• 作成日 : 2022年1月14日

キャンセル料が発生した場合の仕訳と勘定科目まとめ

キャンセル料が発生した場合の仕訳と勘定科目まとめ

本記事では、キャンセル料が発生した場合の勘定科目の使い方や、具体的な仕訳例を解説しています。キャンセル料はその内容によって、課税の取扱いが異なることは意外と知られていません。これまで何となく仕訳をしていたという人は、ぜひこの機会に正しいキャンセル料の処理方法を覚えておきましょう。

キャンセル料は課税対象になる?

近年は企業間の取引でも、現物を見ずにオンラインやカタログなどで商品を購入する機会が増えています。そのため、イメージ違いによるキャンセル取引が増加傾向です。

以前は「キャンセル」と聞くと、イレギュラーな取引というイメージがあったかもしれませんが、現在では日常的に発生する取引のひとつだといえます。しかし、キャンセル料はその性質によって、適切な会計処理が2つのパターンに分かれるため注意が必要です。

1つ目のパターンは、解約処理をするための純粋な事務手数料。2つ目のパターンは、解約に伴って発生する逸失利益に対する損害賠償の性格をもつものです。それぞれの特徴を詳しく解説していきます。

解約に伴う事務手数料として支払うキャンセル料

キャンセル対応には、キャンセル手続きの受付対応やデータの入力などのコストがかかります。こうした純粋な事務手数料と考えられる部分については、役務に対して支払うものという判断から課税取引になります。

解約時期に関係なく一定の金額が設定されているキャンセル料金は、基本的には事務手数料として課税取引の処理を行います。これに対して、直前解約料のようにタイミングによって変動するキャンセル料は、後述する「逸失利益に対する損害賠償金として支払うキャンセル料」である可能性が高いです。

参照:国税庁「No.6253 キャンセル料」

逸失利益に対する損害賠償金として支払うキャンセル料

本来得られるはずの利益がなくなったことに対するキャンセル料は、事務手数料ではなく、損害賠償金としての性質が強い点が特徴です。この場合、資産の譲渡や役務の提供が伴わない金銭のやり取りになるため、不課税取引として処理されます。

不課税取引にはこの他にも、土地売買契約のキャンセルに伴う違約金、電話回線の解約に伴う違約金などがあり、いずれも役務の提供が伴わず、逸失利益に対する損害賠償という意味で共通しています。

このパターンに該当するキャンセル料は、例えば飛行機のキャンセル料で搭乗区間や解約時期による料金変動や、ホテルの直前割増キャンセル料などが挙げられます。

参照:国税庁「No.6253 キャンセル料」

キャンセル料が発生した場合の仕訳と勘定科目

キャンセル料が発生した場合、どのような仕訳をすればよいのでしょうか。ここでは出張先で宿泊するホテルを予約して、やむなく直前キャンセルした場合の仕訳例を紹介します。

キャンセル料はその性質によって課税・不課税の処理が異なるため、紹介した仕訳例の中で、費目の使い分けをしている点に注目してみてください。

予約時の仕訳

予約した段階ではまだキャンセルするかどうか分からないので、通常通りの仕訳を行います。
ホテルや航空券の予約をした時にはまだ役務の提供を受けていないため、「前渡金」の勘定科目を使って計上しましょう。

(仕訳例)
出張先で宿泊するホテルを1泊2万円で予約し、宿泊代を前払いした。

借方
貸方
前渡金
20,000円
現金
20,000円

キャンセル時の仕訳

キャンセルが発生した時には、手数料を一括して仕訳するのではなく、その内訳も考える必要があります。不課税取引と課税取引を分けて計上している部分に注目してください。

(仕訳例)
出張前日に宿泊しない予定に変更になったため、予約をキャンセルした。
支払った2万円のうち、解約事務手数料として1,100円(キャンセル時期関係なく必要な解約事務手数料)、直前解約のキャンセル料割増額として1万円が発生した。
予約時に支払った2万円から手数料を差し引いた額が現金で返金された。

借方
貸方
現金
8,900円
前渡金
20,000円
雑費(不課税)
10,000円
支払手数料(課税)
1,100円

上記の仕訳では予約の時点で計上していた前渡金が必要なくなったため、逆仕訳で取り消しています。

直前キャンセルで割増となった1万円は、利益が得られなくなったことへの損害賠償という意味があります。そのため、キャンセル料を一括して支払手数料に計上するのは、適切ではありません。割増分は不課税取引として雑費に計上しましょう。

また、キャンセル時期に関係なく、必要なキャンセル手数料1,100円は純粋な事務手数料と考えられます。よって、課税取引として処理するのが適切です。

キャンセル料は性質によって勘定科目の使い分けが必要

キャンセル料は課税取引の場合と、不課税取引の場合があることを知らないと、うっかりすべて支払手数料として課税取引で仕訳をしがちです。キャンセル料の正しい取り扱い方を理解し、正確な勘定科目を使い分けられるようにしましょう。

消費税の税率が上がってきていることもあり、今まで意識してこなかった人も、この機会に正しい会計処理をするよう心がけてください。

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よくある質問

キャンセル料が発生した場合の仕訳のポイントは?

単純な事務手数料か、本来あったはずの利益を失ったことへの損害賠償なのかによって課税の取り扱いを使い分けることがポイント。詳しくはこちらをご覧ください。

キャンセル料は課税対象になる?

キャンセル時期に関係なくかかる手数料は役務に対するものと考えられるため課税対象。直前キャンセル料など、時期によって割増になるものは逸失利益に対する損害賠償と考えられるため不課税取引となる。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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