• 更新日 : 2021年6月29日

仮払金の仕訳はどうする?財務諸表での位置付けと取り扱い

仮払金の仕訳はどうする?財務諸表での位置付けと取り扱い

交通費や旅費、内容不明分の仮処理など様々な支払いを振り分けられる仮払金。

ここではこの勘定科目の基本的な考え方をはじめ、財務諸表での位置付けや仕訳の方法など、実務に必要な知識について例を挙げながら解説します。

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仮払金の財務諸表での位置付け

仮払金とは?

仮払金とは使途が不明、もしくは金額が未確定の場合に概算して一時的に支払われたお金を指します。仮払金と紛らわしい勘定科目に「仮受金」がありますが、こちらは入金理由が不明もしくは金額が未確定のまま一時的に受け取ったお金です。

本来これらのお金は決算時までに精算もしくは振替を行い、実際の取引内容に合致した勘定科目に振り分けなくてはなりません。

しかし貸借対照表日までに精算が終わらなかった場合、金額が資産の金額の5%を超えるものについては、取引内容を示す名称を付けた科目を使って貸借対照表に記載する必要があります(例:建設仮勘定、ソフトウェア仮勘定など)。

貸借対照表での仮払金の位置付け

仮払金は財務諸表の中では資産の部の流動資産のうち、その他の中の「その他の流動資産」に分類されます。流動資産の中でも現金化しやすい当座資産、生産・販売・管理に必要な棚卸資産以外の資産に使われる区分です。

仮払金や仮受金のほか、短期貸付金や抵当証券その他の証券、仮払消費税などが含まれます。

ただし財務諸表等規則第19条によれば金額が総資産の5%以下のものに関しては「その他の流動資産」として一括で記載することが許されています。

※短期貸付金:貸付金のうち決算日の翌日から起算して1年以内に返済されるもの。
※抵当証券その他の証券:不動産などを抵当(担保)にした貸付債権を証券化して販売される抵当証券。個人向け住宅ローンを証券化したモーゲージ担保証券など、金融商品会計基準上で有価証券として扱われないもの。
※仮払消費税:期中に消費税の仕入れ税を支払ったときに一時的に計上する勘定科目。多くの企業が採用している消費税の会計処理方式「税抜き方式」の場合に使われる。

仮払金として振り分ける際の注意点

通帳などを見ながら仕訳をする場合、内容がすぐにはわからない可能性もあります。その都度資料などにあたって調べていると、いつまでも仕訳が終わりません。そのようなときに仮払金を使えば、あとでまとめて調べて適切な科目に修正することができます。

しかし一度仮払金に振り分けたら、できるだけ早く精算もしくは振替をしなくてはなりません。長期間取引内容を確認せずに放置してしまうと、実際の取引内容を調べるための時間が余計にかかってしまうからです。

仮払金はあくまで「一時的に振り分ける勘定科目である」という認識を忘れないようにしましょう。

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仮払金の仕訳例

出張費用として現金20万円を従業員に渡したケース

借方
貸方
仮払金
200,000円
現金
200,000円

実際の出張費用がいくらになるかわからないため、従業員に現金で20万円を渡した場合を考えましょう。このとき現金20万円は減るため、貸方科目が現金となり、金額は20万円となります。

現金が減った理由は仮払金を従業員に渡したことにあります。したがって借方科目が仮払金となり、金額は20万円です。摘要欄には「交通費の仮払い」「交際費の仮払い」などと記入します。

従業員が出張費用を全額使い切らなかったケース

借方
貸方
旅費交通費
80,000円
仮払金
200,000円
交際費
50,000円
現金
70,000円

仮払金を現金で受け取った従業員が出張から帰ってきました。どうやら渡した20万円を使い切らなかった様子です。精算をしてみると旅費交通費が8万円、交際費が5万円でした。

振替仕訳するので仮払金は貸方に記入されます。摘要欄には「仮払金精算」「経費の精算」などと記入します。金額は20万円です。仮払金20万円の内訳は旅費交通費8万円と交際費5万円です。

しかしこれだけでは借方と貸方の金額が一致しません。なぜなら出張費用を全額使い切っていないからです。このような場合は残額を現金として、借方に7万円(20万円−(8万円+5万円)=7万円)を記入し、左右の金額を一致させます。

渡した出張費用では不足していたケース

借方
貸方
旅費交通費
120,000円
仮払金
200,000円
交際費
100,000円
現金
20,000円

仮払金を現金で受け取った従業員が出張から帰ってきました。どうやら20万円では今回の出張費用は足りなかったようで、自腹で2万円を支払ったとのことです。精算をしてみると旅費交通費が12万円、交際費が10万円でした。不足分は現金で2万円を支払うとします。

このとき振替仕訳をする仮払金は貸方に記入され、その内訳である旅費交通費と交際費は借方に記入されます。不足分の現金は減少していたお金なので貸方に記入されます。これにより借方と貸方の金額が一致します。

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まとめ

仮払金は勘定科目の1つですが、あくまで「仮で支払うお金」です。そのため仮払金に振り分けた取引は、できるだけ早いうちに本来の勘定科目に振替を行うのが基本です。

仕訳処理を効率的に行うための一時的な手段として認識し、取引内容が確認できなくなるまで放置することのないようにくれぐれも注意しましょう。

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よくある質問

仮払金とは?

使途が不明、もしくは金額が未確定の場合に概算して一時的に支払われたお金を指します。詳しくはこちらをご覧ください。

貸借対照表での仮払金の位置付けは?

財務諸表の中では資産の部の流動資産のうち、その他の中の「その他の流動資産」に分類されます。詳しくはこちらをご覧ください。

仮払金として振り分ける際の注意点は?

仮払金はあくまで「一時的に振り分ける勘定科目である」ものなので、一度仮払金に振り分けたら、できるだけ早く精算もしくは振替をしなくてはなりません。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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