- 更新日 : 2024年11月5日
OCR機能とは?経費精算に利用する流れやメリットを解説
OCR機能とは、画像データにおけるテキスト部分を認識して、文字データに変換する機能のことです。OCR機能を利用して経費精算を行うことには多くのメリットがあります。
本記事では、OCR機能の概要を解説するとともに経費精算に利用する流れやメリットを紹介します。
目次
OCR機能とは
OCRは、紙の書類をデータ化して効率的に管理するのに役立つ機能です。ここでは、OCR機能について解説します。
領収書やレシートの情報を読み取りデータ化する機能
OCRとは、画像データ内のテキスト部分を認識して文字データ化する光学文字認識機能のことをいいます。Optical Character Reader(またはRecognition)の略です。
紙文書をスキャナーで読み込んで、記載されている文字を認識してデジタル化します。主に、スキャナーやデジタルカメラなどに備わっている機能です。
OCR機能により経費精算の効率化が実現
OCR機能が搭載された経費精算システムを利用すれば、経費精算の効率化を実現できます。OCR機能があれば、領収書やレシートに記載されている金額や取引先などの情報を撮影・スキャンして読み取れば、それらの情報をデータ化して経費精算の申請に必要な情報として利用可能です。
これまでシステムに手入力していた時間を大きく削減できるだけでなく、ミスも減らせるため、経費精算の効率化に近づきます。
OCR機能を利用した経費精算の流れ
OCR機能を利用した経費精算の流れは次のとおりです。
- 領収書・レシートをスマホのカメラなどを使って撮影する
- 撮影した領収書・レシートのデータを経費精算システムに登録する
- 経費精算システムに取り込んだデータを活用して経費精算を行う
利用するシステムによって多少の違いはありますが、おおまかな流れは同じであるため、参考にしてください。
経費精算にOCR機能を使うメリット
経費精算にOCR機能を使うメリットは、次の4点です。
- 領収書をその場で電子化できる
- 経費申請時の転記作業が不要になる
- 電子帳簿保存法に対応できる
- ヒューマンエラーによる差し戻し工数が削減できる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
領収書をその場で電子化できる
OCR機能を使えば、領収書をその場で電子化できます。電子帳簿保存法では、スキャンによる電子化について取引を実施した日から約2ヶ月とおおむね7営業日以内に行わなければならないと定めています。
そのため、一定期間内に領収書をスキャンする必要がありますが、なかなか時間がなかったり、スキャンする機械がなくできなかったりすることもあるでしょう。そのようなときでもOCR機能があれば、領収書を受け取ってその場で電子化することが可能です。スマホの経費精算専用アプリで撮影するだけですむため、営業での外回り等が多い従業員にとっては大幅な工数削減につながるでしょう。
経費申請時の転記作業が不要になる
経費申請時の転記作業が不要になる点もメリットのひとつです。OCR機能では、読み取るだけで領収書に記載されている発行日や金額、発行元など必要なデータを自動でデータ化します。
これまで受け取った領収書を見て、経費精算書に都度転記していたのであれば、その手間はかなりのものだったはずです。OCR機能があれば、その工数を大幅に削減できます。
電子帳簿保存法に対応できる
OCR機能を搭載した経費精算システムには、電子帳簿保存法に対応したものも多くあります。それらのシステムを活用すれば、法令に従った対応が可能です。
また、法令が変わることも多々あります。経費精算システムの中には、法令が変わった場合でも自動対応してくれる製品も多いため、そのタイミングでの法令を遵守した適切な対応が可能です。
ヒューマンエラーによる差し戻し工数が削減できる
OCR機能では、領収書に記載されているデータを読み取って申請書として活用するため、従業員による入力ミスなどのヒューマンエラーがなくなります。
また、申請書と領収書は確認のためにセットで必要です。しかし、OCR機能を搭載したシステムであれば、申請とデータがセットで登録されることになるため、差し戻しや指摘の工数も大幅に減少させられます。
AI-OCRとOCRの違い
OCRと似た機能に、AI-OCRというものがあります。ここでは、両者の違いについて解説します。
AI-OCRの方が読み取り精度が高い
AI-OCRの「OCR」も、前述したOCRと同義です。違いは何かというと、AI-OCRは「OCR」機能にAI技術が加わったものといえます。
最先端のAI技術を搭載しているAI-OCRは、AIが機械学習を行うことで文字の認識率が向上する点がメリットです。
AI-OCRは多様なフォーマットに対応できる
多様なフォーマットに対応できる点も、AI-OCRの魅力です。これまでのOCRでは、文字の読込位置や項目などの詳細を定めたうえで読み込みを行っていました。そのため、フォーマットが異なるものを読み込ませようとした場合、設定を毎回変更する必要があり、手間がかかるという点はデメリットでした。
その点、AI-OCRでは文字の位置や項目を自動で検出して読み込むため、設定作業が不要です。さまざまなフォーマットをスキャンするだけでデータ化してくれるため、OCRに比べて担当者の負担をさらに軽減してくれるでしょう。
OCR機能を搭載した経費精算システムを導入する際のポイント
OCR機能を搭載した経費精算システムを導入するにあたり、4つのポイントを紹介します。
自社の承認ルールに合わせて設定できる
1つめのポイントが、採用するシステムが自社の申請・承認ルール(フロー)に合わせて設定可能かどうかです。経費精算システムには、基本的に申請・承認フローの設定機能が搭載されていますが、その対応範囲はシステムごとに異なります。
設定に自由度があれば、自社に必要なルールにカスタマイズ可能です。たとえば、代理承認の設定や金額・内容ごとの自動分岐などの細かな設定ができれば、ルールに則ったスムーズな運用ができるでしょう。
利用目的に合った機能が搭載されている
2つめのポイントは、経費精算システムを導入する目的にあった機能が搭載されているかどうかです。システムにはさまざまな機能が搭載されており、自社が求める機能が搭載されていない場合には導入費用だけがかかって、業務の効率化が実現できない恐れがあります。
たとえば、交通費の精算業務を効率化したいのであれば、ICカードと連携できるシステムがおすすめです。また、経理担当者の負担を減らしたいのであれば、既存の会計システムなどと連携可能なシステムがよいでしょう。
経費精算システムに搭載されている一般的な機能には、次のようなものがあります。
- スマホからの経費申請・承認が可能になる機能
- ICカードの読み取り機能:交通系ICカードを自動で読み込める機能
- 入力規定チェック機能:申請書が規定通りに申請されているか不備を自動チェックする機能
まずは、自社が解決したい課題を明確にし、それに合った機能を持つシステムを選ぶことが大切です。
法制度・法改正に対応している
3つめのポイントは、法制度・法改正に対応しているかどうかです。電子帳簿保存法では、紙の領収書や請求書のスキャナー保存について細かい要件が定められています。電子帳簿保存法に対応した経費精算システムであれば、要件に沿った電子データ化が可能です。
また、インボイス制度に対応しているシステムであるかどうかも経理業務の効率化に大きく影響してきます。経費精算システムがインボイスに非対応であれば、会計ソフトへデータ連携後に仕訳の修正が欠かせません。工数削減のためにも、法制度や法改正に対応したシステムを選ぶようにしましょう。
法改正に合わせてアップデートできるシステムであれば、最新の法律に則って対応してくれるため、安心感が高まります。
費用が予算内に収まる
4つめが、費用面です。経費精算システムの多くは、初期費用プラス月額料金という料金体系になっています。
月額料金が安いシステムの場合、機能が限定的な場合があるため、注意が必要です。たとえば、最低利用人数が50ユーザーなどの設定がある場合には、小規模企業や中小企業には不向きです。自社の規模や必要機能をもとに、複数社から相見積もりを取って比較検討するとよいでしょう。
マネーフォワード クラウド経費ならOCR機能を簡単に利用できる!
OCR機能を搭載した経費精算システムを検討中であれば、「マネーフォワード クラウド経費」はいかがでしょうか。マネーフォワード クラウド経費は、OCR入力(自動読み取り)機能を搭載した経費精算システムです。
領収書を写真に撮って画像をアップロードするだけで日付や支払先、金額、適格請求書発行事業者登録番号の情報を自動で読み取り、明細として登録できます。
また、交通系ICカードやクレジットカードなど各種サービスとも連携でき、自動取得した明細データを選ぶだけで経費登録も完了します。
データ連携によって手入力の手間やミスを削減できるほか、ペーパーレスで経費精算にかかる時間を大幅削減可能です。
マネーフォワード クラウド経費の詳細やOCR機能については、以下からご確認ください。
https://biz.moneyforward.com/support/expense/faq/ap-faq/r10.html
OCR機能を活用して経費精算業務を効率化しよう
OCR機能があれば、画像データにおけるテキスト部分を認識して文字データに変換できるため、経費精算業務においても大きな効果を発揮します。OCR機能を搭載した経費精算システムを導入する際には、自社のルールに合わせて設定できるか、目的に合った機能が搭載されているかなどのポイントを押さえて選びましょう。
「マネーフォワード クラウド経費」は、OCR機能を搭載した経費精算システムです。領収書を写真に撮って画像をアップロードするだけで日付や支払先、金額、適格請求書発行事業者登録番号など情報を自動で明細として登録できます。
マネーフォワード クラウド経費の詳細については、以下からご確認ください。
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