• 作成日 : 2022年7月8日

海外出張時の経費精算の方法や注意点まとめ

海外出張時の経費精算の方法や注意点まとめ

海外出張時に発生した経費は、外貨で支払いを行うため、経費精算時には国内出張とは違った点に注意する必要があります。この記事では、海外出張時の経費精算で押さえておきたいポイントと注意点、海外出張時の経費精算の方法について解説します。

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海外出張時の経費精算の注意点

海外出張時の経費精算で特に押さえておきたいポイントは、為替レート、領収書の保管、証跡の確認の3つです。それぞれのポイントと注意点について詳しく見ていきましょう。

為替レート

為替レートには、TTM、TTB、TTSの3種類があります。TTBは電信買相場と呼ばれる金融機関が顧客から外貨を買い取る際の為替レートで、TTSは電子売相場と呼ばれる金融機関が顧客に外貨を売るときの為替レートです。TTMはTTBとTTSの平均値から算出される金融機関が基準とするレートであり、仲値と呼ばれます。

さらに、TTM、TTB、TTSとは別に、クレジットカードの利用明細に記載される為替レートがあります。

外貨に交換した現金を現地で使用する場合は、外貨交換時のレートで円換算しますが、外貨両替時やクレジットカード利用時には、交換時の為替レートが明記されますので、その為替レートを用いて日本円に換算するのが一般的です。

しかし、法人税法上は原則として取引日のTTMでの評価が求められています(※例外として資産や収益はTTB、負債や費用はTTSでの評価が認められます)。経費精算後、事業年度末時に会社が外貨のまま保有している場合は、交換時のレートに関わらずTTMで評価しなければなりませんので注意しましょう。

領収書の保管

海外出張時の支出においても、領収書など取引の内容や金額を記載した書類は経費精算時の重要な証拠になりますので、経費精算時に提出してもらう必要があります。そのため海外出張時には受領した領収書や外貨交換時の明細書などを失くさないよう、しっかり保管をして帰国するように注意喚起しておきましょう。

また、海外渡航費用は、税法上厳しく見られやすい費用です。業務上必要な渡航費かどうか税務署から確認を受ける可能性もありますので、領収書やレシート以外にも商談の資料などを保管し、業務上海外出張の必要性を証明できるようにしておきましょう。

証跡の確認

海外出張の場合、領収書やレシートなどの証跡は外国語で記載されます。外国語がわからないと証跡の内容がわかりませんので、経理担当者は証跡に頻出する単語の意味を理解できるようにしておくなど必要最低限の対策が必要です。

海外出張時の領収書やレシートについては、支払いを行った経費精算申請者が一番理解している部分だと思いますので、何を購入したのか、何のために購入したのか、国内の経費精算時以上に詳しく書き出してもらうのもひとつの方法です。

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海外出張時の経費精算方法

海外出張時の経費精算の方法には、クレジットカードで精算する方法、あらかじめ仮払金を外貨で渡しておく方法、外貨に対応した経費精算システムを導入する方法が考えられます。それぞれの経費精算方法の特徴を詳しく解説していきます。

クレジットカードで精算

海外出張者にすべての経費をクレジットカードで支払ってもらう方法は、多くの会社が導入する代表的な精算方法です。クレジットカードの明細には為替レートが記載されますので、為替レートの処理で悩まずに済む点が大きなメリットです。

また、クレジットカードは盗難や紛失のリスクを軽減できる利点もあります。海外で現金を紛失してしまった場合は補償がありませんが、クレジットカードであれば不正利用に対する補償が期待できます。また、紛失や盗難がわかった時点でクレジットカード会社に連絡し、カードの利用を停止できるため、損害の拡大防止が可能です。クレジットカードは経費精算の面でも有効ですが、盗難や紛失のリスクを軽減できる面でも有効といえます。

ただし、出張先の国によってはクレジットカードでの支払いに対応していない店の割合が多いケースが考えられます。商習慣上、現金による決済が主流である国への出張においては、クレジットカードによる経費精算はあまり向いていません。

外貨で仮払金を渡しておく

あらかじめ外貨に換えておいた出張費用を仮払金として渡しておく方法もあります。従業員が帰国したら、国内での仮払金同様に経費精算の手続きをしてもらい、残額を外貨で受け取るといった流れです。

仮払金を外貨で手渡せば、出張に行く従業員は円から外貨への交換の手間が省けますし、現金決済の多い国でも対応できます。

しかし、海外出張の日程に合わせて担当者があらかじめ外貨を準備しておく必要があることと、さまざまな国への出張が必要な会社では管理しなければならない外貨の種類が増えてしまうという問題点もあります。外貨に換えて仮払金として渡す場合は、外貨の保管方法や管理方法についても考えておかなくてはなりません。

外貨対応の経費精算システムの導入

海外出張時の経費精算は、支出の内容や為替レートの確認などで通常よりも時間がかかりやすい傾向があります。頻発する海外出張により経費精算の負担が大きくなっているようなら、海外出張に役立つ経費精算システムを導入するのもひとつの方法です。

経費精算システムの中には、外貨の自動計算やクレジットカードなどのデータの自動取り込み機能などを有したものもありますので、海外出張が多い会社は、これらのシステムの導入や乗り換えを積極的に検討するとよいでしょう。

海外出張時の経費精算は為替や証跡などに注意しよう

海外出張時の経費精算は、為替レートに合わせた換金や、海外渡航の証明となる書類の保管、渡航先の商習慣に合わせた精算方法の選択など、通常の経費精算とは違った注意点があります。

海外出張時の経費精算でトラブルにならないよう、海外出張の予定がある会社はあらかじめ海外出張時の経費精算のルールを設けておくのと同時に、証跡の保管義務などを含めた海外出張のルールを周知しておきましょう。

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よくある質問

海外出張時の経費精算の注意点は?

為替レートの確認が必要なこと、海外出張であっても領収書の保管が必要なこと、領収書などの証跡を外国語でも確認できるようにしておくことが重要です。 詳しくはこちらをご覧ください。

海外出張時の経費精算の方法は?

クレジットカードで精算する方法、あらかじめ仮払金として外貨を渡しておく方法、外貨対応の経費精算システムを導入する方法があります。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:岩波 竜太郎 (公認会計士 / 税理士 / 経営学修士)

公認会計士・税理士・経営学修士。大手監査法人、ベンチャー企業を経て、2015年に独立開業。大手監査法人での海外経験や管理本部長としての幅広い経験を武器に会計アドバイザリー業務を主たる業務として行うとともに、東証1部上場企業である株式会社OrchestraHoldingsの社外役員をはじめ、経営アドバイザーとして複数の企業に関与。Webメディア等の記事執筆・監修業務も積極的に行っている。

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