- 作成日 : 2023年2月17日
メガネ代は経費にできる?仕訳と勘定科目の解説

経費に計上できる支出の判断基準は、業務に必要な支出であることです。メガネがなければ仕事ができない人にとって、メガネ代を経費にできるかは気になるのではないでしょうか。
本記事では、メガネ代が経費にできるケースとできないケースについて解説します。具体的な仕訳例や勘定科目、医療費控除の対象になるかも解説するため参考にしてください。
メガネ代は経費にできる?
メガネ代は原則として経費にすることはできません。メガネは日常生活でも利用する道具であるため、ほとんどのケースにおいて業務を行うために購入したものとはいえないからです。
ただし、購入したメガネが業務上なくてはならないものであり、業務のために購入したと認められる場合は、メガネ代を経費として計上できます。
経費にできるケース
メガネの使用が業務上必要不可欠である場合は、メガネの代金を経費として計上できる可能性があります。
工事現場や工場などにおいて、作業中に発生する飛来物や粉塵などを防止する目的で保護メガネを購入した場合は、経費にできる可能性が高いといえます。
これらのメガネは日常生活で使用することがないため、業務上必要であると判断できるためです。最近ではPCモニターから発せられるブルーライトの健康被害が広く世に知られるようになったことで、ブルーライトをカットできるメガネ代の経費計上を、使用状況に応じて認める傾向がみられます。
また、職場でメガネの装用が義務付けられている場合も、制服と同様の扱いでメガネ代を経費に計上できます。メガネの販売店やメガネカフェ(コンセプトカフェ)など、視力矯正の必要がない人でもメガネの着用が義務付けられているからです。
ただし、日常生活でもメガネを装用している個人事業主は、メガネ代を全額経費計上することはできないと考えておいたほうがいいでしょう。もし経費に計上する場合は、日常生活と業務時間での使用時間を按分して、購入費用の一部を経費に計上することをおすすめします。
メガネを経費にする場合の仕訳と勘定科目
メガネを経費にする場合は「消耗品費」の勘定科目により仕訳を行います。具体的な仕訳例は以下のとおりです。
(例)危険物から目を保護する目的で、保護用メガネを購入した。購入代金10,000円は現金で支払った。
メガネ代の金額を問わず、一般的には消耗品費勘定が使用されます。ただし、前述のとおり業務に必要なメガネの代金しか経費として計上できません。必要以上に高価なフレームや装飾の代金は経費にできない点は注意しましょう。また、メガネが本当に業務に必要であるという説明を求められる場合がありますので、メガネと業務の関連性を明確にしておきましょう。
メガネの購入費用で医療費控除を受ける場合
原則としてメガネの購入費用は医療費控除の対象とはなりません。一般的にメガネは近視や遠視を矯正するために使用するものであり、治療を目的として使用するものではないからです。
しかし、医師の治療を受けるために直接必要な場合は、メガネの購入費用も医療費控除の対象となります。ここでいう治療とは、視機能が未発達な子どもの視力の発育を促す場合や、白内障の患者が視機能回復のために一定期間装用するような場合のことです。
医師による治療を必要とする症状は弱視や斜視、白内障など、一定の症状に限られています。さらには医師の治療が実際に行われていることを証明するため、所定の処方せんに疾病名と治療が必要な症状を記載することが求められています。
なお、治療のために購入するメガネのフレームについては、特別な装飾が施されているものや高価なものは認められていません。一般的に使用されているプラスチックやチタンなどの材料であることが求められているため、購入する際は注意しましょう。
メガネ代は原則として経費にできない
メガネ代を経費に計上したい場合は、購入したメガネを日常生活で使用していないことを証明する必要があります。職場でしか使わないブルーライトカットメガネや、危険物などを防止する目的で購入したメガネ代については業務に要した費用といえるため、購入費用の一部または全額を経費に計上できる可能性があります。
自身が購入したメガネ代が経費にできるかどうかや、メガネ以外に経費にできるか気になる購入品がある場合は、税理士等の専門家へ相談することをおすすめします。

マネーフォワード クラウド会計の導入事例
金融口座の取引明細データが自動で取り込まれ、各取引の勘定科目も自動で仕訳される。以前はインストール型ソフトを利用していたので、それがクラウドに変わるとこれほど自動化されるものなのかと本当に驚きました。
株式会社久松農園 久松 達央 様
よくある質問
メガネ代は経費にできる?
メガネ代は原則として経費にできません。視力の補正を目的としたメガネは、日常生活でも利用するものだからです。ただし、店舗でメガネの装用が義務付けられている場合は経費にできる場合もあります。詳しくはこちらをご覧ください。
メガネ代を仕訳するポイントは?
メガネを経費に計上する場合は「消耗品費」の勘定科目を用いて仕訳を行います。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。