- 更新日 : 2026年4月22日
開業償却費とは?償却方法や確定申告との関係まで解説!
開業費償却勘定は、開業時に繰延資産として計上した開業費を取り崩して費用にするときに使用する勘定科目です。財務諸表では、損益計算書の営業外費用として表示されます。
開業費・開業費償却とは
開業費とは、開業準備にかかった費用を繰延資産として計上するものです。
法人の場合は、会社の設立から開業までにかかった費用を計上します(会社設立の費用は「創立費」として計上します)。
開業準備の段階ではまだ収益が得られないため、開業費をそのまま開業初年度の費用として計上すると、収益と費用の対応が取れなくなります。
そこで、開業準備にかかった費用は繰延資産として計上し、その費用の効果が及ぶ期間にわたって取り崩して費用にすることで、収益と費用の対応を図っています。
開業費を取り崩して費用にするときは、開業費償却勘定を使用します。創立費などほかの繰延資産の償却額とあわせて「繰延資産償却費」として計上する場合もあります。
開業費の範囲
開業準備にかかった費用の中には、繰延資産として開業費に計上できるものとできないものがあります。開業費の範囲は、会計上と税法上では異なっていますが、実務では税法上の範囲に従って計上します。
税法上の開業費の範囲は、開業準備にかかった費用のうち特別に支出する費用に限定されています。
そのため、地代家賃や通信費といった経常的な費用は、開業前のものであっても開業費に計上することはできません。
開業準備にかかった費用のうち特別に支出する費用には、次のようなものがあります。
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開業費計上の仕訳例
開業費を計上するときの仕訳例をご紹介します。開業費を計上するときは、開業費に計上できるかどうか確認することが大切です。
(仕訳例)
A社では、01年5月に会社を設立してから、01年7月に開業するまでの間に次の支出がありました。いずれも現金で支払ったものとします。消費税は考慮しません。
・事務所の光熱費 2万円
・打ち合わせの費用 2万円
・チラシ作成費用 13万円
・市場調査の費用 15万円
■事務所の家賃・光熱費
| 貸方科目 | |||
|---|---|---|---|
■打ち合わせ・チラシ・調査費
事務所の家賃と光熱費をあわせた25万円は経常的な費用であるため開業費とはせず、開業した年の費用として計上します。
打ち合わせの費用、チラシ作成費用と市場調査の費用をあわせた30万円は特別に支出した費用であるため、開業費として計上します。
開業費償却は好きなようにできる
繰延資産として計上した開業費は、その費用の効果が及ぶ期間にわたって償却することで費用として認識します。開業費償却の方法は、法人の場合は任意償却、個人事業主の場合は60か月(5年)で均等償却するほか任意償却も選択できます。
任意償却では、開業初年度に全額償却することもできるほか、何年も償却しないでおくこともできます。
一般に、開業当初は欠損を計上することが多く、税務申告で青色申告をしている場合は、欠損を一定の期間にわたって繰り越すこともできます。
実務では、欠損を計上している間は開業費償却をせず、業績が安定して黒字を計上するようになって、過年度から繰り越した欠損がなくなってから開業費償却をするケースが多くみられます。
そうすることで、法人税や所得税などの税金を節税することができます。
開業費償却の仕訳例
仕訳例 一括償却の場合
A社は01年7月の開業時に開業費30万円を計上しました。03年に開業費を一括償却します。
一括償却の場合は、開業費の全額を開業費償却として費用に計上します。
仕訳例 60か月均等償却の場合
個人事業主B氏は03年7月の開業時に開業費30万円を計上しました。開業費は60か月にわたって均等償却し、決算は毎年12月末日に行うものとします。
60か月で均等償却する場合は月割計算で償却費を求めます。B氏は03年7月に開業して決算は12月末日であることから、03年は償却費を6か月分計上します。
03年の開業費償却額は、30万円÷60か月×6か月=3万円 となります。
まとめ
開業費は、開業準備にかかった費用を繰延資産として計上するものであり、開業費を償却することで費用として認識します。開業費を償却するときは、開業費償却勘定を使用します。
開業費は税法によって範囲が定められているため、開業準備にかかった費用であれば何でも計上できるわけではありません。
法人の場合、開業費償却の方法は任意償却です。個人事業主の場合は、60か月で均等償却することとされていますが、任意償却もできます。任意償却をする場合は、年ごとの所得や過去の年度から繰り越した欠損などを考慮することで、法人税や所得税などの節税にもつながります。
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