• 更新日 : 2024年8月8日

会計ソフトのバックアップはどうするのが正解?手法とポイントまとめ

会計ソフトデータのバックアップを取ることは、経理作業のリスクマネジメントとして非常に有効です。

しかし、なかには「バックアップを取ったことがない」という経営者や個人事業主も多いでしょう。
そのまま予期せぬトラブルに見舞われてしまったときは、自社業務が滞るばかりか、会社全体の信頼が失墜する可能性もあります。

当記事では、会計ソフトのバックアップを取る重要性やバックアップを取る方法、保存時の注意点などを解説します。

会計ソフトのバックアップが必要な理由

結論からいえば、会計ソフトデータのバックアップは必要不可欠です。
その理由は次のとおりです。

  • 人為的ミスや災害などの予期しないデータ消失の危険があるから
  • 大きな修正が必要なときに過去のデータを呼び出せるから
  • データ消失によって社会全体や取引先からの信用を失うから

まずはバックアップの重要性や、バックアップを取らないことによるリスクを解説します。

人為的ミスや災害によって予期しないデータ消失の危険があるから

「セキュリティや管理体制がしっかりしていればデータは消えない」という考えは大間違いです。
なぜなら、電子データは本人の予期しない形で消失する可能性が少なくないためです。たとえば、次のようなリスクが考えられます。

  • データ取扱者が誤って保存データを消去・上書きしてしまった
  • PCが地面に落下しデータの保存領域が物理的に破壊された
  • 地震や台風などの災害によって事業所やデータベースに多大なダメージがあった
  • データ移行に失敗してデータが破損した
  • 新型のコンピュータウイルスに侵食された
  • 外部からのハッキング被害にあった など

挙げた例以外にも、まだまだ多くのリスクが潜んでいます。
万が一に備えてバックアップを取ることは非常に重要といえるでしょう。

大きな修正が必要なときに過去のデータを呼び出せるから

会計ソフトの記帳を行っているとき、途中で数値入力や仕訳の間違いに気づくこともあるでしょう。
ただ、もしこの間違いが数ヶ月単位で続いていた場合、間違い箇所の特定や修正作業に大幅な時間を取られる恐れがあります。

曖昧なまま修正やデータ書き換えを続けると、新たなヒューマンエラーが発生したり、正常だった数値も変えてしまったりなどのトラブルになるかもしれません。

このときにバックアップを取っていれば、間違える以前の過去のデータを呼び出すことで、まっさらな状態から落ち着いて入力や仕訳をリスタートできます。
また、修正箇所との数値の照らし合わせにも使うことが可能です。

データ消失によって社会全体や取引先からの信用を失うから

もし消失したデータのなかに顧客との取引情報があった場合、復旧できなければ取引先から「怠惰な仕事をしている」と判断され、信用を失います。
取引データや請求書の履歴なども消失すれば、再照会や再発行などの手間を相手にかけさせることにもなるでしょう。

消失規模が大きければ噂が世間に広まり「あの事業所はデータ管理すらできない」「危機意識が足りなすぎる」と、取り返しがつかない信用失墜につながるかもしれません。

自社だけでなく相手に迷惑をかけないためにも、バックアップを怠らずに実施することをおすすめします。

会計ソフトのバックアップを取る方法

会計ソフトのバックアップを取る際は、以下3つの環境を利用することをおすすめします。

  • ローカル
  • 外部記録媒体
  • クラウド環境

それぞれの詳細を順番に見ていきましょう。

ローカルに保存する

ローカルにバックアップを保存しておくことで、会計ソフトやクラウド環境に異常があった場合もデータを守れます。
ここでいうローカルとは、ネットワークを経由せず個人のPCのみで利用できる環境のことです。

主なローカルは次のとおりです。

  • PC内蔵のハードディスクドライブ
  • ワードやエクセル、その他のテキストエディタ
  • PDF化 など

またバックアップの手法として、電子データではなく紙や手書きの数値を残しておく方法もあります。書き写しや印刷に手間がかかるのがネックですが、PC本体ならびネットワーク環境の状態やウィルスなどの要因に左右されないという点で、非常に有効な保存手段です。

  • 紙などに手書きでの記帳・記録
  • 電子データを紙媒体として印刷
  • 数値画面のスクリーンショットや写真保存 など

もし顧問税理士と契約している場合は、定期的に税理士に最新データを共有して別途記録してもらうことも、バックアップの方法としておすすめします。

外部記録媒体に保存する
PCやネットワーク環境とは別のところに電子データとしてバックアップを残したいときは、外部記録媒体への保存がおすすめです。

  • USBメモリ
  • 外付けハードディスク
  • CD-ROM など

CVSなど互換性の高いファイル形式で保存しておけば、バックアップからデータを復元する際に、スムーズなデータ移行ができます。

PC本体の故障などのトラブルに強いのが大きなメリットです。
反面、物理的な衝撃に対する弱さや紛失のリスクがある点がデメリットといえるでしょう。

クラウドに保存する

クラウドへのバックアップとは、インターネット上で提供されている仮想サーバーにデータを保存することです。

クラウドにバックアップを取るメリットとして、アクセスのしやすさや優れたセキリュティ面が挙げられます。

インターネット環境さえあれば自由にデータの閲覧や保存ができたり、サービス提供会社が常に最新のアップデートを行っていたりなど、クラウド環境ならではの恩恵を受けることが可能です。
また物理的なリスクを一切受けない点もメリットといえます。

ただしインターネットにつなげない状況だと利用できません。
また、インターネット上への情報流出リスクが存在します。パスワード管理や二段認証導入を怠らないようにしましょう。

会計ソフトのバックアップを取る際のポイント

ここからは、会計ソフトにバックアップを取る際に意識すべきポイントを3つご紹介します。よりセーフティなバックアップを実現するためにも、ぜひ参考にしてください。

バックアップを取るタイミング

バックアップを取るタイミングとして、記帳作業や取引データを保存し会計ソフトを終了する際に、その都度実施することをおすすめします。
もし保存の間隔が空きすぎると、数ヶ月前のデータしか存在せず「復元したい部分が保存されていなかった」という事態が考えられるためです。

またバックアップ作業を習慣化することで、バックアップ忘れの回避にもつながります。

バックアップの保存期間

バックアップしたデータの保存期間は、保存するデータの量や保存先のデータ容量にも左右されます。
バックアップデータが大きすぎると、何世代も保存するのは難しいのが実情です。

最新状態のバックアップはマストとして、それ以上のデータを保存するかは、社内もしくは個人的なルールを定めておきましょう。

データの戻し方

会計ソフトにバックアップデータを戻す方法は、会計ソフトごとに異なります。

手書きや紙媒体での保存の場合は一つひとつ手入力していく必要がありますが、電子データからの復元の場合は「CSVファイルとして保存したバックアップデータをインポートする」という方法が多いです。

また、指定のサンプルフォーマットに入力したデータをインポートしたり、エクセルで保存したデータと連携したりなどの方法もあります。
自社が利用している会計ソフトやバックアップの保存形式に沿った復元を行いましょう。

もしパソコンデータごと保存しておきたい場合は、Windowsなら「システムイメージバックアップ」、Macなら「Time Machine」を利用するのも手です。

マネーフォワード クラウドの会計ソフトなら緊急時でも安心

もしバックアップや保存データのセキリュティについて不安がある場合は、クラウド型会計ソフト「マネーフォワードクラウド会計」の導入をおすすめします。

本製品は常にクラウド上でデータを保存できるため、急なトラブルで電源が落ちたり、PCや外部記憶媒体が破損したりしても会計データが失われません。

また、定期的に仕訳帳のエクスポートボタンを押して「マネーフォワードクラウド形式で仕訳を出力」を行っておけば、のちほどデータをインポートできます。

さらにエクセルとの連携が可能なので、エクセルに保存したバックアップデータも復元可能です。

定期的なバックアップで会計データの損失を防ごう!

会計ソフトデータのバックアップは、データ消失や社会的信用失墜などのリスクを回避するためにも重要です。
ローカル・外部記憶媒体・クラウドなどのさまざまな環境にデータを保存しておきましょう。

定期的なバックアップを行い、大切な記帳・取引先のデータを消失しないように細心の注意を払ってください。

よくある質問

会計ソフトのバックアップはなぜ必要?

予期しないデータ消失により、取引先や社会全体からの信用を失う可能性があるためです。詳しくはこちらをご覧ください。

会計ソフトのバックアップを取る方法は?

「ローカル」「外部記録媒体」「クラウド環境」を利用することをお勧めします。詳しくはこちらをご覧ください。

会計ソフトのバックアップを取るタイミングは?

記帳作業や取引データを保存し会計ソフトを終了する際に、その都度実施することをおすすめします。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

関連記事

会計の注目テーマ