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  2. 会計の基礎知識
  3. 返金の勘定科目は?一律ではない返品・キャンセル時の仕訳をケース別に解説
  • 更新日 : 2026年7月23日

返金の勘定科目は?一律ではない返品・キャンセル時の仕訳をケース別に解説

監修:安木 識晃/監修:岩波 竜太郎
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Point返金の勘定科目と仕訳はどう判断する?

取引の種類(売上か仕入か)と返金の方向(する側かされる側か)で使う科目が変わるため、ケース別に当てはめましょう。

  • 売上の返品は売上または売上戻り高で取り消す
  • 仕入の返品は仕入または仕入戻しで減額する
  • 過入金は仮受金、過払いは仮払金等で一時記録する

インボイス制度下では税込1万円以上の売上返品・値引き等で適格返還請求書の交付が原則必要となり、期をまたぐ返金は返金等を行った課税期間で処理することが原則です。

商品の販売やサービス提供では、クレームや誤入金、契約キャンセルなど、さまざまな理由で返金が発生します。返金の勘定科目は取引の種類(売上/仕入)と立場(する側/される側)で使い分けが必要で、消費税の調整やインボイス対応も含めて判断する場面が多くあります。

この記事では、商品やサービスの返金・返品に焦点を当てて、ケース別の仕訳例と注意点をわかりやすく整理します。

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目次

  • 返金処理の勘定科目はどう使い分ける?
    • 「したとき/されたとき」で異なる返金処理
    • 取引パターン別の勘定科目早見表
  • 売上代金の返金に関する勘定科目・仕訳は?
    • 商品の返品・値引きで返金したとき(売主の仕訳)
    • 商品の返品・値引きで返金されたとき(買主の仕訳)
    • クレジットカード決済をキャンセルしたとき
  • 過入金・前払いの返金に関する勘定科目・仕訳は?
    • 過入金を返金する場合・返金を受ける場合の仕訳
    • 前払いを返金する場合・返金を受ける場合の仕訳
    • 返金せず相殺・少額処理にするとき
  • 新収益認識基準では返金をどう処理する?
    • 販売時に返金見込みを「返金負債」「返品資産」で計上する
    • 実際の返品時に返金負債・返品資産を取り崩す仕訳
    • 中小企業などで認められる従来処理との違い
  • 返金の消費税・インボイスの扱いは?
    • 売上側の消費税調整(売上に係る対価の返還等)
    • 仕入側の消費税調整(仕入に係る対価の返還等)
    • 返還インボイスの交付義務と1万円未満の免除
  • 迷いやすい返金処理はどう仕訳する?
    • 期をまたいだ返金が発生したとき
    • 振込手数料が差し引かれて返金されたとき
    • 返金を複数回に分けるとき
  • 返金などの複雑な勘定科目や仕訳判定は業務の負担に
    • 勘定科目の判定工数を削減するために
  • 返金の勘定科目に関するよくある疑問
    • 過払い金が返金されるときの勘定科目は?
    • 返金分を後から区分して管理するには?
    • 期をまたぐ返金はどの年度で処理する?
  • 返金の勘定科目・仕訳を正しく使い分けて経理の精度を高めよう

返金処理の勘定科目はどう使い分ける?

返金処理の勘定科目は、取引の種類と返金の方向で決まります。「自社がした」のか「自社がされた」のか、また売上に関する取引か仕入に関する取引かで使う勘定科目が変わるため、まずは早見表で全体像を把握しましょう。

「したとき/されたとき」で異なる返金処理

返金処理は「自社がしたとき」と「自社がされたとき」で借方と貸方の使い方が反転します。

返金が発生したときは、最初に次の2点を整理すると判断がスムーズです。

  • 自社は返金する側か、返金される側か
  • 返金理由は売上の取り消しか、仕入の取り消しか、過入金・過払いの清算か

返金は当初の取引を取り消す処理として扱うのが基本で、販売時の借方・貸方を入れ替える「逆仕訳」で対応できるケースが多いです。ただし、過入金や前払いの返金など、取引内容によっては別の勘定科目を使うため、ケースごとの判断が必要です。

取引パターン別の勘定科目早見表

返金理由ごとに使う勘定科目は次の早見表で整理できます。

返金理由 自社がしたとき 自社がされたとき
売上/仕入の返品・値引き(※1) 売上(または売上戻り高) 仕入(または仕入戻し)
過入金・過払いの清算(※2) 仮受金 仮払金
前払い取引のキャンセル 前受金 前払金
クレジット決済のキャンセル (新基準)返金負債/(従来)売上 未払金

※1 返還義務・返還請求権が確定後は、未払金・未収入金を使う場合もあります。
※2 商品返品なら売上原価・商品も別途必要となります。

返金額が高額な場合や、新収益認識基準を適用している場合は、後述する「返金負債」「返品資産」を使うケースもあります。判断に迷う場面では、税理士などの専門家への相談を検討するとよいでしょう。

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売上代金の返金に関する勘定科目・仕訳は?

売上代金の返金は、もとの売上を取り消す仕訳が基本です。ここでは1つの売買取引を、返金する売主(自社)と、返金を受ける買主(取引先B社)の両方の側から見ていきます。処理方法には、売上や仕入を直接減らす純額主義と、独立した科目で分けて記録する総額主義があり、いずれを選んでも問題ありません。販売時の仕訳は通常と変わらないため、返金が起きた時点の仕訳に絞って確認します。

商品の返品・値引きで返金したとき(売主の仕訳)

売主が返金するときは、販売時に計上した売上を取り消します。方法は、売上を直接減らす純額主義と、独立した「売上戻り高」を使う総額主義に分かれます。

まず、実務で広く使われている純額主義から見ます。

例)現金で販売した10万円の商品に破損があり、顧客から返品を受けて全額を返金した

借方 金額 貸方 金額
売上 100,000円 現金 100,000円

純額主義は売上を直接減らすため処理がシンプルで、損益計算書には返品控除後の純売上高が並びます。一方で、返品がどれだけあったかを後から追いにくい面があります。返品の総額を残したい場合は、総額主義の「売上戻り高」を使います。

例)掛けで販売した30万円の商品が品質不良で返品され、売掛金から差し引いて処理した

借方 金額 貸方 金額
売上戻り高 300,000円 売掛金 300,000円

総額主義では、損益計算書に総売上高と返品額を分けて表示できるため、返品の発生状況を追いやすくなります。財務諸表等規則第72条でも、総売上高と「売上値引及び戻り高」を控除科目として掲記する方法も認められています。純額主義と総額主義は、年度を通して同じ方法を続けると損益計算書の比較がしやすくなるため、社内で方針をそろえておくと安心です。

商品の返品・値引きで返金されたとき(買主の仕訳)

買主が返金を受けるときは、仕入を取り消す鏡写しの仕訳になります。売主側と同じく、純額主義と総額主義のどちらでも対応できます。
ここで、以下の仕訳例は、商品売買を「仕入」勘定で処理する三分法を前提としています。

継続記録法を採用している場合は、返品時に「仕入」ではなく「商品」勘定を使用することがあります。自社の棚卸資産管理方法に合わせて判断してください。

純額主義では、仕入を直接減らします。

例)仕入れた10万円の商品に破損があり、支払い済みの代金が当座預金へ入金された

借方 金額 貸方 金額
当座預金 100,000円 仕入 100,000円

返品分を分けて管理したい場合や、仕入先別の品質管理に活用したい場合は、独立した「仕入戻し」を使う総額主義が向きます。

例)同じ返品を、総額主義(仕入戻しを使用)で処理する

借方 金額 貸方 金額
当座預金 100,000円 仕入戻し 100,000円

「仕入戻し」は決算時に「仕入」と相殺し、最終的に売上原価の計算へ反映させます。こちらも継続適用を前提に、社内で方針をそろえておくとよいでしょう。

クレジットカード決済をキャンセルしたとき

クレジットカード決済のキャンセルでは、決済方法そのものではなく、キャンセル時点でどこまで会計処理が進んでいるかを確認します。

たとえば、カード会社への未収入金を計上した後、カード会社からの入金前にキャンセルした場合は、売上と未収入金を取り消します。

例)カード会社への未収入金を計上した後、カード会社からの入金前にキャンセルした場合(売主側)

借方 金額 貸方 金額
売上 50,000円 未収入金 50,000円

新収益認識基準を適用している場合は、販売時に立てた「返金負債」を取り崩す仕訳になります。この処理は次の見出しで取り上げます。買主側は、代金をまだ支払っていないため、計上していた「未払金」を取り消します。

例)クレジットで購入した5万円の消耗品を、引き落とし前にキャンセルした(買主側)

借方 金額 貸方 金額
未払金 50,000円 消耗品費 50,000円

参照:No.6359 値引き、返品、割戻しなどを行った場合の税額の調整|国税庁

過入金・前払いの返金に関する勘定科目・仕訳は?

過入金や前払いの返金は、売上や仕入の取り消しではなく、一時的な科目や前受・前払の科目で処理します。ここでも、自社が返金する場合と、返金を受ける場合の両側を並べて確認します。返金せず相殺や少額処理にするケースも、あわせて取り上げます。

過入金を返金する場合・返金を受ける場合の仕訳

過入金の返金は、入金時に立てた仮受金や仮払金を取り崩して清算するケースが多いです。自社が多く受け取った場合は仮受金、多く支払った場合は仮払金を使います。

まず、自社が請求額より多い入金を受け、超過分を返金する場合です。超過分は内容が確定するまで「仮受金」で受けておき、返金時に取り崩します。

例)請求額50,000円に対して取引先から60,000円が入金され、超過分を返金した

借方 金額 貸方 金額
普通預金 60,000円 売掛金 50,000円
仮受金 10,000円
仮受金 10,000円 普通預金 10,000円

次に、自社が誤って多く支払い、返金を受ける場合です。超過分は「仮払金」で記録し、返金を受けた時点で取り崩します。

例)50,000円の請求に対して自社が60,000円を支払い、超過分の返金を受けた

借方 金額 貸方 金額
買掛金 50,000円 普通預金 60,000円
仮払金 10,000円
普通預金 10,000円 仮払金 10,000円

仮受金・仮払金はいずれも一時的な科目のため、内容が判明したら速やかに整理し、決算時に残高が残らないようにします。

前払いを返金する場合・返金を受ける場合の仕訳

取引前に受け払いした代金の返金は、前受金または前払金を取り崩します。自社が前もって受け取っていた場合は前受金、前もって支払っていた場合は前払金を使います。

自社が前受金を受け取っていた取引がキャンセルとなり、返金する場合です。

例)20,000円を前受金として受け取っていたが、取引先都合のキャンセルで全額を返金した

借方 金額 貸方 金額
前受金 20,000円 普通預金 20,000円

自社が前払いをしていた取引で、返金を受ける場合です。

例)仕入先へ20,000円を前払いしていたが、生産中止により返金を受けた

借方 金額 貸方 金額
普通預金 20,000円 前払金 20,000円

返金せず相殺・少額処理にするとき

現金を戻さないときは、次回取引との相殺や雑収入・雑損失処理等、合意内容に応じて処理します。売主が次回販売と相殺するときは、返金分を次回の内金として貸方に「前受金」で立てます。

例)販売した5万円の商品の返品を、現金返金せず次回販売分と相殺した

借方 金額 貸方 金額
売上 50,000円 前受金 50,000円

買主が次回仕入と相殺するときは、借方に「前払金」を立てます。

例)仕入れた2万円の商品の返品を、次回仕入と相殺した

借方 金額 貸方 金額
前払金 20,000円 仕入 20,000円

少額のため返金しない場合は、過入金は「雑収入」、過払いは「雑損失」で差額を整理します。

例)10円多い入金を返金不要とした場合(上段)と、10円多く支払い返金不要とした場合(下段)

借方 金額 貸方 金額
仮受金 10円 雑収入 10円
雑損失 10円 仮払金 10円

新収益認識基準では返金をどう処理する?

新収益認識基準(企業会計基準第29号)では、返品が見込まれる分を販売時点で売上から控除し、返金負債と返品資産として計上します。実際の返品時には、これらを取り崩します。上場企業や大会社などは2021年4月1日以後に開始する事業年度から強制適用となり、中小企業などは従来の処理も認められます。

販売時に返金見込みを「返金負債」「返品資産」で計上する

返品権付きの販売では、返品が見込まれる分の売上と原価を販売時に控除します。返品の可能性が高い分まで売上に含めると、後から取り消しが増えて財務報告の比較がしにくくなります。そこで、返品見込みの売上を返金負債、対応する原価を返品資産として分けます。

例)販売時に、返品見込み分を返金負債・返品資産として控除して計上する

借方 金額 貸方 金額
現金預金 ××× 売上 ×××
返金負債 ×××
売上原価 ××× 商品 ×××
返品資産 ×××

顧客への引き渡しが確定した分だけが、純粋な売上として残ります。

実際の返品時に返金負債・返品資産を取り崩す仕訳

返品が起きたら、見込みで立てた返金負債と返品資産を取り崩します。

例)入金済みの10万円を当座預金から返金(販売時に返金負債10万円・返品資産3万円を計上済み)

借方 金額 貸方 金額
返金負債 100,000円 当座預金 100,000円
商品 30,000円 返品資産 30,000円

見積もりと実際の差額は、当期の損益で調整します。差額が続くときは、見積もりの精度を見直すきっかけになります。

中小企業などで認められる従来処理との違い

中小企業などは返金負債を立てず、返品があったときに売上を取り消す従来処理も選べます。

例)従来処理で、返品により商品代金10万円を当座預金から返金し、売上原価3万円相当の商品を受け入れた

借方 金額 貸方 金額
売上 100,000円 当座預金 100,000円
商品 30,000円 売上原価 30,000円

上場企業などは強制適用である一方で、中小企業会計指針へ収益認識基準の考え方を取り入れるかどうかは、上場企業等での適用状況や中小企業の実態を踏まえて検討される位置付けとされています。

参照:収益認識に関する会計基準(企業会計基準第29号)|企業会計基準委員会

返金の消費税・インボイスの扱いは?

課税取引で返金が起きたら、消費税額もあわせて調整します。インボイス制度では、税込1万円以上の返金で適格返還請求書(返還インボイス)の交付が原則必要です。
以下の消費税の仕訳例は、税抜経理方式を前提としています。

税込経理方式を採用している場合は、売上・仕入・費用等に消費税額を含めて処理するため、仮受消費税や仮払消費税を分けて仕訳しません。

売上側の消費税調整(売上に係る対価の返還等)

売上を返金したら、返金額に含まれる消費税も納付額から差し引きます。

例)税込11万円(税抜10万円・消費税1万円)の商品が返品され、全額を返金した

借方 金額 貸方 金額
売上 100,000円 現金 110,000円
仮受消費税 10,000円

売上と仮受消費税を同時に減らします。控除を受けるには、対価の返還等を記した帳簿の保存が要件です。

参照:No.6359 値引き、返品、割戻しなどを行った場合の税額の調整(売上げに係る対価の返還等)|国税庁

仕入側の消費税調整(仕入に係る対価の返還等)

仕入の返金を受けたら、仕入税額控除に含めた消費税も同じだけ減らします。

例)税込5万5,000円(税抜5万円・消費税5,000円)の仕入をキャンセルし、全額が返金された

借方 金額 貸方 金額
普通預金 55,000円 仕入 50,000円
仮払消費税 5,000円

仕入を減らすと同時に、仮払消費税の取り崩しを忘れないようにします。仕入税額控除を過大に計上した状態を防ぐためです。

参照:No.6363 値引き、返品、割戻しなどが行われた場合の税額の調整(仕入れに係る対価の返還等)|国税庁

返還インボイスの交付義務と1万円未満の免除

適格請求書発行事業者は返還インボイスの交付義務がありますが、税込1万円未満は免除されます。2023年10月に始まったインボイス制度では、適格請求書発行事業者が、課税資産の譲渡等に係る対価の返還等を行う場合、原則として返還インボイスの交付が必要です。ただし税込1万円未満の返金は交付義務が免除されます。これは適用期限や対象者の制限がない措置です。売主が負担する振込手数料を売上値引きで処理する場合は、通常1万円未満のため交付がいりません。

参照:少額な返還インボイスの交付義務免除の概要|国税庁

迷いやすい返金処理はどう仕訳する?

期をまたいだ返金が発生したとき

前期の取引への返金は、当期の取引として処理するのが原則です。確定した前期決算は後から修正できないため、前期に販売した商品の返金が当期に起きたら、当期の売上から減らします。

例)前期に8万円で販売した商品が当期に返品され、全額を返金した

借方 金額 貸方 金額
売上 80,000円 普通預金 80,000円

返金額が大きく、過年度損益修正に当たる可能性があるときは、顧問税理士・会計士に相談すると安心です。

振込手数料が差し引かれて返金されたとき

手数料が引かれて入金されたら、差額を支払手数料で計上します。

例)1万円の過払いに対し、振込手数料300円が引かれ、9,700円が返金された

借方 金額 貸方 金額
普通預金 9,700円 仮払金 10,000円
支払手数料 300円

普通預金と支払手数料の合計が、当初の仮払金1万円に一致するように組みます。

返金を複数回に分けるとき

分割返金は、返金の都度売上を減らす方法と、先に未払金を立てる方法があります。まず、返金の都度、売上を減らす方法から見ます。

例)8万円の返金を、当月3万円・翌月5万円に分けて返金する

借方 金額 貸方 金額
売上 30,000円 普通預金 30,000円
売上 50,000円 普通預金 50,000円

返済義務が確定した時点で、全額を未払金として立てる方法もあります。

例)8万円の返済義務が確定した時点で、全額を未払金で計上する

借方 金額 貸方 金額
売上 80,000円 未払金 80,000円

返金スケジュールを覚書に残し、各回の返金時に通知書を出すなど、記録を整えると行き違いを防げます。

返金などの複雑な勘定科目や仕訳判定は業務の負担に

返金や返品に伴う会計処理では、通常の売上や仕入とは異なる勘定科目を使用するケースがあり、適切な仕訳の判断に迷うこともあるでしょう。

株式会社マネーフォワードは、経理担当者の業務実態を把握するために独自のアンケート調査を実施しました。

仕訳作業の工程において、最も工数がかかっている作業は「適切な勘定科目や消費税区分(課税・非課税等)の判定」で、36.8%でした。次いで、「銀行明細やクレジットカード明細と帳簿の突合作業」で、34.5%、「インボイス制度への対応」で、27.2%でした。

勘定科目の判定工数を削減するために

調査結果から、多くの担当者が、返金処理を含めた日々の仕訳において、適切な勘定科目を判断することに多くの工数を割いていることが読み取れます。

返金やキャンセルの処理は発生頻度も比較的高いため、よく発生する取引パターンと使用する勘定科目をあらかじめルール化し、仕訳の迷いを減らすことが業務負担の軽減につながります。

出典:マネーフォワード クラウド、仕訳作業の工程において最も工数がかかっている作業【勘定科目に関する調査データ】(回答者:仕訳業務に関与する707名、集計期間:2026年3月実施)

返金の勘定科目に関するよくある疑問

返金処理では、現場から科目や仕訳のたずね方が寄せられます。問い合わせの多い疑問を整理します。

過払い金が返金されるときの勘定科目は?

多く支払った分は、まず仮払金で記録し、返金を受けた時点で仮払金を取り崩します。振込手数料が引かれて入金された場合は、差額を支払手数料で計上します。

返金分を後から区分して管理するには?

売上戻り高や仕入戻しといった独立科目を使う総額主義のほか、補助科目や摘要の活用でも、返金の発生状況を追えます。年度を通して同じ方法を続けると、損益計算書の比較がしやすくなります。

期をまたぐ返金はどの年度で処理する?

当期に新たに返品・返金が確定した場合は、原則として当期に処理します。 金額が大きく経営判断に影響するときは、顧問税理士・会計士への相談を検討するとよいでしょう。

返金の勘定科目・仕訳を正しく使い分けて経理の精度を高めよう

返金の勘定科目は、取引の種類(売上か仕入か)と返金の方向(する側かされる側か)で使い分けます。返品やキャンセルでは、売上・仕入を直接減らす純額主義か、売上戻り高・仕入戻しを使う総額主義のどちらでも処理できます。

新収益認識基準を適用する企業は、販売時点で返金負債・返品資産を見込み計上する点が異なります。

インボイス制度では、税込1万円以上の返金で返還インボイスの交付が原則必要です。

日々の業務では、科目の選び方を社内でそろえ、補助科目や摘要で内容を残しておくと、決算や税務調査でも落ち着いて対応できます。

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よくある質問

なぜ返金や返品が発生する?

商品の破損や欠品、納品の遅延のほか、本来の入金額との相違があった場合などに返金や返品が発生します。詳しくはこちらをご覧ください。

クレジットカード決済のキャンセルはどうする?

相手がクレジットカードで決済した分がキャンセルになったときは、その取引がなかったものとして、取引発生時の仕訳と逆の仕訳を行います。 詳しくはこちらをご覧ください。

返金しないケースはある?

返金に値する事実があっても、返金しないケースがあります。例えば、返金ではなく次の取引分と相殺することにした場合などです。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
  • 監修:安木 識晃(公認会計士準会員)

    公認会計士準会員。監査法人にて4年弱、外資系保険会社などの財務諸表監査・内部統制監査に従事。その後、FAS(財務アドバイザリー)領域にてIPO支援(事業計画・資本政策・内部統制構築)、M\&AにおけるPPA・無形資産評価などを担当。スタートアップ企業のCFOとして、経理財務体制の構築、資金調達、海外展開支援にも従事。現在は都内のFASコンサルティングにて、IPO準備企業や成長企業の財務支援を行う傍ら、ライティング・記事監修業務も精力的に実施。専門分野に根差した実務的かつ分かりやすい情報発信を得意とする。

  • 監修:岩波 竜太郎 (公認会計士 / 税理士 / 経営学修士)

    公認会計士・税理士・経営学修士。大手監査法人、ベンチャー企業を経て、2015年に独立開業。大手監査法人での海外経験や管理本部長としての幅広い経験を武器に会計アドバイザリー業務を主たる業務として行うとともに、東証1部上場企業である株式会社OrchestraHoldingsの社外役員をはじめ、経営アドバイザーとして複数の企業に関与。Webメディア等の記事執筆・監修業務も積極的に行っている。

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