得できる機能、POSシステムと連携できる機能、AIが自動で仕訳を提案してくれる機能、仕訳ルールを学習してくれる機能などがあります。

このような機能面も、会計ソフトを選ぶ重要なポイントのひとつです。

価格を抑えつつ必要な機能があるものを選ぶ

会社を維持・運営していくには、法人税などの税金のほか、従業員に支払う給料や広告宣伝費、固定資産(機械や建物など)の購入費、事務所の家賃など、さまざまなコストがかかります。

会社は利益につながらないコストを削減する必要があり、会計ソフトにかかる費用も例外ではありません。低コストで運用できる会計ソフトをピックアップし、必要な機能が備わったものから選択する方法もあります。

会計ソフトは経費精算システムと連携できると便利

会計ソフトを選ぶ際には、経費精算システムとの連携にも注目してみるとよいでしょう。

経費精算システムとは

経費精算とは、従業員が業務のために要した交通費や宿泊費、接待交際費などの費用を精算する手続きをいいます。従業員側で立て替えが発生している場合は立て替え分の精算、会社が先に仮払いで従業員に事前に金銭を渡した場合は経費との差額分を返金してもらうなどの処理が必要です。

また、経費精算の申請には上長の承認など、会社によって複数の承認手続きを踏む場合もあります。

経費精算システムは、このような経費精算に関わる業務を効率化するためのシステムです。経費申請や承認に関わる機能、仮払いの機能、領収書のチェック機能など、経費精算に関わる機能が備わっています。

会計ソフトと経費精算システムの違い

会計ソフトは、決算書作成などに必要な日々の会計処理を効率化するためのシステムです。帳簿への記帳から決算書の作成までをスムーズに行うための機能が備わっています。

経費精算システムは、前述したように従業員の経費申請や経費精算を効率化するためのシステムです。会計ソフトは会社全体の取引を管理するものですが、経費精算システムは会社と従業員(または役員)間の経費精算の進捗や管理に限定されます。

会計ソフトと経費精算システムは、効率化を目的とする業務が異なるため、備わっている機能も大きく異なります。それぞれ求められる役割が違うため、会計ソフトと経費精算システムはそれぞれ独立したシステムとして構築されているのが一般的です。

会計ソフトと経費精算システムの連携でできること

会計ソフトと経費精算システムはそれぞれ独立したシステムであることが多いものの、密接な関わりがあります。経費申請で仮払いがあれば会計上の仮払い処理が必要ですし、経費精算が行われれば費用への振替が必要となるためです。

会計ソフトと経費精算システムを連携させることで、経費精算システムで行われた処理を会計ソフトでも取得できるようになります。これにより、会計処理の漏れや金額のミスなどを防止できるようになります。

個人事業主は確定申告ソフトの活用がおすすめ

一般的な会計ソフトは法人向けの仕様とされているため、個人事業主が使うにはやや機能が豊富すぎると感じるかもしれません。もしも確定申告のみに対応しているだけで十分であれば、青色申告に対応した確定申告ソフトを使うのが便利です。

個人事業主の確定申告ソフトの選び方

法人向けの会計ソフト同様、いくつかの観点からの選び方があります。

事業がまだ小規模であるようなら、コスト面を重視しつつ同業者から評判のいい確定申告ソフトを選ぶのがおすすめです。顧問税理士をつけているなら、税理士が勧める確定申告ソフトを選ぶと、確定申告への不安が大きく減るでしょう。

事業の規模が大きい場合や特殊な会計処理が必要な業界である場合には、法人向けの会計ソフトが適している場合もあります。

会計の基本が学べるおすすめの書籍

会計ソフトを使いこなすには、最低限の会計知識も必要です。ここでは、初心者でも会計の基本がわかりやすく学べるおすすめの本を紹介します。

会計業務を行ううえで特に重要な「決算書」を読み解くコツを身につけるのに最適な一冊です。本書の特徴は、決算書を「図解」で解説している点。難解な用語が使われがちな決算書の解説を本書では図解化し、初心者でもストレスなく直感的に学習を進められます。決算書を読むスピードや分析の質を高めるトレーニングにおすすめの一冊です。

マネーフォワード クラウド会計で会計業務を半分に

クラウド会計ソフト「マネーフォワード クラウド会計」なら、さまざまなサービスと連携することで、日々の取引データ入力を自動化できます。仕訳候補も自動作成されるため、会計業務の効率を大幅に改善できます。

また、日々の仕訳データから、決算書やキャッシュフローレポート、収益レポートなども自動で作成可能です。

こちらの動画では、マネーフォワード クラウド会計を使うことでどのように会計業務を効率化できるか、具体的に紹介しています。ぜひご覧ください。

会計ソフトはしっかり比較して選ぼう

会計ソフトは、企業や個人事業主の経理処理の効率を大きく上げてくれるツールです。入力した仕訳がリアルタイムで帳簿に反映されるため、正確かつ透明性の高い会計の実現につながります。

一方、会計ソフトは個人向け、法人向けなどの特徴があり、やみくもに導入しても成果が期待できるとは限りません。導入する会計ソフトは事業内容や規模に適したものの中から、機能面などを比較したうえで決めることが重要です。

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株式会社久松農園 久松 達央 様

マネーフォワード クラウド会計の導入事例

金融口座の取引明細データが自動で取り込まれ、各取引の勘定科目も自動で仕訳される。以前はインストール型ソフトを利用していたので、それがクラウドに変わるとこれほど自動化されるものなのかと本当に驚きました。

株式会社久松農園 久松 達央 様

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よくある質問

そもそも会計ソフトとは?

会計処理を記録し、必要な帳簿書類を作成するためのアプリケーションソフトウェアです。詳しくはマネーフォワード クラウド会計サービス資料をご覧ください。また、初心者向けの使い方についてはこちらでご紹介しておりますので、ご活用ください。

会計ソフトを経理・簿記の初心者におすすめできる理由は?

手書きや表計算ソフトだとわかりにくい処理も、会計ソフトだと視覚的でわかりやすく、簡単に処理することができるためです。詳しくはこちらをご覧ください。

初めて会計ソフトを導入する際の選び方とコツは?

事業内容や規模、価格や機能面などを比較した上で決めることが重要です。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

【監修】マネーフォワード クラウド会計

会計・経理業務に関するお役立ち情報をマネーフォワード クラウド会計が提供します。
取引入力と仕訳の作業時間を削減、中小企業・法人の帳簿作成や決算書を自動化できる会計ソフトならマネーフォワード クラウド会計。経営者から経理担当者まで、会計業務にかかわる全ての人の強い味方です。

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