• 作成日 : 2022年8月10日

証憑書類とは?経費精算時に証憑になる領収書とは?

証憑書類とは?経費精算時に証憑になる領収書とは?

証憑書類は、税法上で保存義務が定められている書類です。取引の事実を示す書類であることから、経費精算時においても重要視されています。この記事では、証憑書類の種類、作成目的や保存目的、保存方法や保存期間について解説していきます。また、経費精算時に証憑となる領収書で確認しておきたい記載内容についても解説していきます。

広告
広告

証憑とは?

証憑書類(証憑)とは、取引が完了した事実を示す証拠となる書類です。税務調査の際に取引の事実を確認するために使われており、税法や会社法にて一定の書類の保管が義務付けられています。

広告

証憑書類の種類

証憑書類にはさまざまなものがあります。ここでは、証憑書類をその特徴ごとに区分して、区分ごとに代表的な証憑書類をご紹介していきます。

金銭のやり取りに関する書類

金銭のやり取りに関する代表的な書類には、次のようなものがあります。

  • 請求書:商品やサービス提供の対価などとして金銭を請求するための書類
  • 領収書:代金の受領を証明する書類
  • (金銭)借用証書:借主が貸主に対して差し入れる金銭の借入や返済期日を証明する書類

契約に関する書類

契約に関する代表的な書類には、次のようなものがあります。

  • 銀行取引約定書:金融機関が融資取引を新規で行うときに債務者と取り交わす契約書
  • 賃貸借契約書:主に土地や建物などを貸し借りするときに取り交わす契約書
  • 取引基本契約書:継続的な取引の契約条件などを定めた契約書
  • 業務委託契約書:会社の業務の一部を別会社や個人に引き受けてもらう際に受託者と取り交わす契約書
  • 秘密保持契約書:自社の情報を目的外で第三者に開示または漏洩させないことを義務付ける契約書

物品に関する書類

物品に関する代表的な書類には、次のようなものがあります。

  • 注文書(発注書):注文内容を記載した書類
  • 納品書:商品の納品者が発行する納品物の明細が記載された書類
  • 受領書:商品などを受領したことを証明する書類
  • 見積書:他社または個人の依頼を受けて提出する商品やサービス提供の概算額を記載した書類
  • 検収書:商品の検収を完了したことを証明する書類
  • 棚卸表:棚卸しの際に在庫商品の数量や金額を一覧化した書類

労働に関する書類

労働に関する代表的な書類には、次のようなものがあります。

  • 雇用契約書:雇用主が従業員に対して雇用契約を明示するための書類
  • 給与明細:給与総額や控除額などを従業員に通知するための書類
  • 賃金台帳:労働者の給与支払い状況に関する書類

そのほかの書類

次のような書類も証憑書類に含まれます。

  • 通帳:金融機関と預貯金者との間で発生した継続的な預貯金の受け払いを証明する書類
  • 議事録:社内や取引先との会議の内容や決定事項を記載した書類
  • 稟議書:複数の関係者に合意を得るための書類  など

証憑書類の意義

証憑書類の意義を、作成目的と保存目的に分けて説明します。

証憑書類の作成目的

証憑書類とは取引の内容をお互いに確認し、成立したことを証明するための書類です。内部に向けた証憑には従業員や在庫管理、社内向け記録などがあり、外部向けの証憑には請求書や領収書、決算申告書作成に必要な書類などが該当します。

証憑書類は「証憑」と表記されることもあり、特に対外的な書類は証憑と呼ばれるのが一般的です。

証憑書類の受領と保存目的

証憑書類は、受領後は破棄せずに一定期間保存する義務があります。税法に関わる証憑は7年間の保存義務があり、取引や金銭のやり取りの証明、法令遵守の証拠としての役割を果たします。

また、万が一取引先との間にトラブルが発生した際、取引内容を裏付け、適正に対処するための材料としても用いられます。

証憑書類の保存

重要な証憑書類は保存が必要です。ここでは、法的に定められた保存期間や保存方法について解説していきます。

保存期間

証憑書類の中には、保存義務が定められている書類があります。例えば、会社法により10年の保存義務の定めがあるのが、株主総会議事録や取締役会議事録、貸借対照表損益計算書などの決算書類、総勘定元帳や補助簿などの事業に関連する重要書類です。

帳簿書類に該当するもの(総勘定元帳や棚卸表、契約書、領収書など)は、法人税法により7年(青色申告書を提出した事業年度で欠損金が生じた場合などは10年、2018年4月1日前に開始した事業年度は9年)、所得税法では5~7年の保存義務があります。

このほか、労働者名簿や賃金台帳のような労働に関する重要な書類は、労働基準法により5年(経過措置により改正法施行以後当面は3年も容認)の保存が必要です。

以上のように、証憑書類には法律により保存義務が規定されているものもありますので、一定期間、適切に書類を保存しておくことが必要です。

保存方法

証憑書類は、原本のままファイリングして保管します。しかし近年では、書面でのやり取りではなく、電子メールやシステムを利用した電子的なやり取りも増えました。その都度出力して保管するのは手間もかかりますし、物理的な保管スペースも必要になります。

このような状況に対応すべく創設されたのが、e-文書法電子帳簿保存法です。電子帳簿保存法は国税関係書類の電子保存に関する法律で、e-文書法は国税関係書類を含めたより広い範囲の書類の電子保存に関する法律になります。特に、電子帳簿保存法は幾度も改正が行われており、創設時よりも利用しやすい制度に変化してきました。

電子帳簿保存法の定める電子保存は、電子帳簿等保存、スキャナ保存、電子取引に区分されますが、このうち、電子取引による電子保存は義務化するように改正が行われています。電子メールやシステム上で受け取った国税関係書類(請求書や領収書、契約書など)は、紙での保存ではなく電子取引の要件にかなった電子保存が必要になりますので、保存方法についてよく確認しておきましょう。

電子帳簿保存法の詳しい内容についてはこちらの記事で解説しています。

経費精算において証憑となる領収書とは

領収書は、経費精算において証憑となる書類です。受領した領収書には、次のような内容が記載されている必要があります。

  • 名称(領収書である旨の記載)
  • 代金を支払った年月日
  • 代金を支払った人や企業の名称
  • 何についての領収か(但し書きに記載)
  • 支払金額(発行者側からは売上代金)
  • 領収書発行者の名称や住所、連絡先

領収書は、印紙税額一覧表の第17号文書に該当する書類で、印紙税の課税対象となります。売上代金(領収書の代金)5万円未満のものについては非課税になりますが、5万円以上のものについては、領収書作成時に印紙税の貼付が必要です。

証憑書類は取引を証明する重要な書類

証憑書類は、さまざまな取引の証拠となる重要な書類です。請求書や各種契約書のような会社間の取引に直接関係する書類だけでなく、経費精算のために社員が会社に提出する領収書も証憑書類に含まれます。証憑書類を紛失してしまうと、取引を行った証拠を示せなくなってしまいますので、法定の保存期間を守りつつ、適切に保存するようにしましょう。書面での保存ではなく、電子帳簿保存法に適した電子保存をすることで、システム上に保存する方法もあります。

広告
株式会社久松農園 久松 達央 様

マネーフォワード クラウド会計の導入事例

金融口座の取引明細データが自動で取り込まれ、各取引の勘定科目も自動で仕訳される。以前はインストール型ソフトを利用していたので、それがクラウドに変わるとこれほど自動化されるものなのかと本当に驚きました。

株式会社久松農園 久松 達央 様

右矢印アイコン もっと読む

よくある質問

証憑とは?

取引の事実を証明する書類のことです。詳しくはこちらをご覧ください。

証憑書類の種類は?

請求書や領収書、取引本契約書、賃貸借契約書、見積書、納品書、雇用契約書、賃金台帳、などがあります。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:萱谷 有香(叶税理士法人 東京事務所代表)

叶税理士法人 東京事務所代表
不動産専門の税理士。

不動産投資に特化した税理士事務所で働きながら収益物件について税務と投資面で多くの知識を得られたことを活かし
自らも不動産投資を手掛ける。
大手管理会社、ハウスメーカーや賃貸フェアなどで講演実績があり、記事執筆も行う。
不動産投資の規模を拡大していくために、なくてはならない金融機関からの融資についても積極的に紹介やアドバイスを行う。
金融機関から融資を引きやすい、または金利交渉しやすい決算書の作成を得意とする。
物件購入前、物件保有中、物件売却時、相続時、どの時点で相談を受けても必ず投資家にプラスになるアドバイスを心掛けている。
著書に『減価償却節税バイブル』( 技術評論社)がある。

関連記事