• 更新日 : 2020年9月17日

原価管理は重要? 原価管理の目的と経営改善への活用方法とは

これまでは、製造業や飲食店といった特定の業種で行われてきた原価管理ですが、業種にかかわらず原価管理を活用する企業が増えてきました。

そこで今回は、原価管理を行うことの目的やその活用方法などについて紹介していきます。

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原価管理はなぜ必要? その目的とは?

テクノロジーの進歩にしたがって経営においてのデータ活用が進んでいます。

その背景としては、データを収集する技術の発展とコストの減少も一因として考えられますが、データを有効活用することの重要性を理解している経営者が増加したことによるものが大きいのではないでしょうか。

そんなあらゆるデータの中でも、根本的に押さえておく必要があるのが「原価」です。「原価」と言えば、商品の生産に伴う材料費のことという認識を持っている方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、「原価」というのは、材料費に限らず商品の生産やサービスの提供に直接関連する費用と捉えることもできます。

したがって、製造業や飲食業などの特定の業種に限らず、サービス業などで、人件費や外注費を原価と捉えて、原価管理を行っている企業も多く見られます。

では、原価管理を行う目的とは何でしょうか。

まず、原価管理を行うことで、生産やサービス提供にかかる直接の費用の「無駄や効率性」を把握することができます。さらに、価格設定やその企業の損益計算についても原価管理が大きな意味を持ちます。

例えば、原価管理を行っておらず、仕入価格が増加しているにもかかわらず販売価格が一定だったらどうなるでしょうか。売上が増加しても利益は減少するかもしれません。原価以外の固定費を賄う(まかなう)ことができ、さらに利益が残るような価格設定を行うために原価管理は重要な役割を果たします。

また、価格の設定と原価を正しく管理することができれば、その他の固定費を計算することで企業の長期的な損益も計算することが可能になります。長期的な経営ビジョンを描いて、それを具体的な数字として落とし込むことで、ビジョンの実現を手助けする事業計画を作成することができるようになるのです。

このように、原価管理の目的は様々ですが、「企業に利益を残し、企業の成長を実現する」という点で必要です。では、今度はその原価管理を行うための具体的な3ステップをご紹介していきます。

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原価管理を経営的な改善につなげる!

さて、次は原価管理の大きな目的である原価の「無駄」をなくすことや「効率性」を上げることについてより詳しく確認していくことにしましょう。

先述したように、原価というのは商品の生産やサービスの提供に直接関連する費用ですから、企業の利益にとって重要な費用と言えるでしょう。なぜなら、どれだけ頑張って売上を増加させても、原価が大きければ、それほど利益は残らなくなってしまうからです。

したがって、原価をいかに抑えることができるかということは、あらゆる企業の課題であり、原価を抑えるために、原価に係る「無駄や効率性」をしっかりと把握する必要があります。

では、その原価管理の具体的な流れですが、

(1)標準原価の設定
(2)標準原価と実際原価の比較分析
(3)分析結果に基づく改善

という3つのステップで行います。

(1)標準原価の設定については、過去の実績などに基づいて生産やサービスの提供が正常に行えた場合の原価を計算します。

(2)標準原価と実際原価の比較分析では、①で算出した標準原価と実際にかかった原価を比較します。単に比較するだけでなく、どのような要因によって標準原価と実際原価に差異が生じたのかを分析することで、「無駄や効率性」の問題を把握するのです。

具体的には、「材料費の単価」に差異があったのか、あるいは「材料費の数量」に差異が生じたのか、さらには「人件費の賃率(時給)」「作業時間」に想定していた数値と差異があったのか等を分析し、どこに問題があるのかを発見するのです。

そして、この分析結果を経営管理者に報告して(3)分析結果に基づく改善を行うことになります。改善にあたっては、原価管理を行っているため、具体的な数値目標を設定して指示を与えることができます。

どうして改善する必要があるのか、改善することでどのような結果になるのかということも同時に伝えると、従業員のモチベーションなどにも効果的です。

このような流れにより、原価の「無駄や効率性」の問題を把握・改善する原価管理を行い、企業に利益が残る仕組みを作っていくことになるのです。

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まとめ

最後に、今回のポイントについてまとめておきましょう。

・原価とは、売上に直接関連する費用であり、企業の利益に大きくつながる費用であるため、管理を必要とする
・原価管理の目的は、生産やサービス提供にかかる直接の費用の「無駄や効率性」を把握することや価格設定やその企業の成長に活かすことである
・原価管理は、(1)標準原価の設定 (2)目標原価と実際原価の比較分析 (3)分析結果に基づく改善 の3ステップによって行う

原価管理を十分に行えていない企業も、まずは標準原価の設定と実際原価の差異分析から始めてみてはいかがでしょうか。

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