- 更新日 : 2026年7月23日
自転車の勘定科目は?経費にする条件や仕訳例を解説
事業用の自転車は経費にでき、購入金額に応じて消耗品費・一括償却資産・車両運搬具を使い分けます。
- 10万円未満は原則として購入時に費用計上できる
- 10万円以上20万円未満は一括償却資産または通常の固定資産として処理する
- 20万円以上は原則として車両運搬具で減価償却する
個人事業主は事業利用分のみが対象となり、家事按分が必要です。
事業で使う自転車を購入したとき、勘定科目は金額ごとに使い分ける必要があります。電動自転車は10万円を超えるケースも多く、通常の自転車と処理が変わる場面が出てきます。本記事では、自転車の勘定科目や金額別の仕訳例、保険や修理費の扱い方を整理して解説します。
目次
自転車に使う勘定科目は購入金額で変わる
事業に使う自転車の購入費用は、取得価額によって計上方法が変わります。10万円・20万円・30万円(令和8年4月以降に取得したものは40万円)が判断の区切りとなり、通常はそれぞれ異なる勘定科目で処理します。
| 取得価額 | 処理方法 | 主な勘定科目 |
|---|---|---|
| 10万円未満 | 購入年度に全額を費用計上 | 消耗品費 |
| 10万円以上20万円未満 | 3年間で均等に償却 | 一括償却資産 |
| 20万円以上 | 耐用年数2年で減価償却 | 車両運搬具 |
10万円未満は消耗品費で一括計上
10万円未満の自転車は、購入した年度に消耗品費として全額を経費計上できます。 消耗品費は、文具や用紙、ガソリンなど比較的少額の消耗品に使う勘定科目です。使用可能期間が1年未満か、取得価額が10万円未満の什器備品の購入費にも使えるため、10万円未満の自転車もこの範囲に含まれます。一般的なシティサイクルや低価格帯の自転車は、ほとんどがこの区分に該当します。
10万円以上20万円未満は一括償却資産で3年償却できる
10万円以上20万円未満の自転車は、一括償却資産として3年で均等償却します。 通常の固定資産は耐用年数に応じて月割で減価償却しますが、一括償却資産では取得価額の3分の1ずつを3年間にわたって損金算入します。月割計算が不要となり、事務処理を簡略化できる点が特徴です。
参照:No.5403 少額の減価償却資産になるかどうかの判定の例示|国税庁
20万円以上は車両運搬具で2年償却
20万円以上の自転車は、車両運搬具として固定資産に計上し、耐用年数2年で減価償却します。 国税庁の「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」では、自転車は車両及び運搬具に分類され、耐用年数は2年と定められています。原則として法人は定率法、個人事業主は定額法での償却が原則です。電動アシスト機能の有無にかかわらず、自転車として扱う場合は2年で処理します。
40万円未満は少額減価償却資産の特例も使える
青色申告を行う一定の中小企業者等(400人以下)であれば、少額減価償却資産の特例を活用して取得年度に全額を損金算入できます。 対象となる取得価額の上限は、令和8年3月31日までに取得したものは30万円未満、令和8年4月1日以後に取得したものは40万円未満に引き上げられました。
年間の合計300万円を上限とし、適用期限は令和11年3月31日までです。20万円以上の自転車を購入した場合、通常の減価償却に代えてこの特例を選ぶ余地があります。
参照:No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例|国税庁
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自転車の購入費用を経費にする条件
自転車を経費計上できる範囲は、法人か個人事業主かで変わります。私的な利用が混ざる場合は事業利用分のみが対象となるため、購入前にどの程度業務で使うかを把握しておくと処理がスムーズです。
法人は業務使用の実態を確認し、経費にできる
法人が事業用に購入した自転車は、原則として購入費用の全額を損金算入できます。 配達用や営業用、社員の通勤・移動用など、業務に紐づく用途であれば経費計上の対象です。法人契約で購入した自転車をプライベートで使うケースは想定されにくいため、家事按分は基本的に発生しません。
個人事業主は家事按分で経費計上する
個人事業主やフリーランスは、事業で使う割合だけを経費として処理する家事按分が必要です。 たとえば1台の自転車を仕事と私用の両方で使うなら、業務利用の割合をもとに購入費用や維持費を分けて計上します。利用割合を厳密に算出するのは難しいため、業務での使用日数や走行距離をもとに経費にする処理が一般的です。
電動自転車も同じ金額判定で処理する
電動アシスト機能が付いた自転車も、通常の自転車と同じく取得価額で勘定科目を判断します。 電動自転車は10万円を超える価格帯が多く、一括での消耗品費計上はできないケースが少なくありません。10万円以上20万円未満なら一括償却資産、20万円以上なら車両運搬具となり、減価償却が必要です。
自転車購入時の仕訳例【金額別】
ここからは、購入金額別に仕訳例を整理します。防犯登録料は取得価額に含まれるため、本体価額と合算して処理しましょう(防犯登録料は地域により金額が異なります)。
購入金額が10万円未満の場合
取得価額が10万円未満の場合は、消耗品費として一括で費用計上します。 電動自転車を税抜70,000円で購入し、防犯登録料として600円を支払ったケースで考えます。取得価額は本体70,000円と防犯登録料600円を合計した70,600円です。
10万円未満なので、購入した年度に全額を消耗品費として処理します。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 消耗品費 | 70,000円 | 現金 | 70,600円 |
| 消耗品費(非課税) | 600円 |
購入金額が10万円以上20万円未満の場合
取得価額が10万円以上20万円未満の場合は、一括償却資産として3年で均等償却します。 電動自転車を税抜150,000円で購入し、防犯登録料600円を支払ったケースでは、取得価額は150,600円です。3年間で50,200円ずつ損金算入する処理になります。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 一括償却資産 | 150,000円 | 現金 | 150,600円 |
| 一括償却資産(非課税) | 600円 |
購入金額が20万円以上の場合
取得価額が20万円以上の場合は、車両運搬具として固定資産に計上し、耐用年数2年で減価償却します。 電動自転車を税抜220,000円で購入し、防犯登録料600円を支払ったケースでは、取得価額は220,600円となります。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 車両運搬具 | 220,000円 | 現金 | 220,600円 |
| 車両運搬具(非課税) | 600円 |
防犯登録料は取得価額に含めて処理する
自転車を購入する際には、盗難や紛失への備えとして防犯登録が必要です。
防犯登録料は自転車を使える状態にするための付随費用にあたり、本体価額と合わせて取得価額として扱います。 つまり、本体70,000円+防犯登録料600円であれば、取得価額は70,600円となり、この合計額をもとに10万円未満かどうかを判定します。
なお、新規の防犯登録料には消費税がかかりません。仕訳では非課税の支払として区分し、消費税の計算からは除外します。地域や登録機関により金額が異なる(例:都道府県によっては660円)点にも留意しましょう。
自転車の保険・修理費・付属品の経費計上
事業用の自転車を維持するうえでかかる保険料や修理費、付属品、駐輪場代も経費として処理できます。それぞれ使う勘定科目が異なるため、分けて把握しておくと帳簿付けがスムーズです。
自転車保険・盗難保険は支払保険料で処理
事業利用の自転車にかける保険料は、原則として支払保険料の勘定科目で計上します。 損害賠償責任を補償する自転車保険や、盗難に備える保険など、支払保険料で処理する形が基本です。自治体によっては自転車保険の加入が義務化されているため、未加入のままにせず実態にあわせて契約しましょう。
点検・修理費は修繕費または車両費
自転車のパンク修理や定期点検、部品交換にかかった費用は、修繕費または車両費として処理します。 価値を高める改造ではなく、原状回復や維持のための支出であれば修繕費が一般的です。継続的にかかる場合は車両費(科目を設けている場合)としてまとめる方法もあります。
ヘルメットなど付属品は消耗品費
ヘルメット・ライト・カゴ・鍵などの付属品は、金額が少額であれば消耗品費で処理します。 安全走行や業務遂行のために必要な備品は経費の対象です。本体と同時購入で取得価額に組み込むケースもありますが、後日単独で購入する場合は消耗品費で計上する処理が一般的です。
駐輪場代は地代家賃で処理する
月極や時間貸しの駐輪場代は、地代家賃または賃借料等の勘定科目で処理します。 業務での移動・配達に伴って借りている駐輪場であれば、継続して経費計上できます。個人事業主が私用と兼ねる場合は、家事按分の対象となる点にも注意が必要です。
自転車などの購入時における勘定科目判定と日々の仕訳業務の課題
自転車や電動アシスト付き自転車を購入した際、10万円未満なら消耗品費、それ以上なら一括償却資産や固定資産というように、金額に応じた勘定科目の使い分けが必要になり、判断に迷う経理担当者も少なくありません。
マネーフォワード クラウドが実施したアンケート調査で、仕訳作業の工程において最も工数がかかっている作業を尋ねたところ、最も工数がかかっているのは「適切な勘定科目や消費税区分(課税・非課税等)の判定」で、36.8%でした。次いで、「銀行明細やクレジットカード明細と帳簿の突合作業」が34.5%、「インボイス制度への対応」が27.2%と続いています。
クラウド会計ソフトなどを活用して業務効率化を
このように、適切な勘定科目の判定には多くの担当者が時間を費やしています。同調査で、仕訳業務において最も主軸となっている運用手段を尋ねたところ、最も多いのは「クラウド型会計ソフトへの直接入力」で、28.6%でした。次いで「オンプレミス型(インストール型)会計ソフトへの直接入力」が27.6%、「表計算ソフト(Excel等)で集計し、会計ソフトへ一括インポート」が22.2%となっています。
クラウド型会計ソフトの中には、過去のデータから勘定科目を自動で推測・提案する機能を持つものもあります。自転車のように金額によって科目判定が変わるケースにおいても、こうしたシステムを有効活用して判定にかかる時間を減らすことが、経理業務の効率化につながります。
自転車の勘定科目は金額に応じて使い分ける
自転車の勘定科目は購入金額によって変わり、仕組みを理解して仕訳することで節税にもつながります。通常の自転車は10万円未満で購入できるケースが多く、消耗品費として全額を費用計上できます。一方、電動自転車は10万円以上になることも多く、一括償却資産や車両運搬具として処理が必要です。事業で自転車を使う場面では、付随する保険料・修理費・駐輪場代もあわせて経費化することで、節税にもつながります。
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よくある質問
自転車を購入した時の勘定科目は?
配達用や営業用に使う自転車の購入費用は「消耗品費」勘定を使って処理します。ただし、プライベートで使用する自転車は経費にはできません。詳しくはこちらをご覧ください。
電動自転車を購入した時の勘定科目は?
電動アシスト付自転車を購入した場合の勘定科目は「消耗品費」「一括償却資産」「車両運搬具」のいずれかとなります。金額判定によって勘定科目の使い分けが必要です。詳しくはこちらをご覧ください。
保険や修理費用、ヘルメット代なども経費にできる?
事業に必要な自転車に関する付属品の購入費用も経費にできます。また、駐輪場を借りる費用も経費になります。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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