• 作成日 : 2022年5月20日

経費精算とは?やり方・業務フローや効率化のポイント

経費精算とは?やり方・業務フローや効率化のポイント

日常業務の中で欠かせないものの一つに「経費精算」があります。手間がかかるうえ、間違いが許されない業務に「毎日の経費精算業務が面倒」「もっと効率化できたら」と考えている担当者も多いのではないでしょうか。そこで、今回は経費精算の効率化のポイントについて詳しくご紹介します。

経費精算のやり方や業務フローについて、そして、経理担当者でも迷いがちな「経費」と「費用」の違いについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

経費精算とは?

経費精算とは、社員が業務を行ううえで支払った(立て替えた)費用を精算することを指します。社員、経理担当それぞれの立場から、経費精算関連で行う業務は以下のように分かれます。

社員:
業務で使った費用を申請し、払い戻してもらう

経理担当:
社員から申請された費用について、経費になるか確認、承認・仕訳後、払い戻し手続きを行う。

社員から、使った費用について申請があった時点では「経費」になるかは判断できません。経費にあたるかどうかを確認し、経費であると承認されたら払い戻します。つまり、経費にあたらないと判断された費用は、払い戻しをする必要はありません。

経費精算には大きく分けて次の3つの種類があります。

小口精算:
社員が立て替えた経費を、経費精算用の現金である小口現金から精算します。なお、近年では小口現金のキャッシュレス化が進み、給与と合算して支払う企業が増えています。

交通費精算:
通勤・顧客訪問等にかかった費用の精算です。社員からは、かかった費用の申請だけではなく、交通ルートや手段についても申請してもらう必要があります。企業によって精算の手順が異なります。

旅費精算:
出張にかかった費用の精算です。交通費だけでなく、宿泊費、出張日当の精算も旅費精算にあたります。比較的大きな金額を扱うため、振込で精算する傾向があります。

「経費」と「費用」は何が違う?

業務のために使ったお金が全て「経費」になるわけではありません。経費と費用の違いについて確認しましょう。

そもそも費用とは何?

費用とは会計上、会社運営にかかったお金を指す用語です。費用は売上(生産量や販売高)に影響を受けないもの(固定費)、売上に連動して増減するもの(変動費)の2つに分かれます。例を見てみましょう。

売上に影響を受けない費用(固定費)

売上に連動して増減する費用(変動費)

  • 仕入関連の費用
  • 資材の費用
  • 販売手数料
  • 運送費用
  • 残業代
  • ガソリン代 など

そもそも経費とは何?

経費とは「経営費用」の略語であり、会社運営にかかった費用を指す言葉として用いられています。ただし、法人税法には経費という用語はなく、一般的には費用と同様の意味を持つ言葉として扱われています。

なお、費用は会社運営のための出費を指していますが、その全てが損金に算入できるわけではありません。一方で、経費は所得を算出するための出費としてイメージされているため、実質的には経費=損金と同様の意味を持つ言葉と考えられています。

どのような出費が経費にあたるかについては、「経費にできる費用・できない費用」の章でご紹介します。

経費精算のやり方・フロー

では、企業が経費精算を行う際のやり方・フローを確認していきます。

社員が費用を立替で支払う

出張や交通費など、業務でかかった費用を社員が自身の所持金から立替で支払います。

領収書をもらう

費用を払った社員は、いつ・どこで・何に使ったかを証明できるように、支払先から領収証を受け取ります。

所定の社内ルールに基づき経費精算申請を出す

費用を立て替えた社員は「上長の許可を得て申請書類を提出する」「経理担当部署に直接提出する」などの社内ルールに基づき、経費精算申請を出します。

経理担当者は全ての社員がスムーズに経費清算申請を提出できるように、社内ルールの制定と周知徹底が求められます。考えられる社内ルールには次のようなものがあります。

  • 20万円以上の費用がかかりそうな場合は、購入前に仮払い申請を行う
  • 立て替えた費用は1ヵ月以内に経費精算申請を出す など

決裁権限者が承認する

決裁権を持つ上長は、社員から提出された申請書類を確認します。内容に問題がなく、適切な費用として考えられるなら承認し、経理担当へ提出ます。

経理担当が承認をする

提出された経費申請書類と領収書を経理担当者が確認し、承認します。

経理担当が仕訳をする

経理担当者が経費申請書類や領収書を元に仕訳を行います。

社員に払い戻しが行われる

申請内容の最終承認が終われば、払い戻しです。
払い戻しは次の方法があります。

  • 現金で払い戻し
  • 規定日に振込(給与とともに振込む場合もあり)

以上、経費精算フローをご紹介しました。これらの流れは会社によって多少の違いがあるでしょう。また、金額や経費の種類に応じて、支払い手段を変えている会社もあるかと思われます。自社の状況に応じて経費精算フローを作成、もしくは改善していきましょう。

経費にできる費用・できない費用

経費にできる費用、できない費用について確認しましょう。

経費にできる費用

経費にできる費用は次の通りです。

消耗品費

取得価額が10万円未満、もしくは法定耐用年数が1年未満のものの購入費用です。文房具やコピー用紙など、業務の進行に必要な消耗品が当てはまります。

また、中小企業等であれば、取得価額30万円未満まで消耗品費と認められる場合があります。

旅費交通費

業務上で発生した交通費や、出張に関する費用が該当します。タクシー代や電車代といった移動に関わる費用に加え、出張時の宿泊費、食事代、出張手当などが含まれます。

接待飲食費

交際費の中の「飲食その他これに類する行為のために要する費用」が接待飲食費です。得意先や取引先等、事業に関係する相手への接待に使われる費用であり、社内の飲み会等の費用は該当しません。接待飲食費とするためには、以下のようなことを明らかにしておく必要があります。

  • 参加した人
  • 飲食した年月日

福利厚生費

社員の関係円滑化のためのイベント開催費用、社員旅行費用が当てはまります。しかし、イベントの趣旨がはっきりしない、金額が高すぎるといった場合は福利厚生費と認められないおそれもあります。

交際費

社外の人との飲食費、贈答品購入費などが当てはまります。原則として、接待飲食費以外の交際費は、損金への参入は認められません。

通信費

電話料金、インターネット関連費用(回線使用料など)が当てはまります。なお、はがき・切手は通信費に含まれますが、切手が貼られていない便せんや封筒は消耗品費、祝電等の電報は交際費勘定で処理されます。

経費にできない費用

経費扱いにできない費用についてもご紹介します。

法人税・法人住民税

法人税および法人住民税は、企業の課税所得に対して課せられます。益金から損金を控除した結果算出されるため、税は損金には含まれません。

個人事業主も同様に、所得税および住民税は経費への参入はできません。

スーツ等の衣類

職務の性質上、従業員に制服の着用を義務付けなければならない場合には、制服などの衣類は経費として扱えます。しかし、一般的な企業の社員が着用するスーツなどは、個人の趣味嗜好が介入する余地があるため、経費としては認められません。

経費にならないものは、会社の売上・業績につながらないものです。この点をしっかり認識して経費精算業務を行ってください。

経費精算業務の効率化のポイント

経費精算業務は社員、経理担当者ともに煩雑で面倒になりがちです。全ての社員がスムーズに手続きができるように、経費精算業務を効率化させましょう。効率化のポイントについて解説します。

ルールを明確にし、マニュアル化する

はじめは手間がかかるかもしれませんが、経費精算業務のルールを明確にし、それをマニュアル化しておくと、後々の精算業務がスムーズに行えるようになります。もちろん、ルールを全社員へ周知させることも重要です。

例えば、以下のルールを定めてみてはいかがでしょうか。

  • 経費になる費用・ならない費用の一覧を作り、全社員がすぐにチェックできるようにしておく
  • 経費精算申請の提出期限を定める
  • 支払いが〇万円以上になりそうな時は仮払い申請をしてもらうよう定める など

また、経理担当者が複数いる場合、処理方法を統一させる必要もあります。各自が自分のやりやすい方法で処理をすると、ほかの担当者が行っている業務が分からない、という事態にもなりかねません。

誰がいつ精算業務を行ってもスムーズに進むようにルールを決めましょう。

経費精算システムを活用する

経費精算業務を効率化するために、経理担当者の処理方法を統一させることが重要だということをご紹介しました。しかし、新たにルールを作り、それを徹底させるのは時間がかかることが予想されます。

そこで検討したいのが「経費精算システム」の導入です。経費精算システムならば、すでに決まっているマニュアルに従って作業を進めていくだけなので、担当者が複数いる場合でも精算方法に差異が生まれず、処理が進むでしょう。経費精算業務の効率化だけでなく、業務の属人化防止にもつながります。

なお、「マネーフォワードクラウド経費」ならば、社員は経費が発生するたびにスマホから経費登録ができます。後ほどまとめてオンライン上で経費申請ができるシステムです。経理担当者も一定に定められたフローに従い、申請内容の確認、承認作業ができます。オンライン上でやり取りが完了しますので、テレワークが多い会社であっても安心です。

経費精算業務は効率化しよう

経費精算業務を効率よく進めるためには、社員、経理担当者双方がどのように手続きを進めていくかをよく知っておく必要があります。スムーズに手続きを行うためにも、社内ルールの策定、そしてルールの周知徹底が必要です。また、全ての経理担当者が間違いなく業務を行えるためために、精算業務の進め方をマニュアル化しておくことも重要といえます。

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よくある質問

経費精算とは?

社員が業務を行ううえで支払った(立て替えた)費用を精算することです。詳しくはこちらをご覧ください。

経費精算業務のフローは?

社員が領収書をもらう→社員が経費精算申請を提出→決済者の承認→経理担当が仕訳→社員に払い戻し、という流れで行われます。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:萱谷 有香(叶税理士法人 東京事務所代表)

叶税理士法人 東京事務所代表
不動産専門の税理士。

不動産投資に特化した税理士事務所で働きながら収益物件について税務と投資面で多くの知識を得られたことを活かし
自らも不動産投資を手掛ける。
大手管理会社、ハウスメーカーや賃貸フェアなどで講演実績があり、記事執筆も行う。
不動産投資の規模を拡大していくために、なくてはならない金融機関からの融資についても積極的に紹介やアドバイスを行う。
金融機関から融資を引きやすい、または金利交渉しやすい決算書の作成を得意とする。
物件購入前、物件保有中、物件売却時、相続時、どの時点で相談を受けても必ず投資家にプラスになるアドバイスを心掛けている。
著書に『減価償却節税バイブル』( 技術評論社)がある。

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