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  • 作成日 : 2019年10月15日
  • 更新日 : 2020年10月22日

管理会計とは?財務会計との違いや企業会計の基礎知識をわかりやすく解説!

管理会計とは、社内の業績を把握し評価するための会計です。予算管理や原価管理などを行うことで、業務改善や課題解決、経営の意思決定に役立てることができます。一方の財務会計とは、社外に報告するための企業会計のことです。この記事では管理会計について解説し、その活用例もご紹介します。

管理会計とはなにか

管理会計は英語で「Management accounting」といい、企業をマネジメントするための会計のことを指します。
企業をマネジメントするのは経営者です。ここでいう「経営者」とは、社長・取締役などの役員や、管理者(管理責任のある従業員)のことを指します。

管理会計とは、経営者が経営を管理(マネジメント)する際に役立つ情報を提供するための会計です。経営管理にどのような情報が役立つかは企業によってさまざまなので、管理会計に強制的な基準はありません。取り入れるかどうかは企業の任意になります。

管理会計の目的と必要性

管理会計の目的は、経営者のために経営管理に役立つ情報を提供することです。
管理会計が提供する情報は企業によって異なります。例として、経営戦略や長期的な経営計画策定のための抽象的な情報や、各部門の予算や目標といった具体的な情報などがあるでしょう。

管理会計で行う2つの管理

管理会計のグラフ資料イメージ

管理会計の方法の代表的な例として、「予算管理」「原価管理」の2つがあります。この項目では、予算管理と原価管理について解説しましょう。

予算管理

予算管理とは、計画の数値(予算)と実行結果(実績)を比較し、改善していくことをいいます。
予算には年次予算や月次予算などが挙げられ、多くの企業では月次予算管理を取り入れているようです。

予算管理では具体的に、以下の「PDCAサイクル」を順に実行していきます。

段階具体例
Plan:計画経費予算を設定する
Do:実行実際にかかった経費を計算する
Check:評価経費が増えた・減った原因を把握する
Action:改善経費が増えていれば、原因を改善する
「Plan:計画」に戻る

このようにPDCAサイクルを繰り返すことで、徐々に改善が望めるでしょう。
評価や改善策は、その現場レベルによってさまざまです。予算が不適切な場合は予算を修正し、実績が不適切な場合は実績を修正するための対策が必要となります。

原価管理

原価管理とは、目標とする原価と実際にかかる原価を比較し、改善していくことです。
原価管理にはさまざまな方法があり、代表的な方法としては「標準原価」による計算や、「原価企画・原価維持・原価改善」があります。

原価管理の手順も、以下のようなPDCAサイクルに当てはめることができます。

段階具体例
Plan:計画目標とする原価を設定する
Do:実行実際の原価を把握する
Check:評価目標と実際を比較し評価する
Action:改善目標を達成できなければ、原因を改善する
「Plan:計画」に戻る

財務会計とは

財務会計における決算報告書

財務会計とは、企業外部の利害関係者(投資家・債権者・税務署など)に対して、企業の財務状況を報告するために行う会計のことです。
報告にあたっては会計基準に準拠した会計を行い、決算報告書を作成し開示します。

財務会計の目的

財務会計の目的は、企業外部の利害関係者(ステークホルダー)に企業の財政状態と経営成績を開示することです。
財政状態とは、簡単にいうと決算日における企業財産の状況のことで、経営成績とはその会計期間でどのぐらいの利益が出たかということです。

また、財務状況の開示にあたっては企業が決算報告書を作成しなければなりません。決算報告書は財務諸表ともいわれ、貸借対照表損益計算書キャッシュフロー計算書などが含まれます。

貸借対照表は、決算日(会計期間末)時点における企業の資産、負債、純資産の情報よって財政状態を示すものです。
損益計算書は、期首から決算日までのすべての収益と費用を示し、利益を計算することによって経営成績を表します。
キャッシュフロー計算書は、期首から決算日までの資金の出入を計算した財務諸表です。

財務諸表について詳しく知りたい方は以下のリンクをご参照ください。

>>貸借対照表(B/S)とは?見方やチェックポイントをわかりやすく解説
>>損益計算書(P/L)とは?見方を事例とともにわかりやすく解説
>>キャッシュフローとは何?目的は?キャッシュフロー計算書(C/F)の読み方をわかりやすく解説

財務会計が持つ2つの機能

情報提供機能

情報提供機能とは、利害関係者に対して、投資の意思決定のために有用な情報を提供する機能です。
例えば、ある企業に投資家が投資するかどうか判断する際、なにも情報がない状態では投資を行うことが難しいでしょう。しかし財務諸表などの情報があれば、投資の意思決定に役立てることができます。

もう1つの例として、ある企業へ銀行が融資(貸付)するかどうか判断する際、銀行は企業の財産や返済能力、収益力などを把握するために、財務諸表から情報を把握します。

>>ステークホルダーにとっての決算書

利害調整機能

利害調整機能とは、財務諸表利用者の利害を調整する機能です。財務諸表利用者とは、企業や、企業に関係する人のことを指します。
考えられる利害には、財務諸表利用者の立場によってさまざまなものがありますが、その中から具体例を2つ解説しましょう。

1つ目は株主と経営者の利害です。
株主は、自分が企業に投資した資金が適切に運用されることで、配当を得たり株が値上がりしたりすることを期待しています。
一方の経営者は、株主が投資したお金を、自分の役員報酬を上げる目的や交際費として使ってしまうことがあるかもしれません。
これらの利害について株主に財務諸表を開示することによって、経営者が適切に資金を運用したことを報告でき、結果として利害を調整します。

2つ目は株主と債権者(企業の仕入先や銀行)の利害です。
株主は、会社の資金を少しでも配当してほしいという期待を持っています。
それに対して債権者は、もし会社の資金が無くなり、返済されなければ困ってしまうでしょう。
そこで株主と債権者へ財務諸表を開示することにより、株主はどの程度の配当を期待できるか、また債権者は返済を受けられるかどうかを確認でき、結果として利害を調整します。

管理会計と財務会計の違いとは

管理会計と財務会計の違いは、以下の通りです。

  • 管理会計:経営者が経営管理をするための社内向けの会計
  • 財務会計:財務状況を伝えるための社外向けの会計

さらに管理会計と財務会計を比較すると、以下のようになります。

     管理会計財務会計
利用者社内
経営管理者(経営者・管理責任のある従業員など)
社外
利害関係者(投資家・債権者・税務署など)
目的経営管理に役立つ財務状況を伝える
内容企業の任意で取り入れる会計基準に準拠する
書式任意の資料やレポートなど財務諸表
集計単位金額・kg・ℓなど任意金額
対象期間任意の期間
(1年・1カ月・週など)
会計期間
(1年・半年・四半期)

管理会計は任意で取り入れるもので、経営者が経営管理をする目的で行うため、企業によって詳細は異なります。
対する財務会計は基本的にすべての企業で取り入れます。財務会計は企業の財務状況を外部に伝える目的があるため、会計基準に準拠して財務諸表を作成しなければなりません。

また管理会計と財務会計には、扱う情報によって以下の違いがあります。

  • 管理会計:未来の情報
  • 財務会計:過去の情報

管理会計はこれからの計画や予算を見積もり、経営管理するための未来の情報を扱います。反対に財務会計では、それまでの取引や事象といった、過去の情報を会計として記録・集計します。

企業会計は財務会計と管理会計にわかれる

冒頭でも述べましたが、企業が行う会計のことを企業会計といいます。企業会計は目的によって、財務会計と管理会計に分かれます。

以下では、財務会計の前提である企業会計原則について簡単に解説しましょう。興味のある方はこちらも参考にしてください。

企業会計原則とは

企業会計原則とは、企業会計(財務会計)の実務の中から一般に公正妥当と認められるところを要約し設定したもので、財務会計を行うにあたってすべての企業が従うべき規範です。

企業会計原則には7つの一般原則と、一般原則に準ずるもの(以下の8番目)があります。

  1. 真実性の原則
  2. 正規の簿記の原則
  3. 資本取引・損益取引区分の原則
  4. 明瞭性の原則
  5. 継続性の原則
  6. 保守主義の原則
  7. 単一性の原則
  8. 重要性の原則

このなかでもとりわけ重要なのが真実性の原則です。これによって、粉飾決算や虚偽記載のような偽りの会計をしてはいけないと定められています。

管理会計を導入するメリットは経営状態が明確になること

企業規模が大きくなるにつれて、管理会計を導入するメリットは大きくなります。それは、財務会計だけでは数値として把握できない部分が増えてくるためです。
管理会計を導入することで経営状態を「見える化」でき、予算などの計画立案がより容易になるでしょう。

管理会計の具体的な活用例3つ

以下では、主に中小企業を前提として管理会計の効果的な活用方法を解説します。

1:予算管理と月次決算のサイクル化

予算管理とは、計画を予算として数値化し、実行結果の数値と比較・評価してその原因を改善していくことです。予算管理は、会社単位でも部門単位でも適用できます。
特に会社単位で予算管理を行う場合は、月次決算が実行結果の数値となります。

2:業績評価から改善を行う

業績評価とは、年次決算や月次決算の数値を基に財務分析を行うことです。
業績評価を行った結果から改善策や目標を立て、次期の経営計画や予算に組み込むことで、経営管理に役立てることができます。

3:原価管理からコスト改善を行う

原価管理とは、目標の原価を設定するとともに実際の原価を計算し、目標と実際の原価を比較することでコストを改善していく方法です。

原価管理の一例を具体的に解説しましょう。
まず、市場における平均的な原価や、理想とする他社製品の原価を分析し、目標として設定します。
次に、自社の実際の原価を計算し、目標の原価と比較しましょう。
そして比較した結果から対策を立案し、改善を行っていきます。

原価管理の改善策には、製品の大幅なリニューアルや、材料の変更、製造工程の変更などさまざまなものがあります。

おすすめは管理会計を会計ソフトで行うこと

企業規模が大きくなるにつれて管理会計のメリットは大きくなってきますが、他方で管理会計のための数値を把握する業務が増えるため、管理会計自体が大変になっていきます。
エクセルなどに手入力して管理することは難しいでしょう。会計士や税理士に依頼するという方法もありますが、社内では部分的な情報しか把握できないといった可能性があります。

しかし、管理会計の機能を備えた会計ソフトなどのシステムを使えば、数値を把握する業務が軽減され、スムーズに管理会計を導入することができます。

会計ソフトを使った管理会計の導入事例を知るには、以下のリンクが参考なります。

>>マネーフォワード クラウドで管理会計を実現。経営分析にもうまく活用

まとめ

管理会計は社内における経営管理のための会計で、財務会計は社外向けに財務状況を伝えるための会計です。管理会計を行う際には会計ソフトを導入することで、効率的に経営管理に役立てることができます。管理会計と財務会計の違い、管理会計の活用例などを知っておくと良いでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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