• 更新日 : 2022年1月18日

バックオフィス業務とは?職種や効率化のポイントを解説

バックオフィス業務とは?職種や効率化のポイントを解説

バックオフィスは表面的には目立たない職種ですが、企業にとってなくてはならない存在です。バックオフィスのサポートがあるからこそ、企業は利益を生み出すことができます。ただし、人的ミスが起きやすい職種でもあるため、業務改善の対象になることが多いです。
そこで本記事では、バックオフィスの概要を解説するとともに、業務を効率化する方法などを紹介します。

バックオフィス業務とは

バックオフィス業務とは、企業にとって直接利益を生まない業務を行う部署や職種のことです。「後方支援」という意味合いを持ち、顧客と直接関わらない業務の総称をバックオフィス業務と呼びます。

一方で、顧客との直接的な関わり合いを持ち、企業に直接利益を生み出す業務を「フロントオフィス」と呼びます。フロントオフィスに該当するのは、顧客への営業・販売行為を行う営業担当者や、問い合わせ対応を行うカスタマーサポートなどです。

バックオフィス業務はお金の流れの管理や部署異動の手続きなど、煩雑で正確さの求められるものが多いです。しかし、どの業務も重要な役割を担っており、企業活動を続けるためには欠かせないものばかりといえるでしょう。

バックオフィスの主な職種

バックオフィスの主な職種は以下の通りです。

経理財務

日々の経費精算や月次・年次決算書の作成など、企業のお金の流れを管理する重要な職種です。金銭面で企業の経営活動をサポートするほか、予算管理などを行い、将来に向けた経営活動を支えます。

人事労務

新入社員の採用手続きや既存社員の退職手続き、部署異動や転勤の手続きなど、人材の手続きと社員サポートに関わる業務を行います。人材育成や人事評価など、人材の持つ力を育てて正確な評価を行い、組織全体を発展させていく重要な役割を担っています。

総務

株主総会や社内行事の企画・運営、備品の管理など、企業活動を円滑にする業務を全般的に担います。業務領域が幅広く、社内全体を俯瞰する重要な役割を担います。電話対応などの不定期で発生する業務も多いです。経理などの他の職種が兼任している企業もあります。

法務

コンプライアンス遵守の徹底や訴訟問題が発生した際の対応、契約書のリーガルチェックなど、法律に関わる業務を行います。近年は各企業に厳格なコンプライアンスが求められているため、法務の役割は重要です。

また、企業が健全に発展できるように、法令や契約に基づいて企業活動が適正に行われているかどうかをチェックします。専門性が問われる職種であるため、一部の業務を弁護士や行政書士にアウトソーシングする企業もあります。

情報システム

IT戦略の策定や情報インフラの構築・運用など、ITを活用した仕組みづくりを行います。社員のサポートやセキュリティ対策など、IT全般の仕事を担います。現在は業種・業界問わず、多くの企業にとってITが欠かせない存在になっているため、情報システムの存在が欠かせません。

一般事務

データ入力やファイリング、来客・電話対応などを行います。見積書や資料の作成、顧客からの問い合わせ対応など、営業担当者の仕事をサポートする営業事務の仕事もあります。

バックオフィス業務で効率化しやすいもの

近年はクラウドサービスを導入して、バックオフィスの業務を効率化している企業が増えています。煩雑な業務を解消できるとともに、ミスを未然に防止することも可能です。ここではクラウドサービス等を用いて効率化しやすい業務を紹介します。

給与計算

給与明細の作成機能や、税金の計算を行える機能が備わっているクラウドサービスを利用すれば、業務効率化の手助けになります。有給休暇計算やタイムレコーダーとの連携など、給与計算に関する幅広い機能を兼ね備えたクラウドサービスもあるため、煩雑な作業を軽減できます。

年末調整

近年は年末調整に関する変更や保険料の調整だけでなく、法改正も自動対応できるクラウドサービスが登場しています。毎月の給与計算を受けて税金や保険料の調整を正確かつ手軽に行えるため、業務負担を軽減できるとともに人的ミスを大幅に削減できます。

社会保険・労災手続き

社会保険関連業務は煩雑で間違いが許されないため、従業員の労力と膨大な時間が必要です。2020年4月1日から電子申請が義務化されたため、社会保険手続きの業務も電子化すれば、手間と労力を大幅に削減できます。

参考:厚生労働省/2020年4⽉から特定の法人について電子申請が義務化されます。

経費精算

領収書やレシートなどの紙による申請が多い経費精算の業務は、締日が迫ると各部署への連絡や承認を得るなどの業務が繁雑です。クラウドサービスを活用すれば、領収書とデータを照らし合わせる確認作業が不要になるため、人的ミスを大幅に減らせます。

近年は電子決済機能付きの交通ICカードと連携して、手続きをワンストップ化できるクラウドサービスも登場しているので、業務の効率化に役立ちます。

請求書発行

多くのクラウドサービスは、請求書や見積書の項目を簡単にカスタマイズできる機能を備えているため、新たにひな形を作り直す手間がかかりません。住所や宛先などの会社情報を事前に登録しておけば、再度入力し直す手間を省けます。納品書と請求書の連携など、ほかの帳票へ変換する機能や、支払日の通知機能なども備わっています。

会計・財務管理

クラウドサービスを利用すれば、帳簿や決算書などの書類作成をはじめ、資金繰り売掛金などの資産管理や買掛金の管理や、経営に関するレポートをまとめて作成できます。会計知識が乏しい社員でも使用できる製品もあり、バックオフィス業務に手が回らない小規模企業でも安心です。金融機関と連携することで、入出金明細を自動で取得できるなど作業時間や業務量の削減を実現できます。

勤怠管理

タイムカードで社員の勤怠管理を行っている場合、出退勤時間などを毎月手作業で確認・集計しなければならず、手間がかかりがちです。しかし、クラウド上で出退勤時間や勤務時間を記録して残業時間を自動集計すれば、勤怠管理に関する業務を効率化でき、社員の正確な労働時間を把握できます。

契約書の押印

電子印鑑の押印もできつつ、電子署名とタイムスタンプ機能が備わったクラウドサービスを利用すれば、契約手続きのデジタル化が可能です。ただし、取引先の状況によっては紙の契約書で手続きをおこなうケースもあるため、当面はデジタルとの使い分けが必要でしょう。

押印をしなくても契約の効力に影響は生じません。そのため、押印されていない契約書の場合でも、契約書の成立を証拠づけるものがあれば、その文書は有効です。電子印鑑やオンライン上の契約でも問題はないので、契約手続きをスピードアップできます。

人事評価・管理

クラウド型の人事管理システムの中には、目標設定や評価、フィードバックの記入、評価会議での評価結果の記入、といった一連の手続きに対応できるものがあります。単に評価の集計だけでなく、スキル管理や目標管理もできるものも多いです。

テレワークの急速な普及により、人事評価が難しくなったといわれている今、活用すべき注目のシステムだといえるでしょう。

ワークフロー管理

勤怠、出張、備品購入などの申請・承認業務はバックオフィスを経由するケースがほとんどです。紙で申請をすると手間がかかるうえに、処理後は保管しなければなりません。

ワークフローシステムによって申請業務を電子化・自動化すれば、業務負担を大幅に軽減できます。

バックオフィス業務を効率化するメリット

クラウドサービスなどの導入によってバックオフィス業務を効率化すれば、企業に多くのメリットをもたらします。

コスト削減

業務を電子化・自動化することで、バックオフィス業務に携わる人件費を削減できます。今まで紙の書類を使っていた企業がペーパーレス化を推進すれば、書類の印刷費や保管費などを大幅に削減できるでしょう。

生産性の向上

バックオフィス業務を効率化すると、社員が企業の利益や売上に直結する業務に専念できるため、会社全体の生産性向上につながります。社員が自分の強みを発揮できる業務に集中すればモチベーションが高まり、組織の活性化にも効果を発揮します。社員にとって働きやすい職場環境が生まれるので、企業の継続的な成長を期待できるでしょう。

内部統制の強化

バックオフィスの業務効率化を実現できれば、マネジメントやガバナンス強化といった付加価値の高い仕事に専念できます。災害などの緊急事態が発生したときに、企業が損害を最小限に抑えるBCP対策にも取り組みやすくなるでしょう。

脱属人化

ITツールを活用すれば「この作業はあの人にしかできない」といった業務の属人化から脱却して、担当者の退職時の引継ぎをスムーズに行えるようになります。ヒューマンエラーを防止して、複雑な計算作業のスピードアップも実現可能です。

バックオフィス業務の効率化なら「マネーフォワード クラウド」がおすすめ

マネーフォワードクラウドは、バックオフィスのさまざまなデータを連携し、面倒な作業を効率化するクラウドサービスです。年末調整や確定申告、電子契約など、多くのバックオフィス業務に対応でき、面倒な手間を削減できます。

バックオフィスに必要なサービスをまとめて利用できるので、コストをかけずに短期間で経理業務全体を効率化できます。また、データはクラウドに自動保存されるため、パソコンの故障や紛失などでデータが消えることはありません。

バックオフィスの会計業務をクラウド化して面倒な手間を削減しよう

煩雑で手間のかかるバックオフィスは、クラウドサービスを利用することによって業務を大幅に効率化できます。業務効率がアップすれば人的ミスを防止できるだけでなく、コストを削減して生産性を向上できるため、企業の継続的な成長に役立ちます。

自社に適したサービスを導入して面倒な手間を削減し、時代の変化に迅速に対応できる体制づくりを行いましょう。

よくある質問

バックオフィス業務とは?

バックオフィス業務とは、企業にとって直接利益を生まない「後方支援」業務のことです。詳しくはこちらをご覧ください。

バックオフィス業務を効率化するメリットは?

コスト削減、生産性の向上、内部統制の強化、脱属人化などが期待できます。詳しくはこちらをご覧ください。


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