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  • 作成日 : 2020年10月2日
  • 更新日 : 2020年10月2日

自己資本比率で企業の安全性を把握!計算方法や見方のポイントを解説

自己資本比率

企業を評価する観点として、「安全性」が挙げられます。企業の総資本に占める自己資本の割合を自己資本比率といいます。ここでは、貸借対照表から求める自己資本比率の見方や目安について解説します。

自己資本比率とは

自己資本比率

自己資本比率とは、総資本における自己資本の比率を指します。
自己資本比率は、企業の財務の安全性を分析するために用いられる指標です。一般的には自己資本比率が高い方が負債が少ないということになり、財務健全性が高い企業と判断されます。

しかしながら一方で、自己資本比率が高過ぎる場合、適切でないと判断されてしまうこともあるため、高ければよいということではありません。

そして、銀行のような国際的に業務を行う金融機関については、BIS規制の中の自己資本比率規制により、自己資本比率を8%以上(国際業務を行わない銀行に関しては4%以上)に保つことが義務付けられています。金融機関等における自己資本の算出方法は一般企業において適用されるものとは異なっています。

なお、BIS規制とは、国際的に活動する銀行の自己資本比率等に関する国際統一基準のことで、現在はリーマンショック等の反省を踏まえ、2013年から段階的に実施されている基準です。

自己資本比率の計算方法

自己資本比率は、貸借対照表から次の式で求めます。

自己資本比率 = 自己資本 ÷ 総資本(他人資本+自己資本)×100(%)

 

自己資本比率

図の例では、自己資本比率は
500万円 ÷ (700万円+500万円)≒ 41.7% となります。

自己資本比率の見方のポイント

では、自己資本比率の読み解き方をざっとみていきましょう。

自己資本比率の目安

低すぎても高すぎてもよくないとされた自己資本比率ですが、どれくらいであれば財務健全性が高いといえるのでしょうか?安全性の目安を見ていきましょう。

平成30年企業活動基本調査速報には、「製造業、卸売業、小売業ともに 純資産の増加により自己資本比率は上昇傾向。経営の安定化傾向が進んでいることが窺われる」とあり、製造業、卸売業、小売業とも自己資本比率が上昇傾向にあったことがわかります。
平成29年度における産業別の自己資本比率は、製造業51%、卸売業42.5%、小売業37.9%でした。
また、中小企業全般について言えば平成30年度において全産業の平均が40.92%となっています。

したがって、自己資本比率の平均値は40%程度であり、目安として50%以上あれば良好と判断できるでしょう。ただし、業種によって大きく異なるため、同業他社との比較によって大差ないことや年度推移において自己資本比率が上昇傾向にあることなども要チェックです。

自己資本比率が20%を下回ると危ない

一方、自己資本比率が20%未満である場合、自己資本が乏しい状態といえるでしょう。他の経営指標も併せて調査し、利益体質へと改善したほうが良いと言えます。
物品賃貸業など、投資によって得た資産が事業の中心である場合には借入金等の負債が多いこともありますので、自己資本比率だけにとらわれるのは危険といえます。

自己資本比率が高いとき

自己資本比率が高すぎる場合とは、どんな場合でしょうか?
例えば、無借金の場合です。一見、健全な経営に見えますが、金融機関との取引経験がないのは、いざという時に持ちこたえる力があるといえるでしょうか?景気がよく、事業拡大のチャンスがあるにもかかわらず無借金経営を続けることが投資家に評価されないことがあります。
反対に、資産のうち現金や普通預金の額が極端に少ない場合には、突発的な支払が発生したときに対応できませんし、いつ新たな借入が増えるかわかりません。
このように、自己資本比率が高すぎても、貸借対照表からは安全性を損なうような要素が読み取れる場合には、適正な自己資本比率が求められます。

自己資本比率の上げ方

自己資本比率を引き上げるには、2つ考えられます。
それは自己資本比率の分母である総資本を減少させるか、分子である自己資本の額を増加させるかです。

自己資本比率 = 自己資本 / 総資本 = 自己資本 /(他人資本 + 自己資本)

しかしながら、自己資本の額を増加させると総資本も増加しますので、結局は他人資本を減少させつつ、自己資本を増やすと自己資本比率が上がってきます。

自己資本を増加させるためには

  • 事業において利益を得ること
  • 企業の本業で黒字化させること

で自己資本を構成する利益剰余金が増えます。

総資本を減少させるためには、

    • 借入金の返済

まず、必要最低限の借入金であるかどうかを点検し、返済できる借入金は返済して、他人資本を減少させましょう。

事業に供さず、遊休となっている土地や建物、機械などを処分し、換金できれば借入金を返済すると、総資本を減らし他人資本も減らすことができます。
しかし、固定資産の処分により大きな損失がでる場合には、自己資本が減りますので要注意です。

材料、商品などの在庫で長期間利用しないにもかかわらず処分できなかったものを処分することによって、総資本は減少します。

自己資本比率と自己資本利益率の関係

ROE(Return On Equity:自己資本利益率)とは、自己資本を活用して企業がどれだけ利益を獲得したか、株主から見た投資効率を測る指標として用いられます。
自己資本比率が企業の安全性を見る指標であるのに対し、ROEは企業の収益性を見る指標です。

自己資本利益率 : ROE = 当期純利益 / 自己資本

自己資本比率 = 自己資本 / 総資本

自己資本比率とROEはトレードオフの関係です。つまり、自己資本比率が高いほど安全性は高まりますが、会社が効率よく利益をあげているかどうかを表すROEは下がります。少ない自己資本で大きな利益を獲得できる力をもつ企業、つまりROEの高い企業は投資家からは高く評価されます。
両者のバランスを考え、ある程度の安全性を確保しつつROEを上げていくことが望まれます。

自己資本比率を計算してみよう

貸借対照表は、決算時点における企業の財産状態を表しています。資金調達の方法が他人資本であるのか自己資本であるのか、また、その調達資金がどのように使われているのか、投資なのか回転資金なのか等を読み取ることができます。
自己資本比率は貸借対照表から容易に計算することができますので、企業の安全性の指標がどのように推移しているのか計算してみると数字の持つ意味が実感できるでしょう。※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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