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  • 作成日 : 2020年9月14日
  • 更新日 : 2020年9月17日

2020年度改正の電子帳簿保存法でなにが変わる?変更点とメリット

2020年10月1日に電子帳簿保存法が改正されます。

電子帳簿保存法とは、帳簿や領収書などを電子データで保管することを認める法律です。1998年の制定後、段階的に見直しがなされ、今回の改正では電子データの保存要件が緩和されることになりました。

バックオフィスの業務効率化やペーパーレス化が期待される今回の改正について、改正のポイントやメリットを解説します。

2020年度改正の電子帳簿保存法の変更点とメリット

今回の改正では、電子的に受け取った請求書などをデータのまま保存する場合の保存要件が緩和されます。

■改正前

これまでの電子帳簿保存法では以下a,bの保存方法が認められていましたが、多くの企業にとってこの要件に対応することは容易ではありませんでした。

  • a.発行者のタイムスタンプが付された電磁的記録を受領した場合、受領者側が、データの受領後、遅滞なくタイムスタンプを付与
  • b.改ざん防止等のための事務処理規程を作成し運用

  • ■改正後

    今回の改正では新たにc,dの保存方法も認められるようになり、電子取引を行った場合の電子的記録の保存要件が緩和されました。政府は、これにより電子帳簿保存法を普及させ、企業の業務効率化・ペーパーレス化を進めたいという思いがあるようです。

  • c.受領者側が、データを自由に改変できないシステム・サービス等を利用
  • d.発行者側でタイムスタンプを付与
  • 改正のポイントは「タイムスタンプの付与」

    今回の改正のポイントは、必ずしも受領者側が「受け取った際にタイムスタンプを付与」する必要がなくなった点です。

    タイムスタンプとは、ある時刻にその電子データが確かに存在していたこと、またその時刻以降に不正な改ざんなどがされていないことを証明するためのものです。

    cの方法では、受領者側がクラウドサービスなどを利用することでタイムスタンプを付与する必要がありません。

    また、発行者側からタイムスタンプを付与した電子請求書等が送られてきた際も受領者側はそのまま受け取り電子保存できるようになります。

    メリット

    電子帳簿保存法に対応するメリットは、社内のペーパーレス化や電子化が促進されることです。紙原本の保管がなくなることで管理業務や保管スペースが不要になり、また紙原本のやりとりで発生した郵送作業が削減されます。これらによりバックオフィス業務がより一層効率化されることが期待されています。

    特にペーパーレス化や電子化においては、コロナ禍において多くの企業が対応不足を痛感したのではないでしょうか。それらの対応を進めている企業にとっては、電子帳簿保存法改正は追い風となるでしょう。

    そもそも電子帳簿保存法とは?

    電子帳簿保存法の概要

    電子帳簿保存法は、帳簿や領収書・請求書などの処理にかかる負担を軽減するために、電子データによる保存を認めるものです。

    具体的には、決算書類(貸借対照表損益計算書)、注文書、契約書、領収書、仕訳帳現金出納帳売掛金元帳などの国税関係書類を、一定の要件を満たす会計ソフトなどにより作成し、電子データにて保存することができます。ただし、税務署長の承認を受ける必要があります。

    一定の要件を満たす会計ソフトなどとは、記録事項の訂正・削除を行った場合の事実内容を確認できることや、日付・金額の範囲指定により検索できるようなシステムを指しています。したがって、電子帳簿保存法を適用したい場合、要件を満たすシステムを導入しなければなりません。

    また、取引先から受け取った紙の請求書などは、税務署長等の承認を受けた場合、一定の要件のもとでスキャナによる電子データ保存が認められます。ただし、スキャナ保存する場合にはタイムスタンプの付与が必要になります。スキャナ保存は、スマートフォンやデジカメによることもできます。

    電子帳簿保存には承認申請方法

    電子帳簿保存を行うためには、税務署長などの事前承認が必要になります。今回の改正の対象である電子データの保存については、「国税関係帳簿の電磁的記録による保存等の承認申請書」を提出する必要があります。

    承認申請書には、帳簿の種類、備付けを開始する日、保存場所、帳簿の作成・保存に使用するシステムやソフトウェアの概要などを記載します。原則として、承認を受けようとする帳簿の備付けを開始する日の3カ月前までに、所轄税務署長に提出する必要があります。

    また、紙で受け取った請求書などを電子データとして保存したい場合は、「国税関係書類の電磁的記録によるスキャナ保存の承認申請書」を提出する必要があるのでご注意ください。

    まとめ

    この改正を機に、クラウドサービスの導入を検討される企業も少なくないでしょう。ただ、改正電子帳簿保存法に対応するクラウドサービスを選ぶことがポイントになるため、ご検討の際は事前にチェックをしておきましょう。

    【参考資料】
    国税庁|電子帳簿保存法関係
    国税庁|電子帳簿保存法Q&A(一問一答)
    財務省|令和2年度税制改正の大綱
    財務省|「令和2年度税制改正」(令和2年3月発行)
    日本データ通信協会|認定タイムスタンプを利用する事業者に関する登録制度
    税理士法人山田&パートナーズ|電子帳簿等保存制度の見直し※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

    【監修】マネーフォワード クラウド会計

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