• 作成日 : 2023年9月29日

消費税集計表とは?書き方や活用方法をテンプレつきで紹介

消費税集計表とは?書き方や活用方法をテンプレつきで紹介

消費税の申告前に納税すべき金額を概算するには、消費税集計表が便利です。消費税集計表を作成する前に、3つの税率を理解することや経理方式の確認、会計ソフトへの正確な仕訳入力などが必要です。本記事では、消費税集計表の概要と重要性を解説します。すぐに使えるテンプレートを使って、ぜひ消費税集計表を活用しましょう。

消費税集計表とは?

消費税集計表とは、支払うべき消費税をあらかじめ概算するために使う表のことです。

税金には国に納める国税と、地方自治体に納める地方税があります。消費税の内訳には国税と地方税の両方があり、税率ごとに以下のように割合が決まっています。

税率区分旧税率標準税率軽減税率
税率8%10%8%
内訳
  • 国税6.3%
  • 地方税1.7%
  • 国税7.8%
  • 地方税2.2%
  • 国税6.24%
  • 地方税1.76%

2019年10月1日から標準税率が10%となりました。持ち帰りの食料品や条件を満たした新聞には、例外として8%の軽減税率が適用されています。

消費税10%が適用された際の経過措置として、旧税率の8%が適用されるものもあります。軽減税率の8%が適用されるものとは性質が異なり、国税と地方税の割合も異なるため、明確に区別しておかなければなりません。

消費税集計表を作成すれば、それぞれの税率が適用される取引金額や、税率をかけて計算した税金の金額を把握できます。

消費税集計表の記入はなぜ重要か

消費税集計表の作成は義務ではなく、提出する必要もありません。しかし、消費税集計表を作っておけば、支払うべき消費税の金額の概算を把握したり、作成した申告書の数値の検証に使えたりします。

消費税の税率は複数あり複雑です。軽減税率と旧税率はどちらも8%ですが、国税分と地方税分の割合が異なります。単に税率で区別しておくだけでなく、8%のうちのどちらなのかを把握することで、申告や納税をスムーズに行えるでしょう。

消費税の申告先は国税分と地方税分のどちらも税務署です。ただし、申告書類は国税分と地方税分をそれぞれ申告する必要があります。

消費税集計表のテンプレート(エクセル)

消費税集計表を作成するには、テンプレートを用いると簡単です。以下のエクセルテンプレートでは、紹介した3つの消費税の国税分を記録できます。そこから地方税分を算出するためにも便利に使えるでしょう。

紹介した3つの税率の課税対象を区別し、税金の概算を把握するために、ぜひテンプレートをダウンロードしてご活用ください。

消費税集計表の書き方

消費税集計表を作成するには、以下の手順で行うとスムーズです。

  • 経理方式を確認する
  • 仕訳ごとの税区分が正しいか確認する
  • 税率ごとの合計金額を計算する
  • 課税標準額に税率をかけて金額を計算する

消費税が課税される取引の金額を正しく計算するには、経理方式や税区分の確認が大切です。しっかりと準備をして計算することで、正確な消費税の金額を概算できるでしょう。

まず経理方式を確認する

まずは自社の経理方式が税込・税抜のどちらであるか確認しましょう。

消費税込みで日頃の取引を記録している場合は、税率ごとに取引を区別して、それぞれの消費税を計算しなおさなければなりません。

消費税抜きである場合は、それぞれの取引がどの税率に当てはまるかを把握して、税率ごとの合計金額に税率をかけて計算します。

このように、会社の採用している経理方式によって、消費税を計算する手順も変わります。

テンプレートの「決算額」に記載するのは、税込でも税抜でも構いません。しかし、消費税の計算の仕方はいずれも「税抜の課税課税取引金額×税率」です。税込の課税取引金額に税率をかけてしまうと正しい税額を計算できないため注意しましょう。

仕訳ごとの税区分が正しいか確認する

消費税集計表に記入する数値は、会計ソフトなどで集計した金額を使う場合が多いでしょう。その金額は、日頃の仕訳で入力した内容がもとになっており、日々の仕訳が正しいかどうかが消費税集計表の正確さにも影響します。

そこで重要なのが税区分です。主な税区分には以下のものがあります。正しい税区分で入力できていなければ、消費税も正しく計算できません。そのため、仕訳ごとの税区分が正しいかチェックしておく必要があります。

税区分要件具体例
課税取引以下の4つの要件を満たすもの

  • 国内での取引
  • 事業として行うもの
  • 対価を得て行うもの
  • 資産の譲渡や貸し付け、役務の提供に当てはまるもの
  • 店舗での物品販売・購入
  • サービスの提供・利用
非課税取引課税取引の4要件は満たすが、「消費」の概念に馴染まないものや社会政策の上で非課税とされているもの
  • 土地や住宅の譲渡・貸付
  • 受取利息
  • 商品券の購入
  • 公的機関に支払う手数料
不課税取引課税取引の4要件を満たさないもの
  • 海外での取引
  • 給与の支払
  • 寄附金

税区分を正確に記録するためには、「消費税区分別表」を作ることが有効です。それぞれの税区分の取引がいくらあるのかを把握できます。

税率ごとの合計金額を計算する

ダウンロードできるテンプレートの「決算額」には、すべての課税取引金額の合計を入力します。ただし、右の「税率適用分」を入力する際には、3つの税率について、それぞれの課税取引額を計算して消費税の金額を計算する必要があります。

このときに、正確な税区分ができているかどうかが重要です。税区分が非課税や不課税の取引額が混ざらないように注意しておきましょう。

課税標準額に税率をかけて金額を計算する

それぞれの税率が適用される課税取引額のことを「課税標準額」と呼びます。課税標準額が計算できたら、それぞれに税率をかけて消費税の金額を計算しましょう。

テンプレートには消費税における国税の割合が記載されています。課税標準額に消費税率をかけ、さらに国税の割合をかけましょう。

消費税集計表の活用方法

消費税集計表の目的は、支払うべき消費税の金額をあらかじめ把握することです。

消費税は決算後に申告と納税を行う必要があります。1年分の消費税を支払うため、会社や取引の規模によっては大きな金額となるでしょう。「思ったより消費税の金額が大きくて納税が難しい」と困ることのないように、事前に消費税の金額をおおよそでも把握しておけば納税に備えられます。

消費税集計表を作るには日頃の仕訳が重要

消費税集計表は、納付すべき消費税額を前もって計算するためのものです。ダウンロードできるテンプレートでは、そのうち国税分を計算できます。

正確に消費税の金額を概算するには、日々の正確な仕訳が重要です。消費税の申告の時期になって、税率や税区分を見直すのは簡単ではありません。日頃から正しく仕訳をして、スムーズに消費税集計表が作れるように備えておきましょう。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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