• 作成日 : 2020年8月12日

コロナ支援金の「課税・非課税」 なぜ持続化給付金は課税対象なのか考えてみよう

新型コロナの感染拡大から約半年が経ちました。僕のもとには今もなお、持続化給付金や家賃支援給付金に関する質問が届きます。
すでに申請を済ませ、無事に入金されたという方も多いと思います。大変な中、手続きお疲れ様でした。
ところで、コロナの支援金は申告の際に課税されるんでしょうか?「正直そんな先のことまで考える暇はない」という方のために、コロナ支援金の課税・非課税についてまとめてみました。(執筆者:元国税局職員・お笑い芸人 さんきゅう倉田)

コロナ支援金の「課税・非課税」

事業者向けの支援金は、基本的に課税対象

企業や個人事業主で、とくに利用者が多いと思われる「持続化給付金」「家賃支援給付金」「雇用調整助成金」「休業協力金(東京都など各自治体)」は課税対象となります。事業者が受ける給付金や助成金のすべてが、特例がない限り課税対象となります。
この場合の課税対象とは、所得税や法人税です。消費税に関しては、不課税と考えられます。
また、持続化給付金と家賃支援給付金、休業協力金は法人や個人事業者が受け取ることで完了しますが、雇用調整助成金は従業員に休業手当を支払う必要があります。 従業員が受け取る休業手当にも、給与と同じように所得税がかかるため、源泉徴収が行われます。
なお、業務上の怪我などにより仕事を休んだ場合に支給される休業補償」は、課税所得になります。

「特別定額給付金」「コロナ休業支援金・給付金」は非課税


国から国民に一律10万円が給付される「特別定額給付金」は、特例法を制定して非課税となっています。
つまり、国や地方自治体から金銭をもらう場合でも、基本的には所得税の対象であり、課税しないことが適当であると判断されれば、その都度、特例法を定めなければなりません。
また、コロナ蔓延防止のために休業を余儀なくされた中小企業で働く人向けの「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」も非課税となっています。こちらも特例法案により定められました。

もしも「特別定額給付金」が課税になったら


ここで、特別定額給付金が課税所得になるとして、国民の負担を考えてみましょう。
まず、「特別定額給付金には、税金はかかりません」と言われなければ、国民は給付金に税金がかかるかどうか調べなければなりません。
行政側が、お金をもらえば税金がかかるのは当たり前だと思っていれば、「税金がかかります」とわかりやすく伝える努力はしないでしょう。国民が課税所得であるという事実に辿り着くのは容易ではありません。
課税所得であるとわかったとしても、その後の手続きについてはわからない人がほとんどだと思います。
実際、ポータルサイトを長時間見ましたが、持続化給付金や家賃支援給付金を、会計上どのように処理すればよいのかはわかりませんでした。
個人事業者であれば、事業所得になると考えられます。
しかし、後から持続化給付金がもらえることになった雑所得給与所得の人は、どの所得区分なのでしょうか。
特別定額給付金が、課税される場合、所得区分は一時所得になると考えられます。ただ、雑所得の可能性も0ではない。そういう判断を、国民ひとりひとりが行うのは難しいと思います。
また、課税所得とされたとしても、一時所得の特別控除50万円を考慮すると、ほとんどの納税者に税負担が発生しません。
以上により、初めから非課税にすることが適当であると考えられます。
一方で、休業手当は課税対象であるにもかかわらず、休業手当が支払われない場合に個人が申請する休業支援金・給付金は非課税となっています。
不公平ではありますが、行政から支援金・給付金として支払われる金銭は、給与所得ではなく一時所得で、上記のように申告の手続きや特別控除を考えれば、非課税とすることが望ましいのでしょう。

なぜ「持続化給付金」は課税になるのか


では、なぜ持続化給付金などは非課税としないのか。
こちらは、国民全員がもらえるわけではありません。事業者の中でも、コロナの影響で売上が半分以上下がったことが条件とされています。その一部の事業者の得る利益に対して、税を課さなければ、不公平であると言わざるを得ません。
しかし、売上が下がって困っている事業者に対する給付なのに、税を課すのはおかしいという意見もあると思います。
ただ、大きく売上が下がり、赤字になっていれば、税負担はありません。よって、給付金をもらったとしても、それに対して税はかからないため問題ないという判断でもあると考えられます。

税金の種類と納税方法

法人は法人税、個人事業主は所得税

法人と個人事業者に支給される給付金は、概ね、雑収入として処理されると思います。どのような勘定科目でも、税目は変わりません。
法人であれば、まずは法人税、個人事業者であれば、事業所得で所得税となります。
税率は、それぞれの所得によって異なります。さらに、所得の増加に伴い住民税などの負担が発生する可能性があります。

毎年の確定申告によって納税

給付金を受け取って、すぐに納税するようなことはありません。毎年行っている確定申告によって納税を行うことになります。

おわりに

給付金は、一部を除いて課税の対象です。国からお金をもらって、その一部を国に税金として納めるなんて、矛盾していると感じるかもしれません。しかし、給付金に条件がある限り、対象者は限られます。対象者と非対象者との税負担のバランスを考えれば、課税対象とするのが望ましいのではないでしょうか。

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※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

執筆:さんきゅう倉田(元国税職員/芸人)

大学卒業後、東京国税局を経て、よしもとクリエイティブ・エージェンシーで芸人に転身。将来の夢「天下り」、好きな領収証「コクヨ」、無人島に一つ持っていくとしたら「振替伝票」。著書に『読めば必ず得する税金の話』(総合法令出版)、『笑う数学』(KADOKAWA)がある。
Twitter:https://twitter.com/thankyoukurata
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