• 更新日 : 2021年2月16日

売掛金のトラブルを未然に防ぐ!貸し倒れを避けるための正しい対処法とは?

売掛金

はじめに

企業規模を問わず、事業を行う上でキャッシュフローの管理は、財務面で最も重要な活動の1つと言えるでしょう。損益計算書の売上高、純利益は実際のお金の流れを表しておらず、自社の資金の流れは別に管理する必要があります。

特に、掛取引が多い昨今、代金の回収までをしっかり管理することは、全ての企業、個人に共通する重要なポイントです。一方、売掛金の未回収、貸し倒れの発生は、避けたい事象であることは言うまでもありません。

そこで今回は、健全なキャッシュフローを維持するためにも、確実に売掛金を回収するために押えておきたいポイントや、万が一、貸し倒れが発生した際の対処法について説明していきます。

売掛金とは

売掛金の概要

前述のとおり、掛取引という取引形態の中で、商品の引き渡し後に受け取る代金のことを指します。売掛金は、代金の支払いを受ける債権として扱われます。

売掛金の財務上での取り扱い

売掛金は財務上、下図の中で貸借対照表の借方の資産の部の勘定科目として計上されます。また、資産の部の中では、流動資産に当たります。

売掛金の財務上での取り扱い

売掛金の時効

売掛金の時効はその種類により、以下のとおりとなります。

・運送料、宿泊代、飲食代:1年
・製造業、小売業などにおける売掛代金:2年
・建設工事などを請け負った際の代金:3年

(※商法522条、民法第170,173,174条により定められていますが、民法が改正されましたので、施行される2020年頃から、すべて5年で統一されます。)

なお、時効の成立は、債務者が時効を主張することが条件となります。

売掛金を確実に回収するために気をつけたいこと

売掛金の回収漏れを防ぐために、抑えておきたいポイントとして以下が挙げられます。

取引先の信用調査

顧客の信用調査をしっかり行い、それに基づいた与信枠を設定することは重要です。この与信枠は、定期的にチェックを行い、状況に応じた対応を取ることが大切になります。

支払日・振込日を把握

設定した支払日・振込日を把握しておくようにしましょう。その上で、支払日の当日に確認することを怠らないことが大切です。

支払いの督促

支払期日が近づいてきた際には、支払いの督促を行う方法も考えられます。例えば、期日の一週間前までに振込がない場合には、アラートをかけるなどのルールを決めることも有効と考えられます。その際の方法として、電話やメールでの連絡の他に直接訪問も有効な対策になるでしょう。

売掛金を回収できなかった際の対処法

売掛金2

様々な対策をとったものの、売掛金の回収が困難となってしまった場合に取れる対処法として、以下が挙げられます。

セーフティネット貸付を利用

日本政策金融公庫が運営する制度で、取引先企業などの倒産により経営に支障をきたす可能性がある中小企業を対象に、円滑な資金供給を確保するための融資制度です。個人事業主は最大3,000万円、中小企業は最大15,000万円の融資を受けることができます。

詳細を知りたい方は日本政策金融公庫のホームページをご確認ください。

また、取引先の倒産に備えて事前に掛金の積立を行うことができる経営セーフティ共済も用意されています。

弁護士に相談する

上記の対応の他に、当然弁護士の方に相談するという手段も考えられます。弁護士に相談をすることで、代わりに回収を行ってくれることもあります。場合によっては、調停や訴訟により解決をするということも選択肢に入ってきます。

まとめ

今の商習慣において、掛取引は切っても切り離すことのできない商品取引の方法です。だからこそ、貸し倒れるリスクを限りなく最小にし、売掛金をしっかり回収することは重要です。また、貸し倒れを避けるにこしたことはありませんが、万が一、そのような事態が発生したとしても、適切な処理や対策がとれるよう、是非、本記事の内容を参考にしてみてください。


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