• 更新日 : 2023年3月14日

預金出納帳の書き方について

複式簿記において重要な「預金出納帳」とは、金融機関の口座別に入金・出金のすべてを記録していくための帳簿です。

ここでは、預金出納帳の役割、預金出納帳の書き方について解説します。特に、預金出納帳の書き方については、金融機関別や預金種類別など複数あるため、その点についても補足します。

預金出納帳とは

「預金出納帳」は、日々、預金の入金、出金を記録して管理するものですから、企業の預金残高を明らかにする役割を果たします。

現在では、企業が銀行取引で預金口座を活用すること、各種決済を預金口座で行うことは、一般的となっています。

預金出納帳によって預金の出し入れ、預金の残高を正確に把握することは、企業の収益や財産の状況を把握する上でとても重要です。

そのためには、預金出納帳は、金融機関別、預金種類別(普通預金、当座預金、定期預金など)、預金口座別に作成する必要があります。

例えば、A銀行の普通預金口座、B銀行の普通預金口座を利用している場合、それぞれの預金出納帳を作成しなくてはいけないのです。ただし、書き方を変える必要はありません。

預金出納帳の書き方

預金出納帳では、以下のことを記します。

・日付
相手勘定科目
・摘要(入金した理由・出金した理由)
・入金額・出金額
・残高

銀行取引は、通帳記入をすればすべて記載されていますから、現金出納帳よりも書き方は簡単です。それでは、実際に預金出納帳の書き方を練習しましょう。

預金が増えた場合の記入例

「銀行に入金があった日付を記入する」というケースを考えてみましょう。このときの仕訳の書き方は、以下のようになります。

日付借方勘定科目借方金額貸方勘定科目貸方金額摘要
1月15日預金300,000売掛金300,000パソコンソフト

次に、この売掛金が支払われた金融機関の預金出納帳に、以下の流れで仕訳を転記していきます。

1. 銀行に入金があった日付を記入する
2. 相手勘定科目を「売掛金」と記入する
3. 預金の額が増えたので「入金」に300,000を記入する
4. 残高を計算して記入する

(○○銀行)

前月より繰越

800,000

日付相手勘定科目概要入金出金残高
1月15日売掛金パソコンソフト300,0001,100,000

預金が減った場合の記入例

「1月18日にコピー用紙を15,000円で購入し、銀行から振込で支払いを行ったが、そのときに振込手数料が324円かかった」というケースを考えてみましょう。

このときの仕訳の書き方は、以下のようになります。

日付借方勘定科目借方金額貸方勘定科目貸方金額摘要
1月18日消耗品費15,000普通預金15,324コピー用紙
支払手数料324

次に、振込を行った金融機関の預金出納帳に、以下の流れで仕訳を転記していきます。なお、先述のケースと同じ銀行口座を使用したものとします。

1. 銀行に入金があった日付を記入する
2. 相手勘定科目を「消耗品費」「支払手数料」と記入する
3. 預金の額が減ったので「出金」に15,000、324と記入する(通帳に記入されているとおりに記帳する)
4. 残高を計算して記入する

(○○銀行)

日付相手勘定科目概要入金出金残高
前月より繰越800,000
1月15日売掛金パソコンソフト300,0001,100,000
1月18日消耗品費コピー用紙15,0001,085,000
支払手数料振込手数料3241,084,676

クレジットカードで引き落とされている場合の記入例

クレジットカードや光熱費、電話使用料金などの引き落としも、預金出納帳に記録する必要があります。

例えば、「1月25日にクレジットカードで42,445円が銀行から引き落とされた」ケースでは、明細を確認した上で、以下のような書き方をしましょう。

(○○銀行)

日付相手勘定科目概要入金出金残高
前月より繰越800,000
1月15日売掛金パソコンソフト300,0001,100,000
1月18日消耗品費コピー用紙15,0001,085,000
支払手数料振込手数料3241,084,676
1月25日交際費12/1接待費30,000
通信費携帯電話料金12,445
以上、2件、●●カード引き落とし計42,4451,042,231

このように、金融機関の口座別にすべての取引を記録する「預金出納帳」は、企業の収益や財産の状況を管理する上で重要な書類です。

預金出納帳の書き方についての知識を身につけ、間違いのない記帳を心がけましょう。

預金出納帳のテンプレート

預金出納帳を作成する場合は、エクセル形式のテンプレートなどの利用が便利です。以下のページから預金出納帳のエクセルテンプレートを無料でダウンロードできますので、ご活用ください。


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