• 更新日 : 2024年12月16日

出張の稟議書の書き方は?テンプレートや例文でポイントが分かる!

出張の稟議書とは、出張に際して日程や予算の承認を得るために作成する書類です。日時や交通手段は最適か、経費は予算の範囲内かがチェックされます。

本記事では、出張の稟議書を作成するケースや書き方、例文を紹介します。出張の稟議書作成に活用できるテンプレートも無料でダウンロードできるため、チェックしてください。

出張の稟議書を作成するケース

稟議書とは、上長から承認や決裁を得るための書類です。稟議書を作成することで、会議を開かずに上長から承認を得られます。時間を有効に活用するとともに、会議室の予約や日程調整の手間もかかりません。

稟議書は複数の承認を経るものであり、多角的に検討を重ねることで、潜在的なリスクを回避することができます。よりよい意思決定にもつながるでしょう。

出張の稟議書は、業務で普段の勤務地とは別の場所に出向く際、出張の内容について承認を求めるために提出します。稟議書の提出により、出張の内容が企業の方針に沿ったものか、適切な費用であるかを確認できるでしょう。

従業員は出張の詳細を記入した出張稟議書を作成し、記載内容を裏付けるために必要な書類を添付して提出します。稟議書は承認者に回覧され、承認が下りるという流れです。

出張稟議のプロセスは、予算管理や経費最適化、安全管理を目的として行われます。

出張にかかる費用が予算を超えないように管理するとともに、出張のルートや期間を明確にして、最適な経費支出であるかをチェックします。また、出張先のリスクを確認し、従業員の安全を確保するためにも稟議書の作成が必要です。

出張の稟議書の書き方

出張の稟議書は、出張の目的や期間、移動手段など、出張に関連する項目をわかりやすく書くことがポイントです。

ここでは、出張の稟議書の記載項目、および書き方のポイントを解説します。

記載項目

出張の稟議書には特に法令で定められた様式はなく、会社ごとに必要な項目を網羅したテンプレートを作成します。

出張稟議書に記載する主な項目は、次のとおりです。

  • 起案日
  • 起案者
  • 件名
  • 出張の目的
  • 期間
  • 目的地
  • 交通手段(記載した交通ルートでかかる交通費
  • 行動予定
  • 宿泊の有無(宿泊する場合は宿泊先と費用を記載)
  • 同行者の有無(同行者がいる場合は、氏名と所属部署を記載)
  • 出張中の連絡先

まず、起案日として稟議書を提出する日付を記載します。さらに、起案者として、稟議を申請する人の氏名を記載してください。

「件名」には、何を申請するのかについて記載します。件名は最初に目にする部分であり、どのような内容の稟議書であるかがわかるよう、短く具体的に書くことが大切です。

「出張の目的」は、どのような業務に関して出張するのかを明確にします。

出張の期間、目的地、交通手段を明記し、交通費の記載も必要です。宿泊する場合は宿泊先と費用を記載します。

また、出張先でのスケジュールも必要とされる場合は、具体的な行動予定と日時を記載する場合もあります。

同行者がいる場合はその情報を記載し、出張中の連絡先も必要です。

書き方のポイント

出張の稟議書は、不要な出張や不正などを防止するという趣旨もあり、出張の内容や必要な費用を詳細に書くことがポイントです。

稟議書を作成して承認を得ることで、不要な出張や実際に行かずに費用だけ請求する出張、水増し請求などを防止できます。

そのような目的のためには、出張の目的や交通手段、交通費などの費用が具体的に書かれていることが大切です。

出張旅費は非課税であるため、税務調査の際、証拠書類を求められることの多い経費です。経費で支出した出張旅費について調べる際に、出張が会社による正式な業務命令であるかがチェックされます。業務命令ではなく、不透明な支出であると判断された場合、経費として認められない可能性があります。

その証拠になるのが出張稟議書であり、業務命令としての証拠書類になるために、出張の内容について明確に記載することが必要です。

出張の稟議書は内容を明確にするとともに、読みやすく書くことも大切なポイントです。読みにくい文章では、要点が伝わらず、承認が下りるのが遅くなる可能性があります。

項目は箇条書きにして、わかりやすい稟議書を記載するようにしてください。

稟議書の無料テンプレート

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出張の稟議書の例文

出張稟議書について、例文を紹介します。

起案日 令和〇年〇月〇日

起案者 企画部 〇〇 〇〇

件名:△△株式会社への出張について

新商品製造の視察と△△株式会社との打ち合わせのため、下記のとおり出張の申請をいたします。ご承認いただきますよう、お願い申し上げます。

出張期間:令和〇年〇月〇日~令和〇年〇月〇日

出張先:〇〇県××市 △△株式会社

出張の目的:新商品製造に関する打ち合わせ

同行者:営業部 〇〇 〇〇

行動予定

〇月〇日10時 △△株式会社訪問 打ち合わせ

〇月〇日14時 xx工場視察

移動手段

新幹線 東京駅~新大阪駅(xxxx円)

〇〇線 新大阪駅~△△駅(xxxx円)

宿泊:あり

宿泊先:△△ホテル

宿泊費:××××円(1泊2日)

出張費用

交通費

××××円(鉄道代)

××××円(レンタカー料金)

宿泊費 ××××円

出張中の連絡先:090-0000-0000

出張の稟議書のレビューポイント

出張の稟議書をレビュー(承認チェック)する側からみたチェックポイントは、次の3つです。

  • 経路や期間が最適化されているか
  • 出張担当者の安全が確保されているか
  • 出張の社内規則を遵守しているか

それぞれ、詳しく解説します。

経路や期間が最適化されているか

出張稟議書は、出張の日時や交通手段、経路が正確かどうかのチェックが必要です。稟議書に記載された経路は最適なルートで最安の交通費になっているか、日数は出張の業務のために適切かを確認します。

経理や期間のチェックにより、最適な費用での出張手配を促して経費最適化を図るという目的を果たせます。

規程に沿った出張の実施と、私的な経費利用防止にもつながるでしょう。

出張担当者の安全が確保されているか

稟議書は、出張担当者の安全性が確保されている工程であるかのチェックも必要です。出張担当者の居場所を把握するため、詳細な日程と連絡先が記載されているかを確認しなければなりません。

特に海外出張の場合は日程も長く、飛行機の遅延や現地での盗難被害、体調不良などトラブルも予想されます。出張先にどのようなリスクがあるか確認しておくことも大切です。

出張の社内規則を遵守しているか

稟議書の内容が、出張の社内規則を遵守しているかの確認も必要です。出張の社内規則は、出張旅費精算を行う際に基準となるものです。規則に沿った費用が計上されているか、私的な経費利用はないかを確認します。

規則がないと、高級ホテルやランクの高い列車の交通費などを請求される可能性があります。規則で上限額を定めておくことで、このような事態を防止できるでしょう。

出張の稟議書は予算管理や経費最適化のために大切

出張の稟議書を作成する目的は、企業が出張内容や目的を把握することにあります。そのため、出張担当者は出張に関する詳細を明確に申請しなければなりません。

承認者は出張の目的や期間、交通の経路をチェックし、最適なルート・日程であるかのチェックが必要です。規則に沿った費用が計上されているか、出張担当者の安全管理を図れる内容かについても確認します。

稟議書の提出と承認は、出張における従業員の安全確保と福利厚生を充実させるためにも大切です。適切な手続きを行うことで出張費に関する不正を防止し、予算管理と経費最適化を図れるでしょう。


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