• 作成日 : 2022年3月4日

未払配当金の仕訳・勘定科目を解説!

未払配当金の仕訳・勘定科目を解説!

未払配当金とは支払いの決議をした配当金のうち、まだ支払われていない未払金を処理する勘定科目です。配当金の計上時期は支払う旨の決議を行ったときで、実際に配当金が支払われるのは後日であるため、計上の際は負債として未払配当金勘定で処理をすることになります。

本記事では未払配当金とはどのような勘定科目か説明するとともに、計上時期や実際に仕訳する場合の事例、未払配当金に税金がかかるケースについて紹介します。

未払配当金とはどんな勘定科目?

未払配当金とは、株主総会で配当金を支払う旨の決議が行われてから、実際にはまだ支払われていないものです。配当金とは、企業が利益のうちの一部を株主に分配するお金を指します。

ここでは、配当金の意味や、株主総会から未払配当金の仕訳までの流れについて見ていきましょう。

そもそも配当金とは

配当金とは、会社が利益の一部を株主に還元するものです。具体的な金額は株主総会で決定します。株主は配当金を受け取る権利を持ちますが、必ず受け取れるわけではありません。
会社の利益状況に応じ、配当金の有無や増減が決まります。

利益があっても配当金を支払わない会社もあれば、利益がない場合でも配当金を支払う会社もあります。配当する場合は、年1回、もしくは年2回の決算期に支払われる場合が多い傾向です。

株主に配当をする流れ

配当金の原資となるのは繰越利益剰余金で、貸借対照表の純資産の部にある株主資本に区分される勘定科目です。利益剰余金のうち利益準備金と任意積立金以外のもので、過年度の利益が累積したものに当期の利益(損失)を加算(減算)した金額を指します。

株主への配当金支払いは、決算で計上された当期純利益を繰越利益剰余金に振り替え、株主総会で配当の決議を経て行われるという流れです。

未払配当金の仕訳をする

株主総会の決議で配当金額が確定したら、貸借対照表の「純資産の部」にある繰越利益剰余金を減らし、未払配当金の仕訳を行います。未払配当金はこれから株主に支払う予定の金額であるため負債になり、負債の部の金額が増加するということです。

未払配当金の仕訳

未払配当金を計上して株主に支払うまでの具体的な仕訳例は、このあとの項目で紹介します。

未払配当金の計上時期は?

未払配当金の計上時期は、定例の株主総会で配当金を支払うという決議を採択したときです。決議後に支払う負債として、貸借対照表の貸方に計上されます。

会計年度中に配当金を支払った場合、あるいは会計年度後の株主総会で配当を支払う決議をした場合は、個別注記表に記載しなければなりません。

個別注記表とは、貸借対照表や損益計算書などの決算書に関連する書類で、決算書とは別に、計算書類のひとつとして独自の作成が必要です。

未払配当金の仕訳例

未払配当金の仕訳を、具体的な事例で見ていきましょう。

決算期に当期純利益が100万円計上された場合は、繰越利益剰余金に振り替えます。当期純利益が加算されて繰越利益剰余金が増加したことになるため、貸方に記入しましょう。会社の利益は会社の資本となり、繰越利益剰余金は純資産の部に計上されます。

借方には「損益」を記入してください。損益勘定は、決算の際に純利益(純損失)を確定するためだけに使われる勘定科目です。

【仕訳例】

借方
貸方
摘要
損益
1,000,000円
繰越利益剰余金
1,000,000円
当期純利益の振り替え

その後、定時株主総会で50万円の株主配当を決議した場合、未払配当金の仕訳をします。未払配当金を計上する際は、配当金の支払い額の1/10以上を利益準備金として積み立てることが義務付けられています。利益準備金は純資産の部であり、貸方に計上されます。

株主に50万円の配当金を支払うことが決定し、その1/10を利益準備金として計上した場合の仕訳は以下の通りです。

【仕訳例】

借方
貸方
摘要
繰越利益剰余金
550,000円
未払配当金
500,000円
株主総会で
配当金50万円を決議
利益準備金
50,000円

株主に配当金が支払われたら、負債の未払配当金を減らす仕訳を行います。配当金を普通預金口座から支払った場合の仕訳は以下の通りです。

【仕訳例】

借方
貸方
摘要
未払配当金
500,000円
普通預金
500,000円
配当金の支払い

未払配当金に税金がかかるケースは?

配当金は所得税の対象となり、未払配当金を支払った場合は源泉徴収が必要です。税率は、上場株式と非上場株式とで以下のように異なります。

(上場株式)

  • 発行済株式総数の3%以上を保有する大口個人株主 :20.420%
  • その他の個人株主 :20.315%
  • 法人株主 :15.315%

(非上場株式)

  • 20.420%

源泉徴収した配当金を株主に支払うと同時に、配当金支払明細書と支払調書の発行が必要です。徴収した税金は配当金を支払った月の翌月10日までに管轄の税務署もしくは最寄りの金融機関に納税します。また、配当金についての支払調書合計表と支払調書を、支払日から1ヵ月以内に管轄の税務署に提出しなければいけません。

源泉所得税は原則として配当金の支払いの際に行いますが、長く支払われない未払配当金は1年経過後に源泉徴収しなければなりません。1年を経過した日を含む月の翌月10日までに納税します。

配当金額決定したら未払配当金を計上しましょう

株主総会で配当金を支払う決議をしたら、決議の日に未払配当金を計上しなければなりません。未払配当金はこれから株主に支払う負債となり、貸借対照表の負債の部に計上されます。

未払配当金の原資となるのは繰越利益余剰金で、未払配当金の計上により貸借対照表の純資産の部にある繰越利益余剰金が減少します。

配当金の勘定科目については、以下の記事で詳しく説明しています。ぜひ、参考にしてください。

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よくある質問

未払配当金とは?

配当金を支払う決議があってから、まだ支払われていない配当金を管理する勘定科目です。詳しくはこちらをご覧ください。

未払配当金の計上時期は?

配当金を支払う決議をしたときです。詳しくはこちらをご覧ください。

未払配当金は税金がかかる?

源泉徴収税がかかります。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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