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  • 更新日 : 2021年7月16日

リバースチャージ方式とは?消費税法改正で課税方式が変わった!

リバースチャージ方式とは?消費税法改正で課税方式が変わった!

平成27年(2015年)4月の消費税法改正では新しく「リバースチャージ方式」という課税方式が一部の取引に適用されることになりました。

ここではこのリバースチャージ方式の仕組みを解説するとともに、今回の消費税法改正の他の内容についても簡単に説明します。

リバースチャージ方式とは?

リバースチャージ方式とは
取引改正前改正後
(1)国外取引:不課税国内取引:課税
(2)国内取引:課税国外取引:不課税
(3)国内取引:課税国外取引:不課税
(4)国外取引:不課税国内取引:課税
(5)国内取引:課税国内取引:課税

リバースチャージ方式が適用される取引

リバースチャージ方式が適用される取引は「国外事業者が行う国内事業者向け電気通信利用役務の提供」とされています。平成27年4月の消費税法改正ではこの「国外事業者」の定義にも変更が加えられました。

これまでは役務(サービス)を提供する者の事務所等の所在地が国外か否かが判断基準でしたが、これからは「役務の提供を受ける者の住所地等」が国外か否かが判断基準となります。

上図は判断基準の変更により生じた課税関係とその変化の一覧です。

「事業者向け」とは企業間で取引されることを示し、「電気通信利用役務」とはインターネットを通じて提供されるサービスを指します。

例えば電子書籍や音楽配信サービスのほか、クラウドサービスやネット広告の配信などです。「国外事業者が行う事業者向け電気通信利用役務の提供」には広告の配信などのほか、芸能・スポーツ等の役務の提供も含まれます。

リバースチャージ方式の課税方法

リバースチャージ方式では納税義務者が、「国外事業者が行う事業者向け電気通信利用役務の提供」を受ける国内事業者となります。

本来消費税は「売った側」が納税義務を負います。しかし当該役務の提供の場合は、「買った側」すなわち国内事業者が申告・納税の義務を負うのです。対して国外事業者は当該役務の提供を受ける国内事業者に当該取引が「リバースチャージ方式」の対象である旨の表示しておかなくてはなりません。

リバースチャージ方式「以外」の課税方法

「国外事業者が行う事業者向け電気通信利用役務の提供」以外の取引(電子書籍や音楽配信サービス)については「国外事業者申告納税方式」が取られます。

つまり国内事業者間の取引、国内事業者と消費者の取引、国外事業者と国内事業者の間で行われる、消費者向け電気通信利用役務の取引で適用されるのは「国外事業者申告納税方式」です。

この課税方式での納税義務者は「電気通信利用役務の提供」を行った国外事業者。国外事業者は日本の税務署に申告・納税する義務を負うとともに、事業者免税点制度(前々年又は前々事業年度の課税売上高が1,000万円以下の場合は非課税)の対象にもなります。

リバースチャージ方式の「経過措置」

リバースチャージ方式はしばらくの間、一般課税による申告で課税売上割合が95%以上である場合、簡易課税制度が適用される事業者は、経過措置がとられています。したがって多くの中小事業者にとっては、しばらくの間影響がありませんが、該当する場合や今後本格的に適用された場合に備えて、理解を深めておく必要があります。

消費税法改正のその他の内容

・消費税及び地方消費税率の引き上げ等
・輸出物品販売場(免税店)制度の見直し
・登録国外事業者制度の創設
・芸能・スポーツ等の役務の提供の課税方法の見直し
・総額表示義務の特例措置の延長

消費税及び地方消費税率の引き上げ等

消費税及び地方消費税率が8%から10%へと引き上げられる時期が平成31年(2019年)10月1日とされています。軽減税率の導入も検討されています。

輸出物品販売場(免税店)制度の見直し

ショッピングセンターなどの特定の商業施設内に免税手続きカウンターを設置すれば、承認免税手続事業者に代理させることができる「手続委託型輸出物品販売場」制度が新しく導入されています。承認免税手続事業者とは所轄税務署長の許可又は承認を受けた業者のことです。

登録国外事業者制度の創設

「国外事業者が行う電気通信利用役務の提供」のうち「消費者向けの電気通信利用役務の提供」を行っているものに関しては、国税庁に登録された国外事業者から提供される当該役務のみが仕入税額控除の対象となります。
これを登録国外事業者制度と呼びます。

制度の施行開始は平成27年7月1日から。事業者名については国税庁ホームページに公表されています。

芸能・スポーツ等の役務の提供の課税方法の見直し

国外事業者が国内において行う映画や演劇の俳優、音楽家などによる役務の提供を「特定役務の提供」と呼ぶことになっています。前述の通り、この「特定役務の提供」についてはリバースチャージ方式が適用されます。

総額表示義務の特例措置の延長

消費者向けの税込価格表示は消費税法で定められている義務となっています。しかしプライスカード等に書かれている価格が税込表示でないとわかるような措置を講じている場合は、税込価格の表示でなくても良いというのが「総額表示義務の特例」です。

この措置の適用期限が今回の改正で平成29年3月31日から令和3年年3月31日までに延長されています。

まとめ

平成27年(2015年)4月の消費税法改正で変更・決定された内容は概ね以上です。

リバースチャージ方式に関しては経過措置が取られるため、ほとんどの企業にとっては当分の間、無関係な変更点かもしれません。しかし将来、本格的に適用された時に困らないように、今からきちんと理解しておきましょう。

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よくある質問

リバースチャージ方式が適用される取引の判断基準は?

「役務の提供を受ける者の住所地等」が国外か否かが判断基準となります。詳しくはこちらをご覧ください。

リバースチャージ方式の納税義務者は?

「国外事業者が行う事業者向け電気通信利用役務の提供」を受ける国内事業者となります。詳しくはこちらをご覧ください。

消費税法の改正で、輸出物品販売場(免税店)制度はどう見直されている?

ショッピングセンターなどの特定の商業施設内に免税手続きカウンターを設置すれば、承認免税手続事業者に代理させることができる「手続委託型輸出物品販売場」制度が新しく導入されています。承認免税手続事業者とは所轄税務署長の許可又は承認を受けた業者のことです。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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監修:土屋 英則 (税理士)

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ゆびすいグループは、国内8拠点に7法人を展開し、税理士・公認会計士・司法書士・社会保険労務士・中小企業診断士など約250名を擁する専門家集団です。
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