• 更新日 : 2024年4月11日

法人税申告書の別表13とは?見方や書き方、注意点まで解説

法人税申告書の別表13は、圧縮記帳にかかわる申告書です。この記事では、別表13の種類、別表13のうち代表的な書類の書き方、別表13作成時の注意点を解説していきます。

法人税申告書の別表13とは

別表13は、圧縮記帳の損金算入にかかわる各種明細書です。以下、全部で9種あります。

13(1):国庫補助金、工事負担金による賦課金などで固定資産を取得したときの、圧縮記帳等に関する明細書です。

13(2):災害等の保険金等で固定資産を取得したときの圧縮記帳等に関する明細書です。

13(3):交換により取得した資産の圧縮記帳等に関する明細書です。

13(4):収用換地(公共の用に供される場合など)に伴う圧縮記帳等に関する明細書です。

13(5):法人税法や租税特別措置法に定める特定の資産の買換えについての圧縮記帳等に関する明細書です。

13(6):土地の形状を変えずに権利を交換する特定の交換分合にかかわる圧縮記帳等に関する明細書です。

13(7):特定普通財産(国有財産特別措置法に規定される財産)と隣接する土地等の交換に伴う圧縮記帳等に関する明細書です。

13(8):賦課金で取得した試験研究用資産の圧縮記帳等に関する明細書です。

13(9):転廃業助成金等で取得した固定資産等の圧縮記帳等に関する明細書です。

各種明細書は「国税庁のサイト」、またはe-Taxソフトなどから入手できます。

法人税申告書の全体的な作成方法については、以下の記事を参照ください。

法人税申告書の別表13に記載する主な項目と書き方

法人税申告書別表13のうち、使用頻度が高いと推定される代表的な明細書、13(1)、13(2)、13(5)の書き方を紹介します。

国庫補助金等、工事負担金及び賦課金で取得した固定資産等の圧縮額等の損金算入に関する明細書

国庫補助金等、工事負担金及び賦課金で取得した固定資産等の圧縮額等の損金算入に関する明細書

出典:国庫補助金等、工事負担金及び賦課金で取得した固定資産等の圧縮額等の損金算入に関する明細書 |国税庁

別表13(1)は、以下の3つのブロックに区分されています。

  • 国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額等の損金算入に関する明細書
  • 工事負担金で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入に関する明細書
  • 非出資組合が賦課金で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入に関する明細書

工事負担金で取得した固定資産の圧縮記帳は、電気やガス、水道事業など特定の事業者にかかわる項目です。非出資組合は出資を有しない協同組合等のことであるため、こちらも特定の法人にかかわる項目になります。

ここでは、広く法人に関係する補助金に関して、「国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額等の損金算入に関する明細書」の書き方を説明します。

国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額等の損金算入に関する明細書

出典:国庫補助金等、工事負担金及び賦課金で取得した固定資産等の圧縮額等の損金算入に関する明細書 |国税庁

1~5(圧縮記帳にかかわる補助金の詳細を記載する項目)

「補助金等の名称」、「補助金等を交付した者」(経済産業省など)、「交付を受けた年月日」、「交付を受けた補助金等の額」、「交付を受けた資産の価値」(固定資産の取得価額など)を記載します。

帳簿価額の減額等をした場合

固定資産の圧縮記帳の会計処理で、固定資産の取得価額を直接減額した場合、あるいは積立金により会計処理をした場合に記載する項目です。期末までに返還を要しないことが確定していることが必要です。

6.固定資産の帳簿価格を減額し、または積立金に経理した金額

会計処理上、減額または積立金に計上した金額を記載します。

7.(4)のうち返還を要しない又は要しないこととなった金額

返還を要しないことが確定した日の該当する税務上の金額を記載します。

8~11.前期以前に取得した減価償却資産が対象となる場合に記載する項目です。

8:交付を受けた補助金等のうち全部または一部の返還を要しないことが確定した日の固定資産の帳簿価額を記載します。

9:固定資産の取得等に要した金額を記載します。

10:補助割合として、「7」÷「9」の金額を記載します。

11:圧縮限度基礎額として、「8」×「10」の金額を記載します。

12.圧縮限度額

「5」「7」「11」のいずれか少ない額を記載します。ただし、「5」「7」「10」のいずれか少ない額が圧縮記帳の対象である固定資産の帳簿価額を上回るときは、「5」「7」「10」のいずれか少ない額から1円を引いた額とします。

13.圧縮限度超過額

「6」から「12」を差し引いた金額を記載します。

14.前期以前に取得をした減価償却資産の既償却額に係る取得価額調整額

前期までの既償却額に「10」の補助割合を乗じた金額を記載します。

15.取得価額に算入しない金額

「6」と「12」のうちいずれか少ない金額に「14」の金額を加算した金額を記載します。

特別勘定に経理した場合

国庫補助金等の返還を要しないことが期末までに確定しない場合は、税務上、圧縮記帳を適用できません。そのため、特別勘定を用いて経理します。16~25の各項目は、特別勘定で経理した場合に記載する項目です。

16.特別勘定に経理した金額

当期中に特別勘定に経理した金額や前期からの繰越額を記載します。

17.繰入限度額

期末までに返還を要しないことが未確定の金額(給付等にあたり条件つきの金額)を記載します。

18.繰入限度超過額

「16」から「17」を差し引いた金額を記載します。

19~24.
特別勘定で経理した金額のうち翌期に繰り越す金額を計算する項目です。

19:「16」から「18」を差し引いた金額を記載します。

20:「16」の金額のうち前期末までに益金に算入された金額を記載します。

21:当期に補助金を返還した場合にその金額を記載します。

22:返還を要しないこととなった補助金の額を記載します。

23:「21」「22」以外で取り崩した特別勘定の額を記載します。

24:「19」の額から20~23の合計額を控除した金額を記載します。

保険金等で取得した固定資産等の圧縮額等の損金算入に関する明細書

保険金等で取得した固定資産等の圧縮額等の損金算入に関する明細書

出典:保険金等で取得した固定資産等の圧縮額等の損金算入に関する明細書|国税庁

別表13(2)は、保険金等の圧縮記帳にかかわる明細書です。原則として、災害等で滅失した固定資産の損失を上回る保険金額(保険差益)は、益金に算入されます。しかし、滅失した固定資産の代替として新規に資産を取得する際の妨げになることから、課税を繰り延べる処置として、保険金等は圧縮記帳が認められています。

本明細書は、災害等による保険金等の圧縮記帳について、保険金や代替資産、損金算入額について計算するための書類です。圧縮記帳の明細である国庫補助金の作成と類似する部分もあります。

保険に関する項目(1~4)

保険金等で取得した固定資産等の圧縮額等の損金算入に関する明細書

出典:保険金等で取得した固定資産等の圧縮額等の損金算入に関する明細書|国税庁

1:保険事故等のあった事業年度を記載します。

2:保険等の目的資産(工場など)を記載します。

3:保険等の目的資産について、税務上の帳簿価額を記載します。

4:被害を受けた部分の帳簿価額を記載します。

保険金等の支払いを受けた場合(5~8)

保険金等の支払いを受けた場合

出典:保険金等で取得した固定資産等の圧縮額等の損金算入に関する明細書|国税庁

5:保険金等として支払いを受けた金額を記載します。

6:消防費や焼け跡の整理費など災害等で滅失等により支出した額を記載します

7:差引保険金等の額として、「5」から「6」の額を差し引いた金額を記載します。

8:保険差益金の額として、「7」から「4」の額を差し引いた金額を記載します。

代替資産の交付を受けた場合

代替資産の交付を受けた場合

出典:保険金等で取得した固定資産等の圧縮額等の損金算入に関する明細書|国税庁

代替資産の交付を受けたときに記載する項目です。要領は保険金等の支払いを受けた場合と同じです。交付を受けた代替資産の価額、滅失経費、差引代替資産の額(「9」-「10」の額)、差益金の額(「11」-「4」の額)を記載します。

帳簿価額の減額等をした場合

帳簿価額の減額等をした場合

出典:保険金等で取得した固定資産等の圧縮額等の損金算入に関する明細書|国税庁

国庫補助金の明細書と同様、帳簿価格を直接減額した場合と積立金として積み立てた場合、特別勘定で経理した場合は区分して記載します。

13.代替資産等の帳簿価額を減額し、又は積立金に経理した金額

圧縮損として代替資産の取得価額より直接減額した金額、あるいは積立金として積み立てた金額を記載します。

14.(7)のうち、圧縮額等の損金算入の適用を受けない金額及び他の代替資産等につき圧縮額等の損金算入の適用を受ける場合のその適用に係る金額

「7」の差引保険金等の額のうち、代替資産の取得等で支出した金額を記載します。

15.当該代替資産等の取得等に要した金額

該当する金額を記載します。

16.当該代替資産等の取得等に対応する保険金等の額

該当する金額を記載します。

17.圧縮基礎割合

「15」あるいは、(「7」-「14」)のいずれか少ない金額を記載します。マイナスになる場合は0と記載します。

18.圧縮限度額

「16」を「7」の差引保険金等の額で除した金額を記載します。

保険金等で取得した固定資産等の圧縮額等の損金算入に関する明細書

出典:保険金等で取得した固定資産等の圧縮額等の損金算入に関する明細書|国税庁

19~20.前期以前に取得をした減価償却資産である場合

該当の資産があるときは、保険金等の支払いを受けた日の代替資産等の帳簿価額と圧縮限度額を計算します。

21~22.代替資産の交付を受けた場合の計算

該当する場合に、経理した金額と圧縮限度額を記載します。

23.圧縮限度超過額

「13」-「18」または、「13」-「20」あるいは、「21」-「22」の金額を記載します。

24.保険差益割合

「8」×「17」/「15」の金額を記載します。

25.前期以前に取得をした減価償却資産の既償却額に係る取得価額調整額

既償却額に「24」の割合を乗じた値を記載します。

26.取得価額に算入しない金額

「13」と「18」のうち少ない額など、該当する金額を記載します。

特別勘定に経理した場合

特別勘定に経理した場合

出典:保険金等で取得した固定資産等の圧縮額等の損金算入に関する明細書|国税庁

代替資産を翌期以降に取得する場合で特別勘定により経理したときに記載する項目です。記載要領は、先に紹介した国庫補助金と基本的に同じです。

27:特別勘定で経理した金額を記載します。

28:「7」から「14」と「15」を差し引いた金額を記載します。

29:「28」の金額のうち、代替資産等の取得等に充てようとする金額を記載します。

30:繰入限度額として、「8」×「29」/「7」の金額を記載します。

31~35:翌期繰越額があるときの計算欄です。

特定の資産の買換えにより取得した資産の圧縮額等の損金算入に関する明細書

特定の資産の買換えにより取得した資産の圧縮額等の損金算入に関する明細書

出典:特定の資産の買換えにより取得した資産の圧縮額等の損金算入に関する明細書|国税庁

租税特別措置法に定める「特定の資産の買換えの場合の特例等」を適用する場合に作成する明細書です。明細書トップの(  号該当)の空欄に、租税特別措置法の第65条のうち、何号に該当するか記載してから作成を進めていきます。

譲渡資産の明細

譲渡資産の明細

出典:特定の資産の買換えにより取得した資産の圧縮額等の損金算入に関する明細書|国税庁

1:譲渡した資産の種類(建物など)を記載します。

2:譲渡資産の取得年月日を記載します。

3:譲渡した資産の所在地を記載します。

4:平方メートル単位で譲渡した土地等の面積を記載します。

5:譲渡した年月日を記載します。

6:譲渡対価の額を記載します。

7:譲渡資産の譲渡直前の帳簿価額を記載します。

8:譲渡経費の額を記載します。

9:「7」と「8」の合計額を記載します。

10.差益割合

(「6」-「9」)/「6」の値を小数点3位以内で記載します。

取得資産の明細

取得資産の明細

11:買換えにより取得した資産の種類(建物など)を記載します。

12:取得資産の所在地を記載します。

13:取得資産の取得年月日を記載します。

14:取得価額を記載します。

15:取得資産を事業の用に供した日または見込みの日を記載します。

16~20.買換資産が土地等であるときに記載する項目です。

事業供用予定日、事業供用日、土地等の面積、特例の対象外となる面積、取得価額(「14」×(「18」-「19」)/「18」)を記載します。

帳簿価額の減額等をした場合

帳簿価額の減額等をした場合

出典:特定の資産の買換えにより取得した資産の圧縮額等の損金算入に関する明細書|国税庁

21~29の各項目は、圧縮記帳により取得資産の帳簿価額を直接減額した場合、あるいは積立金を積み立てて経理処理を行った場合に記載する項目です。

21:経理処理により取得資産の帳簿価額を減額した金額、あるいは積立金の金額を記載します。

22:圧縮基礎取得価額として、「14」「20」「22」のいずれか少ない金額を記載します。

23~26:買換資産を前期以前に取得した場合の記載項目です。前期末の取得価額と帳簿価額、圧縮基礎取得価額(「23」×(「25」/「24」)について記載します。

27:圧縮限度額として、(「23」または「26」)×「10」×圧縮割合(買換資産の区分に応じた割合)の金額を記載します。

28:圧縮限度超過額として、「21」-「27」の金額を記載します。

29:取得価額に算入しない金額として、該当する金額を記載します。

対価の額の残額の計算

対価の額の残額の計算

出典:特定の資産の買換えにより取得した資産の圧縮額等の損金算入に関する明細書|国税庁

買換資産が2以上ある場合は、まず一の資産の取得価額に達するまで対価の額を充てるものとします。そのため残額の計算が必要です。30~36の各項目は残額に関する計算の項目になります。

30:「6」の譲渡資産の対価の額の合計額を記載します。

31:「30」の額のうち譲渡日を含む事業年度で使用した額を記載します。

32:特別勘定の対象となり得る金額として、「30」から「31」の額を差し引いた金額を記載します。

33~36:
翌期繰越額がある場合に記載する項目です。「特別勘定の計算の基礎になる買換資産の取得に充てようとする金額」、「前期までに取得に充てた金額」、「当期中に取得に充てた金額」、「翌期に繰り越す対価の額」を記載します。

特別勘定を設けた場合

特別勘定を設けた場合

出典:特定の資産の買換えにより取得した資産の圧縮額等の損金算入に関する明細書|国税庁

37~44の各項目は、特別勘定により会計処理をした場合に記載する項目です。記載要領は、国庫補助金の特別勘定の項目や保険金等の特別勘定の項目と基本的に同じです。なお、繰入限度額の計算では、「10」の差益割合と買換資産の区分に応じた割合を利用して値を求めることに注意します。

その他参考となる事項

その他参考となる事項

出典:特定の資産の買換えにより取得した資産の圧縮額等の損金算入に関する明細書|国税庁

建設工事の完了予定が遅延する場合などに記載する項目です。

法人税申告書の別表13を書く際の注意点

別表13は、法人税法や租税特別措置に定められた圧縮記帳による、損金算入にかかわる各種明細書になります。税務上の規定ではあるものの、損金経理などの経理要件が定められていることに注意しましょう。

また、圧縮記帳については同じ法律で定められた特例の併用ができません。圧縮記帳を適用して明細書を作成する際には、事前に併用可能な特例か確認しておきましょう。

圧縮記帳等で課税を繰り延べる場合は別表13が必要

法人税申告書の別表13は、いずれも圧縮記帳などの損金算入に関する明細書です。法人税法や租税特別措置法などに定められる特例で、圧縮記帳などにより課税を繰り延べる場合には作成の必要があります。書き方を取り上げた様式以外の様式にも書き方に共通する部分があるため参考にされてください。


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