• 作成日 : 2022年4月22日

差入有価証券とは?仕訳から解説

差入有価証券とは?仕訳から解説

有価証券を金銭貸借等の担保として提供する際は、差入有価証券勘定を使用します。差入有価証券の仕訳を行う際は、時価ではなく帳簿価額を記載します。

預り有価証券や保管有価証券は時価で記載されるため、区別が必要です。今回は差入有価証券の特徴や仕訳、似通った勘定との違いを解説します。

差入有価証券とは

差入有価証券は金銭を貸借する担保として有価証券を差し入れたときに用いる備忘勘定です。

手形取引や掛取引の場合、新たに取引を始める場合や取引相手に比べて自社の規模が小さい場合などは、本当に回収できるか不安を抱くでしょう。

事前に保証金を相手に差し入れておけば、代金の不払いを起こしても安心です。保証金は有価証券の形で行われる場合もあり、有価証券の売却益を充当することが可能です。

有価証券を差し入れた時、所有権を相手方に譲渡したわけではないため、本来なら仕訳は不要です。しかし仕訳を計上しないと手元にある有価証券と差し入れした有価証券が同じ勘定で処理され、分かりづらくなります。

差入有価証券勘定を使い、手元からなくなった有価証券を区別する必要があるのです。

差入有価証券の仕訳

例)A社はB社から10万円の現金を借り入れ、その担保に有価証券(簿価1万円、時価1万2,000円)を差し入れた

借方
貸方
摘要
現金
100,000
借入金
100,000
〇〇社有価証券
差入有価証券
10,000
有価証券
10,000

売買目的で保有していた有価証券を差し入れるため、有価証券勘定が減少します。記帳の際は時価ではなく簿価を用いることに注意してください。

有価証券を時価で記帳したら帳簿価額と整合が取れなくなるためです。有価証券の減少に対応する借方勘定は差入有価証券です。

受け入れた側の仕訳

例)取引先から時価5万円の有価証券を担保として預かった

借方
貸方
摘要
保管有価証券
50,000
預り有価証券
50,000
〇〇社から有価証券の預り

担保として有価証券を受け取った側も仕訳が必要です。有価証券を受け取る際は時価で記帳します。差入有価証券の仕訳と扱いが異なるため、注意しましょう。

差入有価証券と保管有価証券の違い

保管有価証券はお金を貸す際に有価証券を担保として受け入れた場合に、売買目的等で保有する自分の有価証券と分けるために用いられる備忘勘定です。他人のために有価証券を管理している場合に使われる勘定科目ともいえます。

勘定を使用する目的・意義は、差入有価証券と保管有価証券で違いはありません。違うのは有価証券を受け入れる側なのか、差し出す側なのかという立場です。

有価証券を預かっただけでは所有権は移転しないため、簿記上の取引には該当せず、本来なら記帳は不要です。しかし、自分が保有する有価証券と混同しないために保有有価証券勘定で処理します。有価証券を受け入れた際に、借方の勘定科目として使用します。

差入有価証券と預り有価証券の違い

預り有価証券は保管有価証券と同様に、有価証券を担保に受け入れた際、自社が持つ有価証券と区別するために用いられる備忘勘定です。

仕訳時は保有有価証券と対を成す勘定科目として使われます。差入有価証券との違いは保管有価証券で述べたものと同様、有価証券を受け入れる側なのか差し出す側なのかということです。

また、差入有価証券は帳簿価額で記帳するのに対し、預り有価証券と保管有価証券は時価で記帳することにも注意が必要です。

他社から受け取った有価証券をもし紛失した場合、預かっている会社が買い直さなければなりません。買い直す際に必要な金額はそのときが訪れなければ分かりませんが、どちらかと言えば、帳簿価額よりも時価の方が近くなります。

だからこそ、保管有価証券は時価で記帳が行われるのです。

差入有価証券と差入保証金の違い

差入保証金は契約内容の履行を担保するために、債務者が債権者に対して差し入れる金銭です。

差入保証金の具体例は、事務所や建物を借りるときに支払う敷金や営業保証金、入札保証金などが該当します。

原則は契約修了時に全額返金が行われますが、トラブルが生じた際に一部返還されたり、あらかじめ返還しないという特約が組まれたりする場合があります。

差入保証金は担保の対象が金銭であるのに対し、差入有価証券で差し出されるのはその名の通り有価証券です。

有価証券を担保に差し出す際は、価格が上下しやすいことに注意が必要です。担保価値が有していた金額より大幅に下回ってしまった場合は、追加の担保提供が求められる場合があります。

有価証券を担保に差し入れる際は仕訳が必要

差入有価証券は金銭等の貸借を受ける際、返済能力に不安が持たれるときに担保として差し出す有価証券です。

有価証券を相手方に差し出した際、差入有価証券勘定を用いて仕分けします。記帳は帳簿価額で行うことに注意が必要です。

有価証券を受け取った側も仕訳処理を行う必要があり、その際は預り有価証券と保管有価証券勘定を用います。差入有価証券と差入保証金の違いは、担保の対象が有価証券か金銭なのかということです。

経理初心者も使いやすい会計ソフトなら

よくある質問

差入有価証券とは?

金銭を借り入れる際に担保として提供する有価証券です。詳しくはこちらをご覧ください。

差入有価証券と保管有価証券の違いは?

担保として有価証券を差し入れるときに使われるのが差入有価証券、他社の有価証券を預る際に使用するのが保管有価証券勘定です。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

【監修】マネーフォワード クラウド会計

会計・経理業務に関するお役立ち情報をマネーフォワード クラウド会計が提供します。
取引入力と仕訳の作業時間を削減、中小企業・法人の帳簿作成や決算書を自動化できる会計ソフトならマネーフォワード クラウド会計。経営者から経理担当者まで、会計業務にかかわる全ての人の強い味方です。

関連記事