- 更新日 : 2026年3月19日
会社法で定められた株主総会はいつ開くべき?開催手順やスケジュールを解説
定時株主総会は、事業年度終了後から3ヶ月以内に開催するのが一般的です。
- 開催時期の目安:多くの企業は定款で基準日を決算末日と定めており、議決権行使の期限から逆算して決算後3ヶ月以内に開催します。
- 法的期限の確認:公開会社は2週間前、非公開会社は原則1週間前までに招集通知を発する必要があり、会社形態に応じた期限管理が不可欠です。
- 実務上の注意点:2022年施行の改正法により、上場会社は株主総会資料のウェブ掲載を行う電子提供制度への対応が義務化されています。
昨年度の進行表をベースに余裕を持った工程表を作成することが円滑な運営の鍵となります。
会社法では、株主総会については、招集の通知などをはじめ多くのルールがあります。法に則り定時株主総会を開催するには、開催までの手順を把握し、適切にスケジュールを立てておくことが重要です。
この記事では、決算後の定時株主総会の概要や開催の手順、定時株主総会のスケジュールを組む際の注意点などについて解説します。
目次
会社法で定められている決算後の定時株主総会とは?
定時株主総会とは、毎事業年度の終了後、一定の時期に開催される株主総会のことです。会社法第296条第1項で、定時株主総会の招集について以下の規定が設けられています。
定時株主総会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない。
引用:会社法|e-GOV
対象となる企業
株主総会については、会社法で以下の定めがあります。
会社法第295条第1項
株主総会は、この法律に規定する事項及び株式会社の組織、運営、管理その他株式会社に関する一切の事項について決議をすることができる。
引用:会社法|e-GOV
会社法の規定からもわかるように、株主総会は会社の運営について株式会社の最高意思決定機関です。株主総会を構成する株主とは、株式会社の株式と引き換えに出資を行う個人や法人のことです。つまり、定時株主総会の開催が規定されている企業は、合同会社や合名会社などを含むすべての企業ではなく、株式会社に限定されていることがわかります。
定時株主総会の内容
定時株主総会は、会社の重要な事項について決議を行うためのものです。取締役会設置会社など一部を除き、定時株主総会では決算書類と事業報告について決議を通して承認が行われます。また、状況によっては以下の事項についても定時株主総会で決議が行われます。
定時株主総会と臨時株主総会の違い
定時株主総会は毎事業年度のある程度決まった時期に開催されますが、臨時株主総会は開催時期が決まっていません。臨時株主総会は、必要に応じていつでも招集できるものだからです。
臨時株主総会は、株主総会での決議が必要な事項がある場合に適宜開催されます。臨時株主総会の開催事由はさまざまで、役員の解任や補充役員の選任、新株発行による増資、事業譲渡、合併や株式移転などの組織再編などが議題となります。
定時株主総会を開催する手順は?
定時株主総会は、以下の流れで開催されます。開催するためには、いつ、どこで、どのような目的で招集するかという招集事項を決める必要があります。さらに、株主に招集事項を知らせるための通知も必要です。
- 計算書類や事業報告の作成・監査
- 株主総会の招集の決定
- 株主総会の招集の通知
- 定時株主総会の開催
定時株主総会開催後は以下の流れで議事録を作成し、決算公告を済ませます。
- 議事録の作成
- 必要に応じて登記の申請(役員に変更があった場合など)
- 決算公告
定時株主総会のスケジュールの決め方は?
定時株主総会は事業年度終了の日から、おおむね2ヶ月から3ヶ月以内に開催されるのが一般的です。
定時株主総会の招集の通知については、会社法で期限が定められています。公開会社(上場会社など)か非公開会社(すべての株式について定款により譲渡制限の定めがある会社)か、取締役会設置会社か取締役会設置会社でないかで期限が異なるため注意しましょう。
公開会社については、株主総会を開催する日の2週間前までに通知する必要があります。非公開会社も原則として2週間前までですが、書面などによる議決権行使の定めがない場合は、株主総会の日の1週間前までに通知すればよいことになっています。なお、非公開会社のうち取締役会を設置していない会社は、定款の定めにより、さらに期限を短縮することが認められます。
定時株主総会の招集の通知方法は、取締役会設置会社の場合は、原則として書面による通知が必要です。ただし、上場会社などの振替株式発行会社については、株主総会資料を自社のウェブサイト等に掲載する「電子提供制度」の利用が義務化されています。
この場合、株主にはサイトのURL等を記載した書面を送付することになります。株主の承諾があるときは、電子メールなどの電磁的方法による通知も認められます。非公開会社で、かつ取締役会設置会社でない場合は、口頭や電話での通知もできます。さらに、株主全員の同意があるときは、招集手続の省略も可能です。
会社法の規定や通知のための準備、開催場所の準備などを考慮すると、会社法に規定される期限よりも早いスケジュールで召集の決定・通知を行うことが望ましいです。
決算前後のスケジュール例
以下は、3月末決算の株式会社の決算前から提示株主総会開催までのスケジュールの例です。定時株主総会までの流れやスケジュール感は、公開会社か非公開会社か、取締役会設置会社か、監査役設置会社か、会計監査人設置会社か、などで変わります。
| 日付 | 手続き | 概要 |
|---|---|---|
| 3月10日 | 基準日公告 | 基準日とは、定時株主総会の議決権行使の判断基準となる日のこと。基準日の2週間前までの公告が必要です。定款であらかじめ基準日を定めることもできます。 |
| 3月31日 | 事業年度終了日 基準日 | 3月末決算の企業の場合。 |
| 4月30日 | 計算書類(決算書)などの作成 | |
| 5月1日 | 監査役に提出 | 決算書を監査役に提出。 |
| 5月5日 | 監査報告の作成 | 監査役による監査報告の通知。 |
| 5月10日 | 取締役会 | 取締役会で監査報告を受けた計算書類などを承認。株主総会の議案の決定や招集の決定を行います。(上場会社は電子提供措置の開始準備) |
| 5月10日頃 | 電子提供措置の開始 | 上場会社は総会の3週間前または招集通知発送日のいずれか早い日から資料をウェブ公開。 |
| 5月15日 | 計算書類などの備え置きの開始 | 株主総会開始の日の2週間前から本店に備え置かなければなりません。 |
| 5月15日 | 株主総会の招集の通知 | |
| 5月30日 | 定時株主総会の開催 |
株主総会のスケジュールを遅延させない決算業務のポイント
定時株主総会をスムーズに開催するためには、前提となる決算業務を滞りなく進めることが重要です。株式会社マネーフォワードが実施した調査によると、確定前の決算数値に誤りや修正が時々発生しているのは48.7%、毎決算期、頻繁に発生しているのは20.7%であり、約7割が定期的な修正作業に直面しています。
決算の遅れが株主総会のスケジュールに及ぼす影響
決算数値の誤りや修正の主な原因として最も多いのは手入力によるミスで、40.8%でした。また、ミスが発生した際の業務への影響として最も大きいのは修正対応による残業時間の増加・過重労働で、29.3%でした。次いで決算スケジュールの遅延が19.2%発生しており、決算業務の遅れが株主総会の開催スケジュールを圧迫する可能性があります。
システム化によるスケジュール遅延の対策
誤りを減らすために組織として注力、あるいは必要だと感じている対策について尋ねたところ、最も多いのは複数名によるダブルチェック・承認フローの強化で23.3%、次いで会計システムやERPの刷新・自動化の推進が22.4%でした。手入力によるミスを防ぎ、スケジュール通りに株主総会を開催するためにも、会計システムの活用などで決算業務を効率化することが有効です。
出典:マネーフォワード クラウド、決算数値の誤りや修正が発生する頻度等【決算に関する調査データ】(回答者:870名(有効回答:決算業務に関与している667名)、集計期間:2026年2月実施)
定時株主総会に向けてスケジュールを立てておこう
株式会社における定時株主総会前後においては、それぞれの手続きにおいて法定期限が設けられているものが多いため、昨年度のスケジュール表などを参考にして、遅滞なく、漏れなく準備を進めなければなりません。
株主総会招集通知のように会社法で期限が定められている手続きもあるため、定時株主総会の開催に向けてしっかりとスケジュールを組んでおくことをおすすめします。
また、事業報告書の作成にあたっては、監査役の兼務状況の確認など外部への問い合わせも多くなりますので、早めに着手しましょう。
【期間限定】会計ソフト移行で最大70万円ポイント還元!
オンプレミス型・インストール型をご利用の企業様へ。 移行作業をプロに任せる「導入支援サービス(サクセスプラン)」の費用相当額が、最大70万円分ポイント還元されるお得なキャンペーンを実施中です。
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
最後に、この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料を紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
電子帳簿保存法 徹底解説(2025/10 最新版)
電子帳簿保存法は、1998年の制定以降、これまでに何度も改正を重ねてきました。特に直近数年は大きな改正が続いた上に、現在も国税庁による一問一答の追加・改定が続いており、常に最新情報の把握が必要です。
70P以上にわたるボリュームであることから、ダウンロードいただいた方から大好評をいただいている1冊です。
インボイス制度 徹底解説(2024/10 最新版)
インボイス制度は施行後もさまざまな実務論点が浮上し、国税庁によるQ&Aの追加・改訂が続いています。これを受けて、「結局どうすればいいのか、わからなくなってしまった」という疑問の声も多く聞かれるようになりました。
そこで、インボイス制度を改めて整理し、実務上の落とし穴や対応のヒントまで網羅的に解説した最新資料を作成しました。問題なく制度対応できているかの確認や、新人社員向けの教育用など、様々な用途にご活用いただける充実の資料です。
マネーフォワード クラウド会計Plus サービス資料
マネーフォワード クラウド会計Plusは、データの自動取得、自動仕訳、自動学習の3つの自動化で経理業務が効率化できる会計ソフトです。
仕訳承認フローや業務分担にあわせた詳細な権限設定が可能で、内部統制を強化したい企業におすすめです。
マネーフォワード クラウド経費 サービス資料
マネーフォワード クラウド経費を利用すると、申請者も承認者も経費精算処理の時間が削減でき、ペーパーレスでテレワークも可能に。
経理業務はチェック業務や仕訳連携・振込業務の効率化が実現でき、一連の流れがリモートで運用できます。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会計の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
M&A 資本政策の関連記事
新着記事
-
# 会計・経理業務
請求書支払いの効率化はどう進める?手順と自動化のポイントを解説
請求書支払いの効率化はどう進める? 請求書支払いの効率化は、業務フローの標準化とシステムによる自動化の組み合わせで実現できます。 受領形式をPDF等の電子データに統一 AI-OCR…
詳しくみる -
# 会計・経理業務
請求書を一括で振込できる?マナーや手数料の負担、効率化の手順を解説
請求書を一括で振込できる? 同一取引先への複数請求書は、事前に合意があれば合算して一括で振り込めます。 内訳を明記した支払通知書の送付がマナー 振込先口座が異なる場合は個別対応が原…
詳しくみる -
# 会計・経理業務
振込代行サービスとは?比較ポイントや手数料を安く抑える方法を解説
振込代行サービスとは? 企業の送金業務を外部へ委託し、手数料削減と経理業務の効率化を同時に実現する仕組みです。 大口契約の活用により手数料を半額以下に CSV連携で入力業務をなくし…
詳しくみる -
# 会計・経理業務
振込代行サービスのセキュリティは安全?仕組みや管理方法を解説
振込代行のセキュリティは安全? 銀行同等の暗号化と法的な保全措置により極めて安全です。 全通信をSSL暗号化し盗聴・改ざんを防止 倒産時も信託保全で預かり金を全額保護 社内でも権限…
詳しくみる -
# 会計・経理業務
振込手数料を削減するには?法人のコスト対策と見直し術を解説
振込手数料を削減するには? 振込手数料の削減には、ネット銀行への移行や振込代行サービスの活用が最も効果的です。 ネット銀行活用で窓口より約30〜50%のコスト削減が可能 同行宛口座…
詳しくみる -
# 会計・経理業務
振込作業を効率化するには?経理の支払い業務をラクにする方法
振込作業を効率化するには? 銀行APIや全銀データを活用し、会計ソフトと銀行口座をシステム接続することで実現します。 API連携で手入力とログインの手間を削減 AI-OCRで請求書…
詳しくみる
会計の注目テーマ
- 損益分岐点
- 勘定科目 消耗品費
- 国際会計基準(IFRS)
- 会計帳簿
- キャッシュフロー計算書
- 予実管理
- 損益計算書
- 減価償却
- 決算報告書
- 財務分析
- 総勘定元帳
- 資金繰り表
- 連結決算
- 支払調書
- 経理の仕事
- 会計ソフト
- 貸借対照表
- 外注費
- 勘定科目 交際費
- 法人の節税
- 法人税 節税
- 給付金
- 手形
- 損金
- 決算書
- 勘定科目 福利厚生
- 法人税申告書
- 原価計算 棚卸資産評価
- 勘定科目 引当金
- 財務諸表
- 勘定科目 修繕費
- 仕訳 仮勘定
- 仕訳 のれん
- 一括償却資産
- 工具器具備品
- 勘定科目 地代家賃
- リース取引
- 中小企業 業務課題
- 税理士
- 原価計算
- 軽減税率
- 簡易課税
- 法人税申告
- 税務調査
- 貸倒引当金
- 売掛金 会計処理
- 電子帳簿保存法
- 粉飾決算
- 勘定科目
- 勘定科目 固定資産
- 勘定科目 税務
- 勘定科目 業種別
- 勘定科目 収益
- 勘定科目 車両費
- 簿記
- 勘定科目 水道光熱費
- 資産除去債務
- 圧縮記帳
- 会計ソフト 運用
- 利益
- 経理 効率化
- 前受金
- 固定資産
- 勘定科目 営業外収益
- 月次決算
- 勘定科目 広告宣伝費
- 益金
- 資産
- 勘定科目 人件費
- 勘定科目 負債
- 予算管理
- 勘定科目 流動資産
- 棚卸
- 資金繰り
- 会計システム
- 原価計算 売上原価
- 未払金
- 労働分配率
- 飲食店 経理
- 電子帳簿保存法 保存要件
- 売上台帳
- 勘定科目 前払い
- 収支計算書
- 収支報告書
- 勘定科目 荷造運賃
- 勘定科目 支払手数料
- 仕訳 固定資産
- 消費税
- 借地権
- 役員報酬
- 中小企業
- 勘定科目 損害
- 勘定科目 被服費
- 仕訳
- 仕訳 金融商品
- 決算
- 預金
- 会計の基本
- 勘定科目 仕入れ
- 仕訳 仕入
- 経費精算
- 経費精算 領収書
- 勘定科目 資産
- 原価計算 原価率
- 電子帳簿保存法 対応
- 電子帳簿保存法 対応 ケース別
- 減価償却 機械 設備
- 勘定科目 旅費交通費
- 旅費交通費
- 減価償却 少額資産
- 勘定科目 資本
- 小口現金
- 電子取引
- 勘定科目 固定資産 車両
- 個人事業主 経費 固定資産
- 勘定科目 固定資産 PC
- 勘定科目 固定資産 建物
- 勘定科目 通信費
- 法人税
- 連結納税
- 勘定科目 保険料
- 督促状
- 請求管理
- 勘定科目 諸会費
- 入金
- 消込
- 債権管理
- M&A 資本政策
- 決算公告
- 決算業務
- スキャナ保存
- 仕訳 経費
- 経費精算 効率化
- 債権
- 電子記録債権
- 売掛金回収
- 口座振替
- 確定申告 法人
- 入出金管理
- 与信管理
- 請求代行
- 決済代行
- 財務会計
- 小切手
- オペレーティングリース
- 新リース会計
- 購買申請
- 消費税 会計処理
- ファクタリング
- 償却資産
- 会計基準
- 法人税 関連税




