- 更新日 : 2026年4月22日
プラットフォーム課税とは?対象や適用時期、時期をまたぐ取引の扱いを解説
プラットフォーム課税は、特定プラットフォーム事業者が消費税の納税義務を負う制度です。
- 対象は国税庁が指定する
- 税率は消費税10%
- 2025年4月1日以降の売上から適用が始まった
プラットフォーム課税は、オンラインマーケットプレイスやアプリストアなどの特定プラットフォーム事業者に消費税の納税義務を課す制度です。越境ECやデジタル取引の拡大に伴い、海外事業者による日本向け販売の課税漏れを防ぐ目的で導入されました。
令和8年度税制改正では越境EC物品販売の課税関係が整理されています。本記事では、制度の仕組みや対象、税率、改正内容などを解説します。
目次
プラットフォーム課税とはどのような税?
プラットフォーム課税とは、デジタルプラットフォーム事業者に対して消費税の納税義務を課す仕組みです。越境ECやオンライン取引の拡大により、海外事業者による日本向け販売の課税漏れや徴収の難しさが課題となったことを背景に導入・拡充されてきました。令和8年度税制改正では、既存制度を前提に対象範囲の見直しが行われています。
取引を仲介する事業者に消費税の納税義務を負わせる制度を指す
プラットフォーム課税とは、オンラインマーケットプレイスやアプリストアなどの「特定プラットフォーム事業者」に対し、出店者やサービス提供者に代わって消費税の申告・納税義務を課す制度です。本来は商品やサービスを提供する事業者が納税義務者ですが、海外事業者が日本向けに販売する場合、徴収や申告が十分に行われないケースがありました。そこで、取引を仲介し決済情報を把握しているプラットフォーム事業者に納税責任を集中させる仕組みが整備されました。
プラットフォーム課税は以前から存在し、段階的に拡充されている
この制度は突然創設されたものではありません。2015年以降、海外デジタルサービスに対する消費税課税が見直され、2023年には一定の特定プラットフォーム事業者に納税義務を課す制度が導入されました。令和8年度税制改正では、この流れを踏まえ、越境ECにおける物品販売分野についても課税の適正化を図る方向性が示されています。つまり、制度自体は既存のものを基礎としつつ、対象範囲を拡張・明確化した形です。
プラットフォーム課税は消費税の公平性を確保するための仕組み
プラットフォーム課税の目的は、国内事業者と海外事業者の税負担の公平性を確保する点にあります。海外事業者による販売でも、日本国内で行われる取引には消費税が課されるべきという考え方に基づいています。プラットフォーム事業者を通じて徴収・納税を行うことで、税収の確保と制度の実効性向上を図る仕組みといえます。
プラットフォーム課税の対象と税率は?
プラットフォーム課税は、一定規模以上の特定プラットフォーム事業者に消費税の納税義務を課す制度です。すべてのオンライン事業者が対象になるわけではなく、国税庁長官から指定を受けた事業者のみが該当します。令和8年度税制改正では、既存制度を前提に対象分野の整理が行われました。
【対象】「特定プラットフォーム事業者」
対象となるのは、国税庁長官から指定を受けた特定プラットフォーム事業者です。指定要件は、デジタルプラットフォームを提供していること、国外事業者が国内消費者向けに役務提供を行っていること、そしてその対価のうちプラットフォーム事業者が収受する合計額が50億円超であることです。対象は大規模事業者に限定されており、令和6年12月時点ではiTunes株式会社、アマゾンウェブサービスジャパン合同会社、グーグルアジアパシフィックプライベートリミテッド、任天堂株式会社が指定されています。
【税率】消費税の標準税率10%
プラットフォーム課税は消費税制度の一部であり、対象となる取引には標準税率10%が適用されます。令和8年度税制改正による税率変更はありません。
令和8年度税制改正では越境EC物品販売の課税関係が整理された
従来、プラットフォーム課税は主にデジタル役務提供を対象としていましたが、令和8年度税制改正では越境ECによる物品販売についても課税の実効性を高める方向が示されています。対象事業者や指定要件に変更はありませんが、プラットフォームを通じた物品販売に関しても課税関係の明確化が図られました。
| 項目 | 改正前 | 令和8年度税制改正後 |
|---|---|---|
| 主な対象 | デジタル役務提供 | デジタル役務+越境EC物品販売 |
| 指定要件 | 50億円超など | 原則変更なしだが、特例が追加 |
| 税率 | 10% | 10% 又は 8%(食品等の軽減税率適用の場合) |
越境EC物品販売は、海外の事業者が日本の消費者に商品を直接販売する取引
越境EC物品販売とは、海外に所在する事業者がインターネット上のマーケットプレイスなどを通じて、日本の消費者に商品を販売する取引を指します。例えば、海外の出品者が日本向けに衣類や電子機器を販売し、日本の消費者がオンラインで注文するケースが該当します。商品は海外から発送されることが多く、販売者が日本に拠点を持たない場合もあります。このような取引では、消費税の申告や納税の把握が難しいことが課題となってきました。
プラットフォーム課税の適用時期は?
プラットフォーム課税はすでに制度として導入されていますが、令和8年度税制改正では対象範囲の整理が示されました。そのため、「制度そのものの開始時期」と「令和8年度税制改正の適用開始時期」は分けて理解する必要があります。
プラットフォーム課税自体は2025年から適用されている
特定プラットフォーム事業者に消費税の納税義務を課す制度は、令和6年度税制改正により導入され、2025年4月1日以降の取引から適用が開始されています。前述のとおり、対象となる事業者は国税庁長官の指定を受けた大規模プラットフォーム事業者で、国外事業者による国内消費者向けのデジタル役務提供について、プラットフォーム事業者が消費税を申告・納税する仕組みとなっています。
令和8年度税制改正の見直しは2028年4月以降の取引に適用される
令和8年度税制改正で示された越境EC物品販売に関する課税関係の整理は、2028年4月1日以後に行われる取引から適用される予定です。対象事業者の指定要件や税率に変更はありませんが、物品販売分野における課税の実効性を高めるための制度整備が行われます。令和8年度税制改正はその拡充・整理の適用開始時期が2028年4月以降となる点がポイントです。
プラットフォーム課税の税金の仕訳は?
プラットフォーム課税に関する仕訳について、国内企業が特定プラットフォーム事業者を介してサービスを利用した場合を紹介します。以下は、プラットフォームを利用して有料アプリを取得した場合の仕訳例です。プラットフォーム課税で提供されるサービスには消費税が課税されることになるため、消費税を考慮した仕訳を行います。
(例)特定プラットフォーム事業者を介して、有料アプリ1,000円(税別)を会社のクレジットカードを利用して購入した。
| 借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
| 消耗品費 | 1,000円 | 未払金 | 1,100円 |
| 仮払消費税 | 100円 | ||
※上記は税抜方式を適用している場合の仕訳例です。
アプリ課金は、「消耗品費」のほか、「通信費」や「支払手数料」などの勘定科目をもって仕訳することもあります。各会社の勘定科目の適用基準に従います。
プラットフォーム課税とインボイス制度の関係は?
プラットフォーム課税は、特定プラットフォーム事業者が「みなし提供者」として消費税を申告・納税する制度です。一方、インボイス制度は適格請求書の保存を仕入税額控除の要件とする仕組みです。両者は別制度ですが、課税主体や請求書の発行者の扱いで密接に関係します。
プラットフォーム課税ではプラットフォーム事業者がインボイス発行主体
プラットフォーム課税が適用される取引では、特定プラットフォーム事業者が課税売上の「みなし提供者」となります。そのため、消費税の申告・納税義務を負うのは出店者ではなく、指定を受けたプラットフォーム事業者です。インボイス制度の観点では、適格請求書の発行主体も原則としてプラットフォーム事業者となります。これにより、購入者はプラットフォームが発行する適格請求書に基づき仕入税額控除を行うことになります。
出店者が免税事業者でも課税関係が整理される
従来、海外事業者や小規模事業者が日本向けに販売する場合、インボイス未登録による控除制限や課税関係の不明確さが問題となることがありました。プラットフォーム課税では、一定規模以上のプラットフォーム事業者が課税主体となるため、出店者が免税事業者であっても、消費税の徴収・納税が担保される仕組みとなります。令和8年度税制改正では、越境EC物品販売についても課税関係の整理が進められ、インボイス制度との整合性がより明確化されました。
プラットフォーム課税を正しく理解して対応しよう
プラットフォーム課税は、特定プラットフォーム事業者を課税主体とすることで、越境取引における消費税の徴収漏れを防ぐ制度です。2025年4月1日から実際に適用が始まり、令和8年度税制改正では越境EC物品販売分野の課税関係が整理されました。税率や指定要件に変更はありませんが、制度の対象範囲やインボイス制度との関係を正しく理解することが重要です。オンライン取引を行う企業は、自社の取引がどの仕組みに該当するのかを確認し、適切な会計処理と税務対応を行いましょう。
【期間限定】会計ソフト移行で最大70万円ポイント還元!
オンプレミス型・インストール型をご利用の企業様へ。 移行作業をプロに任せる「導入支援サービス(サクセスプラン)」の費用相当額が、最大70万円分ポイント還元されるお得なキャンペーンを実施中です。
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
最後に、この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料を紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
電子帳簿保存法 徹底解説(2025/10 最新版)
電子帳簿保存法は、1998年の制定以降、これまでに何度も改正を重ねてきました。特に直近数年は大きな改正が続いた上に、現在も国税庁による一問一答の追加・改定が続いており、常に最新情報の把握が必要です。
70P以上にわたるボリュームであることから、ダウンロードいただいた方から大好評をいただいている1冊です。
インボイス制度 徹底解説(2024/10 最新版)
インボイス制度は施行後もさまざまな実務論点が浮上し、国税庁によるQ&Aの追加・改訂が続いています。これを受けて、「結局どうすればいいのか、わからなくなってしまった」という疑問の声も多く聞かれるようになりました。
そこで、インボイス制度を改めて整理し、実務上の落とし穴や対応のヒントまで網羅的に解説した最新資料を作成しました。問題なく制度対応できているかの確認や、新人社員向けの教育用など、様々な用途にご活用いただける充実の資料です。
マネーフォワード クラウド会計Plus サービス資料
マネーフォワード クラウド会計Plusは、データの自動取得、自動仕訳、自動学習の3つの自動化で経理業務が効率化できる会計ソフトです。
仕訳承認フローや業務分担にあわせた詳細な権限設定が可能で、内部統制を強化したい企業におすすめです。
マネーフォワード クラウド経費 サービス資料
マネーフォワード クラウド経費を利用すると、申請者も承認者も経費精算処理の時間が削減でき、ペーパーレスでテレワークも可能に。
経理業務はチェック業務や仕訳連携・振込業務の効率化が実現でき、一連の流れがリモートで運用できます。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会計の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
-
# 会計・経理業務
懇親会の稟議書の書き方は?テンプレートや例文でポイントが分かる!
懇親会の稟議書は、新入社員の歓迎会や忘年会などの開催に際し、上長の承認を得るために作成します。目的や開催のメリットを明確にし、わかりやすい文章で書くことが大切です。 本記事では、懇…
詳しくみる -
# 会計・経理業務
建設業会計と一般会計の違いとは?会計基準や計算方法、勘定科目を解説
建設業の会計処理は、他の業界に比べて会計処理が必要になります。工事の進捗に応じた売上計上基準や複雑な原価計算方法など、建設業会計と一般会計で異なることが理由です。 本記事では、建設…
詳しくみる -
# 会計・経理業務
港区で経理代行サービスを依頼するには?依頼先や対応範囲、費用などを解説
港区(東京都)で事業を営む方々、日々の経理業務に追われ、本業に集中できないと感じることはないでしょうか。人材の確保や、インボイス制度・電子帳簿保存法といった度重なる法改正への対応は…
詳しくみる -
# 会計・経理業務
【これは軽減税率?】バーガーとドリンクのセット。ドリンクだけ店内飲食する場合、消費税はどうなる?
2019年10月1日からスタートした消費税の軽減税率制度。主に「飲食料品」は消費税軽減税率8%の対象になりますが、飲食のシチュエーションなどによっては適用対象になりません。 本シリ…
詳しくみる -
# 会計・経理業務
経理の資格・検定はコレ!担当者がスキルアップのために知っておくべき4つ
経理担当者としてスキルアップを望むのであれば、実務の積み重ねはもちろんですが、資格や検定を目指して勉強をしてみてはどうでしょうか。 ここでは「資格」として公認会計士資格と税理士資格…
詳しくみる -
# 会計・経理業務
【これは軽減税率?】医薬部外品の栄養ドリンクは消費税10%…トクホや健康食品は?
2019年10月1日からスタートする消費税の軽減税率制度。主に「飲食料品」は消費税軽減税率8%の対象になりますが、飲食のシチュエーションなどによっては適用対象になりません。 本シリ…
詳しくみる
会計の注目テーマ
- 損益分岐点
- 勘定科目 消耗品費
- 国際会計基準(IFRS)
- 会計帳簿
- キャッシュフロー計算書
- 予実管理
- 損益計算書
- 減価償却
- 決算報告書
- 財務分析
- 総勘定元帳
- 資金繰り表
- 連結決算
- 支払調書
- 経理の仕事
- 会計ソフト
- 貸借対照表
- 外注費
- 勘定科目 交際費
- 法人の節税
- 法人税 節税
- 給付金
- 手形
- 損金
- 決算書
- 勘定科目 福利厚生
- 法人税申告書
- 原価計算 棚卸資産評価
- 勘定科目 引当金
- 財務諸表
- 勘定科目 修繕費
- 仕訳 仮勘定
- 仕訳 のれん
- 一括償却資産
- 工具器具備品
- 勘定科目 地代家賃
- リース取引
- 中小企業 業務課題
- 税理士
- 原価計算
- 軽減税率
- 簡易課税
- 法人税申告
- 税務調査
- 貸倒引当金
- 売掛金 会計処理
- 電子帳簿保存法
- 粉飾決算
- 勘定科目
- 勘定科目 固定資産
- 勘定科目 税務
- 勘定科目 業種別
- 勘定科目 収益
- 勘定科目 車両費
- 簿記
- 勘定科目 水道光熱費
- 資産除去債務
- 圧縮記帳
- 会計ソフト 運用
- 利益
- 経理 効率化
- 前受金
- 固定資産
- 勘定科目 営業外収益
- 月次決算
- 勘定科目 広告宣伝費
- 益金
- 資産
- 勘定科目 人件費
- 勘定科目 負債
- 予算管理
- 勘定科目 流動資産
- 棚卸
- 資金繰り
- 会計システム
- 原価計算 売上原価
- 未払金
- 労働分配率
- 飲食店 経理
- 電子帳簿保存法 保存要件
- 売上台帳
- 勘定科目 前払い
- 収支計算書
- 収支報告書
- 勘定科目 荷造運賃
- 勘定科目 支払手数料
- 仕訳 固定資産
- 消費税
- 借地権
- 役員報酬
- 中小企業
- 勘定科目 損害
- 勘定科目 被服費
- 仕訳
- 仕訳 金融商品
- 決算
- 預金
- 会計の基本
- 勘定科目 仕入れ
- 仕訳 仕入
- 経費精算
- 経費精算 領収書
- 勘定科目 資産
- 原価計算 原価率
- 電子帳簿保存法 対応
- 電子帳簿保存法 対応 ケース別
- 減価償却 機械 設備
- 勘定科目 旅費交通費
- 旅費交通費
- 減価償却 少額資産
- 勘定科目 資本
- 小口現金
- 電子取引
- 勘定科目 固定資産 車両
- 個人事業主 経費 固定資産
- 勘定科目 固定資産 PC
- 勘定科目 固定資産 建物
- 勘定科目 通信費
- 法人税
- 連結納税
- 勘定科目 保険料
- 督促状
- 請求管理
- 勘定科目 諸会費
- 入金
- 消込
- 債権管理
- M&A 資本政策
- 決算公告
- 決算業務
- スキャナ保存
- 仕訳 経費
- 経費精算 効率化
- 債権
- 電子記録債権
- 売掛金回収
- 口座振替
- 確定申告 法人
- 入出金管理
- 与信管理
- 請求代行
- 決済代行
- 財務会計
- 小切手
- オペレーティングリース
- 新リース会計
- 購買申請
- 消費税 会計処理
- ファクタリング
- 償却資産
- 会計基準
- 法人税 関連税




