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  • 作成日 : 2020年12月15日

売上高とは?意味や定義、営業利益や純利益との違いをわかりやすく解説

経営に関する参考書や株式のニュースなどで「売上高」や「営業利益」「純利益」という単語を見聞きする人も多いかと思います。なんとなくイメージはついても、具体的に説明をできる人は少ないのではないでしょうか?

そこで今回は売上高や営業利益、その他純利益など、経営において必ず目にする用語に関して分かりやすく説明していきます。各用語の定義をしっかり整理して、経営における基礎知識をつけていきましょう。

売上高とは?その意味は?

売上高とは、企業がサービスや商品を提供することにより稼いだ、売上金額の総額のことを指します。

この売上高が高いと企業の儲けが高いことを表し、逆に低いと企業の儲けが低いことを表しています。そのため、決算書でまずチェックしておきたい項目の1つです。また、売上高に似た言葉に営業収益があります。どちらも明確な使い分けは難しいですが、あえていうと、商品・製品など有形物からの売上を売上高、サービスなど無形なものから得た売上を営業収益といいます。

売上高は、企業が最終的にどれだけの利益を出しているか算出する際の源泉となる非常に重要な数値といえるのです。

売上高の意味

売上高の意味は「企業がサービスや商品を提供することにより稼いだ、売上金額の総額」です。例えば、商品Aを1,000円で販売し、1つ売れれば、売上高は1,000円となります。また、売上高から経費などを差し引いたものが「利益」です。例えば売上高が1,000円で、人件費や原価などの経費が800円の場合は、利益は200円(1,000円-800円)となります。

売上高が大きければ大きいほど、その企業の儲けの元が大きいことを意味するので、各社は売上高を増やそうと、さまざまな施策を講じています。

売上高は損益計算書上の項目

財務諸表は、1年間でどれくらいの利益を上げたかを表す「損益計算書」と財産や借金を表す「貸借対照表」の2つで構成されています。売上高は、この損益計算書上の項目です。損益計算書の1番上に売上高が記載されており、その下に販売目的の仕入れや人件費などの経費が書かれています。1番上の売上高からどんどん経費を差し引いていけば、利益を計算することができます。

営業利益・純利益などの利益との違い・関係

前項では売上高について説明しました。続いて、ここでは営業利益など各種利益について見ていきます。

売上高から各種費用を差し引いていったものが「利益」となるのですが、どの費用を差し引くかによって、計上する利益は異なります。しっかり、売上高から何を差し引くと、どんな名称の利益になり、またその利益は何を意味するのかを整理していきましょう。

(1)粗利益(売上総利益)とは

粗利益売上総利益)とは、図にあるとおり、売上高から売上原価(製造業の場合は人件費を含む製造原価)が差し引かれた利益のことです。この粗利益を見ることで「本業でどれくらいの利益を出しているのか」を測ることができます。計算式で表すと「粗利益(売上総利益)=売上高-売上原価(製造原価)」となります。

パン屋を例にとると、原価50円の焼きそばパン150円を30個販売した場合には、3,000円{(150円-50円)×30個}が粗利益です。注意点としては、小売業では売上原価に人件費は含まれません。それに対し、製造業では製造原価に人件費が含まれます(小売業では人件費は「販管費」に含まれる)。そのため製造業の場合だと、例えば原価50万円の商品を販売価格100万円で販売し、人件費が20万円だとすると、人件費20万円も差し引いた30万円が粗利益となります。

このように、製造業は粗利益が小売業に比べて低くなっている可能性があることを考慮した方が良いでしょう。

(2)営業利益とは

営業利益とは、図のとおり粗利益(売上総利益)から売上原価を除く、コスト(販売費および一般管理費)を差し引いた額を指します。計算式では「営業利益=粗利益-(販売費+一般管理費)」で求めることができます。この営業利益が大きければ大きいほど「本業で儲かっている」と判断することが可能です。

逆に、営業利益が赤字の場合は「本業が厳しい状況にある」とみなされてしまいます。また「販売費」は販売管理費や広告宣伝費などの営業に関係する経費を指し「一般管理費」は人件費・家賃・水道光熱費など営業には直接関係ない業務の経費を指します。営業利益の具体例として例えば、売上高が100万円、売上原価が50万円、販売費・一般管理費が30万円の場合には、営業利益は「20万円」になります。

(3)経常利益とは

経常利益とは、企業が事業全体で経常的に得た利益を表し、本業で稼いだ利益である営業利益とそれ以外の業務で得た利益(営業外利益)を足したものです。計算式は図のとおり「経常利益=営業利益+営業外利益-営業外費用」で算出されます。

「経常」とは「コンスタント」という意味なので、経常利益は「企業が毎期コンスタントに稼いでいる利益」と覚えておきましょう。「営業外利益」には、受取利息や株の売買益などが含まれます。例えば小売業であっても、受取利息があれば、営業外利益として、経常利益に組み込まれます。以下のケースで具体的な数字を見ていきましょう。

  • 売上高:1,000万円
  • 売上原価:300万円
  • 販売費・一般管理費:400万円
  • 営業外利益:400万円
  • 営業外費用:200万円

このケースでの経常利益は「1,000万円-300万円-400万円+400万円-200万円」で500万円となります。

(4)当期純利益とは

当期純利益とは「当期の企業の活動でどれくらいの利益が出たのかを表すもの」です。図のとおり、当期純利益は、税引前当期純利益(経常利益+特別利益ー特別損失)から法人税・住民税・事業税を引いたもので「当期純利益=税引前当期純利益(経常利益+特別利益-特別損失)-法人税-法人住民税-法人事業税」で求めることができます。

簡単にいうと「売上から税金や経費など掛かった費用を全て引いた、企業が最終的に稼いだ利益」になります。当期純利益は従業員の賞与をどの程度出せるかの指標にもなるため、参考程度にチェックしておいても良いかもしれません。

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経営において最低限必要な売上高とは?

経営において最低でも必要な売上高はどれくらいなのでしょうか。1つの指標として、損益計算書で「損益分岐点」を見てみることが大切です。

(1)損益分岐点について

「損益分岐点」とは、売上高と費用の額がちょうど等しくなる売上高、販売数量を指します。損益分岐点に売上高が達しなければ、収支は赤字となり、損益分岐点を売上高が超えていれば収支は黒字となります。

損益分岐点を超えないと収支が赤字になってしまうため、経営者は損益分岐点を超えるように、経営をする必要があるのです。

(2)損益分岐点における費用とは

前項では「損益分岐点は売上高と費用の額がちょうど等しくなる売上高、販売数量を指す」と述べました。つまり、売上高と費用を算出できれば、損益分岐点を出すことができるのですが、ではここでいう「費用」とは何でしょうか。

費用は「変動費」と「固定費」に分かれます。変動費とは、アルバイトの給与や商品仕入れ費など売上高の増減で変動する費用のことです。一方固定費とは、水道光熱費や賃料、正社員の人件費、広告宣伝費など、売上高がいくらであろうと固定して必ず発生する費用を指します。固定費は例え売上がなかったとしても、必ず発生するものと覚えておきましょう。

しかし、この変動費と固定費を厳密に分けるとなるとなかなか難しいのが現状です。例えば、人件費ひとつとっても、通常であれば毎月売上に関係なく一定額の費用が発生するため固定費に分類されます。しかし、繁忙期などで日々多かれ少なかれ残業が発生すると、変動費の要素を持ち始めます。このように、変動費と固定費は分けるのが難しいケースもあるのです。

変動費と固定費の分け方はいくつかありますが、最もよく利用されているのが中小企業庁が示す「勘定科目」で仕訳するという方法。

以下が中小企業庁が分類する「勘定科目」です。

固定費変動費
直接労務費、間接労務費、福利厚生費、減価償却費、賃借料、保険料、修繕料、水道光熱費、旅費、交通費、その他製造経費、販売員給料手当、通信費、支払運賃、荷造費、消耗品費、広告費、宣伝費、交際・接待費、その他販売費、役員給料手当、事務員
(管理部門)・販売員給料手当、支払利息、割引料、従業員教育費、租税公課、研究開発費、その他管理費
直接材料費、買入部品費、外注費、間接材料費、その他直接経費、重油等燃料費、当期製品知仕入原価、当期製品棚卸高―期末製品棚卸高、酒税。
固定費変動費
販売員給料手当、車両燃料費(卸売業の場合50%)、車両修理費(卸売業の場合50%)販売員旅費、交通費、通信費、広告宣伝費、その他販売費、役員(店主)給料手当、事務員(管理部門)給料手当、福利厚生費、減価償却費、交際・接待費、土地建物賃借料、保険料(卸売業の場合50%)、修繕費、光熱水道料、支払利息、割引料、租税公課、従業員教育費、その他管理費
売上原価、支払運賃、支払荷造費、支払保管料、車両燃料費(卸売業の場合のみ50%)、保険料(卸売業の場合のみ50%)
注:小売業の車両燃料費、車両修理費、保険料は全て固定費
固定費変動費
労務管理費、租税公課、地代家賃、保険料、現場従業員給料手当、福利厚生費、事務用品費、通信交通費、交際費、補償費、その他経費、役員給料手当、退職金、修繕維持費、広告宣伝費、支払利息、割引料、減価償却費、通信交通費、動力・用水・光熱費(一般管理費のみ)、従業員教育費、その他管理費
材料費、労務費、外注費、仮設経費、動力・用水・光熱費(完成工事原価のみ)運搬費、機械等経費、設計費、兼業原価

【参考】中小企業庁|損益計算書の内訳の作り替え

(3)最低限必要な売上高の具体的な計算方法

さて、最後に最低限必要な売上高の具体的な計算方法をお伝えします。以下の式を用いて、損益分岐点を明確化し、必要な売上高を求めましょう。

達成すべき売上高(販売量×販売価格)ー変動費率(変動費率×販売数量)+固定費=達成したい利益

計算式にある「変動費率」とは売上高に対する変動費の割合のこと。この変動費率が低ければ低いほど、利益が多く生まれます(例えば100万円の売上に対し、変動費が50万円の場合、変動費率は0.5になります)。上記計算式に、達成したい利益を当てはめ、その後に「変動費」と「固定費」を当てはめることで、達成すべき売上高を求めることができます。

収支がプラスマイナス0となる損益分岐点も知っておきたい場合は、以下の計算式を使いましょう。

損益分岐点売上高=変動費(変動費率×販売数量)+ 固定費

上記計算式のようにこのように変動費と固定費を足し合わせることで、経営者は最低限いくらの売上高を達成すれば、赤字にならないかを明確化することができます。

売上高は企業の利益の源泉

今回は、売上高とは何か、また売上高に関連する各種利益について説明してきました。

本記事で見てきたとおり、売上高から各種費用を差し引いていったものが、営業利益や当期純利益など各種利益となります。言い換えると、売上高が全ての利益の源泉であり、売上高を増やせば、利益を伸ばすことにも繋がります。こうした理由から、企業経営をする上で、売上高を正しく理解し意識することは大変重要になります。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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