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  • 更新日 : 2021年7月16日

消費税などの税金は決算書のどこに反映される?

消費税などの税金は決算書のどこに反映される?

一口に税金と言っても、さまざまな種類があります。
ただでさえ種類の多い税金が、決算書のどこに反映されるのかは、複雑でわかりにくいでしょう。

税金と決算書の関係は、3パターンに分類することができます。この記事では、税金と決算書である貸借対照表損益計算書との関係をわかりやすく説明していきます。

そもそも税金とは

決算書と税金の関係の前に、どのような種類の税金があるのかを説明します。
会社にかかる税金は、「何に対して税金がかかるか?」という観点で、大きく以下の3つに分類することができます

  • 利益にかかる税金
  • 財産にかかる税金
  • 消費にかかる税金

まずは、それぞれの内容を確認しましょう。

利益にかかる税金

利益にかかる税金には、以下のものがあります。

  • 法人税(法人所得税)
  • 法人住民税
  • 法人事業税

上記の税金は「法人税等」と呼ばれ、会社の収益から費用を差し引いた利益(≒所得)に対して税金がかかります

また、上記の税金を「何に税率を乗じるか」という点で、以下のように分類することができます。

内訳内容
所得割利益(≒所得)に対して税率を乗じる
資本割資本金等に対して税率を乗じる
付加価値割付加価値に対して税率を乗じる
均等割法人の規模に対して一定額の税金が発生する

会社の所得金額にもよりますが、基本的に法人税等の金額は所得に対して税率を乗じたもの(所得割)が大半を占めます。このことから、法人税等は利益にかかる税金といわれます。

後述しますが、上記の所得割とそれ以外の資本割などは、損益計算書で区別され表示されます。厳密に区別しない場合は、法人税等は利益にかかる税金という認識で問題ありません。

財産にかかる税金

財産にかかる税金には、代表的なものとして固定資産税があります。
固定資産税以外には、自動車税や特別土地保有税など多岐にわたりますが、財産にかかる税金は主に固定資産税と考えて問題ありません

財産にかかる税金は、財産を多く所有していればそれだけ税金が多くなります。
特に機械や工場、土地などの不動産を多く所有している業種では、財産にかかる税金が大きくなります。

消費にかかる税金

消費にかかる税金は、主に消費税及び地方消費税です。以下、これらをまとめて「消費税」として説明していきます。

消費税は、日本国内で商品の販売やサービスを提供したときに、消費者が支払う税金です。したがって、これらの取引を営む業種に消費税が影響を与えます。
決算書との関係では、ほとんどの会社は消費税の影響を受け、消費税を負担していることになります。

対して、消費税がかからない取引もあります
例えば、土地の売買や株式などの有価証券の売買、輸出取引などがあります。
決算書との関係では、不動産業や輸出販売する会社では消費税の影響が小さくなり、消費税の負担が軽くなります。

会社が税金を支払う時期

ここまで会社に関係する税金を大きく3つに分けて説明しました。
当然のことながら、これらの税金は支払うタイミングが異なります
特に、税金を支払った直後は税金の未払金が消えるため、貸借対照表に表示されません。

それぞれ、税金と支払時期は以下の通りです。

税金支払時期
法人税等決算月から2か月以内
(1か月~4か月延長可能)
固定資産税6月、9月、12月、翌2月
消費税決算月から2か月以内
(1か月延長可能)

※上記表は、税金の支払時期の一般的な目安です。厳密な納付期限は各税金で最新情報を確認しましょう。

まず、法人税等は決算で利益が確定するため、各会社の決算から2か月以内に支払います。
法人税等の金額によっては、中間納付をしていることがあります。

次に、消費税は納付金額によって支払う回数が、以下になります。

前年度の消費税の納付金額回数
48万円以下年1回
確定申告1回
48万円超から400万円以下年2回
確定申告1回
中間申告1回
400万円から4800万円以下年4回
確定申告1回
中間申告3回
4800万円超年12回
確定申告1回
中間申告11回      

中小企業から大企業では、基本的に年4回から年12回、消費税を支払っていることが大半です。

税金は決算書のどこに反映されるのか?

ここまでは、会社に関係する主な税金と支払い時期を重点的に説明しました。
次は、税金がどのように決算書に表示されるか確認していきましょう。

利益にかかる税金

利益にかかる税金は、法人税等です。
法人税等に関係する勘定科目は、以下の通りです。

【貸借対照表に表示される勘定科目】

【損益計算書に表示される勘定科目】

  • 法人税等(法人税、住民税及び事業税)
  • 法人税調整額
  • 租税公課

まず、法人税等(法人税、住民税及び事業税)と未払法人税等または未収法人税等は決算で確定し計上されるため、それぞれ損益計算書と貸借対照表に表示されます
細かい違いですが、法人税等のうち所得割(所得に税率を乗じた金額)は、損益計算書の当期純利益の上に表示されます。所得割以外の資本割や付加価値割などは、損益計算書の販売費及び一般管理費の租税公課という勘定科目で表示されます。

次に、繰延税金資産、繰延税金負債、法人税等調整額は税効果会計という分野で複雑な計算が必要になります。細かい点は省略しますが、決算書での意味は以下の通りです。

勘定科目内容
繰延税金資産将来の税金を減額させるもの
繰延税金負債将来の税金を増額させるもの
法人税等調整額決算書の利益と法人税の所得計算とのズレを調整するもの

利益にかかる税金をまとめると、法人税等は利益に対して発生することが重視されるため、損益計算書の当期純利益の上に「法人税、住民税及び事業税」として表示されます。
貸借対照表では、未払法人税等または未収法人税等として表示されます。

財産にかかる税金

財産にかかる税金は、主に固定資産税などです。
決算書との関係では、固定資産税やその他の税金を「租税公課」という勘定科目にまとめて合算し表示されます。租税公課は販売費及び一般管理費に含まれるため、決算書の内訳書まで確認しないとわからない場合があります。

消費にかかる税金

消費にかかる税金は、主に消費税です。

決算書で消費税は、税込金額または税抜金額で表示される2つの方法があります
税込金額で会計処理を行う方法を税込方式といい、税抜金額で会計処理を行う方法を税抜方式といいます。

会社がどちらの会計処理方法を採用しているかは、決算書の注記表という書類に記載されています。ただ、一般的に中小企業以上の会社は消費税の確定申告があることなどが理由で税抜方式を採用しています。

また、2つの方法を決算書との関係で比較すると、以下の通りになります。

税込方式税抜方式
損益計算書への影響影響する影響しない
消費税が発生する取引
売上や経費、売掛金など

税込金額税抜金額
消費税が発生しない取引
土地や借入金、給与など

決算書の金額に含まれない決算書の金額に含まれない
消費税の勘定科目未払消費税
租税公課
未払消費税
仮払消費税
仮受消費税

まず、税込方式の場合は、消費税が発生する全ての取引を税込金額で会計処理を行います。
このため、損益計算書、貸借対照表の金額に消費税が含まれることになります。

具体的には、売上や経費、固定資産などが消費税に含まれる税込金額です。
反対に、土地や借入金、給与などの消費税が発生しない取引によるものは、決算書でも消費税が含まれない金額になります。

税込方式の場合は、税務署に支払う消費税を損益計算書の「租税公課」という勘定科目で表示し、貸借対照表には「未払消費税」が表示されます。

次に、税抜方式の場合は、全ての取引に対して消費税を区別した税抜金額で会計処理を行います。このため、損益計算書、貸借対照表の勘定科目に消費税が含まれません。

税抜方式の会計処理では「仮払消費税」「仮受消費税」という勘定科目が使用されますが、決算で消去するため、決算書には表示されません。税務署に支払う消費税は、貸借対照表で「未払消費税」として表示されます。

最後に、消費にかかる税金についてまとめると、消費税は税込方式と税抜方式の2つのパターンがあります
税込方式では、決算書のさまざまな勘定科目に消費税の金額が含まれます。
さらに、税務署に支払う消費税は、損益計算書の租税公課と貸借対照表の未払消費税として表示されます。
税抜方式では、決算書の金額に消費税が含まれません。
税務署に支払う消費税は、貸借対照表の未払消費税として表示されます。

税金と決算書の関係まとめ

結論をまとめると、税金と決算書の関係は基本的に以下の3パターンです。

税金決算書
法人税等損益計算書の当期純利益の前に表示される
消費税基本的に税抜方式が採用される
貸借対照表に未払消費税として表示される
固定資産税その他の税金損益計算書の租税公課として表示される

最後に、大きな会社の決算書ほど1つの勘定科目にさまざまな内容のものが合算されています。
決算書だけでは内訳を確認できないこともあるため、注記表や内訳表まで確認しないとわからないケースもあるでしょう。

よくある質問

税金の種類を3つに大別すると?

会社にかかる税金は、主に「利益にかかる税金」「財産にかかる税金」「消費にかかる税金」に分けられます。詳しくはこちらをご覧ください。

それぞれの税金で会社が支払うタイミングは異なるの?

はい。特に、税金を支払った直後は税金の未払金が消えるため、貸借対照表に表示されません。詳しくはこちらをご覧ください。

「利益にかかる税金」「財産にかかる税金」「消費にかかる税金」の具体的な例とは?

それぞれ「法人税等」「固定資産税」「消費税」が挙げられます。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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