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  • 更新日 : 2021年6月10日

安全性分析のための5つの指標~企業の決算書を分析して安全性を確認

企業の財務についての分析の中で、安全性分析という言葉を聞くことがあります。安全性分析とは一体どのようなものなのでしょうか。ここでは、安全性分析とは何かという点と併せて、その分析に使用している指標とその計算方法等の紹介、およびその指標を用いた分析にあたっての留意点について紹介していきます。

安全性分析とは?なぜ必要か

安全性分析とは、企業の経営の安定性を決算書の内容から分析する手法のことを言います。
企業の経営の安定性とは、継続的に経営ができる状況であるか、ということになります。お金の面からそのことを一言でいえば、資金繰りが安定しているか、という点に集約されます。
企業は収益が出ていても、資金繰りが回らなくなると、倒産することがあります。また、財務内容が悪化すると、資金調達力が低下して、資金繰りが悪化するということもあります。
このような資金繰りが悪化するリスクを、決算書の内容から分析するのが安全性分析です。
以下では、安全性分析のために用いられる指標のうち代表的な5つの指標について紹介します。

安全性分析の指標:株主資本比率

株主資本比率の計算式:株主資本÷総資産×100(%)

総資産の額に対する株主資本の割合を計算したものです。負債(=他人資本)によって資金調達している企業はこの割合が低くなります。株主資本比率は業種・業態によっても大きく異なり、収益に対して総資産が膨らみやすい業態では低くなることがあります。通常の優良企業であれば数10パーセントの所もありますが、銀行等では10%程度が適正です。
この比率は収益変動のバッファの保有状況も意味しており、業績変動の大きい企業の場合、この比率が低いと、業績変動によって債務超過となりやすくなります。

安全性分析の指標:流動比率

流動比率の計算式:流動資産÷流動負債×100(%)

企業の資産には、内容が常に変動していくものと、長期間に渡って固定するものがあります。流動性の高いもの、および、1年以内に受け取り・支払いが可能な資産・負債を流動資産・流動負債といいます。流動資産の流動負債に対する比率を示す指標を流動比率といい、短期的な企業の資金繰り状況を示す指標とされています。流動比率は100%以上であることが必須とされており、その割合が崩れていると、資金の回収・支出のタイミング次第では、資金ショートの可能性が懸念されます。

安全性分析の指標:当座比率

当座比率の計算式:当座資産÷流動負債×100(%)

当座資産とは流動資産の中でも、特に流動性の高い、現預金・有価証券売掛金などの資金化が容易な資産のことをさします。その当座資産と流動負債の割合を示すものが当座比率です。流動比率に近い概念ではありますが、当座資産に絞っているため、より実態的な資金繰り状況を示しています。

流動比率では100%以上であることが必須であるとしましたが、当座比率では100%を超えることが望ましいです。100%以上であるということは、手持ちの資金で1年以内に支払期限の債務が全て支払えるということを意味しているからです。
この比率が低下すると、流動比率と同様に、そのタイミング次第では資金ショートの懸念がでてきます。

安全性分析の指標:固定比率

固定比率の計算式:固定資産÷自己資本×100(%)

固定資産と自己資本の割合を示す指標であり、固定資産に対する投資について、返済が不要である自己資本によってどの程度まかなっているかを示しています。
固定資産には、企業が投資した資産のうち1年以上の長期間にわたって保有する資産が計上されています。そのため、その複数年を通じて資金回収を行っていく性格の資産となります。その固定資産を取得するにあたって、負債によって取得することは、資金回収と支払時期のギャップによって資金繰りが不安定になる危険性を生みます。固定比率はその危険性を示しています。
固定比率は100%以下であることが望ましいとされますが、装置産業では高くなる傾向があるため、業態も含めて検討する必要があります。

安全性分析の指標:インスタント・カバレッジ・レシオ

インスタント・カバレッジ・レシオの計算式:(営業利益+受取利息+受取配当金)÷(支払利息+割引料)(倍)
その企業が獲得している安定した事業からの利益(営業利益・受取利息・受取配当金)が、その企業が支払う必要とある支払利息・割引料の何倍有しているかを示す指標です。
安定した利払いを行うことができる収益力を有しているかどうかを判定することができます。倍率での計算であり、現在の収益が何分の一になったときまで利払い能力を有するかを示している指標のため、最低でも1倍以上であることが必須となります。
1倍を下回ると、自己資金を取り崩しながら利息の支払いを行うこととなるため、経営としては非常に不安定になります。

安全性分析にあたって留意すべきこと

今回は、安全性分析とは何かということと、その分析に使える指標として代表的な5つの指標を紹介しました。安全性の分析のためには、他にも固定長期適合率、経常収支比率など、様々な指標が存在しますが、この指標を見ておけば絶対大丈夫というものはありません。分析の目的に基づいて、各種の指標の数値を比較検討し、バランスをもって判断をしていくことが重要です。
また、各指標の数値の推移を見ていくことで、より一層、その企業の状況や傾向がわかるようになりますので、過去からの数字も含めて分析していくことが重要です。

よくある質問

安全性分析とは?

企業の経営の安定性を決算書の内容から分析する手法のことを言います。詳しくはこちらをご覧ください。

安全性分析の指標にはどんなものがある?

株主資本比率、流動比率、当座比率、固定比率、インスタント・カバレッジ・レシオがあります。詳しくはこちらをご覧ください。

安全性分析にあたって留意すべきことは?

分析の目的に基づいて、各種の指標の数値を比較検討しバランスをもって判断することなどが重要です。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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