- 更新日 : 2020年9月17日
地方法人税はなぜ創立された?その理由と申告・納付方法について

地方法人税とは、平成26年施行された税制度です。
この税制度の創設の理由と申告方法、納付の仕方について、基礎知識をご紹介します。
地方法人税はどんな税制度?
地方法人税と聞くと、地方に納める税金のように聞こえますが、この税金は国に納めるものです。これまでは、地方税を自治体に納付していましたが、その一部を国に納税するように変更されました。
この税制度の策定は、国から各自治体に分配する地方交付税の財源にし、自治体間で税収にバラつきが生まれないようにする目的で設置されました。
あらたな地方法人税が創設されたことで、税の負担が増えたように聞こえるかもしれません。しかし実際は、地方法人税が増えた分、地方税の税率が下がります。そのため、実際はこれまでの法人税の額と変わらない額を支払うことになり、税負担が増えることはありません。

(出典:法人事業税・地方法人特別税・都民税法人税割の税率の改正について|東京都主税局)
上記の図の通り、地方法人税は、法人税額の4.4%を納めることになりますが、地方税の法人税割は4.4%を割引されます。ベースはどちらも法人税額を基準としていますので、プラスマイナスして納税額は変わりません。
ただし、地方法人税の4.4%が国に納付し、地方法人税はこれまでの4.4%減の額で地方自治体に納付します。国は各地域で集められた4.4%の法人地方税を集約し、それを各自治体に地方交付税として分配するという仕組みです。
地方法人税はいつ、いくら納めるのか
地方法人税は、基準となる法人税額の4.4%となります。そのため、地方法人税額を知りたい場合には、法人税額を割り出してから算出することになります。
この地方法人税は、平成26年10月1日以後、開始事業年度から課税され、申告期限は法人税と同一です。中間申告は平成27年10月1日以後、開始事業年度から適用されるとしています。
地方法人税の申告の期限は、法人税と同一です。これまで法人税を申告していたように申告しますが、4.4%は地方法人税として、これまでの法人税は4.4%の少ない額で申告する形です。
また、この2つの税金を申告する際には、同一の書類で申告できるようになっていますので、会計処理する際にも、間違える可能性などは低いと言ってもいいでしょう。
これまでと大きく納税方法などが変わるわけではありませんので、経理担当者の業務が大変になるということは考えられません。これまでと同様、法人税と合わせて納付すれば問題ありません。
まとめ
地方法人税という新たな税制度が創設されましたが、納税額としてはこれまで納付していた法人税額と変わりはありません。
ただしこの地方法人税は国税で、この税金が創設された意義については、知っておく必要があるでしょう。税金は国民や地域の住民のために使われるものです。どこに納める税金で、何に使われる税金なのか、納める者として、仕組みを理解してしっかり納付したいものです。
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