• 作成日 : 2022年10月28日

トラックの耐用年数と減価償却費計算を解説

トラックの耐用年数と減価償却費計算を解説

トラックの減価償却は車両の種類により取り扱いが変わるため、難しい印象を持っている人も多いのではないでしょうか。この記事では、トラックの種類による法定耐用年数の違いや中古を購入したケースでの耐用年数の計算方法を紹介しています。計算例や仕訳例を具体的に紹介しているので、トラックの減価償却について詳しく知りたい人はぜひ参考にしてください。

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トラックは減価償却が必要

事業などの業務のために用いられる建物、建物附属設備、機械装置、器具備品、車両運搬具などの資産は、時の経過等によってその価値が減少します。このような資産を減価償却資産といい、定期的に減価償却を行わなければなりません。

トラックも減価償却資産の一種です。トラックは通常、長期間にわたり使用し、使用期間に応じて老朽化やモデルチェンジなどによる価値の低下がみられます。よって、トラックの耐用年数に合わせて減価償却の手続きを行い、適切に価値を減らしていく必要があるのです。

減価償却資産は、取得した時に全額必要経費とするのではなく、その資産の使用可能期間の全期間にわたり分割して必要経費としていくことが実態に適しています。よって、毎年決まった方法を「減価償却費」として費用計上し、結果的に資産価値はマイナスされるという形をとります。

減価償却について詳しく知りたい人は、こちらの記事も参考にしてください。


参考:国税庁 No.2100 減価償却のあらまし

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トラックの耐用年数

トラックは、自家用と業務用、車両の種類によって法定耐用年数が異なります。対象のトラックがどの分類になるのか、判断を間違えると減価償却額の計算を間違えてしまいかねません。分類は正確に理解するようにしましょう。

自家用トラックは「ダンプ式のトラック」と「その他のトラック」に分けられ、ダンプ式の場合は4年、その他のトラックは5年となります。

事業用の場合はもう少し分類が細かくなっています。具体的には以下の表を参考にしてください。

自動車の種類法定耐用年数
小型の貨物自動車(積載量2トン以下)3年
大型乗用車(総排気量が3L以上のもの)5年
その他の自動車4年
被けん引車、その他4年

参考:国税庁 耐用年数(車両・運搬具/工具)

中古トラックの耐用年数

中古トラックの耐用年数を計算する際には、「簡便法」という減価償却の計算方法が用いられます。中古トラックのように使用可能期間の見積りが困難な場合は、簡易的に残存年数を計算するのが現実的であり、簡便法により算定した年数を採用することとされているのです。なお、簡便法を使った計算では耐用年数が2年を下回ることはありません。

簡便法では、法定耐用年数の全部を経過した資産(耐用年数が残っていない資産)は、その法定耐用年数の20パーセントに相当する年数が残存年数であるとみなします。

また、法定耐用年数の一部を経過している資産は、その法定耐用年数から経過した年数を差し引いた年数に、経過年数の20パーセントに相当する年数を加えた年数が残存年数です。

計算結果に1年未満の端数がある場合、その端数が切り捨てとなり、切り捨てた結果が2年に満たない場合には残存年数を2年とみなします。

参考:国税庁 No.5404 中古資産の耐用年数

上記の通り、簡便法においては法定耐用年数が残っている場合とそうでない場合とで計算方法が異なります。計算例を紹介するので、具体的な計算方法をイメージしてみてください。

法定耐用年数を経過している場合

法定耐用年数を経過した中古トラックは、以下の計算式で耐用年数を算出することが可能です。

中古トラックの耐用年数 = 法定耐用年数 × 20%

 

たとえば、法定耐用年数5年の中古トラックを購入し、すでに7年が経過しているとします。法定耐用年数が経過しすでに2年たっていますが、残存年数がゼロでも耐用年数はゼロになりません。上記の式にあてはめると、計算式は「5年×20%」で耐用年数は1年という計算結果です。

簡便法においては、2年未満の場合は一律2年となるため、この中古トラックの耐用年数は2年となります。

法定耐用年数が残っている場合

中古トラックの法定耐用年数が残っている場合は、以下の計算式で耐用年数を算出します。

中古トラックの耐用年数 = (法定耐用年数 – 経過年数) + 経過年数 × 20%

 

たとえば、法定耐用年数5年の中古トラックを購入し、まだ2年しか経過していないとします。この場合、計算式は「5年-2年+2年×20%」で耐用年数は3.4年という計算結果になります。
簡便法の耐用年数の計算では小数点以下は切り捨てになるため、この中古トラックの耐用年数は3年として取り扱います。

トラックの減価償却費計算と仕訳例

トラックは、新品と中古の場合で減価償却費の計算方法が異なる点が特徴です。新品の場合は法定耐用年数をそのまま使用し、中古の場合は先ほど計算した方法で残存年数を計算しなくてはいけません。

残存年数がゼロの場合でも「簡便法」という計算方法を使用することにより、最低でも2年の耐用年数があるものとして取り扱われます。「法定耐用年数を経過しているから減価償却の対象とならない」と勘違いしないようにしましょう。

トラックを減価償却する方法には、定額法と定率法の2つの方法があり、原則、個人事業主が定額法、法人が定率法となります。ここで紹介する仕訳例では、仕訳例を簡略化するために定額法を採用しています。実際には、法人の場合などで定率法が適切なケースもあることにご注意ください。

新品のトラックを購入した場合

新品のトラックを購入した場合は、耐用年数を計算する必要がありません。法定耐用年数に基づいて減価償却費を算出します。

(仕訳例)期首に業務用の2tトラックを300万円で購入し、代金は現金で支払った。

借方
貸方
摘要
車両運搬具
3,000,000円
現金
3,000,000円
2tトラック購入

購入時は全額資産に計上します。トラックは資産科目の「車両運搬具」が適切です。

(仕訳例)期末にトラックの減価償却を実施する。2tトラックの法定耐用年数は3年である。3年で償却するため、減価償却費は300万円/3年=100万円。

借方
貸方
摘要
減価償却費
1,000,000円
車両運搬具
1,000,000円
2tトラック減価償却
1年目/3年

中古トラックを購入した場合

中古トラックを購入した場合には、耐用年数を改めて計算し直す必要があります。計算式は先ほど紹介した事例も参考にしてください。

(仕訳例)期首に2年使用した2tトラックを中古で購入した。金額は200万円で、現金で支払った。

借方
貸方
摘要
車両運搬具
2,000,000円
現金
2,000,000円
中古2tトラック購入

購入時には固定資産科目「車両運搬具」を使って資産計上し、期末に減価償却を実施していきます。

(仕訳例)期末に中古トラックの減価償却を実施する。

中古の場合は法定耐用年数と経過年数から耐用年数を算出しなければなりません。具体的には、以下の式にあてはめて耐用年数を計算します。

中古の耐用年数=(法定耐用年数ー中古の固定資産の経過年数)+(中古の固定資産の経過年数×20%)

※計算結果が2年未満になった場合は、耐用年数は2年として取り扱う。

耐用年数=(3年-2年)+(2年×20%)=1+0.4=1.4

計算結果が2年未満となったため、この中古トラックの耐用年数は2年ということになりました。

よって、減価償却費は200万円/2年=100万円です。次のように減価償却を実施します。

借方
貸方
摘要
減価償却費
1,000,000円
車両運搬具
1,000,000円
中古2tトラック減価償却
1年目/2年

トラックは新品と中古で会計処理が異なる

トラックは、新品と中古で減価償却を実施するプロセスが異なります。中古トラックは、「簡便法」という方法を用いて耐用年数を計算し直す必要があることに留意しましょう。

残存年数がゼロの中古トラックでも、簡便法の計算では必ず残存年数が2年以上になり、減価償却の対象となります。また、トラックは積載量・排気量によって法定耐用年数が細かく分かれています。間違いがないように、耐用年数は購入の都度確認するようにしましょう。

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よくある質問

トラックは減価償却が必要?

トラックは長期間にわたり使用し、仕様に応じて老朽化や機能・価値の低下があるため、減価償却が必要な資産です。詳しくはこちらをご覧ください。

トラックの耐用年数は?

トラックの法定耐用年数は自家用と業務用、車両の種別によって決定され、3年から5年の間で償却することになります。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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