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  • 更新日 : 2021年3月12日

売上債権とは?種類や管理・回収方法、売上債権回転期間と回転率の計算方法も解説

企業間の取引においてしばしば登場するのが「掛取引」「手形取引」です。信用に基づき代金の決済を繰り延べる取引形態ですが、信用取引により発生した売上にかかる債権のことを「売上債権」と呼びます。

本記事では「売上債権」の種類や管理方法、回収方法について解説していきます。

売上債権とは?

売上債権の種類

売上債権とは、簡単に説明すると「売上代金の未回収分」のことを指します。 コンビニやスーパーのような現金取引であれば、お客様が商品を購入した際に売上代金を即現金で受け取るので売上代金の未回収は発生しません。
しかし、企業間の取引ではお互いの信頼関係のもと、売上代金を後日決済するという「掛取引」を行うのが一般的です。
売上債権の種類には、次のようなものがあります。

1.売掛金

掛取引の段階では、売上代金が回収されていませんので売掛金」という売上債権として資産計上します。

2.約束手形(受取手形)

「売掛金」が回収される段階で、預貯金以外の方法で決済されることがあります。代表的な決済方法が、一定期日後に決済を行うことを約した約束手形による「手形決済」です。

3.電子債権

最近では、債権の電子化が進み、約束手形に代わってファクタリング債券のような「電子記録債権決済」という方法も浸透しています。
以上のように、売上から現金化されるまでの間、保有することになる売掛金や約束手形(受取手形)、電子債券のことを総称して「売上債権」と呼びます。

企業が「掛取引」を行う主な理由は次の3つです。

  1. 現金を持ち歩く必要がないので盗難や紛失といったリスクを避けられる
  2. 売上代金の入金サイクルと仕入代金の支払サイクルをある程度合わせられるため資金繰りが楽になる
  3. 一定期間(1ヶ月など)の取引をまとめて代金決済するので、その都度決済するケースと比較して事務的な手間を省略できる

売上債権を管理する方法

売上債権は、勘定科目ごとに管理します。

1.売掛金

得意先が少なければ売掛金の発生や回収を「売上台帳」「売掛帳」といった手書きの帳簿で個別に管理していくことも可能でしょう。しかし、事業規模が大きくなり得意先が増えてくるにしたがって、帳簿だけで管理していくことは困難になります。

得意先が多い企業では、売掛金管理専門のソフトを使用するケースが増えています

得意先毎の売上伝票や入金伝票を入力すれば、売上台帳の作成や売掛金残高の集計管理をソフトが自動でしてくれるので、早くて正確な管理が可能です。

さらに、納品書や請求書の発行機能がついているソフトが殆どですので、納品・請求業務の省力化に繋がるといったメリットもあります。

2.受取手形

受取手形は決済日が予め記載されており、決済日に自ら銀行に取り立て依頼しなければなりません。もし仮に決済日を過ぎて3営業日を過ぎてしまうと取り立てができなくなってしまいますので細心の注意が必要です。

取り立ての失念を防止するためにも「受取手形帳」を作成し、手形決済日を一元管理しておくことが大切です。

3.電子債権

電子債権は、得意先から債権を譲り受けた金融機関等が、受け取りから決済までの管理を全て行なってくれます。決済日になれば予め登録してある銀行口座に決済代金を振込してくれますので、受取手形のような取り立て忘れが起こることがありませんので安心です。

電子債権は受取手形と同様に割引をすることができます。

資金繰りの都合で現金化可能な電子債権がどれくらいあるのかを管理するために、受取手形帳のような管理台帳を作成しておくのもひとつの方法です。

売上債権を回収する方法

得意先と掛取引を始める際に、予め決めておかなければならないのが「回収方法」です。
売掛金の回収方法としては以下のようなパターンがあります。

  1. 「現金による回収」「銀行口座への振り込み」による回収
  2. 「受取手形」「電子記録債権」による回収
  3. 買掛金」「未払金」と相殺

売掛金で取引をする場合は「翌月末日入金」「翌々月10日入金」などといった支払期日を予め得意先と決定します。
そのうち、2.「受取手形」「電子記録債権」については「120日後決済」「150日後決済」といった決済期日が予め決められています
決済期日が到来すると、「受取手形」については受け取った人が銀行に取り立てに出し現金化、「電子記録債権」については予め登録した銀行口座に振り込まれる形で決済されます。
また、売上債権の回収方法として注意すべきなのが「会社の資金繰り」です。
売上債権の回収は資金繰りに直結していますので「いかに早く売上債権を現金化するか」という点を重視しなければなりません。

取引を始める時に決める回収方法や期日については、こちらに都合の良い条件を一方的に押し付けることがなかなか難しいでしょう。しかし、少しでも早く現金化できるような交渉を得意先とするべきです。
例えば、以下のような方法があります。

  • 売掛金の回収サイトを翌々月10日から翌月末に変更してもらう
  • 受取手形による売掛金決済を半金半手(半分を現金、半分を受取手形)にしてもらう
  • 受取手形や電子債権の決済サイトを1ヶ月短縮してもらう

売上債権回転率とは

売上債権回転率の計算方法

売上債権回転率」とは、売上高に対して売上債権がどれくらい回収されているかを示した目安です。回転率の求め方は以下の算式となります。

売上債権回収率 = 売上高 / 売上債権(売掛金+受取手形+電子債権)

例えば1億円の売上高に対して売上債権が0円であれば回収が順調であり、回転率が良いことを意味します。

逆に1億円の売上高に対して1億円の売上債権が残っていたとしたら回収が全くできていないことになり、回転率が悪いことになります。

売上債権回転期間とは

売上債権回転期間の計算方法

「売上債権回転期間」とは、売上債権の回収に要する期間がどれくらいかかっているかを測るための目安です。回収期間の求め方は以下の算式となります。

売上債権回転期間 = 売上債権 / (売上高 ÷ 365日)

先にも述べたとおり、売上債権の回収は会社の資金繰りに直結しています。売上債権回転期間が短ければ資金繰りは楽になりますし、逆に長くなれば資金繰りは厳しくなります。

売上債権のポイントをおさえよう

財務指標のひとつに「キャッシュフロー計算」がありますが、キャッシュフローを良くするためのポイントとして「回収は早く、支払は遅く」することが求められています。売上債権はイコール、会社の大切な運転資金です。経営者の方は残高や回収状況の管理は勿論のこと、回収サイトの短縮も重要な管理項目であることを理解する必要があるでしょう。

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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