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  • 更新日 : 2021年3月12日

貸借対照表(バランスシート)とは?初心者向けの見方

会社の財政状況を表す貸借対照表(バランスシート)」は、会社の1会計期間経営成績を表す「損益計算書」と同時に作成される、決算書の一種です。貸借対照表の基本的な見方、さらには、貸借対照表を比較するためのチェックポイントについて説明します。

貸借対照表(バランスシート)とは?その役割と作る目的

貸借対照表
貸借対照表は大きく左側と右側に分かれ、左側には資産、右側には負債と純資産があります。

まず資産、負債、純資産のそれぞれを確認していきましょう。

資産

資産は、カンタンにいうと将来の収入につながるものです。

資産の具体例は、現金預金、株式などの有価証券、車や土地などです。
現金預金はお金そのものですし、株券や車は売却することで収入につながります。
したがって、これらのものは貸借対照表で資産に表示されます。

負債

負債は、将来の支出につながるものです。

負債の具体例は、クレジットカードの未払金借入金です。
これらのものは将来に支払う義務があり、支出につながるため負債になります。

純資産

純資産は、カンタンにいうと資本金です。

資本金とは、株主から会社へ出資されたお金のことです。
詳細は後述しますが、初めのうちは純資産を資本金と考えて問題ありません。

重要なポイントは、負債と純資産を区別することです。
負債は将来の支出があるのに対して、純資産は基本的に将来の支出がありません。
配当金で会社から株主へお金を支払いますが、配当金の支払いは義務ではないため負債のような強制力がありません。

貸借対照表のルール

貸借対照表には、以下の基本的なルールがあります。

  • ある一時点の情報であること
  • 左側と右側の合計は必ず一致すること
  • お金で表せないものは表示されないこと

まず、「ある一時点の情報であること」は、貸借対照表は会社の財産を写真のように切り取った情報であるということです。
詳しくいうと貸借対照表には必ず「〇年〇月〇日」という日付が記載されます。
つまり貸借対照表はこの日付に会社が持っている資産や負債の状況を表しているということです。

補足として損益計算書の日付では「〇月〇日~△月△日」という期間が指定されます。
損益計算書は期間の流れを表す情報のため「フロー情報」といい、それに対して貸借対照表はある一時点の「ストック情報」と言われます。

次に、貸借対照表の左側の合計と右側の合計は必ず一致します。
つまり、以下の式が必ず成立するという意味です。

資産の合計 = 負債の合計 + 純資産の合計

左側と右側が一致する理由は、簿記の仕組みが関係しています。
簿記では様々な場面で、左側と右側が一致することで間違いが無いことを確認します。この性質から、貸借対照表も必ず左側と右側が一致します。
反対に一致しなければどこかに間違いがあることになります。

最後に、貸借対照表はお金で表せないものは表示されません。
例えば100年の歴史というブランドがあるお店でも、100年の歴史はいくらの金額価値があるのかわかりません。
このようなお金で表せないものは貸借対照表に表示されません。

貸借対照表の左側(資産)の詳細

貸借対照表の資産はある一時点の情報で、会社が持っている資産の情報です。
さらに資産は流動資産と固定資産に分かれます
流動と固定というのは、1年を基準にしてお金になるかならないかを区分して表したものです。貸借対照表では1年基準またはワンイヤールールというルールがあり、1年以内にお金になるものは流動に表示し、1年以上かかってお金になるものは固定に表示します。

流動資産

流動資産は、1年以内にお金になるものです。
文字通り「流動」のため1年以内に、「資産」のためお金になるものです。

流動資産の具体例は以下があります。

など

現金や預金はお金そのもので、それ以外は基本的に1年以内に収入につながるものです。

固定資産

固定資産は、1年以上かかってお金になるものです。
文字通り「固定」のため1年以上であり、「資産」のためお金になるものです。

固定資産の具体例は以下があります。

固定資産は、基本的にすぐにお金にするのが難しい資産です。

補足として、固定資産は有形固定資産無形固定資産、投資その他の資産に分かれます
建物は物理的な形があるため有形固定資産になり、ソフトウェアは形が無いため無形固定資産になります。投資その他の資産は、投資目的の不動産や株式などがあります。

繰延資産

初めのうちは、繰延(くりのべ)資産は重要でないため読み飛ばしても問題ありません。
繰延資産は、過去に支払った特定の費用です。

繰延資産は5つに限定されていますが、代表的なものは開業費です。
開業費は会社を開業するときにかかった費用で、特に物理的な物はないため売却することができずお金になりません。
お金にならないため資産になるかどうかという論点がありますが、制度的に資産になっています。

繰延資産は将来的に、償却(資産を取り崩して費用にすること)して資産から無くなります。

貸借対照表の右側(負債・純資産)の詳細

貸借対照表の右側は、負債と純資産です。
負債と純資産は、お金を支払う強制力や義務で区別します。
負債はお金を支払う義務があるのに対して、純資産はありません。

それぞれ内訳を確認していきましょう。

流動負債

流動負債は、1年以内にお金を支払うものです。

1年基準は流動資産、固定資産でも説明した通り負債にも適用されます。
流動負債の具体例は以下の通りです。

流動負債は、1年以内にお金を支払うものが該当します。
詳しくは後述しますが、すぐにお金になる流動資産とすぐに支払う流動負債を比較することで会社の短期的な支払能力を分析することができます。

固定負債

固定負債は、1年以上かかってお金を支払うものです。

固定負債の具体例は以下の通りです。

固定負債は上記のような1年以上支払うものが該当します。
なお、退職給付引当金は従業員の退職金を表したもので、基本的に退職まで1年以上はかかるため固定負債に分類されます。

株主資本

純資産は以下の3つに分かれます

初めのうちは、評価換算差額等と新株予約権は無視しても問題ありません。

株主資本は、株主から出資されたお金を表します。
特に最初に出資された部分を資本金といい、資本金を元手にして増やした利益部分が利益剰余金として表示されます。

負債との区別でも説明しましたが、株主資本は返済する必要がありません。
株式資本は会社にとって自分のお金ということができるため、自己資本と呼ばれることがあります。それに対して負債は他人から集めたお金のため他人資本と呼ばれることがあります。

初心者でもわかる貸借対照表の見方

貸借対照表の見方を説明しましたが、それぞれの項目を見ているだけでは、企業の財政状況はよくわかりません。経営者が経営改善に生かす、あるいは投資家が経営状況を適切に判断するには、貸借対照表の項目を利用した分析が必要です。貸借対照表にはどのようなチェックポイントがあるのか、代表的な経営分析と計算方法を紹介します。

流動資産・流動負債

貸借対照表を見れば、会社の資金繰りがうまくいっているかどうかを分析することができます。短期的な資金繰りを確認するのに注目したいのが、貸借対照表の各部門の項目のうち、「流動資産」、「流動負債」に分類されるものです。

前述のように、貸借対照表の流動資産は、営業循環の中の会計科目か1年以内に回収する会計科目で、流動負債は1年以内に支払う義務のある会計科目になります。いずれも短期間のうちにキャッシュ(現金)が動く項目になるため、両者を比較することで会社の資金繰りに問題がないか確認できます

計算方法は特にありませんが、基本的には「流動資産>流動負債」になっていれば、当面の資金繰りには大きな問題はないといえるでしょう。

流動比率・当座比率

会社が支払い能力を十分に有しているか分析したいなら、「流動比率」や「当座比率」といった分析があります。流動比率は、流動資産と流動負債の割合のことです。以下の計算方法で、流動比率を求めます。

流動比率(%)= 流動資産 ÷ 流動負債 × 100

流動比率は高いほど、支払い義務のある流動負債の支払いをカバーできると考えられます。少なくとも100%以上は確保しておきたいところです。なお、流動資産の中には、貸倒れになるかもしれない債権、現金化が遅れるかもしれない債権も含まれますので、100%を超えて、高ければ高いほど、返済不能になるリスクを回避できると考えられます。

当座比率については、以下の計算方法で求めます。

当座比率(%)= 当座資産 ÷ 流動負債 × 100

ここでの「当座資産」とは、不確実性の高い棚卸資産などを除いた現金など、より流動性の高い資産を指します。流動比率よりも、より確実性の高い支払い能力をチェックすることが可能です。

自己資本比率

自己資本比率」とは、何かに対する貸借対照表の自己資本の割合ということになります。自己資本と比較する「何か」とは、総資本(負債と純資産の合計)です。計算方法は以下のようになります。

自己資本比率(%) = 自己資本÷総資本 × 100

上記の計算式を使えば、割合が大きいほど、総資本における自己資本の割合が多いと判断できます。自己資本比率が大きければ、返済の義務がある負債は少ないと考えることができ、負債による倒産のリスクは減ります。

反対に自己資本比率が小さければ、それだけ負債の割合が大きいということです。自己資本比率は、小さければ小さいほど財務の健全性は低いと判断されます。

自己資本利益率

自己資本利益率」とは、自己資本と当期純利益を比較した割合のことです。
意味としては、自己資本からどのぐらいの利益を生み出しているかを表します。

計算式は以下の通りです。

自己資本利益率(%)= 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100

なお、自己資本は株主資本の合計のことです。

自己資本利益率は、大きい方が利益を生み出しているため望ましいです。
また株主の観点からすると、株主が出したお金をうまく運用しているかどうかを判断する数値になるため重要な指標になります。

負債比率

「負債比率」とは、負債と自己資本を比較した割合のことです。
計算式は以下の通りです。

負債比率(%)= 負債 ÷ 自己資本 × 100

式の意味としては、株主資本(自己資本)のうち負債(他人資本)がどのぐらいあるのかを表します。負債比率の目安は業種によって様々です。

負債比率は小さいほど負債が少ないことを意味しますが、小さいほど良いということでもありません。負債比率が小さいほど安全性が高くなりますが、反対にいうと消極的ということでもあります。

貸借対照表の作成には「マネーフォワード クラウド会計」

マネーフォワード クラウド会計」は、日々の会計処理を入力することによって、自動的に決算書の作成ができる仕組みになっています。もちろん決算書の一種である、貸借対照表の自動作成にも対応しています。作成された貸借対照表は、PDFに出力したり、アカウント共有によって複数人とデータを共有したりすることも可能です。

そのほかにも、「マネーフォワード クラウド会計」なら、入力したデータから自動で作成される、前期比較、キャッシュフローレポート、得意先・仕入先レポート、財務指標(β)といった、管理会計に便利なレポートも活用できます。レポート機能はグラフ付きで視覚的に判断しやすいようになっており、財務分析に慣れていない担当者や経営者でも使いやすいでしょう。

貸借対照表を正しく理解して決算書を読み解こう

一般的に広く使われている勘定式の貸借対照表は、左側に資産、右側に負債と純資産を並べることで、企業の財政状況を示します。重要なのは、貸借対照表を正しく読み取って、企業の経営状態や財務状況などの分析に役立てることです。

貸借対照表を活用して分析を行えば、短期的または長期的な資金繰りのチェック、健全性チェックなどができます。分析結果を踏まえて、財務的な面から会社をより良い方向へと導きましょう。

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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