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  • 更新日 : 2020年9月17日

差入保証金の仕訳を理解しよう!具体例と考え方を解説

差入保証金とは敷金や営業保証金などを処理するための勘定科目です。以下では差入保証金の基本的な考え方と会計上・税務上の取扱ルール、敷金をはじめとする主な差入保証金について解説します。

またセットで知っておきたい勘定科目「長期前払費用」についても解説します。

差入保証金の基本

差入保証金とは?

差入保証金とは債務者が債権者に対して取引や賃貸借の契約の履行を担保するために差し入れる現金のことです。

原則契約終了時に全額返還されますが、何か問題が起きれば一部差し引いて返還される場合や、契約内容によってはあらかじめその一部が返還されないと決まっている場合もあります。

なお、差入保証金として計上できるのは決算日の翌日から1年を超えて返還されるものだけとされています。

差入保証金の取り扱い

差入保証金は会計上、貸借対照表の資産の部にあたる固定資産の「投資その他の資産」に区分されます。この区分には投資有価証券や出資金、長期貸付金などがありますが、差入保証金はそのうち「その他」に分類されています。

税務上この勘定科目について押さえておくべきポイントは以下の2点です。

・消費税の課税対象外
・個別評価債権または一括評価債権としての貸倒引当金の設定はできない。

個別評価債権とは部分的に回収ができないと想定される金銭債権を指し、一括評価債権とは個別評価債権以外の売掛金や貸付金などの金銭債権を指します。貸倒引当金とはこれらの金銭債権のうち、一部が回収不能になるなどの事態を想定してその額を見積もっておくものです。

差入保証金は契約期間が終わると債務者に返還を請求する権利が発生する点や、通常無金利である点などから金銭債権として単純には認められないため、貸倒引当金の設定が税務上できないのです。

長期前払費用と差入保証金

長期前払費用は貸借対照表において差入保証金と同じ区分にある勘定科目です。

差入保証金との違いは「返還されるか、されないか」です。差入保証金は原則全額返還ですが、契約によって返還されない部分がある場合もあります。これを長期前払費用などの勘定科目を使って処理し、そのあと償却します。

ただし長期前払費用に該当する部分の金額が20万円未満だった場合は、これを支払手数料などとして費用計上することもできます。なお、決算日の翌日から1年以内に費用化される(返還されない)ものは、前払費用と呼ばれます。

差入保証金 4つの具体例

敷金

原則契約期間が終わると返還される点、通常は無金利である点など敷金は差入保証金の最もわかりやすい例だと言えます。そのため貸倒引当金の設定は基本的にはできません。

建設協力金

建設協力金とは賃貸契約をすでに結んでいる建物の建設時に預託保証金として差し入れるお金です。これは建物完成後に賃貸契約がスタートすると、契約時に定めた期日に返還されます。契約によっては金利が発生し、長期前払費用などによる会計処理が必要な場合があります。

営業保証金

営業保証金とは取引先と営業取引をする際に、債務不履行が起きたときのために差し入れておく保証金です。一般的に無利息で返済期日は不明確、取引額によって金額の変動がある場合もあります。

ゴルフ会員権の保証金

ゴルフ会員権は会員が出資するという形をとる「株主方式」と、ゴルフ運営会社が返済義務を負う「預託保証金方式」が一般的です。このうち預託保証金方式のゴルフ会員権に支出した場合は、これを差入保証金として処理することができます。

差入保証金の仕訳例

最後に差入保証金の実際の仕訳例を見ておきましょう。まず店舗家賃の保証金として60万円を普通預金口座から振り込んだとします。この場合の仕訳は次のとおりです。

借方科目金額貸方科目金額
敷金・保証金600,000普通預金600,000

預金から60万円が減っているので貸方科目は「普通預金」、預金が減った理由が店舗家賃の保証金なので借方科目は「敷金・保証金」となります。金額はどちらも60万円です。

ではこのときの賃貸契約書に「契約期間は5年、明け渡し時10%償却、更新手数料あり」と記されていたとしましょう。この場合は返還されないと想定される部分が発生するので、長期前払費用の処理が必要となります。

借方科目金額貸方科目金額
敷金・保証金300,000普通預金600,000
長期前払費用300,000

60万円の50%にあたる30万円が長期前払費用として処理され、残りの30万円が敷金・保証金として処理されます。減少する預金は60万円で変わりないので貸方科目は普通預金、金額は60万円です。

まとめ

差入保証金の基本的な性質を理解しておけば、ここに挙げた4つの例以外のケースに直面しても、それが差入保証金なのかどうかの判断ができるはずです。

特に長期前払費用との関係に注意して、間違いのない対応ができるように理解を深めておきましょう。

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監修:加地 延行 (公認会計士 / 税理士)

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