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  • 作成日 : 2020年11月20日

中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)とは?掛金や、加入資格、メリット・デメリット

中小企業経営セーフティ

経営セーフティ共済は、取引先の倒産による連鎖倒産を防ぐために創設された制度です。
共済への掛金は法人の損金や個人事業主の必要経費として処理されるため、節税対策としても効果的だといわれています。
そこで、今回は経営セーフティ共済についてみていきます。

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)とは?

経営セーフティ共済制度の概要

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)とは、取引先の倒産といった、いつ起こり得るかわからない不測の事態に中小企業や個人事業主がするための共済制度です。
毎月掛け金を払うことで、不測の事態の際、速やかに資金を借りる事ができます。
「経営セーフティ共済」というのは正式名称ではなく、利用者が親しみを持てるようにとつけられた呼び名です。
正式には「中小企業倒産防止共済制度」という名前で、運営には独立行政法人中小企業基盤整備機構があたっています。
この制度により、仮に取引先が倒産してそのあおりを受けるような場合でも、貸し付けを受けられるため、連鎖倒産を食い止めることが可能です。

経営セーフティ共済の加入の流れ

経営セーフティ共済への加入資格を持つのは、1年以上継続して業務を行なっている会社、個人の事業主、一定の組合で、業種や資本金又は出資額、従業員数により加入制限があります。
これは、加入枠から大企業をはずし、中小企業を保護するというこの制度の目的を達成するためのものです。

加入要件

下記のいずれかに該当する1年以上事業を行っている中小企業者の方が加入することができます。

業種資本金の額または出資の総額常時使用する従業員数
製造業・建設業・運輸業・その他の業種3億円以下300人以下
卸売業1億円以下100人以下
サービス業5,000万円以下100人以下
小売業5,000万円以下50人以下
ゴム製品製造業3億円以下900人以下
ソフトウェア業・情報処理サービス業3億円以下300人以下
旅館業5,000万円以下200人以下

加入が拒絶される要件

金融業者、不動産業者、一般消費者を取引先にする事業者は、融資が受けられない場合があるので、加入にあたっては注意しましょう。
中小企業倒産防止共済の融資の対象となる債権は、取引先の倒産で回収が困難になった売掛金前渡金であって、貸付金や不動産賃貸料などは対象になっていないからです。
また、上記の条件に該当していても加入が拒否されてしまう主な理由として、下記のようなものがあります。

・住所、主要事業の変更を繰り返し行なったため、継続的な取引状況を把握することが困難である
・すでに貸付を受けている共済金、一時貸付金などの償還が滞っている
・中小企業基盤整備機構から返還請求を受けている共済金、一時貸付金、早期償還手当金などの返還が滞っている
・納付すべき所得税、法人税を滞納している

必要書類

加入手続きに提出が必要となる書類は以下のものがあります。

・契約申込書
・預金口座振替申出書
・重要事項確認書 兼 反社会的勢力の排除に関する同意書
・発行日から3か月以内の商業登記簿謄本(法人の場合)
・所轄税務署の受付印のある所得税または法人税の確定申告
・所得税または法人税の納税証明書(その1)(納付したことを証する領収書でも可)
・所得税の確定申告書を作成の際に使用した帳票等(白色申告者のみ)

加入手続きの流れ

経営セーフティ共済への加入手続きは、以下の窓口へ必要書類を提出することで行えます。

・会員(組合員)となっている委託団体
・すでに融資などの取引を行なっている金融機関の本支店

経営セーフティ共済の掛金

掛金月額は、5,000円から20万円(5,000円単位)で任意に選択可能です。
掛金は、預金口座振替での払込みで、後で増額、減額もできます
減額は、以下に該当する場合と限られています。

・契約者の事業規模が縮小した場合
・事業経営の著しい悪化、病気等による急な出費などにより、掛金の納付が困難となった場合
・共済金の貸付残高と掛金総額の10倍相当の額の合計額が、8,000万円に達している場合

なお、増額・減額を行なうためには所定の手続きが必要となります。

また、将来に支払うべき掛金をあらかじめ一括して支払う前納制度もあります。

前納申出書を事前に提出し、前納した場合には、利息相当額として、掛金月額の1,000分の0.9の前納減額金が発生します。
なお、掛金は800万円まで積立が可能です。掛金総額が掛金月額の40倍以上に達している場合には、事前に納付掛止届出書を提出することで掛金の払い止めをすることができます。
また、この制度から貸し付けを受けている場合にも、払い込みを停止することが可能で、停止期間は6か月です。

経営セーフティ共済のメリット

中小企業倒産防止共済の最大のメリットは、取引先の倒産による連鎖倒産を防ぐことができる点です。

無利子・無担保で共済金の貸付

中小企業倒産防止共済では、取引先の倒産で債権が回収できなくなったときに、無利子で融資が受けられます
取引先の倒産とは、次のような状態をさします。取引先が夜逃げした場合は、次の条件には当てはまらず、融資が受けられないことに注意が必要です。

・法的整理(破産、再生、更生、特別清算)
・金融機関による取引停止処分
・私的整理
・大規模災害による手形の不渡り・支払不能

貸し付けが受けられる範囲は、取引先事業者の倒産で回収困難となった売掛金債権と前渡金返還請求権の額と、掛金総額の10倍に相当する額のいずれか少ない額となります。
返済期間は、5,000万円未満が5年、5,000万円以上6,500万円未満が6年、6,500万円以上8,000万円以下が7年になっています。なお、全ての借入に6ケ月間の措置期間があります。
中小企業倒産防止共済の融資は無利子であることに加えて、「無担保・無保証人」で受けられることが大きな特色です。

解約時は解約手当金を受け取れる

解約方法は3通りあり、いずれの場合あでも、掛金を12か月以上納めている場合には解約手当金を受け取れます。

1.共済契約者が任意のタイミングで解約できる「任意解約」
2.共済契約者の個人事業主の死亡や法人の解散などの場合で共済契約の継承が行われない場合に自動的に解約する「みなし解約」
3.掛金の払込が滞った場合や共済契約者の不正行為などで中小機構側から解約する「機構解約」

掛金総額に対する解約手当金の支払割合

掛金納付月数任意解約みなし解約機構解約
1 ヶ月~ 11 ヶ月0%0%0%
12 ヶ月~ 23 ヶ月80%85%75%
24 ヶ月~ 29 ヶ月85%90%80%
30 ヶ月~ 35 ヶ月90%95%85%
36 ヶ月~ 39 ヶ月95%100%90%
40 ヶ月以上100%100%95%

取引先の倒産以外でも融資が受けられる一時貸付金

取引先事業者が倒産していなくても、臨時に資金が必要になった場合には、掛金納付月数に応じて最大で解約手当金の95%まで貸し付けを受けることができます。
貸付額は、30万円以上(5万円単位)で、金融情勢に応じた金利負担があります。

一時貸付金の貸付限度額

掛金納付月数一時貸付金の貸付限度額
1 ヶ月~ 11 ヶ月0円
12 ヶ月~ 23 ヶ月掛金総額 × 75% × 95%
24 ヶ月~ 29 ヶ月掛金総額 × 80% × 95%
30 ヶ月~ 35 ヶ月掛金総額 × 85% × 95%
36 ヶ月~ 39 ヶ月掛金総額 × 90% × 95%
40 ヶ月以上掛金総額 × 95% × 95%
掛金総額が 800 万円の場合800 万円 × 100% × 95%(760万円)

相続事業承継も可能

共済契約者の方に相続、合併、分割、事業の全部の譲渡があった場合、包括承継人や譲受人が経営セーフティ共済の加入資格を満たしていれば、3カ月以内に申し出ることで、共済契約者の地位を承継できます。
ただし、共済金や一時貸付金などの返済が残っていた場合、その返済義務も引き継ぐことになります。

税制上のメリットも

中小企業倒産防止共済の掛金は、法人であれば損金に、個人事業主であれば必要経費に算入できます
月々の掛金は出費であることには変わりはありませんが、受けられるメリットを考慮すると、無駄な出費ではありません。税務上の損金に算入することで、節税に役立てることができます

経営セーフティ共済のデメリット

反対にデメリットとしては以下のような点が考えられます。

借入金額の10%が積立金から控除される

取引先の倒産時には、無利子で融資が受けられるものの、融資を受けるとそれまで払い込んできた掛金が減らされる仕組みになっています。融資額の10%が掛金から減らされるため、掛金総額の10倍の融資を受けた場合には、掛金がなくなってしまいます
そのため、決して安い金利負担ではないといえます。

加入40カ月未満で解約手数料がかかる

40カ月未満で解約すると一定の減額がなされますが、40カ月を経過すると掛金の100%(機構解約の場合95%)が返還されます。
もっとも、貸付金を受けている場合には、貸付残高分は控除されます。解約手当金は税法上益金あるいは事業所得となります。

経営セーフティ共済で危機を乗り切ろう

経営セーフティ共済は、危機時に貸し付けが受けられ、掛金が損金・必要経費となるので節税になる、解約しても掛金が戻ってくるなどのメリットがあります。
一方、貸し付けを受けると掛金の一部がなくなること、掛金納付期間が40カ月未満だと元本割れすること、解約手当金を受け取ると益金となるなどのデメリットがありますので、その点も理解して加入を検討してください。

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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