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  • 更新日 : 2021年9月15日

資金繰り分析と資金繰り表や貸借対照表を使った方法を解説

資金繰り分析は経営の要!資金繰り表や貸借対照表を使った方法をわかりやすく解説

資金繰りのイメージは、入金や出金を予測するために資金繰り表を作成することではないでしょうか。資金繰り表は、項目が細かく複雑な計算が必要だと思いがちですが、大きくざっくりと見ることが大切です。

資金繰り表は実はシンプルで、資金繰り分析にもすぐに応用できます。
資金繰り分析は、あくまでも短期的な分析のため、貸借対照表から安全性分析とセットで行うことが大切です。以下では、資金繰りをシンプルにしてわかりやすい方法を説明していきます

資金繰り分析の重要性

資金繰りとは、短期的な将来の収支を予測し、現在の手元資金を調整する活動のことをいいます。資金繰りで対象とする資金は、簡単に換金することが可能で、価格変動リスクがほとんどない資金のことです。具体的には、現金、預金、譲渡性預金などがあります。

資金繰り分析が重要なのは、資金ショートと資金運用の2つの側面があります。
まず、資金ショートは手元資金が不足することをいいます。資金ショートの結果、取引先への支払いを行うことができずに信用に傷が付いてしまいます。このようなことを事前に防ぐために資金繰り分析を行うことが重要です。

次に、資金運用は、短期的(3ヶ月~1年以内)に運用することで利息収入などの収益を得ることをいいます。
手元資金がありすぎる状態は安全性のある反面、運用することによって得られる収益を逃しているともいえるでしょう。安全性を保ちつつ、運用することでさらに資金を増やすことができます。

上記のことから資金繰り分析は、資金ショートを回避して運用収益を得るために重要な活動です。

資金繰り表から資金繰りを分析する方法

資金繰り分析を行うには、資金繰り表を作成すると効率的です。
以下では、シンプルな資金繰り表を例に基本的な内容を解説していきます。

資金繰り表の意味


上記の画像は、資金繰り表をシンプルした画像です。
まず、大まかに以下の項目の意味を確認しましょう。
項目    意味
経常収支  キャッシュ・フロー計算書でいう営業活動の内容と同じで、本業に関係する収支の項目です。
例として以下の収支を含めます。
収入:売掛金の入金、現金売上、前受金の入金など
支出:買掛金の支払い、給与の支払い、販管費の支払いなど
経常外収支キャッシュ・フロー計算書でいう投資活動の内容と同じで、設備投資や運用関連の収支の項目です。
例として以下の収支を含めます。
収入:株式の配当金による収入、利息収入、本業以外の雑収入など
支出:株式の購入、投資信託、設備投資などの支出
財務収支  キャッシュ・フロー計算書でいう財務活動の内容と同じで、資金調達に関連する収支の項目です。
例として以下の収支を含めます。
収入:借入金による収入、株式発行による収入
支出:借入金返済による支出、配当金支払いなどの支出

資金繰り表は、大まかに上記3つの項目を基本して、細かく項目を設定していきます。
特にルールはないため各事業者が必要な項目を設定していくことになりますが、ざっくりと金額が大きい項目のみを作成しても問題ありません。あくまでも資金ショートを防ぎ、過剰に資金を保有しないという目的を果たせば十分です。

分析方法

資金繰り表の分析は、「予算実績分析」と「各項目の検討」があります。

まず、予算実績分析は計画した予算通りの実績になったかどうかを分析します。
分析の際には、予算と実績の差額を取ること計画段階で無理がなかったかどうかなどを調べます。資金繰りで大切なことは短期的な将来を予測することですので、予算を計画するだけでも十分に効果があります。

次に、各項目について検討を行います。
まず経常収支は、プラスで大きいほど望ましいです。マイナスになる場合は、営業活動の収支が望ましくない状態のため改善策が必要です。入金が遅すぎる場合は売上債権の現金化(ファクタリング)などを行うことが選択肢です。

次に、経常外収支は、予算通りになるように心がけましょう。特に設備投資などは中長期的な計画に基づいて行われることが望ましいです。予定外の出費でマイナスになる場合は、あらかじめ予算段階で取り込んでおき、貯蓄した資金から支出するようにしましょう。

次に、財務収支は基本的にマイナスになることが望ましいです。理由は借入金などの負債を返済しているためです。ただし、事業者の成長段階によっては多額の借入が必要になることもあるため、必ずしもマイナスが良いとは限りません。

まとめると資金繰り表の望ましい状態は以下の3つの状態です。

  • 経常収支で十分に資金を確保していること
  • 経常外収支は計画に基づいた収支になっていること
  • 財務収支は状況によるものの借入金などを返済していること

貸借対照表から資金繰りを分析する方法

資金繰り表は、短期(1ヶ月~3ヶ月程度)の資金繰りと分析に役立ちますが、中長期的な視点が欠けています
そのため、1年~5年程度の支払能力のことを安全性といいますが、安全性分析には貸借対照表を使用します

安全性分析については、以下の記事で詳しく説明しています。
>>安全性分析のための5つの指標~企業の決算書を分析して安全性を確認

資金繰り分析を経営に活かす方法

資金繰り表は作成するだけでも効果がありますが、経営に活かす場合は現在から3ヶ月~6ヶ月程度を予測して作成することで、安全性と資金運用の両立を図りやすくなります。

まず、安全性については3ヶ月~6ヶ月程度の資金繰り予算を計画すると共に各月の手元資金残高がマイナスにならないことが大切です。
マイナスになる場合は手元資金が不足することが見込まれるため、早めに売上を増加させることや借入金を検討するなどの対策が必要になります。

手元資金を増加させる対策は以下のことが考えられます。

  • 売上を増加させる
  • 売掛金の入金までの期間を短くする
  • 売掛金や手形の現金化(ファクタリング)を行う
  • 借入を行う
  • 不要な資産を売却する
  • 不要な支出を削減する

次に、資金運用では3ヶ月~6ヶ月の預金残高がマイナスにならないことが前提です。
そのうえで手元資金として保有しておく必要がない資金は資産運用などの投資に回して少しでも収益を増加させましょう。
安全性の面で不安がある場合は、すぐに現金化でき元本が減るリスクの少ない運用を心がけましょう。

リスクが低く、すぐに換金できる運用は以下の運用があります。

  • 定期預金や外貨預金など
  • 短期で設定する譲渡性預金、有価証券NCDなど
  • 公社債投資信託など

資金繰り分析には会計ソフトがおすすめ

正確な資金繰り表を作成するのは、意外と手間がかかり試算表などを準備しなければいけません。正確な資金繰り表は、イメージ的に短期間のキャッシュ・フロー計算書を作成することと変わらないため、手作業では時間がかかってしまいます。

最近では、会計ソフトが資金繰り表に近い資料を作成する機能が備わっています。

マネーフォワード クラウド会計ならリアルタイムで資金繰り分析が可能

マネーフォワードクラウド会計では、キャッシュフローレポートという機能が備わっているため、現金預金の残高推移を把握するだけでなく、ほぼ正確なキャッシュ・フロー計算書も自動で作成することができます。

キャッシュフローレポートは、以下のような仕訳を自動集計することが可能です。
勘定科目は任意に設定することで、集計する仕訳の範囲を増やすことができます。

営業キャッシュフローの集計】
キャッシュフローレポートで「営業収入」として集計するのは以下の仕訳です。

借方
貸方
現金×××   売上×××
預金売掛金
その他設定科目

次に、「営業支出」として集計するのは以下の仕訳です。
借方勘定科目借方金額   貸方勘定科目  貸方金額    
仕入×××現金×××
買掛金預金
販管費
その他設定科目

【投資キャッシュフローの集計】
「投資収入」として集計するのは以下の仕訳です。
借方
貸方
現金×××固定資産×××
預金投資その他の資産
その他設定科目

次に、「投資支出」として集計するのは以下の仕訳です。
借方
貸方
固定資産×××現金×××
投資その他の資産預金
その他設定科目

【財務キャッシュフローの集計】
「財務収入」として集計するのは以下の仕訳です。
借方
貸方
現金×××短期借入金×××
預金長期借入金
資本金
その他設定科目

次に、「財務支出」として集計するのは以下の仕訳です。
借方
貸方
短期借入金×××現金×××
長期借入金預金
資本金
その他設定科目

キャッシュフローレポートの集計結果を使用すると、資金繰り表を作成する手間がほとんどなくなります。マネーフォワードクラウド会計では、その他のレポート機能があるため、入金されていない売掛金がないかどうかなどをすぐに確認することができます。

資金繰り分析についてご理解いただけたでしょうか

資金繰り分析について、資金繰りの重要から資金繰り表の意味や内容について説明しました。
資金繰りの役割は短期的な将来を予測し、資金ショートを防ぐことです。まずは安全性確保し、その次に運用機会を逃さないことにつながります。

実際に資金繰り表を作成する際には、細かい項目や少額な項目も設定するかもしれませんが、資金ショートの防止や運用機会を逃さないことを果たせば十分なため、金額が大きな項目だけでざっくりと作成しても問題ありません。
資金繰り表の作成に手間がかかってしまう場合は、ざっくりと資金繰り表を作成する、または会計ソフトで自動作成しましょう。

よくある質問

資金繰りとは何ですか?

短期的な将来の収支を予測し、現在の手元資金を調整する活動のことを資金繰りといいます。詳しくはこちらをご覧ください。

資金繰り表の分析にはどのような方法がありますか?

大きく「予算実績分析」と「各項目の検討」があります。詳しくはこちらをご覧ください。

貸借対照表から資金繰り分析をするメリットは何ですか?

資金繰り表は、短期(1ヶ月~3ヶ月程度)の資金繰りと分析に役立ちますが、中長期的な視点が欠けているため、それを補うために貸借対照表を使用します。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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