- 更新日 : 2025年2月20日
テレワーク実現のための助成金とは?クラウドツール導入にも使える!
テレワークの導入にはある程度、導入費用がかかります。テレワークの導入にあたり費用面が障害となる企業様も少なくありません。また、テレワークは働き方を大きく変えることから、導入に不安を抱えている企業様も多いようです。今回はテレワークの導入への不安やコスト問題を解決するためのコツや費用を解説します。
目次
テレワークとは
テレワークとは、総務省によると、「情報通信技術(ICT)を活用した柔軟な働き方」とされています。
情報通信技術の発展によりオフィスに出勤することなく、自宅や離れた場所(サテライトオフィス)で勤務できるようになりました。テレワークでは、仕事に必要なコミュニケーションには、テレビ会議システムやコミュニケーションツールを活用します。
誰でも抱くテレワークへの不安
今までは、同じ時間、同じ場所に集まって勤務することが当たり前でした。テレワークは働き方として大きな改革であり、不安はつきものと言っても良いでしょう。
オフィス以外の場所で仕事を進められるのか
不安を抱くひとつの原因として、オフィス以外の場所で仕事を進めた経験が無いことが考えられます。そのためテレワーク導入に不安を抱えている方は、まず一部の部署や社員でテレワークを試してみることをおすすめします。テレワークのメリット、デメリットが見えてくるでしょう。
コミュニケーション不足にならないか
ビジネスにおいて、コミュニケーションはとても重要です。いわゆる報・連・相に始まり、仕事の悩みを教習したり、相談し合ったりすることでビジネスは進んでいます。
テレワークを導入すると対面でコミュニケーションを図る機会は減りますが、その一方で社員は積極的にコミュニケーションを取らざるを得ないため、自律的な仕事のスタイルに変わるでしょう。
セキュリティは大丈夫か
企業にとって、セキュリティの懸念を抱えることは大きな問題です。近年では情報漏えいやホームページ改ざんなど、企業の信用をおとしめる事案も発生しています。
テレワークを進める上で、セキュリティ対策はとても重要です。社員間をつなぐネットワークはVPN(仮想プライベートネットワーク)などセキュリティが担保されたものを使い、ファイルを置くサーバーなどはクラウドを活用すると良いでしょう。
テレワーク導入のために必要なこととコスト
テレワークを導入するためには、オフィスワークでは不要だった仕組みの導入や業務の見直しが必要です。まずはテレワーク導入のために必要なことを確認していきましょう。
勤怠管理方法の検討
テレワーク、特に在宅勤務の場合、本当に業務に就いているのか、どのくらいの仕事をしているのかが分からないこともあります。
そのため、テレワークの導入には、勤怠管理方法の検討が必要です。生産性の確認、見直し、評価のためにも勤怠管理にも力を入れるべきだと言えます。
ICT整備(コミュニケーションツール、PC、VPN、電子FAXなど)
テレワークはICTを活用した柔軟な働き方を指します。よってテレワーク導入のためにはICT環境の整備が必要です。
具体的には、社員同士のコミュニケーションを図るためのツールやテレビ会議システム、テレワーク用のPCの準備、安全なネットワーク、電子FAXなどが挙げられます。
テレワーク導入のためのICT環境整備には補助金が出るケースもありますし、既存の設備も活用できます。
執務環境の整備・就業規則の見直し
テレワークのために必要な机や椅子、PC、ネットワークなどは企業が社員の代わりに負担しなければいけないケースもあります。
また就業規則は基本的にオフィスワークを前提として成り立っているケースがほとんどです。テレワークに適した就業規則に直すだけでなく、理想のテレワークの姿を思い描いて就業規則に反映させることが重要ではないでしょうか。
業務のシステム化
従来の業務で、例えば紙の資料や決裁書類をやり取りしていた場合、ワークフローの見直しやシステム化が求められます。システム化の対象となるのは、決済、勤怠管理、給与計算、ペーパーレス化のためのファイルサーバー整備などが考えられます。
業務をシステム化、IT化するための補助金もあるため、テレワーク導入と合わせて検討することも可能です。
資料の電子化・紙の資料の取扱方法
テレワークでは紙の資料を電子化した方が業務ははかどります。しかし、紙の資料を完全に無くすことはできません。顧客から預かった紙の資料や領収書などは、紙の現物が必要となる場合もあります。
紙の資料の扱いをセキュアにするためには、しっかりしたセキュリティポリシーの制定、遵守が重要です。あらかじめ、紙の資料をどのように取り扱うのか検討してください。
テレワークの助成金
テレワークの導入には、条件を満たせば補助金を受けられます。テレワーク導入に必要な初期費用の削減につながるため、補助金はぜひ活用しましょう。
時間外労働等改善助成金(テレワークコース)
「時間外労働等改善助成金(テレワークコース)」とは、時間外労働を改善し、ライフワークバランスを適切なものにするために、厚生労働省がサテライトオフィスや在宅で勤務する方のテレワーク導入を行う中小企業事業主に対して、テレワーク導入費用の一部を助成するものです。
2020年に流行しているコロナウイルス対策のために、助成金の受付が再開されました。ネガティブな要因ではありますが、テレワーク導入の機会だとも言えます。
申請や問合せは「テレワーク相談センター」が請け負っています。また支給対象となる事業主や、助成の対象となる取り組みは厚生労働省ホームページに記載されています。
>>テレワーク・在宅勤務の導入費用が最大150万円戻ってくる「働き方改革推進支援助成金」のお申込み
IT導入補助金
「IT補助金」とは、経済産業省が助成する補助金で、中小企業や小規模事業者等がビジネスに必要なITソフトウェアやサービスなどのITツールを導入するための経費の一部に充てることができます。
導入するITツールは、支援のパートナーとなるIT導入支援事業者から提供を受けることになります。(2019年IT補助金)
補助金の交付が決定した後は、速やかにITツールを導入し、ITツール導入による効果の報告が求められます。
なお2019年のIT補助金申請スケジュールは、IT補助金を受けたい事業者向けに説明会などが開かれ、4月〜8月にかけて申請を受付けていました。2020年はコロナウィルスの影響を受け、臨時で公募が行われています(2020年3月末現在)
>>テレワーク・在宅勤務の導入費用が最大450万円戻ってくる「IT導入補助金」の詳細
ふるさとテレワーク
「ふるさとテレワーク」とは総務省による助成金で、都市部のオフィスではなく、地方に設けられたサテライトオフィスで仕事を行う働き方を指します。総務省は民間企業に対して、地方のサテライトオフィス設置など、テレワーク導入のための費用の一部を補助しています。
ワークスタイル変革コンサルティング・はじめてテレワーク
東京都による支援や補助金を「東京都産業労働局 ワークスタイル変革コンサルティング」と言います。ワークスタイル変革コンサルティングは、東京都内の中小企業等の業務の改善やICT化の促進のために、専門家を5回まで無償で派遣してくれます。
なお2020年度は4月からコンサルティング募集が予定されています。問合せなどはワークスタイル変革コンサルティング事務局で受付けています。詳細はホームページで確認しましょう。
また、「はじめてテレワーク」とは公益財団法人東京しごと仕事財団による補助金です。ワークスタイル変革コンサルティングを受けた企業を対象として、テレワークにトライするためのテレワーク導入経費を補助します。
補助対象事業者は東京都内で常時雇用している労働者2人以上〜999人以下、かつ6カ月以上継続して雇用していることなど、いくつかの条件があります。補助金を受けるための要件の詳細は公益財団法人・東京しごと財団ホームページを参照してください。
まとめ
テレワークは働き方を大きく変えるもののため、不安やデメリットを大きく感じられるかも知れません。しかしながらテレワークは、企業ブランドの向上や採用強化、そしてペーパーレス化やオフィスのコスト削減などメリットがとても大きいです。
大きな発展を遂げているクラウドを活用することで、自前でテレワーク用のネットワークやサーバーなどを構築することに比べると、比較的安価にテレワークを始めることもできます。働き方が見直される今だからこそ、助成金の活用を検討しながらテレワークを実現してみてはいかがでしょうか。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会計の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
国保計算を基本から理解するための3つのポイント
職場で社会保険に加入していない人や生活保護を受給していない人であれば加入が義務付けられている国民健康保険(以下、国保)。 ここではこの国保の保険料計算(以下、国保計算)の基本と、保険料がどんなもので構成されていて、どうして支払わなくてはなら…
詳しくみる会計ソフトの補助科目設定で経理作業がもっと便利に!
使用している会計ソフトで、「もっと細かな項目で集計できたらいいのに」と感じたことはありませんか。勘定科目は業種間比較などである程度固定していた方が便利ですが、勘定科目を変更する以外にも方法があります。それは、補助科目の追加です。この記事では…
詳しくみる免税事業者は消費税を請求していいのか?個人事業主の場合も解説
間接税である消費税は、事業者が消費者から預かって納税するものです。ところで、事業者の中には消費税の納税を免除されている免税事業者があります。消費税の納税義務のない免税事業者は、消費税を請求できないのでしょうか? 本記事では、免税事業者におけ…
詳しくみる管理会計とは?財務会計の違いから企業会計を解説
会計とは、経済活動による収支を認識して記録し、利害関係者に対して報告をするまでの行為全般を指します。会計は管理会計と財務会計の2つに大きく区分されており、会計の目的に応じて処理方法が異なります。 管理会計は経営者などが企業をマネジメントする…
詳しくみる経理の「年収1000万円求人」が増加 稼げる経理が持つスキルとは
年功序列型の賃金制度が廃れ始め、結果を出す人が稼げる時代へとシフトしている昨今。特に、実力主義が受け入れられている転職市場では、求人の給与格差が広がっているそうです。 定量的な結果が出やすい「営業職」や専門的な知識が求められる「コンサルタン…
詳しくみる消費税還付の仕組みと還付される条件まとめ
事業者は、商品やサービスを提供し消費者から消費税を受け取りますが、一方で事業者も仕入れをしたり備品を購入したりするので他の事業者に消費税を支払います。 消費税は、基本的に受け取った消費税から支払った消費税を差し引いた額について、事業者が納税…
詳しくみる