• 更新日 : 2024年8月8日

簿記知識がなくても平気?会計ソフトで作業の入力効率をアップするコツ

会計業務というのは、面倒で時間もかかるものです。ずっと手書きの帳簿やExcelの帳簿をつけている方は、「会計ソフトを導入した方が時間を節約できるのではないか?」と考えることも多いのではないでしょうか?
本記事では、会計ソフトを導入するなら知っておきたい最低限の知識と、会計ソフトで効率的に入力を行うコツを説明します。会計業務を効率化するために、ぜひ役立ててください。

会計ソフトへの入力は難しい?

会計ソフトの導入を検討する際、会計ソフトの入力は難しいと思っている人も少なくありません。しかし、実は、会計ソフトの入力は難しくありません。会計初心者の人でも簡単に入力できるように、工夫して作られています。

例えば、仕訳に詳しくなくても入力できるように、よくある仕訳があらかじめ登録されていたり、説明書を読まなくても、画面だけ見て入力できるように設計されていたりします。

会計ソフトは入力のコツさえつかめておけば、簡単に入力できます。導入前に悩まずに、まずは会計ソフトを触ってみましょう。

入力する前に知っておこう!そもそも仕訳とは?

会計ソフトを使うなら、最低限「仕訳」について理解しておいた方がよいでしょう。簿記を使った会計業務は、仕訳からスタートします。

簿記全体の流れを知っておこう

仕訳を理解するためにはまず、簿記全体の流れを知っておきましょう。簿記とは、仕入・売上などの経済取引を数値に置き換える方法です。

簿記では日々の取引を帳簿に入力をしますが、帳簿入力をする目的は、最終的に「貸借対照表」「損益計算書」を作成することです。貸借対照表と損益計算書は、一般に「決算書」と呼ばれています。簿記のゴールは、決算書を作ることです。

簿記全体の流れは次のようになっています。

1.仕訳をする
簿記では、期中の取引の1つ1つについて、「仕訳」という方法で振り分けを行います。仕訳は「仕訳帳」に記録します。

2.仕訳を総勘定元帳に転記
仕訳帳に記録された仕訳は、勘定科目別に集計するために「総勘定元帳」に転記します。なお勘定科目とは、取引を分類するために使われる項目名(売上、仕入、売掛金買掛金、現金など)です。

3.試算表を作成
総勘定元帳で集計された内容をもとに「試算表」を作成し、誤りがないかを確認します。

4.決算書を作成
試算表に決算整理仕訳という決算特有の仕訳を加え、貸借対照表と損益計算書を完成します。

借方と貸方の勘定科目を決めるのが仕訳

簿記は「借方」と「貸方」の2つで成り立っており、借方を左に、貸方を右に書くのがルールです。仕訳では、取引を「売掛金」「売上」等の勘定科目を使い、借方と貸方に振り分けます。言いかえると、1つ1つの取引について、借方と貸方の勘定科目を決めるのが仕訳です。

例えば、「商品を売って現金1万円が入ってきた」という取引では、借方の勘定科目は「現金」、貸方の勘定科目は「売上」となり、次のような仕訳になります。

(借方)(貸方)
現金 1万円売上 1万円

勘定科目を決める時には、一般的に使われている勘定科目がしっくりこないこともあります。そのような場合には、自分で新しい勘定科目を作ってもかまいません。会計ソフトでも、最初から用意されている勘定科目以外に、新しい勘定科目を自由に設定できるようになっています。

>>会計ソフトの補助科目設定で経理作業がもっと便利に!

勘定科目は5つのグループに分かれる

勘定科目にはいろいろありますが、「資産」「負債」「純資産」「費用」「収益」という5つのグループのどれかに分類されます。5つのグループに分けられた勘定科目は、最終的に決算書に反映されるのです。「資産」「負債」「純資産」は貸借対照表に、「費用」「収益」は損益計算書に記載されます。

勘定科目は、5つのうちどのグループに入るのかを意識しておくと、覚えやすいです。例えば、「現金」や「預金」は資産、「買掛金」は負債、「通信費」は費用、「売上」は収益です。純資産は日常の仕訳ではあまり出てきませんが、「資本金」などが該当します。

会計ソフト入力の基本手順

では、会計ソフト入力の基本手順から見ていきましょう。会計ソフト入力の基本手順は、「導入」「仕訳入力」「確認」「帳簿などの印刷」です。

導入

会計ソフトを初めて使う際、まず、次の情報を登録します。

  • 初期情報
  • 会社名あるいは個人名、申告の種別(青色申告白色申告)、消費税の区分(簡易課税、原則課税、免税事業者)や会計期間などの情報を登録します。

  • 勘定科目登録と科目残高入力
  • 一般的な勘定科目名は、あらかじめ設定されています。自社で特別な科目を使っている場合などは、勘定科目名を登録します。また、入力しようとする年度の開始残高を、科目ごとに入力します。

仕訳入力

初期情報の登録などができたら、次に仕訳を入力します。普段つけている帳簿や伝票、領収書などを用意します。入力時には、これらの書類を見ながら入力します。

確認

仕訳の入力が終われば、間違いがないかどうかを確認します。預金のように通帳などで残高が確認できるものについては、まず残高があっているかどうか確認し、残高が違っていたら、入力した仕訳を確認します。

帳簿などの印刷

入力した仕訳の確認が終わったら、現金帳や売掛帳などの帳簿や残高試算表などの書類を印刷し、保存します。帳簿などの印刷頻度は、自社の都合に合わせます。多くの場合、毎月または数カ月に1度、印刷して保存します。

会計ソフトをうまく使いこなしたい!入力のコツとは

会計ソフトを導入したら、仕訳を入力します。入力を効率的に行うには、いくつかコツがあります。以下、会計ソフトで仕訳入力を行う時のコツを説明します。

勘定科目のルールを決めておく

仕訳を入力しようとした時、どの勘定科目にすべきか迷ってしまうものがあります。例えば、ホームページ開設のためのレンタルサーバー代やドメイン費用は、「通信費」とも「広告宣伝費」とも考えられます。このような場合、勘定科目の決め方には絶対的なルールはないので、どちらを使ってもかまいません。「インターネット関連費」という勘定科目を新しく作る方法もあります。

ただし、同じ内容の取引なら、勘定科目も統一する必要があります。よく使うもので迷いそうなものは、最初にルールを決めておくとよいでしょう。

データ連携による自動入力を活用

会計ソフトには、パソコンにインストールするインストール型のものと、インターネット上でソフトを利用するクラウド型のものがあります。クラウド型の会計ソフトを利用すれば、銀行口座やクレジットカードとの連携機能を利用することが可能です。

あらかじめ連携機能の設定をしておけば、インターネットを通じて口座やカードの明細が会計ソフトに取り込まれます。自動入力された内容を確認すればよいだけなので、手間を省けます。

同じ種類のものをまとめて入力

仕訳を入力する時には、日付順に入力するよりも、同じ種類のものをまとめて入力するのがコツです。会計ソフトではデータは自動的に日付順になるので、入力時に日付が前後しても全く問題ありません。
会計ソフトでは、入力したデータを簡単にコピーできます。同じ種類の取引なら、前の仕訳をコピーし、日付を変えるだけで入力作業が終わります。

残高チェックは入力終了後

仕訳を入力した後、手元の資料の残高と会計ソフトの残高が一致しなければ、入力を間違っていることが考えられます。しかし、1件ごとに残高を確認していたのでは、時間がかかってしまいます。

入力する時には、先にまとめて入力作業を完了させた方がよいでしょう。入力が終わった後、最後に残高をチェックした方が効率的です。

Excelでデータを作成し会計ソフトに取り込む方法も

会計ソフトの中には、Excelデータをインポート(取り込み)できるものもあります。仕訳帳や現金出納帳を使い慣れたExcelで作成してインポートすれば、時間の節約になります。

会計ソフトによって、Excelファイルをそのまま取り込めるものもありますが、CSVファイルへの変換が必要なものもあるので注意しましょう。インポート用のExcelフォーマットが配布されている場合は、ぜひ活用することをおすすめします。

会計ソフトを使うには簿記の知識って必要?

簿記をきちんと勉強したことがなく、知識に自信がない場合には、会計ソフトを使いこなせるか心配になるでしょう。簿記初心者でも、会計ソフトは問題なく使えます。

簿記の知識があれば会計ソフトを効率的に使いこなせる

会計ソフトを利用する時に、簿記の知識があった方がいいのは言うまでもありません。簿記の知識があれば、仕訳をスムーズに導き出すことができます。間違いがないかどうかチェックする時にも、帳簿のどこを見ればよいかが分かるので、ミスが少なくなります。

しかし、簿記の知識がなくても、過去のデータを見ながらマネして仕訳を入力することはできます。会計ソフトでは、帳簿への転記や集計は自動的にやってくれますので、仕訳さえ攻略すればOKです。たとえ簿記初心者であっても、会計ソフトを利用した方が、会計業務を効率的に行えます。

ソフトを使っているうちに理解できることも多い

簿記の知識がある人でも、会計ソフトを使い始める際には、入力に手間取ってしまうことがあります。ソフトを使いこなすためには、結局は慣れが必要ということです。

最初は仕訳の意味がよく分からなくても、入力を続けているうちに、だんだんと理解できるようになってきます。会計ソフトを使いこなすには、「習うより慣れる」ことが大切です。

会計知識を身につけて経営力を高めよう

会計ソフトを使いながら、分からないところを調べているうちに、自然と会計知識は身につきます。会計は生産性のない面倒な業務と思われがちですが、経営力を高めるためには会計の知識は必須です。今こそ会計ソフトを導入し、経営の効率化と業績向上を目指しましょう。

会計ソフトの入力は仕訳や勘定科目に詳しくなくても簡単! 使いながら会計知識をつけよう

会計ソフトを使う時には、最低限、仕訳とは何かを知っておいた方がよいでしょう。ただし、仕訳や勘定科目について十分理解できていなくても、会計ソフトを使っているうちに理解できるようになりますから、安心してください。
会計知識を使えるものにして経営に生かすためにも、会計ソフトの導入は有効です。会計ソフトを駆使することで、よりよい経営を目指しましょう。

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>>ビジネスに合った会計ソフトを探そう!会計ソフトの種類と比較方法

よくある質問

会計ソフトへの入力は難しい?

会計初心者でも簡単に入力できるように工夫して作られているため、入力のコツさえつかめていれば簡単に入力できます。詳しくはこちらをご覧ください。

会計ソフトへの入力のコツは?

勘定科目のルールを決めておくことや、データ連携による自動入力を活用することなどが挙げられます。詳しくはこちらをご覧ください。

会計ソフトを使うには簿記の知識が必要?

会計ソフトでは帳簿への転記や集計が自動的に行われるため、仕訳さえ知っておけば問題なく使えます。詳しくはこちらをご覧ください。


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