• 作成日 : 2022年5月20日

リース料の仕訳に使える勘定科目

リース料の仕訳に使える勘定科目

リース契約を行ったときに支払う費用の額を、リース料といいます。リース料の支払いについては会計処理上2つに区分されます。リース料支払時にはどのような会計処理を行わなければならないのか、リース料支払時の仕訳と勘定科目、賃貸借との違いについて見ていきましょう。

リース契約とは

リース契約とは、一般的に、リース会社が企業(ユーザー)の注文に応じて物件を選定し、その対象物件をユーザーに長期間貸し出すような契約をいいます。実態としては、リース会社がユーザーに代わって機械などの物件を購入して、代わりにユーザーから購入代金分と手数料を受け取るような取引です。会計処理上は、ファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引に分けられます。

リース契約の詳細については、こちらの記事をご覧ください。

ファイナンス・リース取引

ファイナンス・リース取引は、ユーザーが実際に資産を取得したときとほとんど変わらない経済実態をもつ取引をいいます。ファイナンス・リース取引の条件となるのが解約不能とフルペイアウトです。

解約不能はリース期間中に実質的に解約ができない取引をいいます。フルペイアウトは、借手がリース物件からもたらされる利益を享受できる代わりに、リース物件の使用にかかるコストを実質的に負担することです。解約不能とフルペイアウトの2つの条件が揃ったリース契約は、会計上ファイナンス・リース取引で処理をします。

オペレーティング・リース取引

オペレーティング・リース取引は、ファイナンス・リース取引に該当するリース取引以外のリース取引をいいます。解約不能とフルペイアウトのいずれの要件も満たさないもの、あるいはどちらか一方の要件を満たさないような取引です。会計上、オペレーティング・リース取引は賃貸借取引とみなされます。

リース料の仕訳に使える勘定科目

リース料支払時にはどのように仕訳をすれば良いか、ファイナンス・リース取引の場合とオペレーティング・リース取引の場合とに分けて、勘定科目と仕訳の解説をします。

リース料支払時の仕訳(ファイナンス・リース取引)

ファイナンス・リース取引では、リース料の支払額全額を費用とせずに、「リース債務」と「支払利息」に振り分けて会計処理を行います。ファイナンス・リース取引開始時には、「リース資産」と「リース債務」の資産と負債の両建処理を行うためです。リース料の支払時には、利息相当分を支払利息に計上し、支払額との差額を負債額の一部を返済したものと考えリース負債を減額する仕訳を行います。

(例)当社は1年分のリース料100万円を当座預金より支払った。なお、当該リース契約はファイナンス・リース取引に該当するもので、計算の結果、当期の支払利息の額は25万円であった。

借方
貸方
リース債務
750,000円
当座預金
1,000,000円
支払利息
250,000円

ファイナンス・リース取引での支払利息の計算は、利息法が原則(定額法の適用も容認されます)です。支払利息は、リース債務残高に一定の利率を乗じて求めます。一定の利率とは、借手が貸し手の計算利子率を知っているときはその利率、知り得ないときは借手が追加借入をしたと想定したときの利率を使用します。

リース料支払時の仕訳(オペレーティング・リース取引)

オペレーティング・リース取引は賃貸借取引と実態は同じと考えますので、ファイナンス・リース取引のように契約時に資産と負債の両建処理は行いません。以下の仕訳例のように、「支払リース料」の勘定科目を使って、すべて費用で処理します。

(例)当社は1年分のリース料100万円を当座預金より支払った。なお、当外リース契約はオペレーティング・リース取引に該当するものである。

リース料と賃貸料の違い

リース料に似た概念として、賃借料があります。賃借料は、土地や建物、機械などの固定資産の賃貸で発生する費用です。オペレーティング・リース取引のリース料も賃借料も、固定資産を長期間貸し出すことで発生する費用であることに変わりはありません。

一般的には、リース会社との契約で代わりに取得してもらった資産に対する費用をリース料、建物や土地などを借りたり機械などを一時的にレンタルしたりすることで発生する費用を賃貸料ということが多いです。

リース料支払時の仕訳は2パターンある

会計処理上、リース料支払時の仕訳は、ファイナンス・リース取引の場合とオペレーティング・リース取引の場合の2パターンがあります。ファイナンス・リース取引は利息相当分だけ費用に、オペレーティング・リース取引は全額を費用に計上するなど会計処理が大きく異なりますので、リース契約がどちらに該当するか判断してから会計処理を行うようにしましょう。

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よくある質問

リース契約とは?

リース会社がユーザーの注文に応じてメーカーから物件を取り寄せ、ユーザーに対して長期間物件の貸し出しを行うような契約をいいます。詳しくはこちらをご覧ください。

リース料の仕訳のポイントは?

ファイナンス・リース取引に該当する場合はリース債務と支払利息に振り分けて、オペレーティング・リース取引に該当する場合はリース料の全額を支払リース料で仕訳をします。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:萱谷 有香(叶税理士法人 東京事務所代表)

叶税理士法人 東京事務所代表
不動産専門の税理士。

不動産投資に特化した税理士事務所で働きながら収益物件について税務と投資面で多くの知識を得られたことを活かし
自らも不動産投資を手掛ける。
大手管理会社、ハウスメーカーや賃貸フェアなどで講演実績があり、記事執筆も行う。
不動産投資の規模を拡大していくために、なくてはならない金融機関からの融資についても積極的に紹介やアドバイスを行う。
金融機関から融資を引きやすい、または金利交渉しやすい決算書の作成を得意とする。
物件購入前、物件保有中、物件売却時、相続時、どの時点で相談を受けても必ず投資家にプラスになるアドバイスを心掛けている。
著書に『減価償却節税バイブル』( 技術評論社)がある。

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