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  2. 会計の基礎知識
  3. 会計ソフトとERPの違いは?導入検討時の比較ポイント
  • 更新日 : 2021年1月15日

会計ソフトとERPの違いは?導入検討時の比較ポイント

これまでは「経理なら会計ソフト」といったように、効率化したい業務ごとにシステムを導入する形が一般的でした。しかし現在は、システム単体でなく複数のシステムを統合したERPの導入が増えています。

では経理の領域で考えた場合、会計ソフト単体での利用と会計機能を含んだERPの利用、どちらが良いのでしょうか。会計ソフトとERPの違い、ふたつの比較ポイントを解説します。

ERPとはなにか?

ERPとは、企業資源計画のことです。Enterprise Resource Planning(エンタープライズ・リソース・プランニング)を略して、ERPといいます。本来は、企業の資源を有効に活用することを表しますが、今では、基幹システムの意味で認識されるようになりました。基幹システムとは、企業のさまざまな基幹業務を一元化し、管理するシステムのことです。

会計ソフトとはなにか?

会計ソフトとは、企業の基幹業務のうちの会計業務に特化したシステムをいいます。日々発生する取引を帳簿として記録し、記録された情報から決算書を作成するのが会計ソフトの基本的な機能です。会計ソフトの利用は、仕訳や帳簿書類の作成といった会計業務の負担を軽減する効果が期待できます。

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会計ソフトとERPの違い

会計ソフトを導入するのとERPを導入するのとでは、それぞれ違いがあります。

 会計ソフトERP
概念・考え方会計業務のみをカバー複数業務を包括的にカバー
できること経理処理他業務との連携
業務スコープ会計管理会計管理、給与管理、販売管理など
メリット会計業務を効率化できる一元管理で他システムと連携しやすい
デメリット他システムと連携できない可能性があるコスト面での負担が大きくなる可能性、経理だけでなくさまざまな部署がかかわるために導入に時間がかかる可能性がある

概念・考え方の違い

会計ソフトは会計業務をサポートするために生まれたシステムです。基本的には会計業務のみをカバーできるシステムといえるでしょう。

一方、ERPは会計業務のみだけでなく、会社で行われるさまざまな業務を一元管理する考えのもと生まれたものです。そのため、会計ソフトと違って、複数の業務をシステムで包括的にカバーできます。

できることの違い

会計ソフトは会計業務専門のシステムですので、できるのは経理処理など会計業務に関連することです。仕訳帳総勘定元帳、決算書など、会計業務に関連する帳簿書類の作成ができます。

一方、ERPは、複数の業務を一元管理できるシステムです。通常の経理処理に加え、会計業務に関連することだと販売管理システムとの連携や給与管理システムとの連携による自動仕訳作成などができます。ただし、ERPによって提供されるサービスは異なります。

業務スコープの違い

業務スコープ(業務範囲)の違いは、会計ソフトとERPの考え方の違いから見ても明らかでしょう。会計ソフトの業務スコープは、会計業務だけに限られます。

一方、ERPにおける業務スコープの範囲は、会計ソフトと比べて広いです。システムによって多少の違いはありますが、会計管理のほか、販売管理、給与管理、在庫管理、発注管理など、複数の業務を同じシステム内で処理・管理できます。

メリット・デメリット

会計ソフトとERP、どちらが「優れている」というものでもありません。それぞれにメリット、デメリットがあります。

会計ソフトのメリットは、会計専門に作られているため会計業務の効率化が図りやすい点です。ERPは、一元管理されているほかのシステムとの連携で会計業務が効率化できる点がメリットといえます。

デメリットは、会計ソフトの場合は他のシステムと連携できない可能性があること、ERPはコスト負担が大きくなる可能性があることです。会計ソフトは単体での利用になるため、同じシリーズのシステムでない場合は、思うように連携できないケースがあります。ERPについては、基本的に会計ソフトよりもカバーできる範囲が広いため、コスト面で負担が大きくなる可能性が考えられます。

会計ソフトではなくERPを導入した方が良い場合

ERPのメリットは、会計業務に限らず複数の業務を一元管理できることです。複数の業務で効率化の課題を抱えていて、システムの導入で業務効率を上げ、生産性を上げていきたいと考える企業に向いています。

しかし、会計ソフトと比べるとERPはコスト負担が大きくなる可能性があることや、経理だけでなくより多くの部署が関係するため導入に時間がかかる可能性が高いことが欠点です。コスト的な問題を考えると、中堅企業のような、ある程度規模の大きい会社は導入に向いているでしょう。

ERPではなく会計ソフトを導入した方が良い場合

複数のシステムが使えることから便利に感じるERPですが、ERPではなく会計ソフトを導入した方が良い場合もあります。例えば、コスト的に大きな負担を避けたい小規模企業などです。

また、会計以外の業務でそこまで不便さを感じていない場合は、会計ソフト単体を導入した方が良い場合もあります。ほかの業務の効率化が限定的だと、ERPを導入する意味はあまりないためです。

小規模企業のほか、個人事業主など、ERPの導入効果が限定的な規模の法人や個人は、会計ソフトの導入がおすすめです。

ERPを比較するポイント

自社に合ったERPを導入するにはどのような部分に注目すべきか、次に、ERPの比較ポイントを紹介します。

自社に必要な機能が揃っているか

ERPは、システムによってカバーできる範囲や機能が異なります。はじめから自社に必要な機能が備わっているシステムを選択するのがおすすめです。カスタマイズによって機能を拡張できることもありますが、アドオン開発、ソースコード変更などが必要になり、導入が遅れることもあります。業務ごとにほしい機能を洗い出し、必要な機能があるか比較するようにすると良いでしょう。

導入コスト・運用コストはどれくらいか

ERPによって初期費用、ランニングコストは異なります。長期的に利用することを考えて、初期費用とランニングコストのバランスが取れたERPを選ぶようにしましょう。比較の際は、見積上では出てこない追加コストにも注目することをおすすめします。

既存システムからの乗り換えはしやすいか

既に使用しているシステムがあれば、システム移行ができるか、乗り換えのしやすさも考えて導入するシステムを考えるのがベストです。

画面が見やすいか・操作しやすいか

会計ソフト単体を導入するのと異なり、ERPを導入すると、利用できるシステムすべてに影響することになります。日常的に多くの社員が触れるシステムになるので、画面が見やすく操作のしやすいシンプルなERPが良いです。

サポートは充実しているか

ERPの導入につまずいたり、使い方につまずいたりする可能性はゼロではありません。何かあったときの予防線として、サポート体制が充実したERPを選ぶようにします。

内部統制は取りやすいか

社内の不正や処理の誤りを防ぐために、管理・運用することを「内部統制」といいます。ERPは、システム上データが一元管理されるものですので、もともと内部統制はとりやすいです。重要なのは、内部統制のための機能が充実しているかということでしょう。二重処理の防止、セキュリティー機能など、自社で運用していくにあたって、備わっている機能が自社の内部統制に適しているかどうかも確認しておきましょう。

グローバル対応しているか

グローバルに事業を展開する企業も増えてきました。日本と海外とでは法規などが異なりますので、海外に拠点がある企業、海外進出の予定がある企業は、グローバル対応しているかどうかもチェックしておきたい部分です。

会計ソフトを比較するポイント

次に、会計ソフトを比較するためのポイントを紹介します。

入力や操作がしやすいか

会社や事業の規模にもよりますが、基本的に取引は毎日のように発生します。利用頻度の高い会計ソフトだからこそ、入力のしやすさや操作のしやすさにはこだわって選択すると良いです。有料版なら、無料でお試しができる会計ソフトもあります。

データ連携はどれだけできるか

データ連携は、会計ソフトの場合、自動仕訳入力などができる点で便利です。データ連携について具体的には、金融機関やクレジットカードなどの入出金データとの連携、ほかのシステムとの連携があります。金融機関などとのデータ連携ができる場合は普段から利用している金融機関との連携が可能か、システムとの連携が可能なら既存のシステムと連携できるか確認しましょう。

レポートがわかりやすいか

会計ソフトには、決算レポートのほか、キャッシュフローレポート、得意先レポートなど、レポート機能が備わったものもあります。レポート機能をよく使う可能性がある場合は、どのようなレポートの出力ができるか、見てわかりやすいレポートかチェックしておきましょう。

他社ソフトからの乗り換えが簡単か

すでに他社の会計ソフトを利用している場合は、他社からの乗り換えが容易なソフトをおすすめします。移行できれば過去のデータも同じ会計ソフト内で管理できますし、それまで使用していた会計ソフトのデータを残しておく必要もなくなるためです。

クラウド型かインストール型か

会計ソフトは主に、クラウド型とインストール型に分けられます。クラウド型は、オンライン上で利用できるもの、インストール型は端末自体にインストールして利用するものです。どちらが良いかは、会社の運用状況で異なります。オンラインで利用できる環境にあり、リアルタイムで共有したい場合はクラウド型がおすすめです。

有料か無料か、プランはわかりやすいか

会計ソフトには有料のものと無料のものがあります。無料の会計ソフトは利用に制限があることが多いですが、コストが発生しないのが利点です。一方、有料のものにはセキュリティーや機能性など無料の会計ソフトにない魅力があります。コストとのバランスを考えて、自社に合ったものを選択しましょう。有料の会計ソフトを利用する場合は、シンプルなプランで料金のイメージがしやすいものを選ぶと良いです。

会計知識はどの程度必要か

個人や小規模企業などで経理担当者を置かない場合は、会計知識がそこまで必要なくても簡単に処理を行えるものが理想です。導入後をイメージして、必要があれば、自動仕訳や連携が充実しているものなど、利用しやすい会計ソフトを選ぶようにします。

マネーフォワード クラウドはバックオフィス業務を包括的にサポートするERP

会計ソフト、ERP、どちらの利点も取り入れたいなら、会計ソフトだけでなく、給与、請求書、経費、社会保険手続き、勤怠、マイナンバー管理を一括して行えるERP「マネーフォワード クラウド」がおすすめです。低コストで運用できるだけでなく、豊富な機能を利用できます。中堅企業向けには、「マネーフォワード クラウドERP」のサービスも提供しています。

会計業務をもっと効率良く

会計ソフトとERPの違いや比較のポイントについて解説していきました。会計ソフトを選ぶかERPを選択するかは、自社で効率化したい業務、コスト負担の許容で異なります。会計ソフトの低コスト、ERPの充実した機能、どちらのメリットも取り入れたいなら、低コストで豊富な機能を利用できる「マネーフォワード クラウド」の導入がおすすめです。

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

バックオフィス効率化で経理業務をラクにするなら

監修:岩波 竜太郎 (公認会計士 / 税理士 / 経営学修士)

公認会計士・税理士・経営学修士。大手監査法人、ベンチャー企業を経て、2015年に独立開業。大手監査法人での海外経験や管理本部長としての幅広い経験を武器に会計アドバイザリー業務を主たる業務として行うとともに、東証1部上場企業である株式会社OrchestraHoldingsの社外役員をはじめ、経営アドバイザーとして複数の企業に関与。Webメディア等の記事執筆・監修業務も積極的に行っている。

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