• 更新日 : 2024年4月11日

法人税申告書の別表16とは?作成目的やポイントを解説

法人税申告書の別表16とは?作成目的やポイントを解説

法人税申告書別表16は、主に減価償却の償却限度額(法人税法上の損金に算入できる限度額)に関する明細書で構成されています。今回は、別表16の種類や各種明細書の作成目的、別表16を作成する前に確認しておきたいポイントを解説します。

法人税申告書の別表16とは

法人税申告書の別表16は、減価償却資産や繰延資産などの償却限度額の計算に関する明細書です。以下、全部で11種類の明細書があります。

種類名称作成目的
16(1)旧定額法又は定額法による減価償却資産の償却額の計算に関する明細書法人税の計算で、減価償却資産の償却限度額を旧定額法、または定額法により計算する場合に作成します。
16(2)旧定率法又は定率法による減価償却資産の償却額の計算に関する明細書法人税の計算で、減価償却資産の償却限度額を旧定率法、または定率法により計算する場合に作成します。
16(3)生産高比例法又は生産高比例法による鉱業用減価償却資産の償却額の計算に関する明細書法人税の計算で、鉱業用減価償却資産(採掘用の坑道など)の償却限度額を旧生産高比例法、または生産高比例法により計算する場合に作成します。
16(4)旧国外リース期間定額法若しくは旧リース期間定額法又はリース期間定額法による償却額の計算に関する明細書所有権移転外リース取引(売買があったとみなされるリース取引で、リース契約終了後に所有権が移転しない取引)のある企業が作成する明細書です。対象の減価償却資産について、リース期間定額法などによる法人税の償却限度額の計算が示されます。
16(5)取替法による取替資産の償却額の計算に関する明細書法人税の計算で、取替資産(多量の資産から成る鉄道事業固定資産など)の償却限度額を取替法により計算する場合に作成します。
16(6)繰延資産の償却額の計算に関する明細書法人税の計算で、法人税法上の繰延資産(開業費や支出の効果が1年以上に及ぶ権利金など)の償却限度額を計算する場合に作成します。
16(7)少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例に関する明細書青色申告をする中小企業が、中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例を適用する場合に作成します。
16(8)一括償却資産の損金算入に関する明細書一括償却資産(取得価格10万円以上20万円未満の減価償却資産)について、法人税法施工令133条の2に定める一括償却資産の損金算入(3年の均等償却により損金算入すること)を適用する場合に作成します。
16(9)特別償却準備金の損金算入に関する明細書特別償却の適用を受ける特定の資産で、準備金方式により特別償却を行う場合に作成します。
16(10)資産に係る控除対象外消費税額等の損金算入に関する明細書資産に係る控除対象外消費税額等(仕入税額控除ができない消費税額等)がある場合に作成します。
16(11)非適格合併等に係る調整勘定の計算の明細書非適格合併のあった法人で、資産の移転を受け、資産調整勘定が発生した場合に作成します。

別表16の各種明細書は「国税庁のサイト」で入手できるほか、e-Taxソフトなどからも入手できます。

法人税申告書全体の作成方法は、以下の記事をご覧ください。

法人税申告書の別表16を作成する前に

法人税申告書の別表16を作成する際に押さえておきたい5つのポイントを紹介します。

減価償却方法の選択と法定償却方法

減価償却資産の償却方法については、以下の減価償却資産の種類ごとに定められた償却方法のうち、法人が任意に選定した方法により償却できます。

平成28年4月1日以後に取得した主な資産の減価償却方法

減価償却資産の種類償却方法
建物・建物附属設備・構築物定額法
上記以外の有形減価償却資産定額法定率法
無形減価償却資産定額法
リース資産(所有権移転外)リース期間定額法

ただし、法人が任意の償却方法を選択する場合は、所轄の税務署長に申請を行い、承認を受けなければなりません。申請がない場合は、表中の赤字の償却方法が法定償却方法として適用されます。

特別償却

減価償却資産については、法人税法に定める償却限度額までしか損金算入できません。特別償却は、通常の償却限度額を超えて損金算入が認められる特別措置による償却額のことです。

特別償却は政策的な目的で設けられているもので、中小企業経営強化税制(経営力向上のために特定の新品の設備を取得した青色申告を行う中小企業向けの制度)による特別償却などがあります。

法人税法上の繰延資産

会計上の繰延資産は、創立費、開業費、開発費、株式交付費、社債等発行費です。法人税法上の繰延資産には、会計上の繰延資産に加え、以下の資産が含まれます。

  • 自己が便益を受ける公共的施設や共同的施設の設置や改良のための支出金(道路や堤、組合・協会の施設建設費、など)
  • 建物を賃借するための権利金や立退料など
  • 電子計算機などの機器の賃借のための取引運賃や据付費など
  • 役務の提供を受けるための支出金(ノウハウ設定契約の頭金など)
  • 広告宣伝資産(広告宣伝用の陳列棚や自動車など)の贈与のための費用
  • 積雪地帯のスキー場のゲレンデ整備費用
  • 出版権の設定の対価のため支出した費用
  • 同業者団体(社交団体除く)等への加入金
  • 職業運動選手等の契約金など

法人税法上の繰延資産に該当する支出のうち、税法上の償却限度額を超える金額は、その事業年度の損金に算入できません。別表16(6)の作成が必要になることにも注意しましょう。

一括償却資産

取得価額20万円未満の減価償却資産(取得価格10万円未満の資産は全額損金にできるため実質は10万円以上20万円未満の資産)は、法人の任意で一括償却を選択できます。

一括償却は、耐用年数などにかかわらず、3年にわたり均等で償却を行い損金に算入する方法です。一括償却を選択する場合は、16(8)の作成が必要になります。

中小企業の少額減価償却資産の特例

青色申告書を提出する中小企業等(大企業との完全支配関係のない資本金1億円未満の法人など)は、「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」を適用できます。

取得価額30万円未満の減価償却資産について、取得事業年度に取得価額相当額を損金算入できる特例です。(通常は10万円以上の減価償却資産は耐用年数にわたって減価償却を行います。)特例を適用する場合は、別表16(7)の作成が必要になります。

法人税申告書の別表16は減価償却関係の明細書

法人税申告書の別表16は、主に減価償却関係の明細書となっています。減価償却については、多くの法人で関係してくるところではないでしょうか。今回紹介したように、どのようなケースで各種明細が必要になるのか、社内で申告書を作成する場合は必要な明細書の確認作業から進めていきましょう。


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