• 作成日 : 2020年3月30日

会計ソフトの乗り換えはいつがベスト?

使用している会計ソフトの使用感、機能に限界を感じ、会計ソフトを乗り換えたいと感じている個人事業主、また経理担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。乗り換えの壁となるのが、互換性などの問題が残る他社ソフトへの乗り換えかと思います。この記事では、会計ソフトの乗り換えの流れとタイミング、注意点について解説していきます。

会計ソフトの乗り換え準備と簡単な流れ

会計ソフトの乗り換えは、他社データのインポートに対応しているものなら、あまり難しくありません。インポートでどこまでカバーしているか確認しておくと良いでしょう。ここでは、簡単な乗り換えの流れ、インポートに対応している会計ソフト、対応していない会計ソフトに分けて説明します。

乗り換えで準備しておきたいもの

会計ソフトの乗り換えにあたってまず用意しておきたいのが、乗り換え前の会計ソフトのデータと乗り換え予定の会計ソフトです。乗り換え予定の会計ソフトは、インストール、クラウド型であれば利用登録をしておき、すぐに使える状態にしておきます。乗り換え前の会計ソフトのデータは、データの移行時に必要です。

このほかに前期の残高試算表、当期の開始残高が分かる貸借対照表の用意をしておくと安心でしょう。会計ソフトの乗り換え方法には、データをインポート(取り込む)する方法と、インポートしない方法がありますが、インポートができる場合であっても、開始残高までデータを取り込めないこともあります。

会計ソフトの乗り換えで用意しておきたいもの

  • 乗り換え前の会計ソフトのデータ
  • 乗り換え予定の会計ソフト
  • 貸借対照表など当期の開始残高が分かる資料

インポートできる場合

会計ソフトの乗り換えで労力を使うのが、仕訳の入力です。仕訳は、当期の頭から乗り換え前の会計ソフトに入力が済んでいる分までを入力し直さなければならないため、手間がかかります。

しかし、他社会計ソフトのインポートが可能なものなら、仕訳の問題も解決できます。基本的に仕訳データの取り込みができるようになっているためです。手順も簡単で、以下の手順でデータ移行が完了します。

  1. 乗り換え前の会計ソフトのデータを用意しておく(エクスポートでデータを取り出しておく)
  2. 新しい会計ソフト(乗り換え予定の会計ソフト)を起動し、他社ソフトのデータ移行など該当するページを開き、データをインポート
  3. インポート後、動作に問題がないか、移行がうまくいったか確認する

インポートに対応している会計ソフトによっては、仕訳だけでなく、開始残高や勘定科目のインポートができるものもあるため、複数のインポートに対応している会計ソフトの利用をおすすめします。

インポートできない場合

インポートできない場合、インポートできても一部に限られる場合は、不足しているデータを新しい会計ソフトに入力していきます。仕訳データがインポートできない場合は仕訳の入力、開始残高が取り込めない場合は開始残高の設定が必要です。勘定科目や補助科目の設定、会計ソフトが固定資産の管理に対応している場合は固定資産の登録も必要になるでしょう。

会計ソフトを乗り換えるタイミング

ここまで会計ソフトの乗り換え方法を説明しましたが、乗り換えはどのタイミングで行うのがベストなのでしょう。ここでは、会計ソフトの乗り換えのタイミング例をいくつか紹介します。

法人化や事業規模の変更

個人事業主から法人成りするタイミングで、会計ソフトの変更が考えられます。基本的に会計ソフトは、個人の確定申告用と法人用で分かれているためです。これは、財務諸表に表示する科目の違い、会計処理の違い、所得税や法人税の違い、作成する書類の違いなどがあるからです。

個人事業主の会計データを出力し、保管しておいて、新たに法人用の会計ソフトに切り替えるのも方法のひとつです。会計ソフトの中には、個人で登録していた取引先などを移行できる場合がありますので、必要に応じて活用しましょう。

また、法人成りしない場合でも、課税事業主となって消費税処理が必要となったタイミング、事業規模が拡大して効率の良い経理作業が必要になったタイミングは乗り換えに適した時期だといえます。特に、事業規模が拡大し効率を重視したい場合は、勤怠管理などほかのソフトとも連携して会計処理を軽減してくれるような会計ソフトを選択するのが良いでしょう。

>>ビジネスに合った会計ソフトを探そう!会計ソフトの種類と比較方法

法改正や会計基準の変更があったとき

会計ソフトは関連する法律などに変更があったとき、アップデートが必要になります。例えば、消費税の引き上げや会計基準の変更があったときです。最新の処理ができるよう、アップデートが行われたら毎回対応する必要がありますが、パッケージ版のアップデートでは料金がかかるのが通常で、アップデート作業も自身で行わなければなりません。

特にパッケージ型からクラウド型への乗り換えに多いですが、アップデートを機に新しい会計ソフトへ乗り換えるケースもあります。

機能を拡張したいとき

会計ソフトを使っていると、財務諸表の作成や申告書の作成だけでなく、もっと充実した機能を取り入れたい場合も出てきます。例えば、キャッシュ・フローや取引先の分析など、会計データをもとにした分析です。欲しい機能があれば、希望の機能が備わった会計ソフトを探して、そのタイミングで乗り換える方法もあります。

会計ソフトの乗り換えで注意したいこと

会計ソフトの乗り換えは、手順をきちんと踏めばうまくできます。ここでは、会計ソフトの乗り換えで注意したいポイントや乗り換え時のヒントについて紹介します。

乗り換えのしやすさはどうか

会計ソフトの乗り換えにおける大きな問題は、乗り換え時の作業量の多さです。インポートに対応していない場合は、入力、設定をし直さなければならないため手間がかかります。乗り換えを検討するなら他社データのインポートができるかなど、乗り換えのしやすさも考慮して乗り換える会計ソフトを選ぶのが良いでしょう。

乗り換えによってメリットはあるか

価格を重視して会計ソフトを乗り換えるケースもありますが、価格ばかりに重点を置いて、乗り換えても何も変わらないのであればあまり意味がありません。価格だけでなく、乗り換え前にどういった機能が欲しいのか、例えば確定申告書をもっと簡単に作成したい、自動仕訳に対応させて作業負担を減らしたいなど、乗り換えの目的を明確にしておきましょう。

サポートはあるか

初めて会計ソフトを乗り換える場合、これまで使ったことのない会計ソフトに乗り換える場合は不安もあるかと思います。乗り換え作業に不安が残る場合は、乗り換えのサポートをしている会計ソフトだと安心です。電話やチャットなどでサポートを行っているもののほか、移行作業のすべてをサービスとして提供しているものもありますので、必要に応じて検討すると良いでしょう。

乗り換えの方法をよく確認しておく

会計ソフトの乗り換えの流れは基本的に同じですが、ソフトによっては乗り換えの方法が異なることがあります。乗り換え前に必要な準備、乗り換えの手順は、新しい会計ソフトの説明書などでよく確認しておきましょう。

まとめ

必要に応じた乗り換えを

会計ソフトの乗り換えのタイミングは、先にも紹介したように、法改正のタイミング、事業規模拡大や法人成りのタイミングなどが考えられます。しかし、会計ソフトの中には、自動でアップデートしているもの、他社データインポートでデータの移行ができるものもありますので、そこまで細かなタイミングで乗り換えを行わなくても良さそうです。移行作業が楽なものであれば、乗り換えの必要性を感じたときの移行でも良いのではないでしょうか。※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:並木 一真(税理士/1級FP技能士/相続診断士/事業承継・M&Aエキスパート)

並木一真税理士事務所所長
会計事務所勤務を経て2018年8月に税理士登録。現在、地元である群馬県伊勢崎市にて開業し、法人税・相続税・節税対策・事業承継・補助金支援・社会福祉法人会計等を中心に幅広く税理士業務に取り組んでいる。

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