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  3. タクシー代を仕訳する場合の勘定科目まとめ
  • 更新日 : 2026年7月27日

タクシー代を仕訳する場合の勘定科目まとめ

監修:安木 識晃(公認会計士準会員)
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Pointタクシー代の勘定科目はどう判断する?

タクシーの利用目的によって勘定科目が変わり、原則は旅費交通費、自社主催の接待時のみ接待交際費として処理します。

  • 業務上の移動は旅費交通費で処理する
  • 接待では接待交際費に振り替えることが多い
  • 領収書とともに利用目的の記録を残す

税務調査では業務関連性を問われやすいため、立替精算時にメモを添えると安全です。

タクシー代の勘定科目は、利用目的によって通常、旅費交通費か接待交際費などに分かれます。判断を誤れば税務調査での指摘リスクが高まるため、経理担当者にとっては慎重に扱いたい費目です。本記事では、勘定科目の使い分け、支払方法別の仕訳例、インボイス・電帳法下での領収書取扱いまで実務目線で整理します。

目次

  • タクシー代の勘定科目とは?
    • 旅費交通費にあたるケース
    • 接待交際費にあたるケース
  • タクシー代を支払方法別に仕訳するとどうなる?
    • 現金で支払った場合の仕訳
    • クレジットカード・タクシーアプリで支払った場合の仕訳
    • 交通系ICカードで支払った場合の仕訳
    • タクシーチケットで支払った場合の仕訳
  • 旅費交通費と接待交際費は税務上どう違う?
  • 個人事業主はタクシー代を経費にできる?
    • 経費にできるケース
    • 経費にできないケース
    • 確定申告で計上する際の科目
  • インボイス制度・電子帳簿保存法でタクシー代の扱いはどう変わった?
    • 適格簡易請求書としての領収書要件
    • 電子領収書の保存ルール
  • タクシー代を経費にする際の注意点
  • タクシー代などの勘定科目判定に時間がかかる課題
    • 会計ソフトの活用で勘定科目判定をスムーズに
  • タクシー代は「接待をする側」のときだけ要注意

タクシー代の勘定科目とは?

タクシー代の勘定科目は、利用目的に応じて主に「旅費交通費」「接待交際費」

等の勘定科目で処理します。原則は業務上の移動として旅費交通費、自社が接待を主催する場合のみ接待交際費、になります。

利用目的ごとの振り分けの目安は次のとおりです。

勘定科目 振り分けの目安
旅費交通費 業務上の移動で利用する(原則)
接待交際費 自社が主催する接待で利用する

旅費交通費にあたるケース

通常の業務で利用したタクシー代は、原則として旅費交通費に該当します。

例えば、次のような場面で利用したタクシー代は旅費交通費で処理します。

  • 営業先への訪問に遅刻しそうになりタクシーを利用した
  • 残業後の帰宅で電車・バスが運行中でもタクシーを使った
  • 視察先での移動にタクシーを利用した
  • 取引先から招待された懇親会に参加するためタクシーで移動した

旅費交通費は全額を損金に算入できます。

接待交際費にあたるケース

自社が主催する接待にかかったタクシー代は、接待交際費として処理します。

取引先の送迎だけでなく、接待会場から帰宅するために従業員が使ったタクシー代も接待交際費に含まれます。

ここで覚えておきたいのは、主催側か招待を受ける側かで扱いが変わるという点です。招待される側として参加する移動なら旅費交通費、こちら側が場を設ける接待なら接待交際費、と整理しておくと判断に迷いません。

参照:No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算|国税庁

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タクシー代を支払方法別に仕訳するとどうなる?

タクシー代の仕訳は、現金・クレジットカード・タクシーアプリ・交通系IC・タクシーチケットといった支払方法によって貸方科目が変わります。借方は利用目的に応じて旅費交通費か接待交際費を立てる流れは共通です。

現金で支払った場合の仕訳

現金払いでは、貸方に「現金」を立てて旅費交通費または接待交際費を計上します。

例:取引先を営業で訪問するために1,000円のタクシー代を現金で支払った。

借方 金額 貸方 金額
旅費交通費 1,000円 現金 1,000円

クレジットカード・タクシーアプリで支払った場合の仕訳

カード決済やGO・DiDiなどのアプリ決済では、利用時に未払金で計上します。

例:取引先訪問のためにタクシーアプリで3,000円を決済した。

借方 金額 貸方 金額
旅費交通費 3,000円 未払金 3,000円

カード会社からの引き落とし時には、未払金を取り崩して普通預金で支払う仕訳に振り替えます。

交通系ICカードで支払った場合の仕訳

ICカードでの支払いは、チャージ時ではなく実際に利用した時点で経費として計上します。

チャージ時点では「貯蔵品」「仮払金」「前払金」などの資産科目で処理し、利用時に旅費交通費へ振り替える流れが基本です。

例:従業員のICカードでタクシー代1,200円を支払った(事前にチャージ済み)。

借方 金額 貸方 金額
旅費交通費 1,200円 貯蔵品 1,200円

タクシーチケットで支払った場合の仕訳

タクシーチケットは後日タクシー会社へ支払うため、貸方に未払金を立てます。

例:自社主催の接待でタクシーチケットを使い、取引先を送迎して5,000円を支払った。

借方 金額 貸方 金額
接待交際費 5,000円 未払金 5,000円

旅費交通費と接待交際費は税務上どう違う?

旅費交通費は全額を損金に算入できるのに対し、接待交際費は資本金規模に応じて損金算入額に上限が設けられています。国税庁の規定では、損金不算入額の計算は法人の資本金区分に応じて次のように扱われます。

法人区分 損金算入の取扱い
期末資本金1億円以下 ①飲食等の50%を超える部分が損金不算入、または②年800万円を超える部分が損金不算入(いずれかを選択)
期末資本金1億円超100億円以下 飲食等の50%を超える部分が損金不算入
期末資本金100億円超 全額損金不算入

タクシー代は飲食等に含まれないため、上記の「飲食等50%」基準では損金算入できません。中小企業(資本金1億円以下)が年800万円の定額控除を選択した場合に限り、タクシー代を含む接待交際費を損金として計上できます。

参照:No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算|国税庁

個人事業主はタクシー代を経費にできる?

個人事業主でもタクシー代は経費にできますが、事業との関連性を説明できる範囲に限られます。法人と同様に、利用目的によって旅費交通費か接待交際費に分かれます。プライベートと業務の境目があいまいになりやすいため、税務署からの指摘に備えた記録の保管がより大切になります。

経費にできるケース

事業に関係する移動で利用したタクシー代は、個人事業主でも経費に計上できます。

代表的なケースは次のとおりです。

  • 取引先・顧客との打ち合わせのための移動
  • 視察・出張先での移動
  • 商品の集荷や納品といった業務上の移動
  • 業務に必要な物品を運搬する際の移動

経費にできないケース

私的な用途やプライベートの移動で利用したタクシー代は、事業の経費にはなりません。

経費計上を避けたいケースとしては、次のような利用が挙げられます。

  • 家族旅行で使ったタクシー代
  • 個人的なショッピングや買い物で使ったタクシー代
  • 業務目的を説明しづらい単独視察で使ったタクシー代

これらは事業との関連性が説明できないため、安易な経費計上は避けたほうがよいでしょう。

確定申告で計上する際の科目

確定申告では、業務用のタクシー代は「旅費交通費」、自身が主催する接待であれば「接待交際費」として記載します。

青色申告決算書や収支内訳書では、それぞれの科目欄に金額を記入します。スケジュール、日報、取引先とのメールのやり取りといった補助資料を残しておくと、後日問い合わせを受けたときにも説明しやすくなります。

インボイス制度・電子帳簿保存法でタクシー代の扱いはどう変わった?

タクシーはインボイス制度上の「公共交通機関特例」の対象外であるため、原則として適格請求書(インボイス)の保存が仕入税額控除の要件になります。電子帳簿保存法による電子領収書の取扱いもあわせて押さえておきましょう。

適格簡易請求書としての領収書要件

タクシーは公共交通機関特例(3万円未満なら帳簿のみでよい特例)の対象外で、金額にかかわらずインボイスの保存が必要です。

公共交通機関特例の対象となるのは船舶・バス・鉄道・軌道に限られており、タクシーや航空機は含まれません(消費税法施行令第70条の9第2項)。ただし、従業員が出張のために利用し会社が立替精算する場合は「出張旅費等特例」の対象となり、通常必要と認められる範囲なら帳簿への記載のみで仕入税額控除が認められます。

インボイス未登録の個人タクシーを利用した場合は、経過措置として2023年10月~2026年9月は80%、2026年10月~2029年9月は50%まで仕入税額控除が認められます。

参照:インボイス制度の概要|国税庁

電子領収書の保存ルール

タクシーアプリやメールで受け取った電子領収書は、電子帳簿保存法により電子データのまま保存します。

2024年1月から電子取引データの電子保存が義務化されており、画面に表示された領収書を印刷して紙だけで保存する取扱いは、原則として認められていません。タクシーアプリで決済した場合は、アプリ内領収書をダウンロードし、改ざん防止と検索性の要件を満たす形で保存します。紙の領収書はスキャナ保存もできますが、紙のまま保存しても問題ありません。

タクシー代を経費にする際の注意点

タクシー代は税務調査で確認されやすい費目のため、業務関連性を示す記録の保管が大切です。1回ごとの金額は小さくても、年間を通すとまとまった額になりやすく、業務利用と私用利用の判別もつきにくいことから、税務調査でチェックされやすい項目とされています。指摘を受けないために、次の準備をしておきましょう。

  • 取引先への訪問履歴や日報を残す
  • 領収書には日付・経路・目的をメモする
  • 接待を主催した場合は招待状や案内も保管する
  • 立替精算では責任者の確認サインを得る

接待が絡むタクシー代は、業務移動として旅費交通費で処理していたものを、後から接待交際費へ振り替えるべきだったと判断されるケースもあります。主催側か招待を受ける側かを毎回確認する習慣を持っておくと、修正対応の手間を抑えられます。

タクシー代などの勘定科目判定に時間がかかる課題

タクシー代のように、利用目的によって適切な勘定科目が変わる費目の判定や仕訳作業に苦労している方も多いのではないでしょうか。マネーフォワードが実施した調査により、実際の経理現場でも同様の課題を抱えていることがわかりました。

同調査において、仕訳作業の工程において最も工数がかかっている作業を尋ねたところ、最も多かったのは「適切な勘定科目や消費税区分(課税・非課税等)の判定」で、36.8%でした。次いで「銀行明細やクレジットカード明細と帳簿の突合作業」が34.5%となっています。

会計ソフトの活用で勘定科目判定をスムーズに

タクシー代の仕訳は、旅費交通費か接待交際費かの判断が必要なため、手作業で一つひとつ確認して入力すると時間がかかりがちです。会計ソフトの自動連携機能などを活用すれば、システムが過去のデータから勘定科目を自動で推測するため、毎回の判定に迷う時間を削減できます。日々の仕訳作業の負担を減らすためにも、システムの導入や見直しを検討してみてはいかがでしょうか。

出典:マネーフォワード クラウド、仕訳作業の工程において最も工数がかかっている作業【勘定科目に関する調査データ】(回答者:707名、集計期間:2026年3月実施)

タクシー代は「接待をする側」のときだけ要注意

タクシー代は旅費交通費の場合と接待交際費の場合があると説明してきましたが、接待交際費になるのは基本的に「自社が接待を主催する場合」のみです。通常は旅費交通費で処理し、接待をするときだけ例外として気をつけておけば問題ありません。

ただし、本当は接待であるにもかかわらず旅費交通費に計上していた場合には、税務署から指摘されることもあります。業務上で使用したことを証明できる記録は、しっかりと残しておくことを心がけてください。

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よくある質問

タクシー代を仕訳する場合の勘定科目は?

業務中に使用した場合は原則旅費交通費。接待を受ける場合も旅費交通費に計上できる。ただし、接待する側で使用した場合は、接待交際費になるため要注意。詳しくはこちらをご覧ください。

個人事業主はタクシー代を経費にできる?

個人事業主でも、法人と同様に経費として計上できる。ただし、個人事業主はプライベートと事業との境界があいまいになりやすいので、業務に使ったと立証できる必要がある。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
  • 監修:安木 識晃(公認会計士準会員)

    公認会計士準会員。監査法人にて4年弱、外資系保険会社などの財務諸表監査・内部統制監査に従事。その後、FAS(財務アドバイザリー)領域にてIPO支援(事業計画・資本政策・内部統制構築)、M\&AにおけるPPA・無形資産評価などを担当。スタートアップ企業のCFOとして、経理財務体制の構築、資金調達、海外展開支援にも従事。現在は都内のFASコンサルティングにて、IPO準備企業や成長企業の財務支援を行う傍ら、ライティング・記事監修業務も精力的に実施。専門分野に根差した実務的かつ分かりやすい情報発信を得意とする。

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