• 作成日 : 2021年11月5日

法人事業税の税率や計算方法について解説!

法人事業税の税率や計算方法について解説!

法人が納付する税金には法人税や法人住民税、特別法人事業税などのいくつかの種類がありますが、その中で法人事業税とはどのような税金なのか詳しく解説します。申告する際の税率や計算方法、外形標準課税が適用されるケースや計算する際に必要な所得割や収入割、付加価値割などが何を指すのかについても見ていきましょう。

また、複数の自治体で事業を行っているときの分割基準や非課税となるケース、納付期限に遅れそうなときにすべきことについても解説します。

法人事業税とは?

法人事業税とは法人が納める税金のひとつです。なお法人が納めなくてはいけない税金には、法人税と法人事業税、法人住民税の3つがあります。

法人事業税とは、法人が事業を行う際に利用しているサービスや公共施設についての経費を支払う目的の税金です。地方税なので事業所が所在する自治体に納めましょう。また法人事業税は所得に応じて支払うため、法人の所得がマイナスのときは納付の必要がありません。

法人事業税の納税義務者は、当該都道府県に事業所を設けて事業を営んでいる法人です。法人事業税額は次の事業年度の損金として算入できます。

【参考】東京都主税局/法人事業税・法人都民税

法人事業税と法人税との違いは?

法人税とは事業年度ごとに発生した所得に対して納付を求められる税金を指します。法人事業税とは異なり国税で、税金を納める「納税者」と税金を負担する「担税者」はどちらも法人です。

納税者自身が税計算して申告、納付する方式なので、期限を忘れずに納めるようにしましょう。なお、法人税は公共法人、公益法人、人格のない社団等などには課税されません。

法人税を計算する際のベースとなる金額は、益金から損金を差し引いた課税所得と呼ばれるものです。法人税について詳しくは以下の記事で解説しています。ぜひ参考にしてください。


【参考】国税庁/法人税

法人事業税と法人住民税との違いは?

法人に課せられる税としては、法人事業税と法人税以外にも法人住民税があります。法人住民税は法人事業税と同じく地方税で、法人が事業所を構えている所在地によって納付先が変わるため注意しましょう。

法人住民税には納付先によって都道府県と市町村2つに分類できますが、東京23区内に事業所があり、そのほかの地域に事業所のない法人については2つをまとめて「法人都民税」として納付します。

また法人住民税は「法人税割」と「均等割」の2つの種類によって構成されている点に注意しましょう。

法人税割とは法人税額に基づいて計算する税金です。法人都道府県民税の法人税割は法人税額の1.0%、法人市町村民税に関しては法人税額の6.0%に相当します。

一方で均等割は法人都道府県民税の場合は資本金の額、市町村民税に関しては従業員人数と資本金に応じて算出されるので、法人税額とは関係がありません。また所得がないときは納めなくてもよい法人事業税とは異なり、均等割に関してはたとえ所得がマイナスであっても納めなくてはいけません。

法人住民税については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧になり法人住民税への知識を深めてください。


【参考】総務省/法人住民税・法人事業税

法人事業税の納税義務者は?

法人事業税は法人が納める税金のひとつですが、すべての法人に納税義務があるわけではありません。法人の種類によっては納税義務があるかどうかが決まります。

法人の種類法人の例納税義務
普通法人株式会社、特例有限会社、合名会社、合資会社、医療法人などあり
公益法人財団法人、社団法人、学校法人、宗教法人などあり
協同組合等信用金庫、農業協同組合、労働者協同組合などあり
人格のない社会団体同窓会、PTAなど収益事業を行わない限りは納税義務がない
公共法人国立大学法人、国民金融公庫、地方公共団体などなし

例えば、同窓会やPTAなどは会費を集めるだけでは納税義務は発生しません。ただし、収益性のある事業を手掛ける場合には、法人事業税の課税対象となることがあります。

一方、国立大学法人や地方公共団体などの公共法人には、事業を行うかどうかにかかわらず法人事業税の納税義務はありません。収益が生じた場合にも非課税となります。

法人事業税の税率と計算方法は?

法人事業税は地方税という性質上、税率のルールが自治体によっても異なります。法人の事業所が所在する自治体のルールを把握し、正しく納税するようにしましょう。

また、法人事業税は法人の種類や課税所得、事業開始年度によっても税率や計算方法が異なります。まずは資本金もしくは出資金の金額によって、標準税率か超過税率のどちらが適用されるか調べ、その後、軽減税率適用法人かどうかも調べておきましょう。

なお、法人事業税の一部として併せて特別法人事業税も納める必要があります。これは地方法人特別税が廃止された代わりの税金で、以下の計算式で求めることが可能です。

基準法人所得割額又は基準法人収入割額×税率

【参考】東京都主税局/特別法人事業税

外形標準課税とは

外形標準課税とは法人の所得額だけでなく事業所の床面積や従業員数、資本金などを税額判定に含める課税方式です。所得額以外の情報を税額計算に含めることで、法人の事業規模を反映することができます。

例えば東京都では、資本金もしくは出資金の金額が1億円を超える法人には外形標準課税が適用され、所得割と付加価値割、資本割、収入割を検討して法人事業税の税率を決まります。

なお、所得割とは所得金額に比例して課税される税金です。また、付加価値割とは収益分配額と損益を合算した付加価値に応じて課税される税金で、資本割とは資本金の額に応じて課税される税金になります。

収入割とは電気供給業やガス供給業、保険業、貿易保険業の業種を営む法人のみに適用される税金です。事業で得た収入から業種に応じた控除金額を差し引き、課税対象額がきまります。

【参考】総務省/法人事業税における外形標準課税

法人事業税の申告・納税方法は?

法人事業税は確定申告書で申告して納税します。

なお、納税期限は会計期末から2ヶ月以内であるため、企業によって納税する時期が異なります。例えば、会計期が4月始まりの3月締めの企業であれば、5月末までには確定申告書を提出し、法人事業税も納付しなくてはいけません。

また、事業開始から6ヶ月を超え、なおかつ前事業年度で法人税額が20万円を超えている普通法人については、法人事業税の中間申告と納付も必要になります。該当する場合は年に2回の申告と納付が必要になるので、忘れずに実施しましょう。

法人事業税の分割基準について

法人によっては複数の自治体で事業を行っていることもあるでしょう。法人事業税は地方税なので一定の基準に基づいて所得を分配し、それぞれの地方自治体に法人事業税を納付しなくてはいけません。

なお、法人事業税の税額を分ける基準を「分割基準」と呼びます。分割基準は事業内容によって異なるので注意が必要です。例えば、非製造業では従業員の数と事業所の数で法人事業税を分割します。

従業員の数とは給与を支払われるべき人の数で、事業所の数とは営業している月数です。例えば、A県とB県に事業所が1つずつあり、A県では通年事業を行い、B県では新しく事務所が設置されて3ヶ月のみ事業を行った場合は、A県での事業所数は12、B県での事業所数は3とカウントできます。

製造業は従業員の数で地方自治体ごとに分割することが一般的です。また、倉庫業とガス供給業は有形固定資産の価額、電気供給業は有形固定資産の価額と発電施設の価額、鉄道事業、軌道事業は軌道の距離で法人事業税の税額を分割ができます。

なお、法人事業税の分割基準については、以下の記事でも詳しく解説しているので参考にしてください。

そのほか法人が納めるべき税金は?

法人だけに課せられている税金としては、法人税・法人事業税・法人住民税の3つがあります。しかし、法人はこの3つの税金のみを納めればよいわけではありません。この3つ以外にも、地方法人特別税の代わりに誕生した特別法人事業税があります。

法人が納める税金としては、消費税も挙げられるでしょう。サービスや商品を販売するときには、消費者から消費税を受け取ります。消費税は間接税で、実際に税額を負担するのは消費者です。消費者から預かった消費税を法人は正しく納税しなくてはいけません。

そのほかにも、領収書や契約書などを発行する際に印紙税を納付します。印紙税は領収書や契約書に記載された金額に応じて課せられるため、正しい金額の印紙を貼付しましょう。

また、資産を所有している場合には固定資産税も発生します。固定資産税は資産を所有する限り毎年発生するので、資産の価値によっては負担が大きくなるでしょう。不動産が市街化区域内にある場合には固定資産税に加え、都市計画税も納付する必要があります。都市計画税も固定資産税と同様、資産を所有する限り毎年発生するので、無理なく納付できるようにあらかじめ予算を振り分けておくほうがよいでしょう。

法人の税金については以下で詳しく解説しています。ぜひご覧になり、参考にしてください。

法人事業税の申告漏れがないようチェックしましょう

法人事業税は決算期末から2ヶ月以内に申告・納税が必要な税金です。3月末が決算期末の企業であれば、5月末までには正しく申告し納付しなくてはいけません。また事業開始から6ヶ月を超えており、なおかつ前の事業年度で法人税額が20万円を超えている普通法人については、法人事業税の中間申告と納付も必要になります。時期を間違えずに忘れずに申告するようにしましょう。

法人事業税において確定申告書の提出が申告期限より遅れると、納付すべき事業税額の5%に相当する金額の不申告加算金を納付しなくてはいけません。また決定を予告されたにも関わらず申告が遅れた場合は、15%に相当する金額の不申告加算金を納付することもあります。

申告書を提出した日の前日から5年前までの間に、不申告加算金等を一度でも徴収されたことがあるときは悪質と判断される可能性があるでしょう。そのようなケースにおいては、不申告加算金として10%が加算されることもあるかもしれません。

ただし、法人事業税は地方税なので、地方によってもルールが異なります。必ず納めるべき地方自治体のルールを調べ、遅滞しないように計画的に用意しておきましょう。地方自治体によっては、特別な状況であれば例外とみなされ、納付が遅れても不申告加算金が徴収されないことがあります。いずれにしても企業の信頼に関わることなので、納付が遅れる場合であっても、正しく申告することが大切です。

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よくある質問

法人が納める税金の種類には何がある?

法人税や法人事業税、法人住民税、消費税、固定資産税、印紙税、都市計画税などがある。詳しくはこちらをご覧ください。

法人事業税の納税義務がある法人の種類は?

普通法人や公益法人、協同組合は納税義務あり。同窓会などの人格のない社会団体も収益事業を行った場合は法人事業税の納税義務が発生する。詳しくはこちらをご覧ください。

法人事業税の外形標準課税とは?

一定規模以上の法人は所得だけでなく事業所の床面積や従業員数などの客観的な数値を税額判定に盛り込むことがある。このように複数の要素で計算する方式を外形標準課税と呼ぶ。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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