- 更新日 : 2024年8月8日
話題の販売促進費用補助制度を徹底解説!
目次
販売促進費用補助制度とは?
スタートアップ経営者、起業家の方で、新規ユーザーや新規顧客の獲得、ないしは自社サービスの認知拡大に頭を悩ませている方は少なくないでしょう。その際、広告をうつか、展示会に出展するのか、ダイレクトメールを送るのか、その手段は数多く存在します。しかし、どの手段を利用するにしてもネックになるのが、その費用。起業して間もない、キャッシュを生み出せてない中で、宣伝や販売促進に費用をかけるのは大変ではないでしょうか。
また、さらに事業を拡大させるための人員増強や新商品開発などを行いたいものの、現状のキャッシュフローを考えると二の足を踏んでしまうという方もいるのでは無いでしょうか。
そういった方の事業を後押ししてくれる制度が販売促進費用補助制度なんです。販売促進費用補助制度とは、正式名を「小規模事業者持続化補助金」と言い、商工会議所を活用しながら、その地域の経済を支える事業者の活性化を図るために設けられた制度です。
対象となる企業は?
1.小規模事業者であること
主に従業員数が20名以下の法人や個人事業主、士業の方などの小規模事業者を対象としている補助金です。ただ「補助金がある」とはわかっても、起業家にとって気になるのは、自分たちの事業だと採択されるのか?ということだと思います。では、どういった事業を対象としているのかについて紹介したいと思います。以下の図をご覧ください。
※ただし、以下の事業者は対象外となっております。
事業協同組合、有限責任事業組合、NPO法人、学校法人、農事組合法人、宗教法人、医療法人、任意団体など
*詳しくはこちらをご覧下さい。
2.下記12項に該当する経費であること
費用・経費がすべて認められる訳ではなく、内容としては上記の12項が対象として想定されており、起業家の方にとっては広報費や開発費、委託費などが該当するのではないでしょうか。
3.販路開拓に取組むための事業であること
本補助金は幅広い事業を対象としていることから、どんな事業で応募しても採択される可能性はあるのですが、そこで重要なことはその事業が「販路開拓に寄与するか否か」ということです。
つまり、既存の顧客のリピート率を増やすためであったり、現状の事業や売り上げを単純に拡大するための内容ではなく、新規顧客の獲得に繋がるであろう事業であることが採択されやすいということです。
上記のことから、どういった事業なら採択されるのかについてだんだんイメージができてきたかと思います。では、次にどれくらいの補助金が出るのかについてご紹介したいと思います。
事業でかかった経費の3分の2を補助金として支給
最大50万円の支給額
今回の制度は小規模事業者を対象としていることから、数百万、数千万といった規模の補助ではなく、販路開拓にかかったの経費の3分の2を対象としています。ただし、経費の3分の2が全て支払われるのではなく、上限を50万円とした補助金となっています。
例えば、新商品開発費に90万円かかった場合、その3分の2である60万円が補助されるのではなく、あくまで上限の50万円が補助される形になります。別の例ですと、宣伝広告費に45万円かかった場合は、その3分の2である30万円が補助されるといった具合になります。
50万円を超える特例も
基本的な補助金の上限は50万円なのですが、場合によっては50万円を超える補助をされることがあります。その事業が「授業員の賃金を引き上げる取組」などであるならば、そこにかかった経費・150万円に対して、3分の2である100万円を上限として補助されるので、覚えておくと良いかもしれません。
採択された事業にどういったものがあるのか
補助金をもらい、事業をする上で一つのハードルとなっているのが申請です。どの申請用紙を準備して、どこに提出すればいいのかがわかり辛く、面倒であると感じている方も少なくないでしょう。ただ、今回の制度はこれまでの制度の申請に比べ、そういった作業負担が少ないと思われます。では具体的にどういった申請プロセスなのか見てみましょう。
申請期間
平成29年度補正予算の公募は5月18日までとなっています。
*申請期間についての詳細は、こちらを参考ください。
応募書類
本サイトから申請様式をダウンロードし、必要事項を記載した上で、個人事業主の場合は確定申告書も加え、最寄りの商工会議所へ行き、所定事項を記入してもらう必要があります。
最寄りの商工会議所の確認、所定事項の記入が済んだ後、「日本商工会議所 小規模事業者持続化補助金 事務局」へ提出してください。
(申請書提出先・問い合わせ先)
日本商工会議所 小規模事業者持続化補助金 事務局
〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷3-11-8
電話番号 03-5413-7221
問い合わせの対応時間は、9:30~12:00、13:00~17:30(土日祝日除く)
応募可能回数
応募件数は同一事業者から1件、また1度採択を受けた事業者は年度内には採択されないため、申請することができません。ただし、第1次公募で不採択となった事業者は第2次公募へ応募することが可能なので、申請内容で上手くいかなかった方は再度練り直して応募してみると良いのではないでしょうか?
まとめ
おさらいとなりますが、販売促進費用補助制度は主に従業員数が20名以下の法人や個人事業主を対象とした制度です。販売促進費用に加え、販路開拓につながるのであれば、システム開発・新商品開発費や店舗改装費にも活用できるユニークな制度となっています。
補助金については経費の3分の2が支給され、その上限額は50万円となっています。
本制度は幅広い用途での活用が可能で、申請書の種類も多くありません。起業を考えている方や、既存事業の拡大を考えている方はぜひ販売促進費用補助制度を活用してみてはいかがでしょうか。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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