- 更新日 : 2024年8月8日
機能別分類と形態別分類との違いやIFRS適用時の表示方法を解説
原価計算を行う場合に重要なのが、発生原価をどのように分類するのかということです。原価計算には大きく分けて5つの分類方法があり、その中で重要となるのが機能別分類と形態別分類です。
機能別分類は、原価計算の情報を利害関係者など外部の人間に分かりやすく伝えるために重要です。そこで、ここでは機能別分類について詳しく解説します。
機能別分類とは
形態別分類と機能別分類のイメージは下記のようになります。
機能別分類とは、会社の経営において原価がどのような機能のために生じているかに基づく分類であり、原価要素はこの分類基準によって機能別に分類されています。機能別分類は会計上において費用科目分類の一つであり、原価が使われる機能に基づいて集約され、科目を分類する手法です。
機能別分類の基準で分類される経費の中には、広告宣伝費や出荷運送費、販売調査費や販売事務費などが含まれています。この機能別分類の基準に基づいて分類すると、材料費は主要材料費や修繕材料費、補助補助材料費などに分類することができます。他にも、倉庫量や掛売集金費、企画費や技術研究費などの経費にも機能別分類は適用されます。
機能別分類に基づいて分類される項目には賃金も含まれていますが、直接賃金や間接作業賃金、手持賃金などに分類できます。
このように、会社の経営に必要となる様々な経費を機能に応じて分類することで、会計上の記録を正確に保つことができます。
形態別分類との違い
形態別分類とは、機能別分類とともに原価計算基準でよく使われる分類方法のひとつです。機能別分類が機能に応じて原価を分類するのに対し、形態別分類は「材料費」「労務費」「経費」と発生形態別に原価を分類します。
形態別分類は、それぞれ次のようになります。
- 材料費 …材料(物品)の消費によって発生する原価のこと
- 労務費 …労働力の消費によって発生する原価のこと
- 経費 …材料(物品)の消費(材料費)や労働力の消費(労務費)以外から発生する原価のこと
形態別分類のメリットは、製品の製造過程で消費した材料や労働力などを明瞭に把握できることです。
なお、IFRS(国際会計基準)における損益計算書及び包括利益計算書では、形態別分類のことを性質別分類と呼びます。
IFRS適用時の損益計算書及び包括利益計算書の表示
IFRSを適用した場合、損益計算書及び包括利益計算書は、費用項目において、機能別分類もしくは性質別分類による表示のどちらかを選択することができます。
IFRSにおける機能別分類とは、売上原価や販売費及び一般管理費など、経営上の機能によって分類表示する方法です。
IFRSにおける性質別分類とは、費用の内訳科目を表示する際に、原材料費や減価償却費など発生の形態に基づき分類表示する方法になります。
機能別分類の方が、日本の会計基準に近い表示方法になります。
機能別分類を理解して正しく原価計算をしましょう
機能別分類とは、会社の経営において、原価がどのような機能のために生じているかに基づく分類のことです。この考え方は、IFRSを適用した場合に損益計算書及び包括利益計算書を機能別分類で表示する事に繋がります。機能別分類を理解して正しく原価計算するとともに、IFRSの適用に備えましょう。
よくある質問
機能別分類とは、どのようなものですか?
機能別分類とは、会社の経営において、原価がどのような機能のために生じているかに基づく分類方法です。詳しくはこちらをご覧ください。
形態的分類とは、どのようなものですか?
形態別分類とは、原価を発生形態別に「材料費」「労務費」「経費」に分類する方法のことです。詳しくはこちらをご覧ください。
IFRS適用時の損益計算書及び包括利益計算書の表示方法は?
費用項目において、機能別分類もしく性質別分類による表示のどちらかを選択することができます。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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